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第四十六話 最後の人

色々とご迷惑をかけながらも頑張っております!!

今回で「艦魂編」終了!!

次回から!!!ひっさしぶりの『こんごう』達がもどってきます!!

「最初に屍を踏み倒すことに勇気を奮った者は偉大であるが,その生き方は悲しい。。しかし必要な時もあり」


透明度を増し高く突き抜けるような青の空気を感じるようにキティホークは空を眺めたまま立ちつくしていた

瞳と同じ青い空に,この国へ来るときに提督がくれた言葉を思い浮かべていた


一瞬だけ目で今までいた三笠の側を向く

黒の制服姿も「人」の士官達と変わらぬほど板に付いた姿

威厳も備えた静かな目が

ココから反対を向いても見る事の出来ない戦艦三笠に目を走らせた


KOSANOpark

米軍基地の端から彼女は見える位置にありいつでも飛べるが

自分の位置からでは飛べても姿は見えなかった


それが自分と三笠の想い間にある溝のようにも見えるとキティは考えていた

近くにいるのに届かない人

隠された心に触れることを許さない姿を。。。。

それでも。。。。

それを手伝いたい。。。でもそれが「あやまり」なのかも知れないという迷いの中にいた






キティホークは敬虔とまではいかないが,信心を持つ艦魂だった


妖精(艦魂)という人とは種を異なる存在であるにもかかわらず「宗教」というものに興味を持ち

それを自分の中で「節度」として活用した艦魂

日々を自分と仲間の為に祈り

愛する者達のために尽くすことを喜びとしてきていた


彼女は聡明だったがそれ以上に繊細で

祈ることの意味や

生の儚さなどを思い詰め,自分に課せられた「大将」という任に潰されてしまう事のないためにも信心を必要とし,常に海軍の事を人より多く学ぶことで自分の心を助けていた

世界の海を走り,世界を見守るアメリカの権威として恥ずかしくないように


その心が,先の時代を生きた艦艇に対して他の誰よりも崇敬の念を持たせていた


自分の艦齢も末期に近くなったのに「日本」への赴任を得られたときには飛び上がって喜んだ

この時代において

かつての荒々しき海の時代を生きた先人に。。。もう1人に会えるのは奇蹟に近かったからだ


現代社会

現在の世界において100年を生きる3戦艦。。。1人はアメリカの海軍にとっても艦魂達にとって魂の支柱ともいえる旗艦提督(flag admiral)コンスティチューション

もう1人はネルソン提督と共に集中砲火を受ける激戦のトラファルガーを勝利したイギリスのヴィクトリー提督


そして最後の人が,このまま生きればおそらく100を越す三笠元帥だった

(キティが日本に配属された時点で三笠はまだ100歳を越えていなかった)


現代を生きるキティは空母打撃群の長という宿命からも,どう転んでもイギリスのビクトリーに会うことはできない

彼女はイギリスの軍港に籍を置いていてコンスティチューションと同じ身であるから


だが。。。

三笠には何かのチャンスがあれば会えるという状態ではあった

事実,アメリカから横須賀に寄港した空母達は三笠との謁見を必ずしていた

キティも何度か日本に寄港し横須賀にも立ち寄った事もあったが。。。


時が三笠に会う事を許してくれなかった

常に過酷な任務につきまとわれ会えなかった


その間に仲間達の何人かが三笠と謁見してゆく

出会った艦魂達が一回りも大きな存在になって帰ってくる姿をいつも羨ましく思っていた


自分も三笠と会うことで「艦魂」として大任の戦いをこなした元帥から,戦いへの心得を聞きたいと願っていた


是非に会いたい

そして

願いは叶えられ

最後の任地として横須賀へ



提督コンスティチューションを心から敬愛しボストンの海軍工廠,(現在も使われているが現代艦の建造も修理もしていないためキティでは入れない)前進,チャールズタウン海軍基地(現在はこの名前)にブルーリッジ以前,太平洋艦隊司令だったコロナドに頼み込みこんだ。目をつぶってくれと


