第四十四話 妻の夢
夜勤〜〜夜勤〜〜〜
しぬるぅぅぅ
曇り空の夜
靄に隠された月の光の下
「神話」という壮大な話しに粉川は頭を抱えていた
「艦魂」とは?
始めた三笠を見たとき実態の無い「霊」だ,とおもったわけではなかった
海からの救出に手を伸ばした先にあった三笠の実態である「体」
そう言う要素を鑑みれば当然,ただの幽霊であるという事はないとは思っていた
まだ子供だった頃の出会いによって三笠は当たり前に「艦」に住んでいる人という風に思っていた
だから
あえて何か?という事を考える事の方が難しかった
だが。。。。
年を経て
彼女の口からもたらされる話しを少しずつ聞くに。。。
船の魂である彼女が可哀想だと思えるようになった
粉川は。。。。自分が成長して子供から大人に成って行く課程の中でも,変わらない。。。変われない三笠の姿が小さく見えた
「あの戦争で全てを失ってしまった」
かつて三笠はそう言った
それでも
自分に対して泣き言のように言わない彼女の姿に少しでも力になりたいと思いつつ
遠巻きにしてきた「艦魂」は何者という真理に目をつむってきたもし三笠がいなくなってしまったらという思いが年をとればとる程に大きくなっていたからだ
自分の前で片手で頭を抑えた粉川に三笠は背中を向けたまま笑うように聞いた
「大きすぎる話しに心がひっくりかえったか?」
「びっくりはした。。。」
月明かりの仄かな光の下に見える背中に
素直な驚きを伝えた
「神話の時代から生き続ける魂」に,だが疑問がないわけでもない
ココで話しが終わってしまっていいわけでもない
正体というものがわかった今に一区切りをつけるようにビールを飲み干す
「それにしたって護衛艦だけに「魂」は,いるわけではないよね。。。海神の暴威というものが「外敵」だとするならば,漁船などにいる魂の意味は?」
問答は答えを見つけるまで
自分に反する答えを納得のいく形に持って行くためにも続ける必要が絶対にある
新しいビールのプルをあけながら子供の時にように,黙ってしまう事のない質問を続けた
「小僧。。。オマエはまだ艦魂という者がわかっていないな」
「だからこうして聞いているんだけど」
観音崎を見つめたままだった三笠は振り返り,梅ヶ枝のおかわりを注ぎ足す
「艦魂などという生き物は「船の魂」という者の歴史においていは,たかだか150年程度のものだ。。。そもそも我らは「船魂」という者だ」
「船魂。。。。」
艦魂
「艦」と呼ばれる鉄の船が真っ向戦い合ったという時代を考えればたしかに「船」という歴史を見ても若輩者であるのは明白
三笠は対面の席に座ると月の灯りから遠ざかり銀色に輝いていた髪を深い紫を帯びた色に戻して,頭に手を当て
「海神の暴威というものの存在に含まれる意味は広い。。。もっとも多い民草にとっての暴威となるものは「天災」であろう」
根元としての魂の理論
海を守る女神となった者達の役割というものは基本「生活の基盤」を守るというもの
テーブルに指を滑らせながら三笠は。。。
粉川に対して珍しいほどに饒舌に語った
「海が荒れれは最初の飯の種を失うのは民草だ,だが海を渡る事によって広く生活の基盤を得る事は出来る。。。。太古の世にとって,島国日本にとって「船」は自分たちの生きるための術でもある。。。そういう生きるべき「人」に寄り添った魂として「国」という皇御孫命の元,共に生きた者なのだから。。。最初の出会いは別としても広義には漁船の魂である事のほうが正しい「船魂」のありかたとも言える」
「じゃあ。。。護衛艦に産まれたりするのは。。。「不幸」なの?」
粉川は『しらね』の話しを思い出した
祭りの町で彼女は少しの本音を漏らしていた
