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第七十五話 初恋の人

恋愛に高い純度を持っておられる方には不愉快な部分があります

というか

これから先そういう部分がたくさんあります


ヒボシの書く艦魂は

ただやさしく

ただ可愛く

という存在ではありません、時に狡猾に見えたり、時に愛を必要以上に欲したりします



現実の世界でも全てを一つと言い切れるものはないので、依存する領域による倫理観の差によるものもあり

それが「人」には汚らしい行為に見えても

「魂」には普通の形だったりという部分があります


恋愛の箇所に掛かる場合もあります、それを不快と感じられる方は読まれないようご注意下さい


火星明楽

『こんごう』帰還から一夜明けた佐世保は快晴だった

『こんごう』達が演習に出た間は彼女達があじわったような冬の雨に町も晒されたが、今日は打って変わったかのような日差しだ

連年この季節は灰色雲の多い港、遅く廻ってきた秋晴れは透明度をプリズムの鋭角のように見せつけ高い空は開けると、雲など微塵もない良い天気の笑顔を惜しみなく出していた


ただ日差しの温かな視線とは裏腹に、冷たい吐息が港と水面を走る事で、本格的な冬に入る一時の安らぎである事は誰もがわかっていた

佐世保基地より少し東に位置する町にはクリスマスを楽しむための装飾が、迫る日をカウントダウンするように賑やかな彩りを忙しなく増やし続けている


人もまた、気持ちを浮つかせている

由緒正しいSSKのタワークレーンでさえ季節の彩りを纏うのだから、町の色がクリスマスのカラーに一色染まるのもそんなに遠くない

普段なら造船と、その町という地味な世界がイベントに合わせて塗り変わる、忙しい季節である


人も魂達も





「聞いたかね?昨日の話」


朝食を終えた宗像は額の傷をさすりながら、間宮の前に立っていた

黒く焼けた肌に潮に刻まれた皺、現在は部屋に居座りの基地司令とはいえ十分に海の世界を生きてきた猛将は気さくなことでも良く知れている人物だった


隊員達が入れ替われで楽しむ食堂の雰囲気をこよなく愛してもいた彼は、食堂の一角、観葉植物をに並べてた角のブースに座る船務士の和田と、パソコン片手に話をしていた間宮を見つけると笑みを堪えた顔で尋ねた


総監部の窓から見える景色にも山の錆びたカラーが多くなった時期

窓辺の景色を独占出来る場所で、打ち合わせをしていた間宮は素早く立ち上がると敬礼し「どうぞ」と自分の前の席に宗像を導びくと


「聞いてます。粉川くんですよね」


海軍に坊主頭はあまりいない、それは昔からだ。海自でもそうだが宗像は角刈りの角が切り立つような硬い髪型

相手する間宮は襟足こそ短く借り上げてはいるが、全体はウエットな雰囲気の七三分け


どこか不似合いな二人だが、珍事件に対する感想は同じで、顔を見合わせると声はなくとも笑う

昨日の珍事件。本庁出向組の粉川一尉佐世保の立神バースにて寒中水泳ス,はすでに基地の中では知らぬ者はいないだろうと言う話になっていた

間宮は自分の隣に座っていた和田にコーヒーを頼むと、イタズラっぽく顔を歪めて


「冗談だと思ってましたが」

席を立つ和田に軽めの挨拶をしながら宗像も大笑いしそうで笑いの痙攣を抑えた頬のまま

「私も冗談だと思っとったよ。近年まれにみる珍事でねぇ、粉川くんは退屈を知らない男なんだと感心した」

怒るでなく感心したという宗像の台詞に、観葉植物の壁越しに食事をしていた隊員達からも笑い声が聞こえる


昨日の夜に起こった事件を、朝、基地に着いて聞いた宗像はどういう事で?という疑問を持ち、連絡をくれた事務官に訪ねたのだが、彼も笑いをこらえるばかりで

「寒中水泳をなさったそうです」の一点張り

とりあえず司令として得体の知れない用件を放置する訳にもいかず、呼び出しをかけて珍事を真相を問いただそうと粉川を執務室に迎えたが

部屋に入る前からか?いつになく無愛想に引きつった顔の粉川に、本人の気まずさを理解して苦言はせず


「寒中水泳は、出来るだけ港ではやらないでくれ。若い者が真似しても困るのでな」

大笑いそうな顔でついテーブルの側に目を背け肩を小刻みに揺らしてしまった

司令の背に向かい


「了解です!!」

口をへの字に曲げた、くそ真面目な返事


「彼が退出するまで笑いを堪えるのが大変だったよ」

「わかりますよ」

話をしながらも顔が可笑しさで歪む宗像の姿に、おおよそ想像はつく粉川の顔を思い浮かべた間宮は同意の意味で笑みを見せると、トレーにコーヒーを乗せたて席に戻った和田を見た

