第五十五話 夢の世界
くどいようですが
イージスシステムや機械の概要については妄想部分が大半をしめてますよ〜〜〜
そのへんは深くご理解くださいまし
しかし....アメリカ産の明太....まずかった
「中空から上空までの間でレーダーに感知する「物体」はデコイと思われます」
得体の知れない訓練だからと逃げるような事は出来ない
一月少し前...実戦のこの海で何も出来なかったという思い出は『こんごう』の全ての隊員にまだ生暖かく吹き上がる傷口であり
心に重くのしかかった錘でもある
「訓練ごときに白旗は挙げられない」
間宮の言葉に全ての隊員の心は決まっ中
粉川は変に作戦がまとまってしまう前に自分の意見を言った
「じゃなんだ?あれは?」
具体的な行動を早くに決めたい和田船務士は粉川より大きめの顔を近づけた
「だからダミーですよ!」
「何をもってダミーかと聞いているんだ!」
予想や憶測「なんとなく」などというものが大嫌い
それを如実に表す表情の権化である太い眉毛がきつく眉間に狭まるり
大きな顔を粉川の視界からはみ出る程に近づける様は、まるでガンつけの様子だが
艦の運航の大きな部分を預かる和田の曖昧な答えというもを絶対に納得しないという態度は間宮にとっても好ましく隊員の全てにも信頼されている
しかしこの鬼の凄みに粉川は負けなかった
負けていられる時間が惜しかった
「考えなくてもわかります!レーダーに映りシステムが感知した数は通常ではあり得ないし現実的な物理兵器の数じゃない、これはレーダーとシステムを直接狙った攻撃なんですよ!」
粉川の直感
艦の魂である『こんごう』は物理的攻撃を受けているのならば体のどこかに怪我をしている事になる
なのに怪我ではなく頭に何らかの攻撃を受け立つことままならぬ昏倒をしている
レーダーに反応する物体が実際の物質だとするのならば『こんごう』が倒れる理由はない
見えている数に驚く程度ですむ事なのに、そうではない結果が起こったのは
頭脳に直接の作用する攻撃が行われているという事。簡単な言葉を選ぶのならば大きな「頭痛」を起こさせているという事になる
「なんでそうだと言い切れる?」
どちらもが真剣だ。和田の声は荒れてはいるが怒鳴りつけているというものではなくなっていた
周りの様子にしっかりと気を配したレベルの音声の問い
今まで自分たちが艦橋で考えていた以上の「兵器実験」が成されているという事
これは認めざる得ないかも知れないと理解したからだ
「それにしてもお粗末だな全部の機能を停止には出来なかったとは」
睨み合う二人は用意に想像できたのか話しの間を割って
艦橋部間宮の座るキャプテンシート、開かれたままになっていたCICから安藤が意見した
Aシステムの現状をよく理解している上での意見は確かに的確だった
レーダー管制側のシステムは大なり小なりの干渉という被害が出ているが全く使えない訳ではない
「だから実験しているって事ですよ」
突っ込みに素早い切り返し
眼前で顔を摺り合わせる相手和田に
「じゃあこれの決着はどうつけるんですか?」
声だけの安藤は早い解決策をのぞんでいる
ヤルと言った以上に決着は大事だ
向こうが、どれをとって実験を失敗とするかが護衛艦『こんごう』の勝ちとなるかがこれから起こす行動に必要になってくる
「まずわかっているのは、この海域を強行離脱したら我々の負けという事ですね」
CIC安藤二佐は海域図に目を走らせながら近づく囲いの境界線を知らせた
「そうだ実験海域で「何もせず」離脱したら僕達の負けだ」
「しかし攻撃を要する的が決まってなければ艦の方向はもとより手の打ちようもないですよ」
囲われた海域を離脱せず「何かを」目標に迎撃ないし回避の運動を選択しなければならないのは
間違った行動を起こしただけで「負け」にもつながるという事だ
和田はー腕組みしたまま難しい表情を浮かべ
少しばかり雨脚が弱まった海を睨んだ
その様子に粉川は自分の考えていた敵を挙げようと急いだ
作戦的にもココで考えあぐねられる事も負けとも言えるし
こうしている間にも『こんごう』は倒れたままで苦しみに歯ぎしりしている事にはかわりないのだから
「敵は」
「敵は潜水艦」
粉川の言葉に間宮が声を重ねた