「愛されない護衛艦」である自分を。。。。嫌い,護衛艦に産まれたことを辛いことと捉えていた『しらね』
「こんな大仰な船じゃなくってよかったのに。。。小さな船の魂で良かったのに」
同時に「軍艦であるのなら。。。魂は男であっても良かった」と彼女は言っていた事を聞いた
「それが不幸であるかは妾にはわからない」
素っ気ない返答
むしろ。。。そんな事を言う艦魂が居るという事に苛立ちを覚えているという顔にも見える
厳しくなった目元に十分に現れる嫌悪
細くしなやかな手は説明を続けた
「だが。。。神話の時代を具現化できる「船」は「戦艦」しかいない」
この場合「護衛艦」達であると三笠は言うと
「かつての海神の暴威というものは国に,またそこに住む者達に対する脅威という存在だった。漁船が守る者は,主である漁師であり互いを生活の基盤として必要とする者同士だが。。。「艦魂」は違う,主は国であり「共に国民を守る側」の者であるからだ」
言葉なく自分を見つめる粉川の前,三笠はもう一度立ち上がり月の光の下に立った
「国家という日本武尊と共に戦う者,弟橘媛という海を行く女神として」
三笠の目の中にある想いとそれは合致していたが,今の粉川にはそれが何かを見切る事はできていなかった
「じゃあ護衛艦の魂が「女」である事は当たり前と言うことだね」
寄り添う者として相手が日本武尊という「男」であるのなら「女」である事も納得せざる得ないという言葉に
立ち上がったままの三笠は自分の腹を指差した
「そもそも女は「船」である,魂のヒトガタを宿す器を持つ船だ」
胎は命の海に浮かぶ魂を育む船である
粉川はココまでの事を手帳に要約して書き取った
初めて知る出来事を忘れてしまわないように。。。もちろんそんな事をしなくても忘れようのない「正体」ではあったが
「なんで現代の艦魂達は自分たちの起源がワカラナイのかな。。。これも断絶のためなの?」
書き物をしながら粉川は沈黙の中で酒を煽る三笠に聞いた
「普通はそんな事が悩みなったりはしない。。。異常な事態が起こっている時に必要となるだけだ」
「異常な事態?」
要約を書き留めた粉川は顔をあげた
目の前の三笠の目は「戦争」を語る時の悲しそうな色を写していた
「戦争という異常な事態がおこれば「生死」は常に背中合わせだ,生きている理由や死ぬ理由を知りたくなれば,何故こんな時代に「戦う船の魂」として産まれてしまったのか?という事を考えたくもなるというものだ」
それは理解できた
粉川も頷きながら思った
戦争は殺伐とした世界だ
もし漁船に産まれているのならば。。。戦いという全面にでる事はない。。。特殊な艦である彼女達はこの異常事態ために全面に立って戦う事になる。。。。
そういう時に自分たちの生きた,産まれた理由を求めたくなるのは。。。正しいと
「じゃあ今の護衛艦達は」
「それはオマエ達の問題じゃないのか?」
三笠の目は今までの悲しい目つきから一転して輝いていた
イタズラっぽい笑みとともに目の前に座る小僧の鼻に指を置くと
「断絶の責任はオマエ達にあるのじゃないのか?」
「僕たち。。。。?」
挑戦的でいつものペースに戻った三笠はテーブルの周りを回るように歩きながら
「「人」の作る組織という物のあり方に妾達が関与する事はないが。。。オマエ達は本当にこの国を守りたいのか?」
心に刺さる言葉
「小僧。。。オマエは妾には言わなかったが「例の」工作船事件の事。。妾は知っているぞ。。。何故自国の海を侵す者に処罰を与えない?何に怯えている?」
粉川は三笠がかつて日本の上空を不法に侵犯したMiGの事で激怒したという話しを覚えていた
