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03. 根室本線と上厚内のUMA、『釧路食堂』

ダイマ: https://tabelog.com/hokkaido/A0112/A011201/1028509/


翌日、6:00に起床する。長女もしっかり起きる。よくできた子。


朝食は特筆するほどもない、普通のビジネスホテルの飯だった。

なんか朝からめっちゃ北海道北海道したバイキングのあるホテルなんかもあるらしいが、

それは札幌なんかの大都市の方にだけ存在する。帯広なんぞにそんな豪勢なものはない。


各々準備を済ませて、7:00にチェックアウトする。十勝駅まで移動して、根室本線のホームに降りる。

「さて、すまんな、ここから釧路までは3時間ほどローカル線に乗る。

 特急に乗れば1時間半くらいなんだが、これは単なる俺の趣味だ」


そこまで真剣なものじゃないが俺は乗り鉄的な気質がある。

さっと移動するよりはのんびり車窓を眺めながら移動したい。

まあ俺のことはどうでもいい。


「いいよ、そういちろうが好きなこともしないとね」

長女大人だな。

「ありがとう。お礼と言ってはなんなんだけどさ」

「うん?」

俺はかばんを開けてビニール袋を取り出す。

「ロイズの生チョコ買ってるから、車中で食べよう」

だいたい真顔で過ごしている長女が満面の笑みを咲かせる。

「ロイズ! 生チョコ!」


挿絵(By みてみん)

