鬱屈とした森の中で
本ッ当にすみませんでしたァッ!怠惰にふけていたらこんなに時間が経っていたなんて、皆様お許しを〜〜
鬱蒼とした森の中、光が射さない闇の大森林の道に蒼い光が灯し目標まで俺達は森の中を進んでいた。
「いや~それにしても!本当に暗いですね~一応、まだ昼なんですよね?」
暗闇の道を進むなか、依頼以上に気にする存在“ベティー“が呑気に周りを見渡していた。
「うん!驚く事に今、昼なんだよね!いや~僕もね何度かこの森に来てるけど、この暗さは本当にいつも参っちゃうよ」
危険人物であるベティーに警戒をせずに楽観しているレイア。
(おいレイア、そいつが何を持っているか分からないんだ。警戒しろ)
俺は小声でレイアに警告するが
(別にこの森の話ぐらい良いでしょ?スキルの情報を話してる訳でもないんだから、それに此処で警戒したら逆に怪しく思われちゃうよ?)
と、正論を返され何も言えなくなってしまった。
◇
「今回の依頼って何を討伐するんですか〜?」
「んん〜?さあ?それは会ってからのヒ・ミ・ツさ。ネタバレしても面白くないからね」
ベティーの間の抜けた質問をレイアは受け流す。
「んんん……それは残念だな〜」
「ふふん、もっと残念がってくれ!Sランク冒険者を目指すならどんな時も臨機応変に対応できなくちゃね」
何が起こるかもわからない暗闇の中、緊張感のない会話をしている二人を余所にギールは目的の場所に進む為の蒼い炎を灯し、未知の敵に対し用心深く慎重に警戒していた。
「いや〜にしても、その蒼い炎綺麗ですね〜それって魔法なんですか?ギールさん。それともスキル?」
「……魔法だ……炎を適正が高い為、威力が上がり色が変わった……」
黙々とベティーの質問を作業を行う感覚で返事をするギール。
「へぇ……適正が高いとそうなるんですね〜初めて見ましたよ〜」
「そうだよ!習得できるスキルっていうのは最初はあまり強くはないんだ。だけど、努力をしたり適正があったりすると習得できるスキルはとんでもなく化ける」
「そうなんですか!?例えばどんな人ですかね〜」
「んん……」
ベティーの質問にレイアは顎に手を当て考える。
「有名な人だと『怪力』とか?」
「『怪力』?」
レイアが疑問符を浮かべるようにベティーも同じように疑問符を浮かべる。
「名の通りのとんでもない馬鹿力を持つ人で『身体強化』のスキルを自由自在に操る人だよ」
「『身体強化』……」
「微量の魔力によって身体能力を向上させる基本的な誰でも習得可能なスキルさ。多種多様な応用が効いて便利なスキルというのが一般的な印象かな」
「それは良いスキルですね〜僕もこの依頼が終わったら習得してみようかな〜?」
「そうだね!この依頼が終わったら僕が教えてあげるよ!後、他にも引退した凄腕の冒険者で『豪腕』とか『雪女』とか……「レイア!そろそろ目的地だ、いい加減静かにしろ」
「はいはい……」
熱心にレイアが話すもギールに怒られ黙って目的地に進む一行であった。
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