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第三十六話 誉れの名

頑張れヒボシ。。。。頑張れ!!!

明日は長野に出張だ!!!(涙)

「私は。。。。貴女の事が好きなの」



一生懸命の言葉を口にしたのは

ハワイ沖。。。。リムパックで共に遠い海にきた時だった

青く繁る南海の木々の狭間で『ひえい』は自分の想いを。。。。

見える形として相手に告げるための勇気を振り絞り,胸を手で押さえた姿で言った

前を歩く彼女は。。。

自分より背丈も小さく,細いひと。。。でも元気を体全体で現したように歩いていた


愛する人は。。。。太陽だった


何にも負けない強さが,憧れの人として弱い自分の目に。。。希望として映っていた

何も出来ない艦魂という存在。。。なのに責務は国民のどれよりも重い

何も出来ないのに。。。。何故こんな責務を背負って生きなくてはイケナイのか?

迷い続ける心を一筋の光が照らしてくれた


「もっと楽になりなよ」


彼女の優しい声

小さな手は力強く自分を引いた

それだけが自分達の全てではなく

艦魂として産まれた意味もあるのだと。。。。。微笑んだ


その時に。。。心を奪われた

この人と一緒にいたい

この人が私の宿り木だと



太陽を手に入れたい


弱い自分を。。。。照らして欲しい

彼女は自分の願いに忠実に動き,言葉を連ねた

緊張で震える桜色の唇。。。。。この国に生まれた艦魂史上最高級のヴィーナスと称されたほどの美しさを持つ彼女もまだ少女の面影を存分に残していた

潤んだ瞳に,長い睫毛

宝玉の彼女は希望を探り当てた喜びと。。。。。手に入れる喜びを顔に表し長い髪を揺らしていた


柔らかな風の中

これからの季節を一緒に過ごす「伴侶」として。。。。誰よりも自分が彼女を必要としているという事実を知って欲しかった

誰にも許されない禁忌であっても

お互いが相対する者であったとしても



心を支える者が欲しかった



揺れる瞳

愛おしさで心は,はち切れんばかり

南国の日差しの熱さは,自分の内にこもった熱をさらに上げ相乗してさらに溶ける程に


熱くなった自分の体を。。。。受け止めて欲しい


それ程までに心は追いつめられていた


繊細過ぎる彼女に世界は冷たすぎたから


目に見える世界は焼け野原だったと聞いていた頃から幾分も違っていた

充実した基地施設

雑誌に映る「日本」の景色

世の中にはルービックキューブという四面体の頭脳ゲームが氾濫し

頭の使い方を誤った大人達が楽しげな宣伝を繰り返していた

一方では,持て余す体力と行き場のないエネルギーの発散に

原宿という土地で「未来」を見失った若者達が踊り狂っていた


仮初めの平和の下

日本国民は一生懸命「戦争」を忘れようと突っ走った結果は。。。。

あまりにも無惨で

大切な記憶となるハズだった「戦争」を蔑ろにした結果の下に彼女達はいた



苦痛の中での誕生



大戦の向こう

敗戦国の護衛艦として

産まれた自分たちは不名誉な「艦隊」だった

侵略国家の艦艇。。。。

またも「軍備」を整える。。。。それも。。。。アメリカの庇護の下で

海を隔てた赤の国は自分で何かを勝ち取った事もないのに

アメリカの財源として機能し始めたこの国の「軍備」に悪意を示し続けた

そして

あろう事かその国の得意とするドラグマの術方「洗脳」に責任者なき日本は踊らされ

真実の見えない犯罪の為に賠償金を支払い続ける事になる




この国は戦争に負けて,奴隷の国となってしまっていた


志高き帝国海軍は死に絶えた後

お情けのように産まれ生きる艦艇達に浴びせられる言葉に容赦はなかった

人は自分たちに必要である護るべき国までも捨ててしまっていた


「軍が暴走したから。。。。戦争になった」


暴走?

何故そうなった?

そこには触れず考えず

考えのない批評に次々と右にならえと染められて行く日本国民


何故


自分たちがあのアメリカという大国と戦わなくてはならなかったか?