彼も大笑いしたくちで困った顔をさらしながら


「本当に退屈させない人ですね」と二人のカップを無骨な指で失礼なく置くと、間宮の隣に座る


話題に対して一通りの笑いを零した宗像は、両手で渡された赤い飲み物に目線を写しながら

笑う事で軽くなったトーンを修正する咳払いの後


「その粉川くんなんだが、呼んだ時になぁ、休暇が欲しいと言われてね」

「今日?ですか?」

和田は二人の前にミルクと砂糖のケースを置くと、あまり感心しないという顔を見せた

何せ基地勤務だし粉川は本庁からの出向組でもある

宗像に申請しようが、本庁の許可がなければ本来急な休みなど取れないもの

話の内容に和田は周囲を気にしたが、宗像は一口啜ったカップを下ろすと


「休ませたよ。彼は長崎でも休むことなく『こんごう』に張り付きだっただろ?疲れてるからこそ奇異な行動もあるだろうし」


言い方はおかしかったが小さな息を落とすと

和田の目線の前、少しのミルクをコーヒーに足し


「なんだかね、思い詰めた顔をしていた」

「思い詰めた?」

最初に使ったミルクのトレーをそのまま間宮の側に推した宗像は呼び出した粉川の顔に、疲れを読み取っていた


短く刈り込んだ頭の粉川の額に、いつもなら現れる事のない亀裂

思い悩むとは無縁と考えていた粉川の顔に現れた苦悶。宗像はそれが気になり休暇を許可した


「とにかく急な休みの申請だし、基地の車両を貸すわけにはいかないのでね。私の車を貸そうと言ったら、走って行くと言われたよ」


基地司令として責任を負いつつ許した休暇に、出がけの足を基地から出すわけにはいかない

それでも心ばかりつもりで車のキーを渡さそうとしたが、返った返事にまたも笑った

相変わらずの体力馬鹿たいりょくやろう粉川の返事は、目に浮かぶものでみんなの顔に笑みしか出ない


「じゃあ近場なんですね。気分転換に」


なんとも面白すぎる粉川の行動だが、間宮はどこに行くかは聞く気がなかった。個人的に楽しみたい事もあるだろうし、プライベートを詮索するのは苦手としていたから

だが、和田は本来なら本庁の許可がないまま休暇を得るのは特別な借地であると当然の事を考え


「行く所がワカラナイままなのは問題なのでは?」

職務に忠実な言葉を発してしまった

「場所はわかっている。しかしそれ程近くもない、かな?」

そういうと目を佐世保港の側に移した

「ココがよく見える所だよ。東公園だ」


間宮は何かに気がついたように宗像の視線を追うと

「僕もしばらく行ってないですね。忙しいなんて言い訳ならないのに」

和田は粉川の行き先を不用意に聞いた事を恥じたように押し黙って海を見つめ

宗像はそこに眠る戦没者の事を思い描いていた


「私は年に何度か行くよ。掃除に、慰霊祭に…それに個人的に手を合わせに」


傷の額の下、宗像は湯気を浮かべるコーヒーを静かに見つめた

海上自衛隊佐世保基地の者なら、いや海自の者なら誰でもがしっいる大きな墓所。東公園

佐世保市東山にある東公園は天神山の裾のにある旧海軍の墓地だ

明治24年に作られ、昭和の大戦最後まで国に殉じた者達の魂を供養している

春先などは桜の花も多く咲き、彼らが愛した花が優しく降り注ぐ場所だ


現在は東山公園と改名されるその場所は、海自の士官であるなら大なり小なり思うことはあるハズ

間宮もカップから手を放し、ニミッツパークの向こう高速道路の白い高架の桁を越えた向こうに見える山を見た


「そういえば粉川くんの御祖父は帝国海軍の軍艦乗りだったそうで、彼処にいらっしゃるのかも知れませんね」


間宮のつぶやきに宗像は頷きながら

「間宮くんの御祖父もそうじゃなかったか?ココにはいらっしゃらないのかね?」

「残念ながら、本人曰く生憎で祖父は戦後も生き延びまして、「生き恥をさらしている」が口癖でした」


お互い顔を合わさず、東公園を探す目線のまま

「そうか、ご自分をお責めになったか…そんな事は…」

深く口をつぐむ宗像、言うのは野暮というものだ本物の戦争を戦った者達の心を語るなど、軽口をするのと同じぐらい恥ずかしい事

厳しい目が祈るように閉じられ、少しの沈黙が流れる


「粉川くん、墓参りで気持ちを改められるといいですね」


宗像の沈んだ表情に間宮は笑って見せた

「僕は来年の春に、必ず結果報告を持って訪れたいと思ってますから」


護衛艦『こんごう』のミサイル迎撃実験は年を越した2月末から3月の間、間宮に課された国防の使命

日本国を護るという大事な実験結果を持って花に添え、先人達を弔う事を口にした顔に宗像の顔も晴れ、力が戻る


