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第十七話

「あぁ………体中がいてぇ………………」


 杏会長に報告を終え、一日を終えた俺は家に戻りすぐさまベッドの上に寝転がる。

体中の筋肉が悲鳴を上げていたりとかなりきつい状態であるが、昔から何度も同じ症状を味わっているので

何とか耐えることができる。最もひどい時など三日間ほど寝込んでいたときもある。

 もぞもぞと痛む体を動かして仰向けになる。


(甘いよなぁ………)


 最近のことを振り返って思うのはそれだ。

昔から御影の荒事とかに付き合っていた時点で他人に甘かったのかもしれない、

ただ、最近はそれよりも圧倒的に甘い気がする。

 剣もそうだがアリスにあそこまで積極的に協力するなんて甘いのかもしれない―――いいや甘い。


(惚れてるのか?)


――――自分自身に問いかけるが、答えは解らないとしか返せない。

馬鹿馬鹿しい………それよりも考えることがあるだろうがと思考を止め、別のことを考える。

 考えるのは今日の出来事の事だ。

殺しまわってるのは結構なやり手だ。炎を操る奴に風を操る奴、それに加えて結構威力を持った攻撃ができる奴。

もしかしたらもっといるかもしれない。

 今日のことで俺の能力も知られただろう。アリスの能力が知られていたことからして御影達の能力も割れているだろう。


(こっちは把握し切れていないんだがなぁ………………)


 早めに捕まえなければ圧倒的不利になってくる。

あれだけの能力者がいると一般人では何もできない。いいや、普通の能力者でも間違いなく負けるだろう。

 風の能力者の姿も発見できてない。解ったのは敵の能力者一人だけ。

まだ黒幕の姿どころか能力………どんな人物かすら解ってない。


(…………………眠いな)


 無い頭絞りすぎたのか異常な眠気が襲ってくる。

疲れているせいもあるだろう。これ以上睡魔を強くすると眠ってしまいそうなので思考を一時停止する。


 痛む体を起こしシャワーを浴びてもう一度ベッドに寝転がる。

多少は眠気が覚めたがやはり思考を働かせようとすると眠くなる。

 結局俺はそのまま眠ってしまった。


 次の日、俺は御影たちと学園につくなり、教室には向かわずそのまま生徒会室に向かう。

既に杏会長とアリスが居た。その表情は暗い。


「昨日も何件か起きてますか?」

「そや、一昨日よりは少ないけどな、それでも十分な数が襲われてる」

「…………人数を増やしたりはできないんですか?」

「無理やな、二年と三年は別件にでてるし、一年で戦力になりそうなのは声かけとるがだめっぽい」


 そうですかと呟き俺は黙る。

増援が無いなら昨日と同じ方法を取るしかできない。

 結局俺達は昨日と同じく街を回ることにした。

昨日と違うのが回るメンバーで今日は俺と暁のペアで街を回ることになった。


「幸やんと二人っきりなんてめったにないのぉ」

「変な感じに言うんじゃねぇ、そりゃだいたい三人で行動してたからな」


 人気の無い道をひたすら歩く。大通りの方も連日の事件で人気は減っているがまだ多い。

流石に大々的に犯行に及ぶことは無いだろうとの事から今日も路地裏などを中心に回っている。


「なぁ幸やん」

「何だ?」

「剣ちゃんとアリスちゃん、はたまた御影どれが好みなん?」

「………ナンノコトダ?」


 俺は思わずこけそうになる、いきなりその話題を出してくるなんて事態の状況が解ってないんだろうか………。


「黙々と探して見つかるってもんやないし、だったらちと楽しくいこうや」

「考えてたことを読むんじゃねぇ」

「まま、きりきりはけや、どれを選んでもうまくサポートしてみせっから」


 馬鹿馬鹿しいと思いながらもついつい三人を思い浮かべてしまう。

ベツニドウトモオモッテナイカラナ。


「さて………………本題に入ろうや」

「本題なんてあったのか?」


 あるならさっさと言ってくれよ、妄想が爆発するところだった。


「まぁ急ぐことでもないやん」

「うるせぇ、さっさと本題に入れ」

「いやな、ちぃと作戦があるんやけど、のる?」

「聞いてからだ」

「ノリ悪いのう、まぁいいわ、説明したる」

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