外の情報は出来るだけ正直に彼女 には話していたが,「イージス艦機密漏洩事件」の件で既に立ち上るほどの怒りを露わにしていた姿に立て続けに起こった不祥事である「不審船事件」の事は言えなかったのだ
「あれは。。。。」
言い訳が通用する相手ではない
曰く,海神の脅威であるロシアという大帝国だった時に真っ向戦った彼女にそれが通じるわけがない
いくら容姿が17歳の少女だったとしても,持つ英知には100年の蓄積がある三笠に嘘は通じない
拳骨でも飛ぶのかと顔をしかめながらも覚悟を決めた粉川の前
「そういう弱腰な態度が「断絶」を助長しているんじゃないのか?」
深みのある紫を忍ばせた黒髪をかき上げながら
細めた目は現代の国のあり方にうんざりしていると告げた
三笠と現代を生きる艦魂との溝
自国を侵す者に対して断固とした態度を示せた「大日本帝国」
自国を侵す者に対して。。。。。生ぬるい手順しか持たない「日本国」との差は歴然だった
それが原因ではないのか?と聞かれれば,そうであるのかもしれないとしか言えない情けのない現状
「生きている意味が違い過ぎる。妾と今の艦魂達では」
「それが溝で。。。三笠には見えない事の原因なのかな。。。」
もし
それが原因なら三笠が現代の艦魂に合うことは。。。。まだしばらく出来そうにない事になる
「専守防衛」という言葉のくくりと
押し付けられた平和の象徴である憲法第九条という理想論の中では,現代を生きる艦魂達と三笠を結ぶラインを見つけるのは難しい事だと粉川は本気で思った
必死に頭を回す彼の前
「小僧。。。なんで今更そんな事を始めた?」
額に手をあて自分の考えを纏めようとしている粉川に三笠は聞いた
何で?自分と現代の艦魂の絆を取り戻そうとしているのか?と
「アイツが。。。死んだときに気がついた。。。。」
不意の質問に一瞬表情を強張らせた粉川はビールの缶を自分から遠ざけた
夜の部屋の中月明かりと霞む星の照明の下,問われた質問に重い口を開いた
手元の手帳の中。。。。最後のページのクリア.ファイルのページにある写真
家族の写る姿
笑顔の粉川と子供と。。。妻
手元にこぼれる涙はあの日の出来事に粉川を連れて行った
かつて,海の防人として働いた父の不在に母は死んでしまった
父とは結局1ヶ月も遅れてその死を知り。。。。家族の会話は無くなってしまった
その頃,粉川には三笠という母がいたが。。だから父を許すという事のできない複雑な心を抱えたままで少年時代を過ごした
そのままならおそらくねじ曲がってしまったであろう自分の性根を下手な優しさで慰める事をせず,毎日自分を叩いて鍛えた三笠にはどれだけ感謝してもたりないと今でも本気で思っている
そんな彼は。。。父との溝を作ったまま「自衛官」になるために防大への道を進む
父の生き方との摺り合わせは。。言葉を無くしてしまった家族として。。。なかなか進展を見ることはなかったが
国を守るという職務に忠実に働く背中は十分に色々な事を教えてくれていた
真っ直ぐに「海自」の仕事に入っていったが。。。。
愛する女が出来たときに,父とは違う生き方を選んだ
彼女がそれを強く望み粉川もそれに応えた
結婚を気に陸に上がった事
妻の夢に自分の道を添わせた
父と同じ仕事を選んだことに後悔はなかったが
父のように自分不在の日が家庭にある事を恐れていた粉川にとって,妻の我が儘は聞いても良いものだった
彼女は本当に満面の笑みで喜んでくれた。。。。
海の男だった粉川が「海」よりも自分を選んで近くにいる事を誓ってくれた事に
その笑顔で
自分の選択は正しかったと信じられた
すぐに子供にも恵まれ
なにもかもが順調に進んでいた
国を守る職務をしながらでも十分に家庭を守って行けると信じられた
その日,粉川は情報局の仕事で大湊まで出港していた