... ロイズの生チョコ


性格はクールな長女も、それから次女も長男も嫁も、甘いものに目がない。

昨日、新千歳空港に着いたときにこっそりと購入しておいた。俺は思い遣りの塊だな。

「そういちろう! 天才! 2個か3個はあげるね!」

買ったの俺だぞ。ちなみに20個入りである。お前。

まあでも俺は甘いものノーサンキューなのでそれでいいよ。

「どうも。よろこんでいただけたなら幸いです」

「いやー、そういちろうは気が利くなあ。年の功ってやつ? これではるかも落としたの?」

生意気ガールめ。

「歳って言うな。そしてこういう感じではるかも落とした」

「ロイズだー、ううへへ、これぜんぶ食べていいんだ……、あいつと半分こしなくていいんだ……」

俺の話を聞け。

しかし普段の冷静さが破れてきゃっきゃとはしゃいでいる長女はとてもかわいい。

『半分こしなくていいんだ』わかるぞその気持ち。

長女はロイズの箱を持ったまま体を左右に揺らすロイズ音頭を踊っている。

こいつがここまでテンションあげるの珍しいな。ロイズありがとう。

長女のロイズ音頭も止まぬうちに、釧路に向かう列車がホームに入ってきた。


*


車両は1両でワンマン運転だ。ド田舎。乗り合い人も少ない。

JR北海道の赤字はよく聞く。この路線が生きているのが不思議だ。このまま生き続けて欲しい。

車両なかほどのボックス席に長女と対面に座る。


「ロイズ! ロイズもういい!?」

席に着くなり長女が尋ねてくる。そんなにか。

「いいよ、好きに食え」

「いよっしゃ!」


ほんとテンション高いな。ここまででいちばん高いんじゃないか。

付属の小さいフォークで生チョコを取り上げ、長女はうっとりとした顔で四角いチョコを眺めている。

あ、確かにいい匂いするな。ロイズの評判は高いがこれは良さそうな味を予感させる匂いだ。


「んんー!!」

チョコを口に含んだ長女が満面の笑みを浮かべている。

「おいしいよこれ! そういちろうも食べてみなよ!」

俺が買ったものだって言っただろうが。


しかし美味そうである。長女から箱とフォークを受け取って1口食べる。

おお、たしかに、口内の温度でトロっと溶けるチョコの中にわずかな柑橘の香り。

これは本当に美味い。さすがのロイズ。空港に置かれるのも分かる。

「ほんとに美味いな。あと1個か2個は欲しい。でも残りはぜんぶ食べていいぞ」

「やった!!」

俺から箱とフォークを受け取るなり長女は3個刺しにして一気に頬張る。

そのままもにゅもにゅと口を動かしては幸せそうな顔をしている。

そんなに一気に食うな。それなりに高かったんだぞ。

まあでも長女のこの顔を見れたならいいか。


窓の外を見るとすでに市街地を離れて、十勝平野を走っていた。

遠くに山が見えるだけで広大な雪原が広がっている。

近くの席に座っているおばちゃんたちの会話が聞こえる。

おお、生の北海道弁だ。ほんとに「なんもだ」って言うんだ。

『最終兵器彼女』でしか見たことないぞ。


ふと長女を見ると、フォークに生チョコを刺したまま、窓の外を見ている。

「すごいね。めちゃくちゃ広い」

「しかもぜんぶ雪なんだもんな」

「試される大地」

「まさに」

それから長女は外の景色を眺めつつ、1つ1つ、生チョコを食べていた。

手と口は自動に動いているようだが目は真剣に外を見ているので声をかけられない。もう1個くらい欲しいな。

でもこの景色をこの子に見せてあげることができてよかった。

新潟とは違う、広大な大地に積もった雪。この子なら、何かを感じ取ってくれるだろう。

生チョコ、もう1個くらい欲しいな。


*


釧路駅までは残り1時間弱。延々と続く雪景色にさすがの長女も少し飽きてるようだ。

正直、俺もちょっと飽きてきた。


「なあ」

「ん?」

「ちょっとこのあたりで降りて散歩してみようか」

「え? 釧路までの切符買ったよね? また買い直すことになるんじゃないの?」

「あるていど以上の距離の場合、途中下車ができるんだ」

「そうなの? それなら降りてみたい、たのしそう」

「よし、ちょっと待ってな、一応確認してくるから」


電車が駅に止まったタイミングで途中下車の可否を車掌に確認する。

やはり思ったとおり問題ないようだ。席に戻る。


「OKだった。次の駅辺りで降りてみるか」

「そうしよう」


スマホで確認したが、このあたりはしばらく海からほど近いところを路線が走っている。

少し歩けば海岸までたどり着くことができるだろう。

対面に座っている長女がそわそわしているのが分かる。

そわそわを加速してやろう。

「たぶん20分も歩けば海岸まで行けるな」

長女は目を丸くする。さすがに路線の経路と現在位置までは把握してないようだ。

「本当?」

「たぶんな」

「北海道の海か! やった! 見たい! 北海道の海岸ってやっぱり雪が積もってるのかな?」

どういう観点だ。でも確かに言われてみると分かんないな。

「たぶん満潮のときに波が来るところまでは雪は流されてるだろうな……」

ぶつぶつと独り言のように考察を始めている。学者か。

お前は理科大好きウーマンだからな。ほんと次女とは正反対だよ。

もうすぐ駅に到着する旨のアナウンスが流れて、俺たちは降りる準備をする。

上厚内かみあつない、こんなこともなければ人生で一度も降りることのない場所だろう。


挿絵(By みてみん)

... 上厚内駅


*


当然ながら田舎だった。駅舎はもちろん無人。時刻表を確認すると、次の電車は1時間半後だ。

駅から出てみると、コンビニの一軒もない。民家もまばら。

ただし、海の方まで続く道はしっかり除雪はされているようで散歩するには支障なさそうだ。


「ド田舎だね」

長女がシンプルに表現する。まさにな。

「駅舎にロッカーとかあったら荷物置けたんだけどな」

「置いといても人来なさそうだし盗まれないんじゃない?」

長女にしては大胆な発言だ。

「そうするか。貴重品だけ持って大きいのは置いとくか」

「いや、やっぱだめだよ、そういうのは危ない」

しっかり者か。親よりしっかりするな。

「まあそうだな。ちょっと重いが持っていこうか」

「それでよい」

俺を諭すな。

「行こうか」

俺より先に行くな。


辺りを観察しながら15分ほど歩くと、潮騒が遠く聞こえてくるようになった。

そのあいだ住民は2,3人しか見かけず、1台の車すら通らなかった。

これが限界集落か、やばいな北海道。

「これが朽ち果てていく村の現実」

長女が感慨深げに呟く。たぶん村ではないぞ。


もう5分ほど歩くと海が見えてきた。海岸には雪はなく、砂地が露出している。

ただし、道路から海岸まで、100m程度の範囲は積雪に覆われている。

「予想通りだ。やっぱり、海岸には雪は積もってない。

 砂浜が見えているってことは、今は干潮に近いのかな」

長女が的確な解説を述べる。こいつは大物になるんじゃないか。親ばかか?