フィラデルフィアにて重ねた改修工事の最後の段階になって日本に行くことを聞かされた彼女は

このチャンスを最後と軍規違反のスレスレを通して提督に会いに行った


提督コンスティチューション


普段は誰と会うこともなく

ボストンとイギリス,アメリカの歴史研究に没頭する日々を送っていた彼女は自室で日記を書いていたところに

突然の来客を受けていた


ベルベットゴールド,滑らかできめ細かな髪

白い肌に愛嬌の良いクルリと丸い緑の瞳を持った20歳ぐらいに見える彼女は

片目にかけたモノクル越しに自分の前に立ったキティを叱った

制服を見ればわかる「大将」の肩書きを持った者にかかわらずのアポ無し訪問に


「アメリカを代表する空母とも有ろう者が」と


だがそれ以上は責め立てたりしなかった


叱ろうにも,溢れんばかりの笑みを浮かべたキティホークの顔を見るに

嬉しい報告に溜まらず飛び出してしまった事がよくわかったから





「そうか。。。元帥三笠に会えるか。。。。」


一通りの無礼を謝ったキティをガンルームのテーブルに招き座らせたコンスティチューションは春を近づける日差しに目を細めながら

自分より年上の姿を持つはるかに若い妹を羨ましそうに見た

声にはまだ幼ささえ感じられる温和な提督の態度に


キティはうれしさ余って自分が三笠と「大日本帝国」の事を細かに調べていた事を語った


姿年齢にして20は越えている彼女の無邪気に自分調べた「日本」を語る姿を

姿とは別に十分な熟年の心を持ったコンスティチューションは,うんうんと聞き続けた


「私もこの海を渡ってゆけるのならば元帥に会いたい」

木漏れ陽の美しい部屋からコンスティチューションは海を見つめた


「提督もお会いしたいのですか?」

「会いたいよ,私は自分の足で海を走れるのだから」


今は式典や訪問航海でしか軍服を着ることのなくなった彼女は黒のロングスカートと白のブラウス姿で汲んでいた自分の足を軽く叩いた


長くココに居続けである提督だが,この数年前,116年ぶりに自力で海を走った

船首に立ち

海の風をいっぱいに受けたときの事を昨日の事のように覚えていると笑い

その時に触れた風の感触を確かめるように手を見せた


「波風には十分に堪えられるが。。。さすがに日本は遠いから」

100年以上を経ても20そこそこの美しい顔,それでも歳をとったと苦笑い

「元帥に会って。。。そうね,海を行く話しがしたいものよ」


キティは少し驚いた艦齢からしたら三笠より年上のコンスティチューションが会いたいと願う相手として三笠を挙げることに

むしろ自分経験を聞かせたいとか,お互いが戦った大きな海戦についての話し合いたいと言うと思っていた


「私は日本海海戦を勝った時の感想などを聞きたいのです!!きっと素晴らしい戦いだったと思うのです!!」


この日まで数多の戦場に飛行機を飛ばし続けたキティにとって大きな戦いをこなした司令艦の経験を聞くことは大切な事だと思っていた

だが

この発言を聞いたコンスティチューションは急に眉を下げ首を振った


「オマエは。。。元帥にそんな事を聞きたいのか?」


以外な反応

声色にも悲しさが滲む様子にキティは自分が,はしゃぎすぎて羽目を外してしまったものと思い姿勢を正した


「すいません。。。心構えとして,その戦いを知りたいと。。。」


テーブルの上に用意されたティー

湯気とともに静かに揺れる心

コンスティチューションは外側は十分に大きくなった彼女の中身がまだ「子供」である事を見抜いた