海自の艦に乗っていた時に比べれば格段に日数の少ない出張だった。。。。。
艦艇の情報を打ち込み表を見ながら
休憩室でくつろいでいた所に電話が入った
「奥さんが倒れたそうです」
真っ白になった
自分の目の前で帰りの支度をしましょうと促す隊員の前
まだ現地に着いたばかりで手つかずになっている仕事を交互に見た
「まだ。。。仕事が残って。。。。」
投げ出して帰る事は出来なかった
喉を絞める苦痛の中,手配された帰りの便の時間まで懸命に仕事を続けた
どうして。。。すぐに動けなかったのか。。。。
そこには父の背中があった
母の死の日。。。それが出来たのなら。。。。。あの日の父も戻ってきたハズ
自分の選んだ道を信じた。。。ココは陸続きの国。。。
海をまたぐわけじゃない。。。。
「残念ながら」
白い壁に囲まれた清潔な個室に,物言わぬ姿となった最愛の人はいた
色の白い人だった
その頬はさらに白く細くなってしまったように見えた
髪と顔に触れる
いつの間にこんなにも張りのない。。。痩せた髪になってしまっていたのか。。。
手の中をこぼれる櫛(髪)に涙を止める事は出来なかった
温かな日差しのように
柔らかな眼差しで。。。自分の仕事の背中を押してくれていた人。。。どこで間違ってしまった
何故。。彼女が苦しんでいた事に気が付けなかった
妻は心臓を病んでいた事を隠していた
それは
一生の我が儘で,海の男を丘に上げた自分への戒めとしていたようにもみえた
月の内
ほんの少しの出張の日に愛する人は子供を残して命を失ってしまった
そして
それは同時に家族を失う日となった
彼女の両親は娘が体の弱い人だという事を良く知っていた
死んだ彼女の前で粉川は義理の父からの殴打を受けた
「オマエなんかに娘をやるべきじゃなかった」
元々結婚は反対されていた
自衛官という職務は国民の理解とほど遠い仕事
妻の体の事をもっと理解していたのなら。。。。イヤ。。。。それでも常に付き添い続ける事などできる仕事ではなかった
目の前,連れて行かれる子供
母の亡骸に縋りついていた子供を,父親は引き剥がすように抱き上げて
「子供は君にはやらん。。。あの娘の残してくれた宝は私達が育てる」
病院から戻った惨めな自分の姿に,防衛庁の仲間である小柳が声をかけた
「お父さんにあって。。。体やすめて。。。」
精一杯の励ましだったがそれを受け入れる事はできなかった
自分の父に
どの面さげて妻を失ってしまった事を言えただろうか。。。
肩に乗った小柳の手を払った
「ほっといてくれ」
電話もできない
母を失ったとき。。。自分は父を責めた。。。。どんな言葉で父にそれを告げたらいい
考えがまとまる事などなかった
本庁のデスクに自分のカバンを投げだしたまま一人宛もなく歩いた
全てを失ってしまった粉川が頼れる所は三笠の所しかなかった
雨の続く横須賀,三笠公園に歩いてきた粉川を彼女は無言で迎え入れた
ボロボロになった姿に三笠はフルスイングで拳をぶつけると
「泣け。。。。心に溜まったものを声を出して吐き出せ」とそれだけを言った
何も告げなくても三笠にはお見通し
母を失った日のように粉川は声をあげて泣いた
「子供には未だに会わせて貰えないのか?」
手帳に目を落とした粉川に三笠は聞いた
「全然会わせて貰えないよ。。。しっかりした国家公務員なんだから権利はあるんだけどね」
法の示すところの親と子の関係で言えば「親権」は粉川にあってしかりだっが
彼女の両親は知らぬ存ぜぬ子供を引き渡す事はしなかった
そして
粉川も自分が今の職務のままで我が子を育て上げるという自信は。。。まだ持てなかった
「手紙は書いてるんだけど。。。。捨てられちゃってるんだろうね」