「向こうのルールに則っての線引き(海域)の中にいるんだ。消去法で考えればそれしかいないだろ?」
シートをクルリと回した間宮はそのまま
「粉川くん君の「パソコン」にそのアタリの情報は来てないのかな?少しは調べられるとおもうのだけど?」
人差し指で情報提供を願う
「レーダーに干渉がある上にココ東シナ海域でネットはつながりませんよ」
当然の事と少し呆れた顔をする粉川に間宮も当然だろという顔で
「出る前に(出航前)に佐々木情報局次官と回線をつないだ、石上一佐の事もご存じだったのだろう?」
そう言うと荒海にむかう窓に顔を戻す前に応急端子である通信機を投げた
「ココはこれから戦場だ。その間に君は君の出来ることで僕たちを助けて欲しいんだよ...艦にとってもそれが良いと思うんでね」
顔は艦橋のガラスに向かって片目を閉じた合図のような仕草をしながらも向かい風の世界に突っ走る覚悟を伝えた
「頼むよ」
無法なる海の元
不明の実験に対し反旗を掲げて間宮達は進む道を選んだ
粉川はそれを合図にしたのか急ぎ足で艦橋を跡にした
その姿に和田は少し困った顔で聞いた
「いいんですか?」
「良いだろその方が僕たちだって変な評価をもらわなくてすむ」
「艦長....」
この期に及んでFTGの採点を気にしているような玉では絶対にない間宮のジョークに和田をはじめ艦橋に詰めた隊員達は苦笑いを浮かべた
それは間宮らしいリラックスを促す方法だが、それ故に全ての隊員に気持ちはスムーズに伝わっていった
睨むは闇雨の空
見えないといわれる敵に対して海自の最新鋭護衛艦は戦いを挑んだ
「さあ、やろう!」
「『いかづち』ちゃんは自分の艦に戻って」
間宮の含みのある発言に少しの懐疑をいだきながらも、回避できずこの実験に真っ向勝負を挑む事決断した間宮の意見を尊重した粉川は艦隊の運動に際して『いかづち』が自分の艦から離れている事は危険と判断していた
「いやや!!怖い!わて一人だけ艦にもどるなんて.....粉川はん」
帰った部屋の中はいつものようにテーブルもなければイスもない
騒がしい仲間も一人もいないグループルームの真ん中、恐怖に涙する『いかづち』の肩にあるのは『こんごう』の手
それだけが艦魂『いかづち』の心を助けていた
粉川は自分が艦橋に走った後....
孤独と得も知れぬ恐怖に泣く『いかづち』を『こんごう』が支えていた事に気がついた
今は転がった姿
目の焦点も合わない程に昏倒した姿で、口から黄色い汚泥の泡を吐き耳からは少なからずの血を流したまま
それ程に無様な様でも仲間を励まそうとした彼女の姿に余計に責任を感じていた
「『いかづち』ちゃん....『こんごう』の事はぼくに任せて、君は速く戻って艦の心として働いて」
「せやけど...」
いつもの饒舌さを欠いたたどたどしい語り
彼女が恐怖を心に戸惑っているのは粉川にも容易にわかった
さっきまで人だって今まで味わった事のない状況に混乱をしているのだから
だけどココから先は艦隊の運動にもかかわる事、『いかづち』をココにのこしたまま行動に入ったら余計に危険だ
「『いかづち』ちゃん....ぼく達は負けられないんだ。訓練に不明な点があるからお手上げですなんて....絶対に言えないんだ。だから自分の勤めを果たして」
「粉川はん.....」
『いかづち』は自分と『こんごう』の間に入って話しをする粉川の手にしがみついた
震える体小刻みな振動が腕に伝わる
演習はいままで2桁以上してきているそれでも怖いという思いで、メガネの後ろに溜まった涙がこぼれる
「『いかづち』ちゃん....」
粉川には相手である『いかづち』が本気でこの状況を恐怖する事はわかっていても理解はしてあげられない
「『いかづち』ちゃん!!キミはこの国を護る盾たる護衛艦なんだ!!訓練ごときで泣かないでくれ!!」
粉川は自分の手に縋る『いかづち』の顔に真剣な眼差しで引きはがした
「早く戻って自分の職務を果たしてくれ」
すでに護衛艦『いかづち』には『こんごう』からの信号灯で指示がわたり行動に入るために怒号が飛び交っているハズ
のんびり話しをしている時間などない
「ほな、わての所に一緒にきてーな....わて、怖くて....」
それでも『いかづち』は自分の身の上に掛かった初めての恐怖を拭うことができなかった