同時に。。。。危惧していた思いに気がつき

顔に厳しさを戻すと


「戦う覚悟はあるか?」

少しの空白の後,キティの目を見たコンスティチューションはまるで宣誓をさせるかのように聞いた


「あります!!」


急な質問だったが,これはいつも提督が戦地に赴くアメリカ艦魂するおきまりの問答

立ち上がり敬礼をとる


「では死ぬ覚悟はあるか?」

「あります!!我らは死してもまた」


大きな声と共にかつて大戦を戦ったアメリカの艦魂達が三笠から教えられた「艦魂」というものの口伝を

教えられたとおりに詠唱した


起立正しい軍人として姿勢も美しく答えたキティにコンスティチューションは,やはり顔に悲しみを浮かべて首をふった


「口伝を棒読み程度にしか思っていないのなら。。。。元帥に会うのは失礼でしかない」


キティは返す言葉を無くしてしまった

むしろ大きな声で叱責された方がどれほどにマシかと思うほどに,目の前のコンスティチューションの悲しみの目に打ちのめされた


この時にはまだわからなかったのだ

むしろ

限られた艦魂にしか口伝されない「艦魂」という存在の意味を本当の意味では理解していなかった


「私は。。。。。。。。。元帥の」

「何故,生きる意味,死ぬ意味を教えてくれた三笠元帥に戦いの歴史などを聞く?」


キティの心は凍った

そして「戦いを学ぶ事が」艦魂にとって大切な事でない事を知った




その日,自分の失言に打ちひしがれて帰ってきたキティに久しぶりの友達からの通信が入った

西太平洋に配備が変わった彼女はカラカラと乾いた笑いで涙に目を真っ赤にしいると思われるキティを笑った

ほぼ同期の彼女は豪放な性格とユーモア溢れる人としてアメリカ海軍艦魂では知らぬ者のいない有名人


同じ年に一度,日本に寄港した時。。。。

彼女は軍務そっちのけで三笠に会いに行った

実はそのせいでキティが三笠に会う時間を失ってしまっていた

真面目なキティに仕事を押し付けて謁見したというとんでもない人物は


キティがオーバーホールを受け始めた頃はまだ日本に寄港したりしていた


「泣くなよそんな事で」

「だって。。私は。。大任をこなすために必要な事だと思って。。。」

自艦に取り付けられた衛星回線を使い,鼻のつまった声でコンスティチューションとのやり取りを話したキティに


「お堅い話なんか聞こうと思うから,そういうふうに言われたんだよ提督は別に怒ったわけじゃないんだろぅ」


どこか酒に酔ったトロンとした話し方の彼女は語尾の後に軽い笑いのオマケをつけて

「普通に話ししたいって言っておけば良かったんだよぉ」

「エリーは。。。元帥にあっとき何を話した?」


キティは大抵の空母が司令職に就くことから大して自分と変わらない質問をしていたと考えていた

涙の目を拭いながら鼻をかんだ音に


「酒と。。。肴の話しをしたかな?」


目が点になる返事

三笠元帥とも言われる偉大な艦に会いに行って,そんな話しを?エリー特有のジョークか生真面目な自分をバカにしているのかと涙に萎れていた目尻をつり上げ


「ジョークはよして!!」と突っぱねたが

「いや,真面目な話しだよぉ。。元帥は気さくな人だったよ」


エリーはそこまで言うと


「キティ。。。。元帥と戦争の話しなんかする必要ないと私も思うよ,いざとなった時私達自身の意志とは別に船は進む,だから提督に「覚悟はあるか?」て聞かれただろ,どう答えた?」

