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解き放たれた獣  作者: ぐっさん
獣が産声をあげる
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炎は燃ゆる

近日中に投稿すると言っておいて投稿するのに時間が掛かってしまい本当に申し訳ありませんでした。次からはこのような事が起こらないよう努力いたします。

本当にすいませんでした。


巨大樹そびえる森の中、緑豊かな場に不釣り合いな轟々とした赤があった。


「グウウウオオオオオオ!!!」


小さき龍は縄張りに侵入してきた愚か者に咆哮を挙げる。


低く重い咆哮はその場にいた三人に届く。


地鳴りのような咆哮をものともせず紅い鎧を身に纏った少女レイアは深紅の剣を龍に突き立てる。


「はあああああはあああ!」


レイアは赤龍の硬く刃を通さぬ鱗を見事に突き刺した。


「グウウウウウウウ!?」


赤龍は己の最強の鎧が刃を通した事に驚きを隠せずにいた。


「一点集中……僕が適当に斬っているとでも思ったのかな?」


レイアは剣を構え直し、赤龍に挑発染みた笑みを浮かべる。


「!?………グウウウウウウウア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!」


赤龍は侮辱された事に怒り、猛々しい咆哮を挙げる。


「おっと、やりすぎちゃったかな?」


「グアアアア!!」


赤龍は力任せにレイアを攻撃する。


赤龍は我武者羅に攻撃するがレイアは次々と攻撃を避ける。


「さっきより動きが単調だから………ほいっ!隙あり!」


赤龍の大振りの攻撃の隙を逃さず、レイアは先程突いた場所をもう一度突き刺した。


「グギャアアアアアアアアア!!!」


赤龍は苦悶の声を挙げ、レイアの攻撃を中止し苦痛を示す。


「ハハッ!隙だらけだよ?」


レイアは隙だらけになった赤龍を怒涛の連撃を喰らわした。


次々と連撃が飛ぶ中、赤龍は苦痛に苦しみ反撃できずただレイアの攻撃を受け止めているだけであった。


「グオオアオオ………」


赤龍は咆哮をあげるが先程、怒っていた姿はなく体はボロボロになり、猛々しい咆哮も明らかに弱々しい物と化していた。


「もう終わりかな?……いやー凄く強かったよ君、強いのと闘ったのは久しぶりだったから熱くなっちゃったよ」


弱った赤龍を前に笑いながら話すレイアは最後まで自分と闘った龍に称賛の言葉を送る。


「久しぶりに楽しかったよ……じゃあね」


最後のとどめをレイアは刺そうと剣を赤龍に向ける。


弱っていた赤龍は反撃しようにも体が動かず、ただ制止しているのみだったがその目は死んでいなかった。


赤龍の目に何かを感じたレイアだったが既に遅い事を察した。


「なっ……!?」


赤龍は口を開きレイアの方向を向き、何かをしようとした。


赤龍の口は濃密な魔力が集まり、まるで溶鉱炉のようなとてつもなく高い温度を口の中に発していた。


レイアは体を急回転して走る。


(まずい!まずい!まずい!まずい!まずい!まずい!!!)


レイアは赤龍が何をするか察知し全速力で逃げようとするが広大な森の中に隠れられる場所はなく走る事は無意味に等しかった。


(また調子に乗り過ぎた……!またこんな事になるんだったらギールの話を最後に聞くべきだった……!)


レイアは後ろを振り向き赤龍を見る。


口は大きく開き、大きな魔力の塊を形成していた。


「死」


レイアの頭の中に過ぎったのは死だった。


死にそうになったのはこれが初めてというわけではない。


だが、これほど大きく明確な死を感じたのは初めてだったのだ。


(ああ……終わった……ごめん、ギール……)


魔力の塊は口に収まらぬ程に膨張しレイアに向けて放たれようとしていた。

膨張した魔力の塊を口の中に呑み込み魔力の塊を収縮し、もう一度口を開きレイアに向けて超出力の魔力が放たれる。


「オラアアアア!!」


ギールとは違う男の声が赤龍のそばから聞こえた。


レイアはもう一度赤龍の方向を振り返るとそこには赤龍の頭をぶん殴る白髪の青年ベティーがいた。


「ベ……ティー………?」


赤龍はベティーの不意打ちの拳を喰らい方向がずれ、あらぬ方向に魔力の塊が放たれる。


「ゴオオオオオオオオオオオン!!!」


巨大な爆発が起こり大樹と森を呑み込む。


大量の煙が発生し、放たれた後が見えた。


赤龍の龍の息吹(ブレス)は向いていた方向にあったあらゆる物を無に帰した。


残ったのは龍の息吹(ブレス)によって抉りまっさらになった地面と高温の魔力の爆発による業火だった。


業火は次々と燃え移り、龍の息吹(ブレス)一つだけで森は地獄と化した。


「ギールさん!今です!」


龍の息吹(ブレス)の使用により大量の魔力を消費し、赤龍は疲弊していた隙をベティーは見計らいギールに合図を送った。


「ギール?」


ギールの名前を呼ばれベティーの向いた方向をレイアは見る。


「ちっ……俺の方向を向いて叫ぶな。敵に位置がバレるだろう……まあ今回はいい………お前達のおかげで詠唱は終わった……」


レイアの見た方向には悪態をつきながらも構えるギールの姿があった。


「レイアめ……無駄に張り切りやがって……おかげで倒す確率があがった!」


ギールの両手に蒼い炎が燃え盛る。


「俺の最強の技だ……」


両手を竜の口を形作り構える。


構えると炎は生き物のように動きだし竜の頭を形作る。


「喰らえ!!……『蒼炎竜舞』!!」


蒼炎の竜が赤龍の向かい放たれる。


がら空きになった逆鱗に蒼炎の竜は容赦なく噛み喰らう。

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