「その時は私も一緒に行こう。報告をしに、素晴らしい報告をな!」





東公園、現在の東山公園は戦後どこでもそうであったように一度は荒廃の憂いを見るが、現在は多くの人が訪れ献花の絶えない美しい墓所である

梅雨から真夏の頃は緑の芽が優しく茂るが、今は冬に向かう季節で一部楓が赤を通り越した色を残している


日清、日露、上海、支那はおろか、陸上隊のビルマ方面、ニューギニアに海南島、太平洋戦終結までの間で散っていた多くの国防の徒がココに慰霊碑と共に祭られている

天神山は山頂部に菅原神社を持つ社の山でもあるため、古くは全体が霊場だったのではとも言われ、見せつける景観は悪くはない

山裾に広がる緑多い終の棲家に、粉川は息を切らして正面の煉瓦階段を上っていた


佐世保基地からココまでは15キロ以上ある。しかも山の裾とはいえ台地に向かってを登る形になるので徒歩はおろか走って行くのもかなり苦しい道程だったが、粉川本人は走ることで自分の頭を悩ませ続け、眠りまでも妨げたものから遠ざかりたかった

艦魂達のすむ倉敷岸壁の前、卸売市場を曲がると国道35号に入りひたすらに走った。横切る佐世保線を越え天神山に着いたのは昼を回るギリギリ前といったところだった


「衰えたかな…」


腕時計を確認しながら顔を上げる

ゆっくりと息を整えながら正門をくぐると最初に目に付くのは、慰霊祭式場として広く取られた芝生の広場と中程に立つ東郷平八郎の銅像

正門から左よりは、そのまま歩くと迂回しながら慰霊墓所を廻る事が出来る


首にかけたタオルで顔を拭い、おもむろに腰に着けたポーチから黒革の手帳を出した

この仕事、海自の艦に乗れる仕事を本庁から貰った時、三笠の元を尋ねその時に手渡されたものを見つめた

結局忘れたいから走ってきたのに事実確認をするような事になっているのに苦笑いを浮かべながら思いだしていた


いつもの午後、スタンウォークに続く窓から木漏れ日をいっぱいに入れた長官公室のイスに深く座った彼女は言った


「護衛艦の魂が、書かれている記述と似ていたら教えてくれ」それだけだった

粉川は高校の時に誓った事を思いだしていた

「いつか自分が護衛艦の魂と会えるようになるのなら、必ず三笠との絆を見つけてあげる」


だが、ココに来て思いどん詰まりになっていた

真実をはぐらかす影に、魂達自身が自分には打ち明けなかった人との邂逅があるという事実と、実は三笠が護衛艦の魂に会えていたのではという事は粉川にとって最大のショックだった

魂達が自分に隠し事をするのは日が浅い部外者である事から多少気持ちを静める事はできたが

三笠を信じて成長してきた粉川に、三笠が嘘をついているのではというのはバケツを被された頭をタコ殴りにされるような衝撃だった


「『はるな』司令は三笠様と会ったことがあるそうだ」

耳を疑う

『こんごう』から言葉として聞いただけだったが、彼女の性格からして嘘や妄言を語るとは思えなかった

そう聞かされても三笠が自分に言わなかった事があるなどとも考えたくもなかった


粉川は手帳を開くと規則正しいストライドで左側の道を上がっていった

飛ぶようなステップで最初の階段を上がると白い軽石のようになった御影石の光沢のない慰霊碑に目をやった

正面から並ぶ縦長の墓石を順番に手帳と一緒に見合わせて行く「軍艦常盤受難者之碑」隣に「軍艦松島受難者之碑」そして「軍艦初瀬戦死下士卒之碑」とある

もっとも三笠が大日本帝国に重宝され働いた時代を共にする軍艦達と総員の慰霊碑の前で一度深くお辞儀をすると記述に目をやった


粉川に三笠が手渡した手帳の中身は、現代人いや魂を見られない人からしたら奇異な書だった


黒革の手帳に綴られるもの、それは大日本帝国海軍を生きた魂達の記録の書


三笠はこの手帳の存在について詳しい事を教えてくれなかった

この手帳を誰に貰ったのかも、誰がこれを書いたのかも

唯一教えてくれたのは、戦後三笠が名誉を回復された時に机に置かれていた。それだけだった


古びた黄色の紙を開く、乾燥してかさつく音を指で押さえながらゆっくり項目を探す

流れる筆記体、英語の横文字は、複数の文体を持っていて少なくとも3人ほどの手によって編纂されたと思われる

所々を継ぎ足しした紙が切り貼りされ、情報が一新されるたびに書き直されている箇所からもわかる


帝国海軍の歴史は明治初期に始まり昭和の初期に終わるのだから、その当時海軍に在籍し艦艇の近くの仕事を徒事した者で艦魂を見る事のできた人物達が作った物という事は直ぐにわかる