グラスの水で喉を冷やしていたキティは,あの時のコンスティチューションの問答の理由が少しわかった


「覚悟は。。。ありますと答えたわ」

「それでいいんだよ」


自分たちが戦う事は出来ない

それでも戦いの海に出て行く空母達であり巡洋艦達でもある

だからこそ

その運命と立ち向かう「覚悟」は必要だ

それを提督は聞いたという事に気がついた


戦いの中,戦いの海に自身では身動き叶わぬ艦魂という船の心が折れてしまう事がないこと。。それが「覚悟」だった

戦略を学ぶことなどはそれほど意味はないと言うことだった


「ありがとう。。。エリー」


キティは自分の過ちに気がついた

同時に一つの使命に心を燃やした





翌日,キティはまたも軍規ギリギリの時間を縫ってコンスティチューションの所に飛んだ

彼女は船首に立っていた

昨日のように尋ねた事に怒るでもなく

昨日の失言を叱るでもなく

風に長い髪をなびかせた背中にキティは


「提督。。。。私は「生きた覚悟」を深く知りたいと思います」

「それが答えか?」


振り向かぬ横顔は静かな口調で問うと


「キティホーク,空母と司令の任につく艦魂だけが。。。「艦魂」という存在の中身を知る。。。それはあの大戦で数多の姉妹を我らアメリカに屠られたにもかかわらずご教授下さった三笠元帥への礼儀である」

「はい」

「私もまた数多の戦いを経て今を生きるが。。。。」


そこまで語ったコンスティチューションは言葉を止めてキティに向き直った


「強くはなれなかった」


振り返った提督の目には悲しみが。。。。緑の目に浮かぶ深い色に現れて

アメリカ海軍の精神的支えとも言われる彼女は自分が「真」に強い存在ではないと言うと


「船はいつか死ぬ。。。自然に朽ちたり,老朽により解体を受けたり。。。私はそれらの姉妹達も知っているが戦いで死ぬ者達の苦しみは今はわかっていても。。それはとても辛い。。。共に海を行った姉妹達の死は耐えがたいものだった」


思い出の中

先に逝った姉妹達の中でも戦闘で死んだ者の苦しみは今でも胸を抉るものに違いない

コンスティチューションは自分の胸を手で押さえた


「太平洋のめぐる戦争で日本は負け,帝国海軍は滅びた100を越す姉妹を失った中で生き長らえた三笠元帥は真に強いお人だが。。。戦いの話しを聞くか?私には。。。出来ぬ事」


