散りゆく花びら
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「ほら、レイアさんはここに置いておくのでいつもでも来てくださっていいですよぉ?」
ベティーはギールに見せつけるかのように傷付けられたレイアを置き、腕を広げ、挑発と取れる行動をする。
「…………『蒼炎の花弁』ッ!……」
ギールが名前を叫ぶとギールの目の前から青色の花が咲いた。
5枚に咲き誇った青色の花はベティーに向けられる。
「『一枚目』!」
ボウッと5枚のうち1枚だけ花びらが蒼い鱗粉を撒き散らし燃え尽きる。すると青色の花の雌しべ辺りが妖しく蒼く輝く。
「『飛べ』」
ギールの掛け声と共に妖しく輝く雌しべから閃光が放たれる。
ババババン!!
何かが炸裂するような音が響き渡る。
「…………つぅ!?………これは……フフフ…素晴らしい……」
辺りを包み込む程の閃光が収まるとそこには防御の構えを取り、ボロボロになっていたベティーがいた。
「……当りだ…」
「素晴らしい技ですねぇ……正直貴方を見くびっていましたよギールさん。いやぁ……一瞬でこんなにボロボロにされてしまうとは……」
防御の体制を取っていたベティーだが、ところどころには何かに貫かれた跡のようなものが無数にあり、服が悲惨な状態になっていた。
「何をしたか聞いても良いですかね?」
「…………」
「無視ですかぁ?悲しいなぁ〜?………………折角の最後の時間なんだからもっと喋りましょうよ?」
「……お前の時間稼ぎの戯言を聞いている意味はない………」
「あれ?気付いていましたかぁ?」
ボロボロに傷付けられながらもベティーはおちゃらけた様子で喋る。
「二枚目」
先程と同じように青色の花にある花びらが蒼い鱗粉を撒き散らし燃え尽きる。
「……おっと、さすがに二度目はさせませんよ?」
青色の花の後ろに隠れるギールに目掛けてベティーは距離を詰める為に走り出す。
「!」
物凄い速度で走るベティーだが進行を邪魔するように目の前に蒼い炎が現れる。
「誰がお前を近づけるといった!」
「これはこれは……厄介な相手だ………」
目の前の道を遮る蒼い炎の横から通るように行くが遅かった。
「『飛べ』!」
もう一度、ギールの掛け声と共に青色の花は閃光を放ち、ベティーに襲いかかる。
「くっ!」
無防備の状態で受けてしまったらとんでもない破壊力を生む青色の花。
もし、防御せずに受けたらどうなるかが容易に想像できたベティーは急いで腕を交差させ衝撃に備える。
プシュ〜
顔を守るように腕を交差させ防御をしていたベティーだが、いくら待っても先程の激しい炸裂音は鳴らず攻撃が飛ばなかった。
「チッ……ハズレか………」
「……なるほどぉ………その技、アタリとハズレがあるようですねぇ?……さすがにあんな攻撃を連発されてしまったら僕でも危ないですからねぇ……いやぁ〜良かった良かった……」
ギールの技を見抜いきベティーの心に余裕が現れるが、ギールが怪しく笑う。
「……そうか………お前もさすがにあの攻撃はキツイか……」
「?」
「いや、気にするな……ただ、俺の勝利が確定しただけだ……」
「何?」
自身満々に勝利宣言をするギールにベティーの言葉が苛立ちを含む。
「『三枚目』」
「……フン、今度こそ貴方を殺してあげますよ。ギールさん……」
三枚目の花びらが燃え尽きると同時にベティーが全力疾走でギールの元へと向かう。
蒼い炎がベティーの目の前に現れるが直ぐに横から抜けギールの元へと詰める。
蒼い炎はベティーを拒もうとするが意に介さないように次々と炎を無視し、ついにギールの目の前に立つ。
「残念でしたぁ……貴方は遠距離からの攻撃に適する魔法使い……距離を詰めれば只の一般人と強さは変わらないんですよ………よく炎魔法だけでここまで耐えましたね?……さすがSランク…素晴らしかったですよぉ?」
ベティーとギールの距離は目と鼻の先、近距離戦を得意とするベティーには勝利が確定していた。
「フン……」
嗤うベティーを嘲笑うかのようにギールが鼻を鳴らす。
「残念なのはお前だ。まんまと俺の罠に掛かったな」
ギールはベティーに手を向け口を開く。
「『飛べ』!」
また、先程と同じように青色の花が眩い閃光を放つ。
「はっ……いいでしょう………無駄な足掻きですが、この攻撃を受け止めたら殺してあげますよ…ギールさん……」
「そうか……受け止められたらいいな………」
「何?……」
閃光が辺りを包み込むと轟音が鳴る。
ドドドドドン!!!
先程の炸裂音とは比べ物にならない程の大きな音。轟音は大地を揺らすように鳴り響いた。
「どうだ?受け止められたか?」
閃光が止むとギールはベティーがいた方向に声を掛ける。その方向には地面に巨大な何個もの抉られた跡があり、そこに腕を交差させ血を流し大きく後退る男が立っていた。
「……やってくれるじゃねえか………糞が……」
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