不審船の時のように見えている目標があるのならば...それに向かって自分を集中させ
「戦う」「護る」という気持ちを保つ事もできたが
今ココで起こっている事態は理解が出来なかった
ましてや自分たち護衛艦の中ではずば抜けた戦闘能力を持っているハズの『こんごう』が目の前で倒れてしまっている事は今までになかった事で
そんな中で自分の艦に戻れなんて受け入れられなかった
なにより
1人でいられなかった
左手に移動のための光の輪を表しながらも右手で粉川の心を掴もうとする『いかづち』はそのまま移動しようとしたが粉川はその手を振り払った
「そんな事はできるわけないだろ!『こんごう』をこのままにしておけるのかい?」
粉川の腕の中
目を開き混迷したまま口から泡を吐き続ける『こんごう』
意識が有るのかないのか
なのに手が『いかづち』の手を強く握る
「『こんごう』....」
声は出ない
もう喉を詰めてしまっている自分の泡に声もでないのに、目も動かないのに仲間の声に不安を癒すように反応して手を握る
痙攣が走る指先と痺れた手のひらで
「行って!『いかづち』ちゃん、『こんごう』には、ぼくがついてるから」
「.....粉川はん.....わて.....わて.....」
手を伸ばす手に粉川は頷くだけ
「がんばろう」
励ましの言葉は耳を通り過ぎる中で『いかづち』は光の輪、泡沫のかけらの中に姿を消していった
フェイズ2
アイゼンハワー内部冷蔵庫の部屋は青白い炎の方が熱い温度を示すように活気という熱を上げていた
青い光の部屋はフル回転で動いている
まさか自分たちが仕掛けた不測の事態に相手が「応戦」してくるとは思わなかったからだ
大抵の艦艇なら
「これは訓練」という事を前にココで実験を終了させる
無駄な事に艦を動かせないという言い訳を前に自分たちの身に起こった不測の事態から逃げるハズなのに『こんごう』が違って答えを出したことに興奮していた
「向かってくるとはなぁ.....」
石上の隣のダニーも自分のパソコンのデータを洗いながら新たな進行に目を輝かせていた
「潜水艦に気がついたかな」
周辺海図の中、囲いのモニターに映る「壁役」の潜水艦はポイントの場所に点滅している
「気がついたかもしれないな」
自分のパソコンは決して開かず進行する状態を睨む石上
「大佐!Miss diamondは間違いなく明確な判断として回避運動をしてます。ただ現在は攻撃の態勢はとっていませんから「何が」感よしているかを理解しているとは断定できません」
ダニーは膝の銃に目をくれながら
「OK、Miss diamondは我々に見えない手段を使って艦隊運動を開始した事を認めよう」
そう言うと石上の顔を確認するように
「僕たちは攻撃にうつるよ。ココまでやったんだから結果が欲しいからね」
石上はすぐには答えなかった
ただメインのモニターから隣に映る『こんごう』『いかづち』の姿を追いながら
「攻撃のために姿を現せば迎撃を受けるのでは?」
挑戦する技官であるダニーに挑戦的に聞いた
「そのためにフェイズ2に入る。向こうはまだ回避を始めただけで対策もないだろうし、こちらの作業は時間にしたら10分もかからない、正念場だ手を抜かずに頑張らせてもらうよ」
「入ってから何分経った?」
回避運動に入った『こんごう』艦長間宮はCICにリンクの断絶からの時間を聞いていた
「15分と43秒です」
「敵も訓練とあぐらをかいているな」
ジャミングが入って10分以上もの時間があくのは不自然と間宮はとっていた
つまり自分たちがレーダーの障害に苦しんでいるうちにトドメを刺さなかった事を皮肉っていた
本来なら獲物を狙うチャンスだったのに見過ごした事が相手も自分の持ってきたレーダーを邪魔する新兵器の「訓練.実験」という考えを未だに持っている証拠
やられた側がこの不意の出来事に腹を立てて本気になったと、それによって実戦の場に変わったという事にまだ気が付けていないルーズさは
やる気の『こんごう』乗艦者達にとってチャンスだった
「本艦が艦隊から離れてどのくらいだった?」
「約30分です」
曇り空
雨を緩くさせたとはいえ視界が良好というわけではない
その空を間宮は目を細めて睨むと
「空の目は、信じるしかないが多く見積もっても余裕は5分しかないな」