コンスティチューションは涙を零したその手をキティが取った


「だからこそ「生きた覚悟」を深く知りたいのです」


心に宿った熱を伝える熱い手にコンスティチューションはキティの思いにも「義」がある事を認めた

あの日,三笠が大戦に次ぐ大戦に駆り出されて行く悲しきアメリカ艦魂に導きを与えた

その引き替えになってしまったのか。。。日本の艦魂との繋がりを失った


だから黙した

司令職と空母達だけがこの事を知り後の艦魂達はこぼれ話程度にしか真実を知らない

だが。。。。


そのまま黙り続ける事は出来ない

今も世界の全ての海で「戦争」の危機と向き合い続けるアメリカの艦魂達にも救いが必要だからだ


「出来ることでお手伝いしたいのです」

決意を告げた


「それが今の日本の艦魂を導く力となり,全ての魂に平安を与える事となるのならば。。。。私も祈ろう」 

コンスティチューションは自分の胸に掛かっていたcrossを渡し


思い出に残ったあの言葉を与えた

「最初に屍を踏み倒すことに勇気を奮った者は偉大であるが,その生き方は悲しい。。しかし必要な時もあり」

そして


「それ故に誰よりも救いを必要ともしている」と






「感心しないわね」


プラチナの輝きに山河の緑を忍ばせたショートボブを揺らして

秋晴れの昼下がり

この国に来るために作った思い出に目を閉じていたキティの背中に幼い声が苛立ちの言葉で呼びかける


返事なく祭りのおこなわれている海自の基地を目を向けたキティの隣に並んだ


「勝手に動かないで頂戴」


ブラウンの髪

横に流して結い流した彼女はメガネの奥の青い目を尖らせながらキティに注意した


「ちゃんと報告したでしょ」

「事後報告など言い訳に過ぎないわ」


反省のない声色に規則を正しく遂行する事を「教える側」であるき章をつけた彼女は回り込むようにして彼女の前に立った

身長差は一目瞭然170センチ代の背丈を持つキティの前に立つ彼女は150センチとアメリカ人にしても小柄な肩をいからせて。。。それでも静かに注意を続けた


「私にまず許可を取って貰わねば部下に示しがつかない」


人差し指をキティの顔に向け


「大将だからといって命令を無視したり,申請の手順を省いて良いと言うことはない」

ルールブックを読むように注意を連ねた


「sorry」

つま先立ちして自分を怒る可愛い司令艦に苦笑いを浮かべてあやまった

「ブルーリッジ司令,クリスマスカードを届けに行ったついでだったの」

前日にブルーリッジが届けた事は三笠に聞いていた


「その事を言っているんじゃない。。。。自衛隊と会う事を言っている」


アメリカ第七艦隊と海上自衛隊は名目上同等の立場にあるが

各々の感情が邪魔をして交流は少なかった

ところがキティホークがこの港に帰港するやいなや,活発に接触をするようになった事でブルーリッジは頭を悩ませていた


「何度も言っているように我らアメリカと日本は特別に仲良くなりたいわけじゃないのよ!できるだけクールに!そしてスマートに!!」

「私は仲良くしたいの」


飛び上がるように注意しているのに,さらりとかわされるブルーリッジ

「やめて。。。。。ホントに」

「いいじゃないバグジーもエリーも協調のための交流は大切だと言ってたでしょ」


もともと戦勝国という大看板を持っている第七艦隊は発足当時から自衛隊事,海自をバカにしている者が多かった

かつては栄華を誇った帝国海軍だが,新たに創設された日本の海軍は貧弱そのものだった

何よりも自国の艦艇がおらず大半をアメリカからの貸し出し艦艇でまかなっていた事もあり


貸し出しに出されたアメリカの艦魂達は自分たちを卑下して「candygirl」などと言い

そこからしてねじれた関係を作っていた

後に海自は自国で艦艇をまかなうようになったのだが。。。。。


これらの者達(艦魂)達は帝国海軍との繋がりを断ち切られた後に産まれた者達で

それを証明するかのように。。。


とにかくそんな事だったので

中がよいとは言い難く,むしろ格下の「部下」のように蔑んでいた者が多かった


なのに。。。。何故か原子力を積んだ空母であるエリーは日本の艦魂に寛大だった


自分が入港する時には海保に守って貰わないと入れない程の大騒ぎを何度も起こし

そのたびに「原爆反対」とか「核は出て行け」などと罵られているにもかかわらず

佐世保では笑顔で艦首に立って海自艦艇に敬礼をするという大胆な事までした


貸し付け艦隊からしばらくして幅広く自軍艦艇を揃えるようになった頃

リムパックが実施された


この時も戦争アレルギーという

どうにもアメリカの艦魂には理解が出来ない問題でボロボロに揉めた後に自衛隊艦艇は派遣されたうえで事件が起きた


メインの空母として参加していたエリーとアメリカ艦魂が食事会をしている前に1人の日本艦魂が現れるという


アポなしで


合同の演習に際しても下らぬ揉め事で出遅れていた海自艦魂を

アメリカ艦魂達は自艦に乗らせる事は絶対にしなかったのに司令艦であるエリーが拒否をしていなかったという事が明るみに出た一件だった


