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第三十九話 海の墓標

鈴村を見失ったままではあったが「宝」である土を預かった『きりしま』達は,子供達を「人」のいる通路にまで導いていた

内部デッキの薄暗い照明をくぐり艦内通路の赤い照明の下を歩く

兄とは違い終始落ち着かないのか?小さな妹はしっかりと兄の手に自分を絡ませて歩く

扉を何枚もこえた向こうに「人」の気配を感じられる所まで来たところで一行は一度止まった


「土は必ず艦を降りるときにお渡ししますから」


麻袋を自分のベルトからはずして彼は『おおすみ』に手渡しと

日に焼けた丸い顔に笑みを浮かべて,ココまでともに来てくれた艦魂達に「指切り」をしようと手を出した


「日本の約束して」


小指を立てた手に『きりしま』が指をつないだ

「指切り拳万。。。お約束します」


愛情の普遍を誓った言葉を通し,日本とインドネシアの小さな絆を結び合わせた


「名前を教えて」

手をつなぎ指を会わせた彼は今更のような質問をした

「ボクは『きりしま』」

今更の質問だったがお互いを理解しあえた相手の名前も知らないなんておかしな事

後ろで麻袋を抱えた『おおすみ』も自己紹介をし,横に並んでいた『はまな』も相手が子供という事で前にでてしっかりと名前を名乗った


「オレはスロト,妹はユリ」


隣にいまだ落ち着かない顔で兄を見上げている妹の髪を撫でるとスロトは深くお辞儀した


「ありがとう,日本軍助けてくれて,ありがとう『きりしま』『おおすみ』『はまな』。。ありがとう」

会わせたように艦魂達も頭を下げた

スロトに深くお辞儀されるのがこそばゆい


「あたりまえの事をしただけだから。。。。そんなに頭下げないで」

照れる『きりしま』の言葉に顔を上げたスロトは笑って返した


「だから当たり前にありがとう!でしょ!」

緊張を和らげる満天の笑顔が「友達」となったみんなを和ませる

そんな優しい時間が終わる


長い通路の扉の向こう,無線機を下げた乗員達がスロト達の姿を見つけて「確保」の連絡を取り合う姿が見えた


「艦を降りるときにまた会いましょう」


指切りの手を離した

『きりしま』は乗員達は誰も危害を加えたりする人でない事を告げると速やかに姿を消していった






「よかったね」


スロト達と別れた『きりしま』達は上部デッキに戻っていた

潮風の流れる海の上を一段落ついた騒ぎに腰を下ろし『おおすみ』は,またもいつの間にか持ってきたジュースを紙コップに分けながら

よかったと語った『きりしま』に手渡すと,でこっぱちな額を撫でながら優しい目で


「よかったな。。。日本軍は「悪」じゃなくって」


「ニホングンタスケニキタ」

スロトの言葉は艦魂達の心を大いに励ますものだった

自国にさえ滅多に喜ばれる事の少ない護衛艦。。。。その魂である彼女達にとって今日は嬉しい日になった


「日本好き」。。。。


スロトの真っ直ぐな目が,.自分たちを見て微笑んでいた事に『きりしま』の曇っていた気持ちは十分に晴れあがった

大きく背伸びをして嵐の1日の最後を飾る星の空を眺めた

赤道に近いこのアタリで見る星の輝きは日本で見るささやかな輝きとは違い,今に降り出しそうなほどの輝きと惜しげのない煌めきに落ち着いた息を吐いた


自分たちの救出活動が間違ってなかった事に納得して