つぶやきながら次ぎの指示を飛ばす
「ソナーはどうだ」
「反応ありません」
あごに手を置き考えるが目には笑いが浮かんでいた
「敵も慎重ではあるようだ。後手後手には成りのそうだが...ものは考えようともいう」
間宮の手元にはコレまでの戦闘記録を書いた分厚い本
何ページかめくった後、いつものイタズラな笑みを浮かべると
CICの安藤は飛び上がるような指示を出した
艦橋要員も
それはどんな艦長も指示した事のないものだった
だが間宮はいたって冷静に続けた
「敵がわからなきゃどうにもできないだろう?」
「しかし....そんな事は今までどのイージス艦もした事がないハズです」
「相手はレーザー索敵をしてるみたいなもんだ。そこから姿を消したら....姿を表すしかないだろ」
「しかし....」
前代見物の指示に和田は抵抗したが、いち早く応答したのはCICの安藤の方だった
どちらにしろこのままではらちが明かない
安藤は訓練で命は取られないと良い意味で腹をくくっていた
「では太陽の目が見えたときに通常運行に戻す....そういう事ですね」
そういう気持ちで決めた覚悟の声はどこか楽しげだった
「やったことのない事をやるから実験って言うんでしょうしね」
安藤の返答に和田の顔を見ながら間宮も笑うが
しっかり本音も告げた
「やる限りは勝たなきゃな」
「ええい....わかりましたよ」
大きな体に心配を詰め込んだままの和田も諦めたように従った
「聞こえるか、艦長の間宮だ」
胸のポケットに入った応急端末が交信とけたたましい音を立てる
粉川は『こんごう』に自分のコートを被せた状態で返事した
「はい!」
焦りを噛んだ強い口調にも動じ無い艦長の口調
「よく聞いてくれ」
「これよりフェイズド.アレイ.レーダーをAシステムから解除する」
「はい?」
聞き慣れた言葉の聞き慣れない指示に粉川はうわずった素っ頓狂な声をあげて
「解除?切るって事ですか?」
「そうだ。だから「そちらに不都合な」状況があっても対処できない。パソコンはしまっておいてくれ」
「いや!まってくださいよ!そんな事したらどうなっちゃうか」
「囲いの海域を見るのにフェイズド.アレイ.レーダー程の範囲はいらない、『いかづち』と本艦の通常レーダーで対応する。理由は直接干渉を受けている部分が相手の索敵にも使われているもの考えられるからだ。だが切るのは長くても5分」
粉川は焦っていた
通常活動でいきなり戦闘状態になっていた目の光りを落とされたりしたら魂の『こんごう』がどうなってしまうかわからない
あるいは痛みから解放されるかもしれなくてもすぐには「了解」とはいえない状態であるにもかかわらずさらに5分後に再起動する事も危険な香りしかしない
そんな相手の事情を待っていられない間宮は念を押した
「悪いが後は頼んだよ」
「待って....」
切れた端末に行き場のない焦り
粉川は自分の目の前懸命に艦の心としての仕事を倒れながらも徒事する『こんごう』に近寄った
「『こんごう』.....今から君の目が少しの間見えなくなるかも知れない、でも大丈夫ぼくがココにいる....ココに付いてる」
麻痺の痙攣に揺れる指と手のひらに自分の手を合わせて握る
弱い息と目はそれに少しの力を返した瞬間
意識は途切れた
「レーザー感知、ロスト」
フェイズ2に入る体制を整えた冷蔵庫(controlroom)に入った一報にダニーは顔色を変えていた
と言っても青色のパネルの反射の下にある彼の表情はどちらかと言えば目の玉に集約される。灰色の目の中、黒い瞳孔は猫のように尖っていく....そんな不可思議を醸すほどの沈黙の後
「フェイズド.アレイ.レーダーが壊れたか?」
誰に問う言葉でもない、自分の中にある経験と記憶を探りながらモニターを睨み続ける
「ビームスポットの反射が無くなりました。ですがMiss diamond自体は捉えています」
撹乱のために使っていた大規模なレーザー光線は同じレーザー波にぶつかる事によって残像をつくる。それに固定の全周囲警戒型レーダーであるフェイズド.アレイ.レーダーが感知するという条件がある事で相手を絡め取り行動不能にした後、とどめをさそうとした矢先に
肝心のレーダーが止まった。
これが意味する事....