本当の意味は闇に葬られてしまった


平和憲法などとデモンストレーションのような

まるで世界情勢を無視してディズニー映画のような温和な森の住人に自分たちがなったかのような憲法を押し付けられ

自分たちが主体性を失ってしまったことに喜びを表した国民にとって


さらに,そんな中にありながら聡く世界の情勢を見据えた政治家達の表の政治とは別にある活動を見下し

現実の危機というものは自分たちの不徳と見なしていた



軍備を備えとして持つことは「夢」であってはいけない


隣の国が親日ではない事を熟知した賢者達は非難の荒海を戦い

「海上自衛隊」を作る事に尽力したが

そういう現実を目の前にしてもなお

かつて自分たちが「侵略」をしたからそうなったなど自虐的史観を愛するなど



愚かだ


彼女はそう思っていた

美しく産まれた彼女は,容姿だけに限らず聡明さをもって産まれていた

それでも

艦魂という限られた世界で過ごすしかない存在である

意見する事など。。。けして出来ず

誰かに自分たちの必要性をアピールする事も出来ない



それを知ってか?知らずか?懸命である心を踏みにじるように,日本国民は

守りの楯である彼女達を嫌悪し,憎んでいた


「愛されないのに。。。国を守れなんて。。。無理」


愛すべき国の為に産まれたのに。。。。

戦争の道具だと蔑まれる日々は産まれて以来長く続き

それが可憐で繊細であった彼女の心を深く蝕み



何を信じて良いかわからなくなった



自分を生み出した国を信じるのか?

自分が何故この国に生まれてしまったのか。。。それに理由があると信じるのか?


考えは暗闇の底を這うばかり

自分が何故「艦魂」という物に産まれてしまったのかは。。。わからない

そして,その名のせいで疎まれている理由もわからない


だから

生きている日々は苦痛だった

人は誰も私を愛してくれない

自分たちが。。。。この四方を海で囲まれた島国を守るための楯であるにもかかわらず

この国の人は眉をしかめて自分達を嫌った

唯一

自分とともに海を守るという職務についた「人」達だけが。。。

共にいてくれる事が続く日々だった


居場所のない魂は

与えられた自分の責務と向きあう事が出来なかった

何度も体調をくずし。。。そのたびに「金食い虫」と罵られ

何年もたった後に「延命」のための手術さえ受けたのに。。。。


生きていることが苦痛だったのに。。。

生きさせられた

人は誰も愛してくれないのに。。。ただ生きろと。。。



どうして。。。

なんで。。。


それほどまでに嫌悪する私達を作ったの?

国を守るというのは崇高な使命ではなかったの?

それに徒事する私達は。。。。。



彼女は諦めながらも,いつもその事を考えていた


誰も私達と手を取り合ってはくれない

孤独な魂

だったら。。。。私達は私達の世界でお互いを慰め合うしかない



だって。。。。独りでなんて悲しすぎるから




温かい南海の風の下

街路樹という無言の第三者たちの祝福を。。。。ただ待っていた

太陽の彼女に

自分の。。。

大事な意志をはっきりと伝えた


「私は。。。貴女と一緒にいられれば。。。。後は何もいらない」


振り返った彼女に手を伸ばした

さあ。。。。

私の手を取って。。。。。



それだけが救いになるハズだった






裸の背中は無駄のない柔らかさを少ない光の下に美しく晒た

美貌の果実を隠すように覆う髪

光の花を模した間接照明の下

部屋の半分を占めるベッドの上『ひえい』は目を覚ました

時間はまだ20:00を回ったばかり

均整の捕れた長い手足


海上自衛隊と称した海洋防衛の組織創立以来,産まれ出でし艦魂達が初めて誕生の時誰も向かえに行けなかったほどの美しさ

向かえに行けなかったのは。。。。触れたら壊れてしまうのでは?