カラカラになっていた喉にジュースを注ぎ乾きを潤した


「嬉しいね。。。日本軍の。。かつての兵士を英雄とまで思ってくれてるなんて」

「幸せな人だね。。。日本には戻れなかったけど,愛されてて羨ましい」


横に座った『おおすみ』も,事の成り行き解決までは平然としていたが心の中では「日本軍」と言われた事にこだわりをもっていた

でも良い解決に至れたことと。。。。英雄になった日本兵に,かたや今の日本を護る自分たちが冷たく当たられているという現状に本音をポロリともらした


走り回った事に疲れたのか,うたた寝の『はまな』は座ったまま空を眺めている

その前で

2人は凪いだ海を見つめた


ココでかつて大きな戦争があった

この海を渡り戦った「人」達がいた

「大東亜共和圏」という,今で言っても理想を掲げた「大日本帝国」は人の身分を分断した不平等な支配の元に構築した世界を維持する事にやっきになっていた白人社会と戦った


色々な思案が入り交じった戦いの末

「白」こそ世界と決めていた時代を終わらせた民族がいる。。。。

国は戦争に負け,多くの山河と町を失い。。。民族の300万もの人が死に至った

多大な犠牲を払った敗北に得るものはなかったが


でも


世界は二度と「白」だけを頂点とした独善の社会に戻る事はなかった



それが日本人がした戦争の大きな結果

間違っていた世界を正気に戻した代償を日本が支払った


今は静かな海

『きりしま』達の見つめる海に。。。かつて誇り高き戦いに出た姉達がいた

大日本帝国の御旗を持ち「人」と共に戦った姉達の海の墓標がココにもある


『きりしま』は立ち上がると手の中に花を作り出そうとした

その手を『おおすみ』が止めた


「騒がしくなった間に失敬した」


食堂に飾ってあったコスモス

淡いピンクの花を手元に持って『おおすみ』は苦笑いをしながら


「花は本物を捧げたいからね」


たくさんではない3輪の花を座っていた『はまな』の手にも渡し

3人は並ぶと敬礼を捧げた

この海に眠る姉たちに,静かに花を投げ入れた。姉たちがきっと愛してやまなかった日本の地から運ばれた優しき花


コスモスの花言葉と共に「真心」を捧げた





「終わったのかしら?うん?」


整然と並んだ3人の後ろ

一陣の風と共に紫の光は凛とした姿のまま睨んでいた

腕を組んだ姿勢の右に首を傾げる細身のメガネの『ひえい』は光の粒を纏ったまま


「終わったの?聞いてるんだけど」


星の光に鋭く光るメガネの顔に献花を捧げたばかりの3人は驚いて

それでも並んだままみな敬礼をすると『きりしま』が答えた


「終わりました!!」

元気のよい返事に相変わらずの気怠い声

「そう。。。。」

「報告します!!」

敬礼の手を下ろし今しがたまであった艦内での出来事を乗艦である姉に告げようとした前を,キレイに爪を整えた手がヒラヒラと停止を舞う


「報告なんかいらないわ。。。。終わった事に興味はないの」


アップに巻き上げた髪の間をこぼれる櫛(髪)が少なく顔に掛かる姿が月影の下で揺れると『きりしま』を指差して


「自己満足ちゃん。。。今度は私の命令に従ってもらう時間よ」


『おおすみ』と『はまな』は固まった

司令の『ひえい』が指定した時間にはまだ1時間ほど早いが『おおすみ』は騒ぎに託けて『きりしま』を『ひえい』の所に行かさないようにしようかと考えていたところだったからだ