壊れたのか、止めたのか、
ダニーは首を振った。安直に自分達の加えた打撃でレーダーが壊れたと考えたら「負け」だと
「止めたな....多分」
そう考えなくてはならないと頭の中の数式を合わせていく
イージス艦と通常駆逐艦が回避運動を開始したの自分達の手のひらで踊らされているわけではないと理解した
攻撃のための必然とした行動
Miss diamondが牙をむいて自分達を探していると
「アイザック少佐!Miss diamondをこちらが捉えていたとしてマーシアハ,「石龍」に知らせるためにはハ・シェム(衛星)との交信を切る必要があるか?」
メインで実験の全権を仕切っているダニーとは違い運行の全てを担っているアイザックは各所からの報告を手早く読み取ると立ち上がった
自分より後方の席に座ったダニーに難しく顔を歪め
「交信自体には問題はありませんが、石龍がレーザー受信ならび攻撃実験機を停止しなければ正確な迎撃は不可能です」
「2.3.もか?」
素早い上官の問いにアイザックもまた素早く返す
「私見ですがシールドスペースは3つの連動で行われています。1.2.準じ解除時間差で迎撃に入れば」
「その間に位置を知られるな」
「フェイズド.アレイ.レーダー程の精度がなければ直ぐには」
「そこが肝だ」
指を揺らす。解除の時間でレーダーが回復する可能性はある事の懸念。
壊れたのか?止めたのか?
よもや自分達が実験機の稼働以外で不測の事態に落ちている
「レーダーが死んでいようがいまいが、囲みの中の限られた海域だ。既存のリーダーを介してのアスロックを受けたら逃げきれるとは言い切れない」
ダニーの頭はめまぐるしく回る
このまま潜水艦を発見され
実弾がつかわれる事はないにしてもテスト弾頭が石龍を撃ち落とすという状態になればこれは艦隊司令のマレスにも言い訳が立たない
ダニーは『こんごう』のアイコンを見た。文字通りレーダー反射のアイコンを出さなくなった図を睨んだ
「実験を停止すればよろしいかと、ココまででも十分な成果は得られてますし」
アイザック少佐と同じモニターの監視についていた技官はデータの頭出しをしながら敬礼と共に振り返ると
「ここで停止するのがベストです。我々にとって」
「わかってるさ、そんな事」
立ち上がった技官達の前、ダニーは肩をすくめたままモニターに向かって歩き出した
ゆっくりとした歩調だが
手を挙げて『こんごう』のアイコンを指すと
「ladyが僕たちのお誘いに興味を持ってくれたのに、ココで知らんぷりするかい?gentlemans?」
沈黙の部屋に白い息
機械を動かす音
「lastdanceは誰にも邪魔されたくない。彼女とぼくは踊りたいんだ」
手を開いてwaltzの拍子を叩く
「いやいや、彼女はもっと激しい踊りがお好みみたいだが....踊ってみせるさ、ladyに合わせてね」と
それぞれのモニターとブースに座った部下達の前に笑顔を見せた
「わかりました」
軽めの溜息
慣れた仲
teamという体制になって以来長い付き合いのあるアイザックはダニーが一度こう言いだしたら引かない男だという事をよく知っていた
不足の事態に自分達が逃げて結果を残す事を嫌うという心
せっかく持ってきた最新兵器案がテストのちょっとした不出来で棄却されてしまう事だってある米軍の中にあって
「失敗をおそれない」彼の姿に着いてきたのだと自分の頭を小突いて納得させると
並ぶ同胞の技官達に命じた
「フェイズ2を解除、移行アクティブ1を持ってハ・シェムの稼働をレベル1に下げる、同時にシールドを解除、1(マーシアハ).2(ルーアハ).と準じレーザーサイトも解除する」
「それで何分かかる」
「8分です」
ダニーは苦く唇を噛むと声を大きくして指示した
「遅いぞ!5分で解除!!」
「了解」