「たぶんそうだろう。いいタイミングだったね。日頃の行いがいいおかげかな」

「私はそういう運的なものは信じてない」

こいつはまたもう。お前絶対女子社会で浮いてるだろ。変にねじ曲がらなければいいんだが。

「まあぶっちゃけ俺も信じてないんだが」

「ふん」

長女はなぜか得意げな顔をしている。かわいくないやつだな。いやかわいいよ。


*


適当なところで道路から雪原に入る。

歩くのに苦労するかと思ったが、思いのほか雪は固まっていて、少し靴が埋まる程度だ。

力を込めて踏みしめて脚を持ち上げると、ペットボトル1本がすっぽり収まるほどの穴が空いた。

長女は俺を先導するように黙々と歩いていく。だから俺の先を行くな。

次女だったら長男と一緒にその辺でごろごろ転がりまわっていただろうに。


積雪が途切れて砂浜に出る。どこがどうとは説明できないが日本海の新潟の砂浜とは様相が異なる。

広大だ、浜も海も広大だ。すごいな北海道。そしてやはり誰もいない。

しばらく長女と2人だけで海を眺めていた。


挿絵(By みてみん)

... 上厚内の海岸01


*


海に向かって左手の方に突堤がある。

「あっち行ってみないか?」

「そうしようか。じゃあ行くよ」

2人で黙々と歩いていく。やはり俺を先導する長女は海を見たり雪原を見たり、

せわしなく頭を動かしている。ちょっとは後ろの俺の方も見ろ。


いま何を考えてるんだろうな。海の満ち引きのことなんかか?

俺には分からんが、俺の言うことを聞くまでもなく自身の考えで行動できる子に育ったのだなと嬉しく思う。


昨晩、久々に握った長女の手は大きくなっていた。最近は少し声も低くなった。

そのうちにはこうやって一緒に旅行してくれることもなくなるのだろう。

でもいいんだ、こうやって俺の前を歩いていくお前の背中を見れるだけで俺は幸せなんだ。


*


突堤に辿りつく。突堤の先にはカモメがわらわら集まっていたが俺たちの姿を見て飛び去っていく。


「あっ!!」

どうしたどうした?

「そういちろう、あれ!!」

長女が指さす方を見る。海面しか見えないが……いやなんか変なのいるな。


挿絵(By みてみん)

... 上厚内の海岸02


「……あれ、イルカじゃない…?」

イルカかも。なんかヌメっとしたものが海表に出ている。

「イルカかも知れん……、ちょっと遠くて分からんが……」

「ちょっとこのあたりでイルカが見れるのかググってみる」

お前はIT社会に染まりし人間だな。これはちょっとたしなめておこう。

「いや、調べるのは電車に戻ってからでもできる。今はよく観察してみよう」

嫌な顔をされるかなと思ったけど、思ったより長女は素直に従う。

「それもそうか。今しか見られないし。そういちろうもたまにはいいこと言うね」

いっつもいいこと言ってるつもりなんですけども。届かないものだな親の思いというのは。


そのまましばらく2人でヌメリを見つめる。ぜんぜん動かないな。

でもあれは何らかの生物の背びれでありあの大きさならイルカの可能性は確かにある。


しかしタイムオーバーだ。念のためにタイマーをかけておいたスマホが振動する。

もう駅に帰らねばならない。


「……正体は分からなかったがもう時間だ。戻らないといけない」

「ん、なんだろうねあいつ」

「イルカっぽさはあるよね」

「確実にある」

「真相は闇の中」

「いや真相は海の中」

「似たようなもんだよ。行くよ」

だから俺を先導するな。


駅に戻るまで、あれはイルカだったのかそうではなかったか、

違うとしたらなんだったのか、長女と議論が白熱した。


最後にこうバシャーと出てきてくれたりしたら完璧な旅の1ページになったのだが現実はそう甘くない。

上厚内駅に時刻通り戻り、やってきた電車に乗り込んだ。

やっぱり人いない。大丈夫なのかこの路線は。


残りの1時間弱、長女と俺とで互いにスマホで情報をググっては互いに報告しあった。

俺が報告するたびに長女は「そこもう見た」と言う。

長女が報告するたびに俺も「そこもう見た」と返す。

結局のところ、「たぶんイルカだったんじゃないか」という結論に落ち着いた。


電車は釧路駅に到着し、予約しているホテルへと向かう。

ここは残念ながら、いや当然ながら、部屋のキャンセル料を求められた。

仕方ない、それがふつうだ。鍵を受け取って長女とともに部屋へ入る。


*


昨晩と違って今晩の飯は特に決めていない。

釧路の名物はよく知らん。まあ海沿いの漁港だし海産物ならなんでも旨いだろう。


ホテルを出て、近くにあった適当な居酒屋に入る。

外から見た感じにぎわってるっぽいし大丈夫だろう。


店内はなかなか騒がしい。釧路なんかにこんなに人居るんだな。

2人用のテーブル席に案内される。俺はとりあえずビール。長女はやっぱりウーロン茶。

そうして運ばれてきた酒と茶と、お通し。我々は驚愕する。


挿絵(By みてみん)