いくらなんでも友達が強制的に夜の相手をさせられるのを止められなかったなんて

『おおすみ』は拳をきつく握りしめた

そんな気持ちの悪い結末がせっかく自分たちの心を励ます出来事のあったこの夜にあって言いわけがないという思いで。。。だが


そんな浅知恵を見透かしたように意地悪い唇が笑う


「騒がしくなっちゃったから。。。疲れましたなんて満足して眠っちゃったら。。。私の命令は知らないなんて言われそうだからねぇ。。うん?」


「そんな事はありません!!」


自分の前を疑う目つきの輝きを見せたまま静かに近づく司令に『きりしま』は背筋をただして立ったまま

「司令の命令を忘れるような事はありません!!」

胸を張って答えた

自分より一回りも小さな妹たちの前,クリアとベージュを重ねたネイルの指が『きりしま』の胸を突く


「良い心がけだわ。。。DDGって恩知らずが多いと思っていたけど」

棘をまき散らすには不似合いなほどに美しい唇

艶やかな動きの中に色が溢れ出している


「じゃあ。。。今から私の指示に従いなさい」

優雅な動きが誘うものは,後ろに並ぶ『おおすみ』にとって消してキレイなものには見えないが

面と向かって口出しする勇気はまだなかった


『ひえい』の指先が紫色の輝きの粒を現す

狂った瞳を隠したままの笑みが『きりしま』もろとも光りに包むと,あっという間に消えた






アンティークを基調とした『ひえい』の部屋には3つの間接照明が仄かな灯を照らし出していた

天井を照らす「蝶」「花」「星」の柔らかな輝き。。。それ以外は薄暗い世界の真ん中に大きく鎮座したベッド

周りには古い棚があるのだろうが,かなり暗い,ロウソクの灯のような照明のせいでよくは見えない


しかし。。。

『きりしま』にしてみると,とても護衛艦の職務に就いている司令の部屋とは思えないほどに非現実的な空間と目に映った


基本

護衛艦の任務につく艦魂は殺風景な部屋に住む

『きりしま』も自室には本棚がある事をのぞけばそれ異常のものは皆無で後は小さなベッドと蛍光灯の明かりを備えた普通の部屋だし

姉の『こんごう』に至っては照明など裸電球1つしかなく,後は大きめなベッドしかない部屋だ


それを考えるに

この『ひえい』の部屋は異世界とも言える空間だった

まるど,誰かを迎え入れるために作られているような華やかな中に。。。どこか寂しげな部屋


「ここは。。。司令のお部屋ですか?」


あまりに不自然な部屋の形式に戸惑った『きりしま』は,あまり周りを見回さないように注意しながらも聞いたが

隣にたっているハズの『ひえい』は鏡台の前で髪をほどき下ろしている

初めて見る司令の長い髪にと美しさに見とれたままの『きりしま』に『ひえい』は質問には答えず


「楽にしたらいいわ」と甘い声だけを伝えた


今までこういう部屋に招待されたことはなかった『きりしま』は落ち着かない中にも漂う香りに聞いた

「いい。。香りがします。。。なんでしょうか?」

「Yves Saint Laurent」

単語の答え

海外の香水の香りに初めての感動を覚えた『きりしま』は立ったまま身動きもまともに撮れないほどの微妙な緊張の中で


「初めてです。。。こんな香り」


素直な感想をもらした

『きりしま』海外に任務として赴いたことはあるが

海外の物を手に入れた事はなかった,もちろんペルシアでの任務でそういったものを手に入れる事など絶対にできないのだが

考えるにこの香りの元である「Yves Saint Laurent」というものは『ひえい』がリムパックなどで手に入れたものである事はわかった


「素敵な香りです」

「あら。。。あなたにそんな事がわかるの?うん?」


お気に入りの香りを易々と手にしたこともない者に褒められるいわれはない

突き放した言葉の後

完全に解いた髪をかき上げ

夏服のネクタイをはずした『ひえい』はブラウスのボタンをはずすと白い肌を見せたまま自分の背中を見ていた『きりしま』に振り返って


「脱ぎなさい。。。」


何事も無いような指示

「脱ぐ?何をですか?」


土足厳禁という指示はなかったと周りを見回す『きりしま』が,わざととぼけているように見えたのか苛立った声が続く


「服よ。。。裸になれって言ってるの」

尖らせたトーンは耳を疑うような事を平然と告げた

メガネを外し

本気になった顔はゆらりとゆれながら『きりしま』の体を舐めるように見ると同じ事を言った


「裸になれって命令してるのよ,聞けないの?うん?」


何を言われているのかわからない

呆然とした『きりしま』の前まできた『ひえい』は美しい指先で目の前に固まった『きりしま』の服のボタンに手をかけると,真っ赤になった相手の顔をゆっくりと眺めながら