それ程に緻密に綴られている


だが艦魂を見られる者は少ないという事実を見るに、もっと必要な書き込みがあっても良いのではと考えてしまうほどに手帳の記述は簡素な書き留め程度


佐世保に来るまでの間でも何度も読み返したが、艦魂のなんたるか?という核心に迫った記述は一切ない

粉川自身が初見で感じた感想は当時の艦魂の履歴書程度という程に

ただ太平洋戦に続く記述に入るとそれなりの事柄が書かれていたりもする


それでも艦魂が何?とうものを扱った記述はない


今更真新しい記述を期待していた訳ではないが、落ち着けない自分の気持ちのために何度も見返す


表ページから向こう年号を丁寧に割った表があり、そこに並ぶ名前から読み進み、中盤から以降には艦艇名それ以外と項目分けされたページ

裏表紙に近い部分はさらに細かくかき分けられた要項、全てが横文字で書かれており目を凝らし、顔を近づけて見ないと筆記体を見間違いしてしまいそうで難ありな書


「あった…軍艦松島。目は青、髪は白銀色、白雪の妖精のごとく美しい人なり」


足を止めた慰霊碑の名と見比べる

日清日露の年割りから最初の頃に書かれた艦魂の姿

その下に指を滑らす

橋立、高校の時大切な友達だったと語った厳島


「目は青、髪は白銀色、小さき妖精。とても快活なり」


そして軍艦の名と簡素な経歴、同じく簡素に現された容姿が年表の合間に書かれているのを読んで行く


「軍艦初瀬。目は青、髪は金色、快活な君。頭脳明晰、とても元気なり」


手帳を片手にしながらも歩を進ませる

軍艦受難者の慰霊碑に混ざり、将兵の墓も建てられている

「まだ沈まぬや定遠は」の三浦虎次郎、旅順口閉塞作戦で戦死した杉野孫七などの墓石が並ぶ間を歩く


多くの記録が簡単に書き殴られている中、手早く回したま行のところで手は止まり、粉川は頭を掻きむしった

ま行から流れ、みの項目に入りの頭に書かれているハズの艦艇軍艦三笠のページは真っ白にされているという事に

初めてこれを見た時、三笠も自分の経歴を書いたプライベートをのぞき見されるのがイヤなんだろう程度に考えていた

気にしなかった


なぜなら、三笠は何時だって会える人だから、何時だってその時の歴史を自分に教えてくれるだろうと信じていた


「どうしてさ…どうして…」


三笠の見せない部分が頭の中で大きな不安になり始めていた

同時にココまでの間で学んだ彼女達艦魂の事が、かつて三笠と粉川の間にあった価値観の差を如実に現していた


三笠は何時だって自分の背を叩いてくれた大切なひとではあるが、自分たち「人」とは違う価値観をしっかり持っていたのを知らしめた事件が脳裏をよぎる

『ちょうかい』の語った人生とは違う艦生観よりも、『むらさめ』の濁して見せた背中よりも先に


あの日、あの夕日を差し込んだ記念艦三笠の長官公室での出来事。忘れていた、いや忘れたかった記憶が脳を突く

あの時に味わった苦い思いが蘇り、頭を擡げ呻くように零した


「三笠…どうして君はいつも遠いんだ…」


粉川は木陰のある石畳に崩れるように座り込んだ






初恋の人は三笠だった

高校生になった頃、心も体も大人へと変わっていく時期に自分を支え続けてくれた三笠に恋をした事に気がついた

小学校低学年の時、母を失った。それ以降の自分を育ててくれた人である事を考えれば、母親代わりだった人に恋するなど非常識にも取られ兼ねないが、彼女は特別だった変わらず永久に美しい時の姿をもつ最愛の人