月に何枚かの手紙を送る
妻がこの世を去った時,我が子はまだ3歳だった。。。あれから4年は経っている
自分の子供の頃に似て牛蒡みたいな子だったが
負けん気は強かったと覚えていた
きっと背丈も伸び。。。。でも自分の事を忘れてしまったのかもしれない。
「三笠に会わせたかった。。。。。」
「どうせ小僧そっくりのクソガキだ!艦を汚されてはたまらんわ!」
いつの間にか対面に座った彼女は最後の梅ヶ枝を開けながら悪口を飛ばした
「酷いな!!僕は三笠の艦内は掃除して回ったくちだよ。。自分で色々と汚してたくせに!」
手帳を閉じて
顔にいつもの笑みを浮かべて軽口を叩いた
「でもね。。。だから三笠の持つ辛さがほんの少しだけわかったんだ」
妻を失い,子供までもを自分の前から奪われた時どん底だった自分を殴って泣かせた三笠だが
その昔,彼女も大戦で多くの姉妹を失っていた事を思い出した
昔話をしても涙は決して見せない彼女だったが,一度だけ泣いていた所を見てしまった事があった
1年の内,何日か三笠は粉川が自分の所に来る事を禁じていた
8月15日の夜
昼間は帝国海軍の制服を着て部屋にて黙祷を捧げているそうだが
夜の空の下に現れた三笠は泣いていた
軍服に「元帥」のローブを纏った雄々しき姿の三笠だったが,あの日に見た彼女の姿は悲しいほど小さかった
水色の瞳にいっぱいに溜まった涙が意味するもの。。。。自分より年若かった艦魂の妹達を死地に追いやったと泣く姿
「妾を恨め。。。。」
自分だけが生き残ってしまったと
何度も星に向かって「恨め」と泣く三笠の姿を見たとき
決して「許してくれ」と言わない。。。言えない彼女が悲しかった
そして
現在。。。。この国を守る護衛艦を見ることのできない彼女の事を思い出したとき。。。
胸が締め付けられた
もちろんその事は言えない
言ったらとんでもない体罰を受けそうだから心の中に秘めたる想いにしてある
「自分勝手な言い分だとは思うんだ。。。でもね生きていて会おうと思えば会える息子でしょ。。長く一人でいる三笠を思ったら。。。何とかしたいって思うんだよ。。。僕の人生の大事な所をいつも助けてくれた三笠に。。。何かしてあげたいって」
真面目に心情を語った粉川の顔面に日本書紀がぶつかった
「生意気な事をぬかすな!!」
分厚い背表紙は勢いよく顔面の真ん中にアタリ,粉川はそのままイスから転げ落ちた
「痛いよぉぉ。。。」
鼻血こそ出てはいないが背表紙の角の跡が赤く残る顔のをさする
粉川はそんなふうに言いながらもいつもの2人に戻った事に笑った
「そんなに照れないでよ!!僕も今まで以上に頑張るからさ!!」
三笠の照れ隠しが暴力的である事は永井付き合いで十分にわかっている
「照れてなどおらん!!」
酒瓶をドンと置きながら
真っ赤な顔は怒鳴るが粉川は笑みを浮かべたまま
へこたれることなくイスに座る
「体にはちょっとばかし厳しいコミニケーションだけど三笠が優しい人だって事は十分わかってるから。。僕はさ」
「小僧ぉぉ!!」
さらに赤くなった顔に粉川は笑ったが
「そういえば小僧。。。オマエ,話しの最初にとんでもない事を言ってたな。。。」
酒瓶を自分の後ろに置いた三笠は赤くなった顔のまのま指差して
「母親代わり。。。とかぬかしたよな?」
一瞬で顔を固まる粉川
三笠との付き合いは長く,子供の頃から近くにはいたが
彼女は自分の事を「お母さん」と呼ぶことを絶対に許さなかった
理由は
「妾はそんな歳ではない」に尽きるのだが
「何か?妾はそこらを歩いてる子持ちシシャモにでも見える言うのか?ああん」
「イヤ。。。アレは話しを進める上で必要だった言葉であって。。深い意味は。。。」