「たっぷり可愛がってあげるわ」と,舌をチラリと見せた







連れて行かれた『きりしま』の消える光を呆然と見つめた『はまな』はその場に座り込んで頭を抱えていた

というか崩れるように座り込み泣いていた


一瞬の出来事だった

疲れてしまった自分達の前に現れた『ひえい』は,なんの躊躇もなく大切な友達を連れ去ってしまった

涙で一杯になった顔は只顔を覆って泣き続けていた


「どうしよう。。。どうしよう。。。」


悪い噂が本当であるのなら今頃『きりしま』の身には考えられないような事が起こっている事になる

体を張って止めるなんて司令職の艦魂の前でなど,気弱な『はまな』には出来なかった

噂ばかりで頭がいっぱいになってしまっていた『はまな』にとって

そんな事を「命令」だから従えと,事も無げに言い切ってしまう『ひえい』は鬼よりも怖い存在でしかなかった


「『こんごう』一佐がいればこんな事絶対に。。。」


同じイージス艦でもココにいるのが『こんごう』であるならこんな事はおこらなかっという悔恨に涙は止めどなく流れる


『こんごう』は命令には素直でも

相手の欲求に素直である事はない。。。。事実『しらね』のいた一群に籍を置いていた頃は命令には従っても,後の要望に応えたことはなかった


もちろん『しらね』は夜の相手を必要とする事なく司令として正しい指導者ではあったから,あまりに言うことを聞かない存在として疎まれていた艦魂として名高いが

この場合には必要な勇気にもなる


あきらかに違反した命令を振りかざす『ひえい』が相手であるならば

あられもない欲望のために自分を差し出せと言われようと,殴り合いのケンカも辞さないほどの手の早さを持ち合わせ絶対に問題になったとも言い切れたが


『きりしま』のように徹頭徹尾,くそ真面目な存在は命令という言葉に弱い

あれほど流れていた噂を信じず

素直に従ってしまった事に『はまな』は愕然としていた


「どうしよう。。。『おおすみ』。。。」


色々な事情がわかっていても

自分ではどうにも出来ない哀願を,目の前で腕組みをして微動だにしない『おおすみ』に縋って手を握った

その手は。。。。怒りで震えていた


「こんな事。。。許されていいわけない。。。。」


自分の手に助けを求めた『はまな』に振り返ると『おおすみ』は怒った顔のまま宣言した


「『はーちゃん』はココで待ってな!!私が今からカチ込む。。。。いくら司令だからってそんな事が許されるわけがない!!」


そういうと大きく手を振り光の輪を作り出すと飛び込んだ






うす暗い部屋の中

ベッドとは遠い壁に『きりしま』は押し付けられていた。。。と言っても力の限りの行動ではなく

撫でるように自分の体を触れる手に戸惑いながら後退してしまっていた


「まって。。。ください」

丁寧な言葉が途切れる

首筋にかかる熱い息に『きりしま』は体をすくませ『ひえい』から距離をとろうとしてみたが柔らかな体は包むように手足の動きを止め,身動きのとれない状態になっていた


「これは命令なんですか?」

「命令よ」


そっけないが熱い息を伴った答えに『きりしま』は首を振って逃げていた

自分の唇を探す指に恐れをなして,うわずった声


「何でこんな事するんですか?こんな事なんの役にたつんですか!!」

出来るだけ力で逆らったようにはならないようにと体を逃がそうとするが本気の力が自分を抑えるものに叶うはずもない

そんな苦悶の顔を見せる『きりしま』の様子を楽しむように『ひえい』は舌を耳に這わせながら答えた


「生意気だからよ」

「命令には従ってます!!」

得体の知れない体験に進みつつある『きりしま』は驚きの中にも理性ある返答をくり返した


「そういうところが気に入らないのよ。。。命令に従ってるって自己満足でしょ。。。」

「わかりません。。。そんな事。。間違った事があるのなら指導をくだされば。。」

顔を懸命にそらす姿に相手の敗北を喜ぶ『ひえい』は声も高く答えた


「間違ってるわ。。。だからこうして指導してあげてるのよ?理解した?うん?」


繊細で冷たい手は滑るように『きりしま』の服の中に入ろうとした

その瞬間,一瞬にして光りは溢れ黄色の輝きの中から『おおすみ』が現れた


「止めてください!!司令!!」


自分たちの真横に現れた『おおすみ』に『ひえい』の態度は一変した

お楽しみを邪魔されたからとか

そういうたぐいの怒りではないように体の中に包み込んで押さえつけていた『きりしま』を『おおすみ』の足もとに投げ飛ばした


「礼儀がなってないわね。。。。無断で私の部屋にくるなんて」

「無礼は承知で来ました。。。。」


怒りで目を輝かせた『ひえい』に衝撃の出来事にぐったりしてしまった『きりしま』の肩を支えた『おおすみ』は睨み返した