移行したプランよりも素早い展開を要する時間に全ての技官達の手は休む事なく短音を叩き続ける中、ダニーは自分のデスクに戻って石上の鼻に人差し指を当て
「やられたよ、君の思惑にもっと早く気がつくべきだった」
怒りではなくどこか緩く鈍く光る目
当てられた指を手でかわし、石上もまたゆっくりとした口調で腹の底の見えぬ言い方
「......まだ終わってない、最後までわからないだろ」
「そうさ、最後までこういう事態が無ければ出来ない事だってあるからね」
膣までも挑戦者である目は輝いたまま新たな作業に入った仲間達を見回すと着座した
「負けないよ....まだまだ」
手にはJerichoを持ち緊張の時間を楽しむかのようにつぶやいた
「ようこそ夢の世界へ」
エメラルドに輝く波の光
水槽を下から覗き込んだように目の前に揺れる水面下からの絶景の中で『こんごう』は目を覚ました
天井も床もない一面に広がる水面下の海の中に立つ自分に驚きながら
「貴女とお話がしたかったから調度よかった」
背中から響く声
どこか眠りを誘うような声に『こんごう』は振り返ると
自分から離れた場所に立つ影
「ココはどこだ?」
今まで自分が見ていた自分の艦内とは明らかに違う世界
水の中で息をして浮いているという浮遊感....なのにどこか体を濡らしているわけでもないという不可解な場所を最初に問い詰めようとした口調に、豊かな黒髪を水の中に揺らすような相手は小さく笑うと
「まず名前からでしょう挨拶として、ですが私は貴女の名前は知っています。日本国『こんごう』さん....私達の仲間内では「Miss diamond」と呼んでいますが、どちらでお呼びしたらよろしいですか?」
「『こんごう』で.....貴女は?」
相手のしゃべり方は緩くまるで自分を試しているようにも感じられるが
自分の方から事を荒立てるのは見苦しい
近寄る影に向かって『こんごう』も落ち着きを取り戻し
足場のない空間に浮かぶように起立した
「私の名前は「M.Maria」地上に福音をもたらした者の妻なる者、そして海を生きる魂達への福音者」
まるで逆巻くように揺れる髪
自分と同じように透き通った泉の瞳....いや透き通りすぎているのか白目との区別は黒目のある境界でしかわからない輪郭の円の中に光る目
女である事は確かだが服装もまた変わっていた
「マリア.....それは教会の」
「気になさらないで、わかりやすいように儀礼上この服を来ているだけですよ」
マリアの衣装は軍服とは違うものだった
襟首までをカラーで締めた服、前ボタンは足下に届くところまでキチンと付けられていて色は赤色
「私は神の僕でありますから...これはスータンという司教としての衣装です」
「司教....僕?貴女は艦魂じゃないの?」
相手の不可思議な自己紹介に困惑の顔のまま聞き返す
「いいえ、私も貴女と変わらぬ妖精(艦魂)ですよ。ただ私は不安を持つ魂に導きを与えるという奉仕もしているだけです」
「不安?」
「そう貴女が抱えているものへの解決に私は力を貸してあげる事が出来るわ」
何もかもが謎としか聞こえない『こんごう』は自分がなぜココにいるのかも?
何故、見知らぬ艦魂と話しをする事になっているのかも?
全てがワカラナイまま海の中に立つ自分とマリアを見た
「貴女の知りたい事を....貴女に必要な導きを私が与えましょう」
全てを見透かすシルバーの目は『こんごう』の前で静かに
静かにただ笑ってみせた
カセイウラバナダイアル〜〜久しぶりの艦魂紹介〜〜
一話使って紹介してくださいというめっせもいただきましたが
さすがにそれは...上は小説を書くスペースですからそういう事にはつかいたくないというのが私の意志と受け取って頂きたいです。すいません
できるだけわかり易いように心がけてますが
その内きちんとしたHPを作成したらそちらにでもと考えてますから
さて艦魂紹介、今回はアメリカから!!