烏の濡れ羽色の髪、湖水の美しさをたたえる青い瞳

口は悪いし、独特の話し方をする威張りんぼ

でも彼女しか見えなくなっていた


立ち上がった思いに任せて学校から帰りその足で三笠の元、長官公室に入った粉川は告白した

軍装ではなく、身体のラインを見せるぴったりとした黒のシャツワンピースにベージュのフレアスカートを合わせ長い脚を組んだ彼女は

古いイスに深く腰掛け、突然愛を告げられたものの顔は微動もしなかったが、青い目が自分の前で顔を真っ赤にする相手をじっくりと睨め付けした後の言葉に粉川は気が動転した


「つまり、妾と情交したい。そういう事か?」

古い言葉を意図的に使っているのかはわからなかったが、テーブルに手を叩きつけて粉川は首を振った


「違うよ!!僕と…その…付き合ってよ。君が好きなんだ」


まだ16歳だった少年粉川には一生懸命の言葉だった

母の変わりだった人が今日から恋人に変わると信じていた


「そうか、妾も嫌いではないが、どうしたらいい?」

変な質問だった。ぱっちりと開いた瞳が長い睫毛の下で動く、言わんとする事が理解出来なかった

「だから、僕と付き合って。僕は死ぬまで君の側にいたいんだ」

「それがお前の人生か?」

赤の別珍でコートされたイス、肘掛けに頭を擡げ頬杖をつく三笠


人生?初めての恋に目を覚ましたばかりの少年には良い響きには聞こえなかったが答えた


「そうだよ、それでいいんだ。僕、記念館三笠にずっといられるように財団の仕事につこうと思うんだ」

「つまらんな」

瞼を少し下げた目は少年の熱くなった想いに否定的な返事をすると


「そんな老後の楽しみみたいな仕事なんぞせず、もっと日本国の役に立つ事をしながら、たまに妾の所にこれば良いだろう。どうせ妾はココから動けぬ身だ、どこにも逃げわしない」

と煙たそうに手を振って見せた


「そんなのイヤだよ!!ずっと一緒にいたいんだ!」

「ヤメヤメ、何をそんなに焦っている?…要は大人になりたいという事か?人的にいう?」


目を輝かせ自分の強い決意を告げる粉川に、三笠の目はどこか湿った影を浮かばせると、立ち上がり、両手を開いて


「安心出来ないなら、するか?妾と、幸いにして愛はあるから筆下ろしぐらいはしてやれるぞ」

突然の発言にいきり立っていた粉川の足がすくんだ

高校生にもなれば三笠の言っている事が何かはわかる、でもそれは順序があって…


「まってよ、そんなの順番ってのがあって」

目が泳ぐ、前に立つ三笠のそれなりに豊かな胸に鼓動が早くなる


「一緒だろ?色気づいたな小僧。最終的にそれをしたいのなら今しても一緒だ。それに愛があればそんな事は「誰とだって」できる」

「何それ!!誰とだってなんておかしいよ!!」


急に目の前にいる三笠の姿が霞んでしまった。愛する人には清らかでいて欲しいという思いを粉砕する言葉だった

清らかで自分とだけ、そういう関係を持って欲しいという少年の欲望が声を荒げていた


「愛があるなら他の人となんて出来ないでしょ!!誰とでもなんておかしいよ!!」

後ずさりする粉川に三笠は胸のボタンを外して白い肌を少しだけ見せた

「小僧、私達が何のために女の形を持っているかわかってないな、愛で人を抱くためにだ。幸いにして妾はお前に少なからず愛を持っているから、お前の希望を叶えてやろうかと?そう言っているんだ」