「いくら命令でも夜の相手なんか出来ません!!好きでもないのにそんな事出来ません!!」


涙目になった『きりしま』を抱き寄せながらも『おおすみ』は毅然とした態度を通した

デコッパチのよく見える瞳は意志も強く睨む事をやめない


「『きりしま』。。。。あんた。。。私の事がキライなの?うん?」

立ち上がれないまま肩で息をしている背中に『ひえい』は浮かれた声のまま聞いた

好き嫌いまでをも命令の一つとして組み込むような卑劣な質問に『おおすみ』は怒鳴った


「司令!!そんな質問はおかしいです!!こんな事をしにココまできたわけじゃありません!!」

「こんな事?命令は絶対でしょ?違うの?うん?」

「そんなおかしな。。。」

切り返した『おおすみ』の前,鏡台のイスが蹴り飛ばされた


「命令は絶対なのよ。。。。違うの?帝国海軍の末裔なんでしょ,黙って従えばいいのよ」

床に手をつき落ち潰れていた『きりしま』は弱々しい声で反抗した


「帝国海軍の末裔です!!だからこそ誉れある仕事のためにココまできました!!司令は違うんですか?ボクにそういう事をすれば誉れは守れるというのならお役に立ちますが。。。違いますよね。。。」


「誉れある仕事?どこにそんなものがあるの?」

美しいハズの『ひえい』の瞳は虚ろで何も見えていないかのように暗い

自分の唇を触る繊細な指が離れると顔を上げて大笑いをした


「誰が誉れある仕事だなんて言ったの?港を出るときに誰が私達に手をふった?」


心に刺さる言葉

「戦争反対」の横断幕と拳に怒号。。。『きりしま』は自分の折れた心の傷の痛みに,胸に手を当てた


「思いこみでしょ?自分が「可哀想」だから。。。。誉れある仕事だと思いたいんでしょ?」


肩が震える

支える『おおすみ』の手からこぼれた体。。。『きりしま』は泣いた

「信じて。。。ボクは。。。」

手の甲に落ちる雫の中に浮かぶ思い出は。。。。



「あんたってホントにおバカさんなのね」



「司令。。。あんまりです!!そんな言い方!!」

崩れた『きりしま』の体に手を置いた『おおすみ』の震える声も。。。もはや力などもってなかった

自分たちの存在を無能と罵る根源に嘘がみえなければ。。。。逆らいようもない


変わって

空気を伝わるような怒りが暗い部屋を支配し始めた


今までメガネに隠されていた鋭い光と,解かれた髪の動きにも怒りが充填され始めているのがわかる程に

掛け棚にある小物を勢いよく投げつけると

今までの優しい口調は消えて,金切り声を上げた


「たかだか輸送艦の分際でDDHの私にさからうなんて。。。頭おかしいんじゃないの!!DDGのくせに輸送艦に護って貰わないと自分のするべき命令にも立ち向かえないの?あんた。。。ホントにバカなのね!役立たず!!あんたは日本で一番の金食い虫で,日本で一番役に立たない艦なのよ!!それを自覚して私の言う事ぐらい素直に聞きなさいよ!!違う?うん?」


所構わず物を投げつける怒りは収まる事を知らず

わめき散らした


「私達はね。。。みんな日本に,国民に疎まれてるのよ!!兵器死ねって!!その中でも最たる物!ミサイル兵器の固まりの魂であるあんたは真っ先に死ぬべき存在だわ!!」

「ボクは。。。。」

悲しい思い

足もとに這い蹲っても自分の存在を無しには出来ない魂『きりしま』にはもう反抗の声をあげる力もなかった

十分に相手の心をえぐり取った『ひえい』は頭を落とし涙にくれる『きりしま』に向かって唾を吐くと


「私の相手が出来ないんだったら。。。。死になさいよ。。。役立たず」


喜びに歪んだ口からトドメの一言を吐き出した

ウラバナは明日かくぞ〜〜〜(藁)編



ぬ〜〜〜

無理でした

今週はずっと夜勤が入っていて2時間充電22時間稼働のような生活を送っています

変わったことといえば

小説の方も新型のパソコンの方にいこうして書けるようになったというところでしょうか


生来のMac党のヒボシです!!

今回も新しいMacにかえましたがExcelを買う余裕がなかったので旧型も併用で稼働中ですょ



今回は『ひえい』さんという新しい艦魂が登場したのですが。。。。

評判は作者予想を裏切らない

「悪い人」となってます(爆)

いちおうフォローのために彼女の過去歴なども少しだけかいたのですが。。。それでも悪い人です(藁)


近いうちにまた「みてみん」にいらすとを上げたいとも思ってます

実像があると楽しみ増えるというものですから!!



最近ほしい物。。。。海自の制服(藁)



そんな近況報告でしたぁ〜〜〜〜



それではまたウラバナでお会いしましょ〜〜〜

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