... お通しが、毛ガニ。O☆TO☆O☆SHI☆GA☆KE☆GA☆NI


サイズこそ小さいが真っ二つにされた毛ガニが机の上に置かれる。

「……あのこれ、お通しですよね?」

「はい! 当店のお通しです!」

やばいな釧路。

「失礼ですが、お客様は本土の方ですか? ご旅行に?」

「はい、そうです」

「でしたら、ザンギと鮭のハラス焼きを当店としてはお勧めいたします!」

「ください!」

長女が声をあげる。お前が言うのか。

「はい、ご注文いただきました!」

店員さんが俺の方をちらと見るので頷く。

「少々お待ちくださーい」

伝票に注文を書き込んでから店員さんは厨房へ入っていった。

「ごめん、頼んじゃった」

「いいよ、この店のおすすめならたぶん美味しい」

「そうだよね、かに食べよ」

長女は即座に毛ガニの半分を自分の取り皿に運ぶ。

普段のお前はもっと慎重というか、気配りするやつだろう。

別にいま俺に気を配る必要なんぞ確かにないけども。


2人で黙々と毛ガニの身をほじる。うっめカニだわこれ。そうだよカニだよ。

そのうちザンギと鮭ハラスが運ばれてくる。


挿絵(By みてみん)


うおお、小型の七輪。ハラスは自ら焼くタイプか。

カニの身を食べるマシーンと化していたがようやく我に返る。

長女もマシーンと化していたようだったが、意味もなく互いに頷き合う。


長女は手を拭いてからメニューを取り上げ次なる品を探している。

俺は小型七輪に鮭ハラスを乗せる。世間一般に言って役割的には逆じゃね?


でもいい、今の長女は「なんでも頼んでいい」と考えていると思う。

いいんだよ。お前なんのかんのいいつつ、いつも次女や長男の意向を汲んでるからな。

わかってるぜ? こういうところでしか発散させてやれなくて悪いけども。


「そういちろう、いっぱい頼んでいい?」

「好きなだけ頼め」

「すいませーん!!」


即座に長女は手を挙げて声を張る。お前そんなに声出せたんだ。

さきほどの店員さんがやってくる。

「このお刺身と、このサラダと、この鶏のやつと……」

メニューを指さしながら長女は次々と注文する。

……お前そんなに食えるのか? 俺そんなに食えないぞ?

5品か6品は頼んだぞこいつ。店員さんは再び俺の方をちらと見る。若干戸惑ったが再び頷く。

「オーダー入りました!!」

店員さんは注文を読み上げつつ厨房へと入っていく。長女の方へ振り返る。

俺が口を開く前に長女が言う。

「このお店なら間違いないよ」

お前の選球眼は間違ってないと思うけどさ。

俺が心配してるのは食べきれるかってことだけだ。

長女は、七輪で焼いていた鮭ハラスを取り上げて即座に口に運ぶ。

「あっつ!」

そりゃ熱いだろうよ。

「でも美味しい! そういちろうも食べな?」

誰の金で食べてると思ってる?????

でも美味そうなのは間違いなくて俺も真似して七輪からそのままハラスを口に運ぶ。

「あっつ!」

わかってたけども。しかしこれはよい。おそらくはこのあたりで取れた鮭のハラスなのだろう。

変な薬品臭もなく鮭の旨みと脂の甘さが脳にダイレクトに響く。炭火で炙られた皮がまた香ばしい。

「文句なく美味い……」

「新潟のお魚おいしいけど、鮭はやっぱり北海道なんだろうね」

強いぞ長女。たぶんそうなんだろう。

「絶対美味しいと思ったからこれもっかい頼んだから」

余念無し。素晴らしい。食を見る目がある。


*


次々に運ばれてくる釧路の料理を食べながら、

今日の旅で得た発見を互いに報告しあった。

俺の観点に素直に感心してくれる長女と、

長女の観点に素直に感心する俺がいた。

正直に言ってとても楽しい時間だった。


3時間ほど店で話し込んだのちお会計をして外に出る。

雪こそ降ってないが体感的に氷点下よりも気温は低い。


帰り道はお互いに黙ったまま手を繋いでホテルまで戻った。

俺を驚かせるほどに賢く育った長女を改めて頼もしく思う。

ホテルに戻っておのおのシャワーをあびてから、さっさとベッドに入って眠りについた。

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