「イヤだよ!!」


まだ純愛が全てで、恋に片足を踏み入れたばかりの少年には三笠の言っている事を理解する事は出来なかった

激しい憤りで自分に歩を進める三笠に向かってテーブルを蹴倒し


「じゃあ!!そういう事したいって言ったら…したってこと?誰とでもしたってこと?冗談でしょ」

倒されたテーブルて距離を置いた三笠の目は髪の下に隠れていた

はだけていた胸元を隠すと背中を向けて


「その「時」に必要な愛であれば誰とでもする。妾達はそういう生き物なのだ」

「やめてよ!!そんな事言わないで!!」


悲鳴だった

初めての恋、愛したいと想った人の酷すぎる言葉の前に粉川は駆けだしていた

その背中に三笠は何かを告げていたが


「やめろ!!」


慰めにもならない声を振り切って三笠の前から逃げた、夏の日の少年粉川





「三笠…」


眠れなかった夜、走り着いた東公園の石畳に腰を降ろしていた粉川は記憶の海をうたた寝していた所から目を覚ました

慌てて時計を見たが、時間にして5分たらずの事に溜息を落とした


あの日のショックを忘れたことはなかったが、思い出したいと考えた事もなかったが

結局三笠を失う事の出来なかった粉川は三ヶ月後に彼女の元を尋ねて、曖昧なうちに和解していた

変われない彼女の変わらない日常に、二人して酒飲みの仲間にまでなったが、ついに一線を越えることは出来なかった


いつしか自分は彼女の身の丈を越し、年を重ね大人になり

愛する妻を得て、子供を得て…

そしていずれ死ぬ、変わらない彼女にお別れをするという「人」の道を普通に歩んでいた


「わからないよ…三笠、君の望みは何?本当はどうしたいのさ?」


短い髪を何度もかき回すと立ち上がり歩を進めた

見回す限りに見える慰霊碑、ココに静かに眠る者達の前で頭を悩ますのは失礼に思え

立ち上がると目の前にあった慰霊碑に頭を下げた

「すいません、すいません」


情けない今の自分を見たら、先人に申し訳ないという思いで目にする全ての慰霊碑に頭を下げていった

小さな階段を上った先は奥入る小道があり左に折れる

外の世界と墓所を隔てる樹木の壁の前に、帝国海軍末期の慰霊碑達が並ぶ

突き当たりの一番前に見える慰霊碑。黒の大理石を台座に金字で大きく「榛名」と書かれている。前に並ぶ送り火の登楼二つと捧げの花受けには真新しい白い花が置かれ

魂とともに海に沈んだ将兵の名は一段掘り下げられた枠の中にびっしりと書かれている

同じ通りには戦艦霧島の慰霊碑と墓碑が設置されている

横の金字彫りだった榛名とは違い、白の御影中細の石は縦長につくられ、真っ直ぐ一文字に「戦艦霧島」と書かれている

墓の台座に花受けに刺しきれなかった花束が置かれる


どちらの名前も現在の護衛艦に受け継がれたものだ

落ち着けた心で背筋を正しお辞儀をした後、手を合わせる


戦艦霧島。故郷日本を離れたソロモン諸島の海に沈んだ

勇名では帝国海軍唯一艦砲戦を渡り合った艦と言われるが、それがどんな恐ろしい事だったかを今を生きる者には理解が出来ない

まるで武勇伝のように語られるが、魂の彼女は50発以上もの弾を食らい絶命している

当然その艦に携わった将兵が無傷でいられない矢玉の下で、自分の上を働いた友といえる人達が砕かれるさまの中、はじき出された臓物の異臭と視界を染める赤い霧の中で、彼女はどんな思いで死んだのか?


「安らかに」


きつく手を合わせただ祈る

粉川は頭を上げると手帳の項目を見た


「軍艦霧島。目は茶、髪は黒、口数少なく寡黙な所多し、花を愛で手先器用なり」


簡素に書かれた魂達の記録

「軍艦榛名。目は黒、髪は黒、料理好きで人当たりよし、心強く初志貫徹の人なり」


ふたたび歩き出し天を刺すように立つ尖塔型の慰霊碑、上海事変の塔に手を合わせ

さらに深い道を歩いてゆく

24駆逐艦隊と27駆逐艦達の慰霊碑に手をあわせる

24駆から「涼月」「山風」「海風」「江風」27駆から「有明」「夕暮」「白露」「時雨」

帝国海軍を地力として働いた駆逐艦達の記録を読む、昭和15年にあった柔術の成績が小さく書かれているのを見る


足を進ませる「鳥海」「妙高」そして

大東亜慰霊塔の真横に構えた大理石の慰霊碑に当たる

石段を模した台座の上に立てられた黒の大理石、達筆な草書で書かれ彫り抜かれた文字、金字に輝く金剛


「『こんごう』、軍艦金剛、超弩級巡洋戦艦1912年進水…」


もっとも馴染みのある名前に目の前にして手を合わせた

苦難の演習を共に駆け抜けた『こんごう』、彼女が誕生の時に望まれたのは先代金剛の魂を引き継いで産まれる事だった

ページを弾き、か行の中では戦艦の扱いで大きく書かれたその船の歴史と姿を見た


「目は青、髪は金、気性はなはだ激しいが任務重責を良く背負い推して前を進む者…そっくりだよ君は…『こんごう』」


魂達が望んだ魂である。大戦を30年を戦った者の性格を書いた記述に粉川は苦笑いした

修練に置いて右に出る者なし、帝国海軍の多くの者達を鍛えた主、下段に書かれる当時の魂を現す文章はそのまま今の『こんごう』に当てはまる部分が多くあることに顔が緩む


全てではなく注文をするならば、まだ上に立つ者としての覚悟が仮初めの平和の中で生きる若い『こんごう』にはなく、太平洋戦の時にはすでに老朽艦と言われたであろう中、乱戦の海を走った金剛にはあったという事


簡素に書かれた讃辞を含む感想からはそれは痛いほどに感じられた。最後の夏に向かう冬の海に沈んだ荒ぶる魂は、成長すればきっと現代いまの『こんごう』と重なる気がした。粉川は個人的にだが確信をしていた