後ずさる体
この展開は。。。。。
「待って。。。。」
「待たぬ。。。。」
光る目が攻撃の合図となって飛びかかる
「出でよ!!!カール.ゴッチ!!!」(プロレスの神様,アントニオ猪木の師匠)
「ゴッチダメ!!!」
背中を見せて逃げようとする腰に三笠の手が回り
粉川の巨体はそのまま円弧を描くように軽く引き上げられると
「ジャーマン.スープレクッス.ホールド」がキレイに決まった
脳天から鉄板の床に落ちた粉川が立ち上がれない状態のまま
「出でよノゲイラ!!!」
「死ぬ!!死んじゃう!!!」
しかし攻撃から逃れる事は出来なかった
リオの沈まぬ太陽の絞め技は,がっちり間接を押さえ込んだトライアングル.チョークのまま
「言え!!妾はなんだ!!!」
「無理。。。体が割れるぁぅぅぁぅ」
「言え!!!」
粉川はタップしなから叫んだ
「スイマセンでした!!僕が間違ってました!!三笠様は17歳!!!純粋無垢な17歳!!!」
夜の更けた記念艦三笠の中は熱い格闘技の血潮と,涙にむせびながら永遠の17歳を連呼する声が木霊していた
朝方,長官公室のテーブル近くに悶絶共に寝ていた粉川はカバンとジャケット持って港に向かって戻っていた
「またお酒買ってくるから!!」と
大きくなった小僧の姿に少しばかり柔らかい表情を見せた三笠だったが
甲板に出て姿が見えなくなるところまで見送ったところで
自分の後ろの気配に声をかけた
「ホーク大将,こんな時間にどうした?」
そこには身長170センチぐらい
プラチナブロンドの髪に淡い緑の色を忍ばせた優しい顔の女が立っていた
「騒がしい気配しましたので,ご子息でしたか」
キレイな英語と美しい顔に反する厳めしい軍服「アメリカ第七艦隊タスクホースCTF70」の章を持つ姿
「騒がせたか,すまんな,ホーク大将」
generalと呼ばれる彼女は粉川の車が海自の基地に向かって行くのを見つめながら
髪と合わせたように白雪の睫毛とスカイブルーの瞳を三笠に向けて
「キティとお呼びください,元帥」
いつもの会話と言うように朝日の中で微笑んだ
カセイウラバナダイアル〜〜りっくんランドに行ってみた編〜〜
やっと『しらね』さんをみてみんにアップしましたよかったら御覧下さい
(最初に宣伝しておかないと『しらね』さんにぶたれますから)ww
近場から自衛隊というものと親しくなろうと(藁)
行って参りました朝霞駐屯地。。。。
広報のために立てられている建物の中にヘリとせんしゃがいました。。。
改めてびっくりしたのは。。。
戦車のデカイ事
テレビや映画で見ると結構軽快に動いてるじゃないですか。。。アレって
こんなにデカイものが?とマジで驚きました
弾とかも見れたし触ることもできたのですが。。。
やはり
考えるに戦争はコワイと思いました
願わくばこういう兵器が使われない世界でありますようにと思いつつも
周辺国との国力維持のためにこうした兵器の存在が欠かせないものである事も思い知りました
戦車もデカイのですが
移動砲台のような車両と
機雷を落とす水陸両用の車両なんてのは。。。。ホントにでかくって
また硬い鉄の塊でビックリでした
ビルの外に展示してあったのですが
その向こうは朝霞の基地で
隊員の皆さんが走り回って声を挙げて訓練してらっしゃいました。。。。
こういう人達の無存在に守られてる
隊員の人たちの弛まぬ姿に周辺国は「日本」においそれと攻撃はできないぞという気持ちを持たせているとおもえば
大変なお仕事なんだと思いました。。。。
次は三笠様に会いに行こうと計画中です!!!
見えたら。。。プロレス業とかかけられそうでコワイですけど(爆)
それではまたウラバナダイヤルでお会いしましょ〜〜