さらにエリーはそのまま一緒にご飯してしまうという大胆さを示し

この一件いらい

アメリカの艦魂達はそれなりに普通の交流関係をもつようになった




「提督の命令を忘れたわけじゃないでしょ」


破天荒なエリーの交友録を思い出しながら祭りの基地を見つめて笑ったキティにブルーリッジは自分の話では聞き流されると「提督」の命令を厳守させる方向で叱った


コンスティチューションが与えていた命令は

「必要以上に日本の艦魂との交友を持たない事」


だが


キティはその命令の中身を理解していた

それは三笠元帥の意志を尊重した結果に出さされた命令である事を


「交流など必要以上にせず,必要な事を啓発しているのよ」


自分の前,小さな手を突き出し指差し確認をするように,懸命に命令を厳守するという規範を司令である者が常に示すべきであると叱るブルーリッジを柳のように何度もかわす


「貴女達が言うことを聞いてくれないから。。。。私がどれだけ苦労していると思ってるのよ。。。」


貴女達に括られる空母打撃軍の艦魂達は一律日本の艦魂との交友を否定していなかった


ブルーリッジは,エリーやキティに比べれば若輩で容姿も17歳前後の姿の彼女だが任務は誰よりも重責で

常に頭がワシントンとつながっている状態の中で問題を起こし続ける

今も自分の前でまったく反省を示さないキティの態度に。。。。。


涙ぐんでいた


「なっ。。泣かないでよサイファ!」


何故か問題児が多い空母達と,抱え込んだ苦労の多さでブルーリッジは泣き出してしまった

「どおして私の言うこと聞いてくれないの!!」


慌てて手を伸ばしたキティを無視して背中を向ける

「泣いてないわよ!!」

「ごめん」


「私はね。。。こんな事が続くぐらいだったら三笠元帥を戦争に勝った時にアメリカに連れて帰れば良かったんじゃないかって。。。本気で思ってしまうわ」


実際それは少なくない意見だった

自分たちの行く末を示してくれるのならばアメリカに運んでしまってコンスティチューション提督と並ぶ2つの柱としていてくれればと何人もの艦魂達が零した意見でもあったが

その事こそコンスティチューションの怒りを買った意見でもあり


今は口に出す者も少なくなったものだったが


キティは,この1ヶ月の間に立て続けに起こった自衛隊の不祥事と,思わぬ災害派遣などでブルーリッジがワシントンとの回線をつなぎっぱなしにされ眠ることもなく働いていたストレスの限界を突破してしまった事に気がつき申し訳なく思った


多忙な中にあってクリスマスカードを礼に則り届けた総司令官の苦労を思って


「サイファそんな事言わないで。。。反省するから」

キティは手を振り払い背中を向けて泣くブルーリッジの肩を抱きしめた

「ホント。。。注意するわ」


部下の前では表情も変えない鉄の女ブルーリッジの苦労を支えられるのは空母である自分たち

多少の命令無視に目をつぶってくれる彼女には恩ばかりがある


「ホントに。。わかってよ。。ちょっとは気を遣ってよ。。。」


キティは何度も謝りながら目を腫らしたブルーリッジの髪を撫でて

もう一度まつりの行われている基地に目を向けた




「時間は。。。少ないのよ『しらね』,貴女達はもっとがんばってあの「人」を愛さないと。。。魂を引き継ぐ事はできないわよ」


静かに揺れる星条旗の前,キティホークは祈るようにつぶやいた

カセイウラバナチャンネル〜〜コンスティテーション〜〜


日本に三笠様

アメリカにコンスティテーション様

こんな感じで海軍の歴史を語るのに欠かすことの出来ない存在がいる国である事を

日本人はもっと誇りに思って欲しいと思う章でした


事,三笠様は並の人間では味わえぬほどの波乱にとんだ艦生を歩んでいらっしゃいます


黎明期の帝国海軍を国を護る魂として成長させた人であり(そのあたりのくだりを現在外伝で執筆中)

最終期には100以上の姉妹を失い

中には外国に賠償として首をつながれていった妹達もいたという

泣くではすまない結末をみつめ


現在を生きている方です


イギリス,アメリカにも海軍の精神的護りの存在としてお二方が存在しますが

敗北を味わい一度に妹を四散させた方はおよそ三笠様しかいらっしゃられません(イギリスは似たような事はありましたが。。。それでも敗戦国ではないという意味では違います)


だからこそ

三笠様は「艦魂」とは何かを考え,救いとなる答えを見つけた方という位置づけなのです




ところでコンスティテーション様

ヒボシもたくさんしらべていたのでもっと色々とかきたかったのですが。。。

先に流水郎先生が一つの作品としてすばらしい形で書き綴っておられましたので

さらっとさわる程度の感じで書きました


提督コンスティテーション様を知りたかったら先生の小説をお読みになってくださいませ!!!



それではまたウラバナダイアルでお会いしましょ〜〜〜

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