激痛と血反吐の中で決して負けなかった彼女の姿を目の前で見たのだからこそ、司令職の艦となるその時には彼女がきっとかつての金剛の姿に重なる時はくる、そう思えたが


「でも、成長によって姿を重ねる事を「魂の引き継ぎ」とは…言わないんだろうな…君達を見つめ続けた人は、君たちに何を思っていたのかな…」


三笠の事も『こんごう』達の事もまだ混乱の中にあった

ただの人である自分に、彼女達の求めるもの、三笠の求めるものを探すのは本当は不可能なのかも知れないと顔を擡げる


手帳にはそれが何であるかを記していない

ただひたすらに、この国に寄り添い戦いの歴史を生き続けた魂達の…


粉川は突然理解した

身体に電気が走る思いで

何故この手帳が簡素に書かれているのかを、死んで行く彼女達の事を思えばこそ辛すぎる記憶を克明に記すことが出来なかったのではないのかと


仮初めでも平和と言われる今を生きる自分でさえ、護る為の戦いとはいえ兵器として産まれた彼女達の想いを救済する術をもっていない

ならばあの大きな、国民全てが戦争に向かわざる得なかった時代の魂達はどんな思いを持っていたのか?

いつ死を賜るかわからない海の上で、二度と浮かぶことのない暗闇の海に藻くずとなって消える艦の魂は

共に生き共に戦いの海を渡れども、彼女達は自分たちの事を標し、記憶に残してくれようとする「人」を愛し生き長らえさせたのかもしれない


そうして生かされた人、帝国海軍終焉の時までを書き続けた人の心は?


紙面を指が探る、今まで見落としていた記録に触れる

ペン先を滲ませた小さな跡…


「泣いたんですね…」


落とされた涙の跡


粉川は顔を背けた、自分涙で手帳を汚すことは出来なかった


「僕には出来ない…」


三笠の背負ってきた歴史と、彼女達の価値観

何もかもが大きな溝になっていた

魂と人には橋渡しが通用するような川が流れているのではなく、もっと巨大な溝があり

安直につなぎ合わせようなんて出来ないという事


それが出来たのならば、この手帳を書いた人のように泣く必要などなかったのでは?と


「いつかお前は後悔するかもしれない」


戦艦金剛の慰霊碑の前で粉川は涙した

無力な自分が、最愛の人だった三笠の為を思ってなどという言葉で彼女達の絆を探し出せるなど夢物語なのだと

自分が妻を失ったとき、身を切られる思いを背負った。同じ日に息子を奪われ、心を千切られた


でも


「たかだか2人…僕は甘い…」


心に踏ん切りをつける言葉で粉川は自分の胸を打った

そう思わなければ前に進めないからと、痛む心を助けるように

三笠が失った姉妹達は百を越し、敗戦で首輪をかけられた者達を見送らねばならなかった気持ちが、自分と同じ気持ちでいるなどは、とんだ思い上がりに過ぎなかったと


「僕は…どうしたらいい?」


「助けてくださいませんか?」


真っ直ぐな姿勢のまま拳を振るわせ立ちすくむ粉川の耳に柔らかな女の声が響いた

カセイウラバナダイアル〜〜恋愛純度〜〜


前書きにも書いてるように恋愛に高い純度を持っている人にはドンドン向かなくなってきている艦魂物語です


ヒボシの書く艦魂は俗に言う「妹系」とか「ロリータ」はいません

意図的にそうしているのですが、未だにそういうキャラが艦魂であるというメッセを送ってくる方がいるのでココでハッキリと書いておきます


今後もそういうキャラが出てくる予定はありません、ごめんなさい

可愛くない艦魂で

でも艦魂を描く作品は小説家になろうだけでも50以上ありますから、たくさん読んでください

貴方好みの可愛い女の子を出されている作家さんもたくさんいますから!!

ただ

ヒボシのところでは本当に諦めてください(てかもう許してやって下さいよwww)


申し訳ないですが、ヒボシの作品では艦魂のセクシャリティーが、かなりヤバイです

今回の話の三笠様などを見ればわかると思いますが、そういう事です

人の持つ感覚とは違うからそうなっているんですが

初恋を大事にしたい人や、言い方は悪いのですが女の子という生き物に夢を持っている方にはドンドン向かなくなってきます


ヒボシは恋愛の経験が無いわけではないので(年寄りですしね(; ;)ホロホロ)

色々そういう要素が入ってくるのよ〜〜〜(もうゆるしてやって下さひよぉ)