そう思うほどに繊細で可憐な花の姿に躊躇してしまったのだ


その花は今,艦内にある自室のベッドの上,産まれたままの姿で寝返りをうった


耳に届く騒がしさ

艦内を走る隊員の足音に,蒸気したうっとりとした瞳は何度かの瞬きをして,華に照らし出された木目の天助を見上げた

同時にキレイに整えられた爪と,自分の指先を眺めて



「何。。。何がおこったの?」


他人事のような声には甘い蜜が満ちている

彼女の声は淫靡なのに

どこか寂しい

もし裸の背中を見る事の出来る男がいるのなら,のぼせ上がってしまう事だろう


「騒がしい。。。。」


シーツを払い立ち上がる

長い髪が秘所を隠し,眠れるボッティチェッリを呼び起こす程の眩い四肢を歩ませ制服に着替えると

自艦の甲板に姿を現した


紫色の闇の下

強くなった風に纏め上げる事なく上にあがった『ひえい』の黒髪はなびいた

自分に搭載されていたヘリ「シーホーク」が『おおすみ』の後甲板に乗り付けているのを細身のメガネをかけた目で確認すると欠伸をしてつぶやいた


「めんどう事を抱えたわね」と





その頃

輸送艦『おおすみ』には遭難者が運び込まれていた

つり上げの作業を必要とする老人を含む3人,残りの2人は兄と妹という幼い兄妹だった

どの顔も日焼けと

地震の時に被った泥にまみれ疲労の色をより濃くしていたため

『おおすみ』艦内にある病院施設への移送が行われたばかりだった


「よかったね!!『きりしま』!!」


艦に収容される救助者を『きりしま』は,うっすらと涙を浮かべた顔を見ていた

背中を『おおすみ』がポンと叩いた


「役に立てて嬉しいね」


今日まで

地震が起こってから眠らず人捜しをした。。。絶望ばかりを覚えた被災地から初めて「生きた人」を救出できた事は喜びで

素直な『きりしま』は涙を少しだけこぼし。。。そっと拭った


苦労はほんの少し報われた事になった


「やっぱり「人」と話が出来ると良いね。。。。」


陸自の隊員「鈴村」

霊感の強さが幽霊を,ただの恐怖と捉えず,要望を求めてくれた事がこの救出劇の大きな力となった事を振り返った『きりしま』は自分の周り囲む『おおすみ』と『はまな』に微笑んだ


「「人」と。。。もっと仲良くなりたいね」

「ああいうヤツなら良いな」


共に走り回った『おおすみ』も笑顔で答えた

自分たちの流した汗に2人は満足できる結果だと頷きあったが

独り冷や汗をかいていたのは『はまな』


「おっ。。お疲れ様です『ひえい』司令。。。。」


走り疲れて肩で息をしていた『はまな』はガタガタになった口元から周りに司令の到着を告げると頑張って姿勢を正した


目線の先,紫に光る泡沫の光の中から

まだ光の粉を纏ったままの『ひえい』は反射した光で見えない目の顔のまま,収容されていった救助者を見つめていた

『きりしま』は慌てることなく彼女の前に進むと姿勢を正して敬礼した


「報告します!!只今,漂流中の被災者を発見しこれをヘリにて緊急収容したところです!!」

人命救助という第一目標に喜びの顔を見せる『きりしま』に『ひえい』はつまらなそうな顔のまま聞いた


「誰が発見者?どの艦が見つけたの?」


頭にまだ光の粒を纏った『ひえい』は,先ほどとは違う纏め上げた髪のまま首を傾げた顔で

自分の前に集まった,自分より小粒な背丈の艦魂達に聞いた

『きりしま』は嬉々として敬礼のまま

初めて自分の目が「人」との交流を得て役に立った事を報告した


「やっとお役にたてました!!」


輝く瞳が自分に課されていた責任を果たせた喜びに満ちている事を横目に『ひえい』は溜息をつくと

およそ褒めるとはかけ離れた言葉を発した


「あんたって。。。。ホントにおバカさんなのね」

「はい?」


『きりしま』より一線後ろに並んでいた2人持とう全言葉もない驚きだったが

口にだして不本意な返事をしてしまうほど言われた本人の方が呆然としている


「自己満足のために明日から被災地支援活動に入る隊員達の睡眠時間を削ったの?うん?」

目の前何度か首を左右に傾げながら『ひえい』は海を指差しながら続けた


「こんな狭い海域で遭難?明日になればこの海域を行くボートピープルが見つけてくれたハズよ。。。ココじゃそういう生活をしている人は五万といるんだから。。。それをわざわざ大騒ぎして「人」に頼んで。。。隊員を疲れさせたかったって事なの?うん?」