ドワイト.D.アイゼンハワー
アメリカ合衆国第八空母打撃群の司令艦 艦魂アイゼンハワー、愛称アイク
オーバーホール開けの一発目の演習にやってまいりました彼女
身長155センチ
年齢(艦魂流見かけ年齢)16歳
栗色の髪に茶色の目
一見すると『くらま』さんより年下に見えるが実は年上であまたの戦いに参加している有名な空母
愛称は「アイク」これはアイゼンハワー大統領の愛称と一緒です
ゆらゆらと舌足らずなしゃべり方で任務にもそれ程熱心ではないご様子ですが、中身はしっかりしたところもあるようで苦悩の中にいるカウペンスやカーティスにも十分な話相手になってくるあたりは立派な人
愛読書の一つに「海の麗人倶楽部」があり今回の日本演習を心から楽しみにしていた
演習後、佐世保に寄港する予定だが.....一騒ぎ起こしそうな人ですね
イージス巡洋艦カウペンス 艦魂カウペンス、愛称ダニエル
イージス艦としては古いタイプの形「タイコンデロガ級」ベースライン3を搭載した船
湾岸戦争では初めてイージスシステムによるコントロールでトマホークを海上からイラク領内に34発射した古強者。現在は横須賀を提携港とし日本の護りの一端をになってているが
艦魂ダニエルは湾岸戦争で自艦発砲のトマホーク(劣化ウラン弾)の半分が誤爆していた事がトラウマになっている
実験的発砲による誤爆を隠し続けた合衆国にまじめに自分をつきあわせる事ができなくなってしまったのだ
そもそも船の魂は心を斬る想いで人の戦いに添うのだから...出来れば争いや血を見たくない
それを国に仕えるという気持ちで踏み切った彼女だったが想いを踏みにじられたというところ
現在は今話登場の「マリア」に信心し、心の救済を求めている
身長172センチ
年齢19歳
金髪だけどどこかアッシュ系の髪で肩に掛かる程度の長さ
目は青
イージス駆逐艦カーティスウィルバー 艦魂カーティス、愛称クーン
姉であるダニエルと共に現在も横須賀に隻を置くアメリカ第七艦隊所属のイージス艦
新しいタイプというか現在これが世界に広がるイージス艦の形となっている「アーレイバーク級」ベースライン4を搭載の艦
縦の姉であるダニエルは攻撃を実際にしてしまった側だが彼女はオペレーションサザンウォッチにおいて指揮艦として参加している
以降あまたの作戦にて指揮艦として参加しているため戦場における感情やモチベーションはダニエルよりは冷静に捉えているが
心根優しい妖精である事は変わりなくトラウマの苦しみにいる姉を励ましたいと想いその事で涙したりもする
随伴で初めての司令艦アイゼンハワーと共に演習に参加したが、やはり司令職の艦魂は真実に近いためクーンより余裕のある判断ができたらしく涙のクーンはアイクに支えられる事になる
身長170センチ
年齢19歳
髪はシルバーダークのショートかなり短い感じ
目は青
アメリカ艦魂の愛称、艦魂物語では
艦魂は基本もらった名前が自分の名前と認識していますが
アメリカの艦魂の多くはそれ以外に自分に愛称というものを持っています
これには理由があります
今回紹介のカウペンスは愛称ダニエルですが
これはカウペンスという名前が「戦場の名前」だから心優しい彼女はとてもそのまま自分として呼ばれる事は耐えられなかったという事でアメリカ独立戦争「カウペンスの戦い」の功労者である「ダニエル.モーガン」から愛称としてダニエルを拝借したという形です
彼女の持つ心の背景から選ばれた愛称なんですね
さてもう1人
カーティスウィルバー事クーン
彼女が愛称を持つ理由がアメリカ艦魂が自分に愛称をつける大きな理由の一つです
そもそも
カーティスウィルバーはアメリカの海軍長官の名前です
アーレイバーク級イージス艦は基本合衆国に(特に軍事に)貢献した人の名前がつけられます
つまり他人の名前が自分の名前として与えられるという事です
でもそれはイヤというのが最大の理由なんですね
アメリカ人は生来こういう部分をもっていて
たとえば「君はトム.クルーズに似ているね」なんてハンサムボーイに言おうものなら大抵こういう返事が返ってきます
「hay.彼が僕に似ているのさ!」と
つまり自分がオリジナルである事を主張する
他人のそら似なんかまっぴらゴメンというヤツです
そう言う意味でカーティスは自分の故郷(造船場所)から自分の愛称を作った
故郷メイン州の可愛い名産猫ちゃん。メインクーンからクーンと言う事です
ですが艦魂は代々つけられる名前もあるのでそんな贅沢もいえませんだから正規の名前とは別に愛称として別名を持つ者が艦魂物語では多く存在するという事です
ただ
何が何でもという事もないので
キティホークやアイゼンハワーのアイクなどそのまま名前を使っている艦魂もいるという事です
前にでたバグジーはインディペンデンスの愛称です
草薙先生のところの「真名」というものですか?という質問がメッセでありましたりで併せてここにかいておきますね
「真名」という方がヒボシにはわからないシステムで小説を読んで本名という事がわかりました
艦魂物語ではあくまで愛称で本名ではなく、別に呼ぶのにも許可はありません〜〜〜www
それではまたウラバナダイアルでおあいしましょ〜〜〜