ただ、三笠様のありかたが純粋でないとは思ってません

どれをとって純愛というのかは、これから先の話になりますからできれば読み進んでいって頂きたい


愛は難しい、実に千差万別で、頑張って書けたらいいなぁと思ってます

こうして自艦発砲率0%の戦記は続いて行くwww


そして今回もダブルヘッダー

こちらもドンドンやばくなってきましたが、本伝とのシンクロを計るために頑張ってます〜〜〜


前話は71話から、どうぞ〜〜




艦魂物語,魂の軌跡〜こんごう〜 外伝の外伝 港の働娘



氷川丸に受け入れられた事で第2氷川丸の表情には色が戻ってきた

それまで痩せた骨のように疲れた顔、青白い肌を晒していた彼女は唯一の理解者である氷川丸の後ろをまるでヒヨコが母鳥の跡を追うようについて回った

ただ彼女は氷川丸より背が高い、なのでかなり滑稽な図ではあるが、心の大きさは身体の大きさに比例はしない

選んだで産まれた船なのに、日本につれてこられ寂しい思いや、肉体的な苦痛の中にいた彼女には氷川丸は本当の意味で姉となっていた


「オランダ海軍にいたのに…日本に連れ去られて辛かったでしょ」


病院船になる事で中身の装飾のほとんどを取り外し、または破壊しスペースを作った氷川丸にとって変わらないのはプロムデッキの通りだけ

それだけが彼女が優雅な客船であった事のなごりだった

プロムの手すりに手をかけ、望郷の思いを話す


「でもオランダ海軍にいたときには、もう病院船をしてましたから…姉さんに会えるまではすごく辛かったけど、今は頑張ろうと思います」


氷川丸の

「生き抜いて客船に戻ろう」

という言葉が彼女の心を支える大きな柱になったのは誰の目にも明らかだった

肩をすぼめるように寄せ、氷川丸だけをたよりに歩く姿に他の船達からの迫害は無くなっていった


辛いのはみんな同じなんだと

ましてや母国を別としながら半ば強制的に日本のために働かされている彼女の身の上に鞭打つのはそもそもが心優しい船の魂達にはしたくもない事だった


だが

彼女の改装された姿を見るに、共に海をゆく事に対する恐怖はつきまとっていた

元がそこそこの大きさをもつ彼女に与えられた仕事は表向き「病院船」だったが実は戦時下の物資の不足を補うために中身は大幅な改装を施された重油タンクがおかれ

それ以外の製造に関わるあらゆるものが積み込まれるようになっていた


姿こそ、白鳥である氷川丸をまねた病院船だったのに

腹にはどす黒い人の意志を抱え込んだ形として作り上げられていた


そも氷川丸は戦中以前から有名な客船だった

だからこそ船影を真似たというのもあるが、彼女にあたえられた任務は氷川丸のそれとは比べものにならない過酷なものばかりだった


昭和19年12月

年の瀬せまる頃、戦局は日本に対して逃げ場のないものとなっていた

二ヶ月前帝国海軍威信の旗艦戦艦武蔵がシブヤンにて沈み

本土に帰還途中だった戦艦金剛が一月前に、日本国領海と考えられていた台湾沖で撃沈された

刻々と削り取られる戦力

それでも負けを認められない日本国は船団を狩り出し物資の搬送に余念がなかった


だが11月には多くの戦時旅団が沈められていた

11月2日

能登丸がフィリピン・オルモックで揚陸作業をしていた所を強襲され沈没

そこからはもう3日と開けずに沈められて行く仲間達

香久丸

高津丸

客船であったのに海軍に軍艦として徴用された末に沈んだ神鷹事シャルンホルトス

11月20日以降では旅団全てが全滅するという非常事態が相次ぐ

11月22日

ロシアの客船だったアムールは日露戦争で拿捕されて以降を「天草丸」と改名し日本の船として年を重ねていた

少ないながらの第2氷川丸の理解者だったが、台湾高雄から物資の搬送をしていた所を魚雷に狙い撃たれ一分足らずで沈没

物資には砂糖に雑貨、なにより高雄からの脱出組の婦女子、に遭難船員など非戦闘員の多くがいたが一人も残らず死に至る


もはや日本近海でさえ安全な所は無くなっていた


その中を氷川丸と第2氷川丸も走っていた

多くのけが人を運ぶ病院船氷川丸も船倉には詰められるだけの物資を乗せ

第2氷川丸にはさらに過酷な物資と「死」を積んで走っていた


「帰るのよ!日本に!生きぬいて客船に戻るのよ!」


沈められて行く仲間達の事を思えば絵空事のような標語だったが、二人を支えたのはその言葉だけだった

それしか光はなかった


果てしのない闇の海を二人は走り物資を運び

内地を求めながらも死に行く人のために氷川丸達は、もう一つの仕事をしていた

赤く燃える炎の前で

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