「ち。。違います!!!漂流者は生死の間を彷徨ってました!!それを見過ごす事はできません!!その心を「人」も汲んでくれたのであって」


「それでこの大騒ぎなの?」

光るメガネ越し何度目かの溜息を落とす『ひえい』の態度に『きりしま』は困惑していた

自分の見える世界を有効に使った

それを信じた「人」の力を得てやっとできた「初」の救出者に司令が喜ぶどころか,呆れている事にどう対処していいかわからなかったが



「命を助けるためにココに来たんです!!間違った事はしていません!!」

「助けるべき命は明日から。。。何千,何万と待っているわ。。。その為の最後の休養だったのに。。。可哀想ね」


まるで意に介さない顔は横を向いたままで反論した

『おおすみ』の甲板を未だ走り回る海自の隊員達をチラリと見た目は,司令に告げる言葉を探している『きりしま』を言葉で殴打した


「無駄な事はしなくて良いのよ。。。救助しても誰も喜ばないから」

「どういう意味ですか?」


『ひえい』は片口を意地悪く上げて笑った

「あんた。。。ペルシア行く時に何見たの?行って何,勉強してきたの?」


『きりしま』の表情は固まった

一瞬目線をはずし自分の頭によぎったものに顔を伏せてしまいそうになりながらも,息を強く吸い答えた

「国際協力のための。。。」

声を遮る手を振り,少しだけメガネをズラした『ひえい』は覇気を無くした顔を指差すと


「私達が人助けをする事,感謝されてると思ってる?違うよね,うん?」


並んで聞く他の艦魂達にとっても

『きりしま』の肩は震えているのは誰の目にも見えている

あんまりな言葉

返せない変人の名か『きりしま』の目の前に立つ美しい司令は悪びれる事なく続けた

言葉を失った小さな肩に手を置くと


「あんた,さっき助けたお爺ちゃんの言葉聞いてた?」

「聞いてます。。。。」


「言ってたよね。。。「日本軍」「日本軍」って」


「日本軍」。。。。


流されていた筏の救出に向かった隊員に老いた爺様が最初に言った言葉は

「日本軍来た」だった

カタコトの日本語だったが,ココにいる日本人なら誰が聞いてもわかる単語,それをココに運ばれた時も連呼していた


「日本軍」

意味するものは

辛い話しに目をつむってしまった『きりしま』の前,顎を突き出し見下す目線の司令は良く聞こえるように耳元で言った


「部隊を連れて救助に来たって日章旗の元,私達は日本軍なのよ。。。この地域の住人にとって私達はね「侵略者」であり「簒奪者」なの。。。今も,昔も変わらずに。。。。来てくれて感謝するなんて嘘なのよ」


考えたくない事だった

この地域は前の戦争の時日本軍が占領した事が。。。一時的にだがあるところだった

助けたお爺さんの歳は正確にはわからないにしろ

高齢者である事はわかっていた。。。。占領下の国を体験した事のある人だったのかもしれない

助けた隊員の顔を見て。。。。

「日本軍来た」と言ったのかもしれない


「だから余分な事はしなくて良いのよ,言われた事だけやればいいの,どうせ艦の魂には何もできないのだから」

「でも。。。命を見逃すなんて事は」


「自己満足なのよ。。。そんなの」

あざ笑うかのような笑み

それでも姿勢を正したままの『きりしま』は拳を強く握りしめたまま

しなだれた自分をたたき起こして


「それでも,目の前にある命を助けないなんて事!!ボクにはできません!!」

「命令よ。。。。迷惑だからもうしないで」

「聞けません!!」


初めて『きりしま』は司令職の艦魂に逆らった

それは後ろにいる『おおすみ』には信じられない光景だった

誕生以来特別な扱いを受け続けていたイージス艦の姉妹

それ故に卑屈なほど司令に忠実で,意見などした事もなかった


その彼女が逆らう言葉を吠える姿は異常な事態だった


もちろん『おおすみ』にも苛立ちはあった

何故,司令ともあろう艦魂が人助けをこれほどに拒むのかが理解出来なかったし

それを迷惑な行為だなんて。。。。そう思えば『きりしま』に堪えられる言葉ではないと理解できた


反抗を唱える妹の前

メガネの輝きは冷たい,それでも意見をやめない『きりしま』


「どうしてそんな言い方をなさるんですか!!誉れの名である「比叡」を頂いた司令の言葉とは思えません!!」


唇をきつく噛んだ反論

だがそういう激高さえも遊ぶかのように『ひえい』は『きりしま』の真ん前まで歩くと自分を睨んでいる彼女の頬を張った


「生意気よ。。。死んでしまった戦艦の名前なんか誉れのわけないじゃない。。日本人にさえ疎まれるのよ,違う?」

そういうと返す手で頬を張った

「あんたの姉もノイローゼになるほど苦しんだでしょ?うん?救助してみれば「日本軍」って罵らて,この上,帝国海軍の艦名なんか付けられて迷惑だわ。。。」

そう言うと,もう一度遠慮なく頬を張った


それでも睨む『きりしま』の目は決して司令から離れる事はなく

瞬きもせずに反論を冷静に返した


「ボクは「霧島」の名を頂いた事を名誉に思っています!!「魂とか」そういう事はわかりません。。。でも,かつて日本を護って戦った姉の名を頂けたことに心から感謝してます。。。だからその名に恥じぬように人助けもしたいと思っております!!」


真っ直ぐな瞳はこれ以上の殴打にも負けることのない輝きを宿していた

挫けぬ意志の顔に『ひえい』は呆れたように顔を背けたが,自分を納得させるように小声で何か言いながら何度か小さく頷くと

優しい眼差しに変わった目と,甘い声は



「そう。。。じゃ「今夜」私が大事な事。。。もっと色々教えてあげるわ」

少しの舌先を見せて微笑んだ

「わかりました!!」


『きりしま』は相手の意図など構うことになく司令の命令に返事をしたが

後ろにいた2人は慌てた

それは「夜の誘い」と2人は気がついたからだ


「00:00に私の部屋にいらっしゃい。。。キレイにしてらっしゃいよ。。。汗くさいのはキライだから」

「はい!!」


そういうと『ひえい』は紫の光の中に消えていった

完全に光りの粉がなくなった場所をずっと敬礼のまま無睨んでいた『きりしま』に泡を食って話しかけたのは『おおすみ』だった


「ヤバイよ!!『きりしま』!!」

「大丈夫!!寝ないで話し合えば司令だってわかってくれるハズだから!!」

『はまな』は頭を抱えた

夜に来いという「お誘い」をやっぱり『きりしま』は勘違いしていた

普通に考えても深夜に呼ばれるなんて異常な事だと思うのに,朝まで討論会と思いこんでいる『きりしま』の天然さ加減に笑うに笑えない口が


「『きりしま』。。。。『ひえい』司令に。。ハアハアされちゃうよ。。。」

「えっ。。。司令怒ってたんじゃないんだ」


今度は『おおすみ』が頭を抱えた

「う〜〜ん,そうかココで大声で言い合う意見ではなかったって事か。。。それで頭撫で撫でで。。。仲直りって事かな?」


張られた両頬を真っ赤にしながらも,動ずることなく腕組みした天然純粋培養『きりしま』に今更それが。。。。「アレ」なんて言えない

何故,先ほど話題になってた時に正直に教えなかったのかとさらに頭を抱えた



「『おおすみ』!!」

涙目『はまな』は袖を引いて背中を押す

「無理だよ!!言えないよ!!」


2人は自分たちの目の前司令に上申する意見を纏めようと頭を悩ます『きりしま』の後ろで,ハアハアの説明をどうするかで揉み合いになった

特に『はまな』は必死だった

任務のうちはそんな事があったとしても。。。。いや無理だった


この任務の中で『きりしま』が『ひえい』司令の命令に従って関係を持ってしまったりしたら

もう『きりしま』とは友達には戻れない気がするし

その結果如何では。。。。佐世保に待つ「鬼」の姉である『こんごう』がぶち切れてしまう事は容易に想像がついた。。。。。


そんなことになったら

「第二次艦魂断絶戦争」になってしまう。。。それを手引きした犯罪者として。。。

汗なのか涙なのか

自分の想像力で『はまな』の顔はグシャグシャに濡れている



一方の『おおすみ』は最後の手段は一緒に『ひえい』司令のところに行って「ごめんなさい」をするかと考え込んでいたと,同時に2人の異常なやり取りについて考えていた


悪い噂の絶えない『ひえい』たしかに職務にも熱心な人でない事も聞いてはいたが

『きりしま』の始めた救助劇を罵倒する理由がない


艦魂は。。。たしかに存在だけで何もする事のできない者ではあるが

役に立てたのなら喜ぶべき事なのに。。。。


「なんで。。。あんなに怒ったのかな?」


首を傾げてみた

睨み合った2人共に「違和感」を感じていた

そんな思案にくれていた『おおすみ』の袖を1人パニックになった『はまな』が引いた


「私もう二度と『こんごう』一佐に顔合わせられないよ〜〜」

「そんなこと言ったって。。。」


2人の良くわからない混乱をよそに『きりしま』の目は本気の輝きを取り戻していた


「命を助ける事が無駄な事なんかじゃない事をわかってもらうんだ!」


意志強く拳をにぎり固める

「『きりしま』。。。?」

まるで自分を奮い立たせるような姿に『おおすみ』は考え,『はまな』は泡を食っていた





「オイ!幽霊!!いるか?」

どうにもならない事件に三者三様の立ち絵をさらしていた艦魂立ちに声がかかった

それは陸自の鈴村だった

疾風の近くに寄った彼に『きりしま』は鈴村が置いていったボールペンを差し出した



「どうしました」

「ヤバイ事になった。。。ちょっと手伝ってくれ」


鈴村は真面目な顔で『きりしま』を見つめると問題発生を説明した

カセイウラバナダイアル〜〜〜災害派遣編〜〜〜



閑話入れた災害派遣も以外と大事な章になってきた今日この頃ですが

実際の災害派遣で最初に被災地に向かったのは

もちろん『きりしま』この章の主人公なのでナイスタイミングと言えますが

後の艦魂は違います


小説では旗艦『ひえい』輸送艦『おおすみ』補給艦『はまな』になってますが

実際に派遣されたのは旗艦『くらま』輸送艦『くにさき』補給艦『ときわ』と成ってます

編成については実際に出動した護衛艦を見て

後はヒボシが小説用にフィクションとしてつくりなおしました


理由は

一番簡単なのは

たくさんの艦魂を出したかったと言うこと

『くらま』さんはすでに読者的知名度の高い司令になりましたし

『しらね』さんも皆様に十分に知って頂けたと思います

残る二群の司令達は

『しらね』さん達の縦の姉に当たる同種艦の『はるな』さんと『ひえい』さんでした

『はるな』さんは舞鶴にいて日本海の要の艦魂になりますので『ひえい』さんに登場して頂きました


輸送艦についてはどなたでも良かったのですが

特にヒボシが知っていた名前で『おおすみ』になりました

で最後の補給艦『はまな』は佐世保でもチラホラ出てましたが編成で全員が新規の艦魂になっちゃうとヒボシが混乱するのでココは「お味噌っ子」として『はーちゃん』に来て貰いました


それにしても。。。。各隊群の司令が。。。ものすごく個性的になってしまい

主役の『こんごう』が霞みそうです


今回,災害派遣の旗艦として『ひえい』さんが出てきました

登場の紹介で「恋女」とかいたせいもあり。。。。「またも百合ですか?」と突っ込まれたりもしましたが

この人はただの百合じゃありません(藁)


もう今回を読んでわかった読者もいらっしゃると思いますが。。。。

百合もそうですが,かなり。。。。病んだ方です


ですが「艦魂物語史上一番の美女」と位置づけられてもいます

キレイなのに病んでる人

『ひえい』さんの経歴は「あの方」とリンクしている部分がありますが

それは追々書かれる事になります

作中にあるように彼女は極端にDDGを憎んでいます

それを廻る事件。。。。相対する者である艦魂


災害派遣編ではそこまで突っ込んだところは出てきませんがこれから『こんごう』ともご対面があったりなので目の離せない方である事は確かです



寒くなってきましたので皆様も暖を取って寝入ってくださいね〜〜〜

それではまたウラバナダイヤルでお会いしましょ〜〜〜

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