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第三十四話 月の下

specialthanks!!Hon先生!!

ありがたくネタを使わせて頂きました!!!

伊東先生,大和長官ごめんなさい

これにて「ハアハア」は標準語になりました(爆)

食堂に向かって歩き出した鈴村達。。。

その後ろをチョコチョコと付いて歩く艦魂達。。。。


海の風は緩く

このおかしな集団を微笑むように吹いている

夕暮れの太陽も優しいオレンジの光を海に写す中

艦魂と「人」の遭遇という空前の珍事は静かな夜に向かっていた


後,長く見積もっても28時間後には被災という艦の中はどこもかしこもが慌ただしい

眠ることも順番で動く世界

海自の隊員達も準じ緊張を身に纏った様子で忙しく動いている

向かう先は日本に災害派遣の要請をしてきた「タイ国」沿岸

どの兵科の隊員も近づく任務のために。。。食べていた


補給艦『おおすみ』の食堂の熱気はいつもの4倍以上のものになっていた

もちろんクーラーがそれなりに入ってはいるのだが。。。

それでも熱い。。。有象無象の男達の食堂


普段はブリーフィングルームに使われたりもする通常護衛艦のものより大きな部屋にもかかわらず満員御礼

乗せている陸自の普通科の隊員達は次々とご飯を食べて行く

今日は金曜日という事もあり「カレー」さらに熱を上げる,熱い食料だ


それは鈴村達が向かう先の部屋の状態をよく示すほど香っていた


「カレーか。。。」


くわえタバコを隠した鈴村は鼻についた「煮込み系」香りに夕飯を当てた

「海自のカレーって,シーフードだと思ってたんだけど違うらしいぜ」

となりを歩いていた梅酢うめずはがっかりしたような顔

陸自でもカレーは少なくない料理だが

海自の艦に乗っての仕事に行くに当たって「シーフード料理」が出るのではという変な楽しみを持っていたからだ


「バーカ。。。そんな鮮度のたけー飯が出るわけねーだろ」

呆れたような言いぐさの鈴村

「海の上なんだぜ?こっからどんだけ缶食まみれな生活送ってくと思うんだよ?釜の飯サイコー!!」

3人組の1人

身の丈で言うのなら,一番小柄な佐藤は短い頭をガシガシ掻きながらも浮き足で前を歩く


そんな鈴村達の後ろを『きりしま』『おおすみ』の背中にぴったりくっついた『はまな』が「人」の後を付いて歩いていた



「ねえ。。。あの真ん中のデカイ「人」が。。。私達が見えるの?」


通路は食堂行きの隊員と,返りの隊員で狭く

普通なら空気の存在である艦魂達は「人」の体に当たる事もないので避けもしないのだが

さすがに細々と避けながらの追跡

前を歩く『きりしま』に『おおすみ』は3人の中一番大男の鈴村を指差して聞いた


「うん!目が合ったんだ」

「目が合っただけで見えてるってわかるの?」


怪訝な表情の『おおすみ』をよそに,いつになく活き活きとしている『きりしま』は


「だって,ヤバイって顔してたよ。あの人きっと霊感が強い人なんだよ」


確信した顔

先ほど後甲板の上「幽霊捜し」をしていた彼らの中,つまらなそうにしていた鈴村は自分の後ろにいた何かに気がついて

振り返った後すぐにそこを立ち去る事が出来なかった

今まで本当に無駄な時間をすごしているといった顔をしていた鈴村の表情が硬直した事を『きりしま』は見逃さなかった


「霊感つよいと私達って見えるの?」

『おおすみ』の腕に自分を絡ませるほど引っ付いている『はまな』が小さな声で聞いた


「そういう風に聞いてるよ」


これも艦魂達の間に,いつの頃からか流れている「逸話」だった

根拠などどこにあるかわからないものなのだが,長く艦とともに生き続ける艦魂の暇つぶし的な話しなのかもしれない,と

いつもなら笑って却下しそうな『きりしま』が今日はその事に興味津々だった

戸惑いで進む足を引っ張っている『はまな』などお構いなしに鈴村達の足を追って食堂に入っていった


「くさい。。。」

むせ返る男達の匂いに鼻を手で覆った『はまな』


「そんな事言うなよ〜私の中ってこんなばっかだよ〜」


自分の手にしっかと捕まったまま,眉を下ろしオドオドしている御小ちゃまに苦笑い

基本,男所帯の護衛艦の中身に,陸自のワイルドな男が加わった世界は『はまな』にとって恐ろしいものでしかなかった

右も左も。。。。男ばかり

普段でも絶対に行かない食堂に

どうして『きりしま』が平気で,こ荒野の食堂の中を歩いて行ってしまえるのかが不思議だった


「はーちゃん(『はまな』)来年,妹出来るのに大丈夫なの?」

「それとこれは関係ないよぉ。。。」

泣きそうな彼女をひっぱり後れを取った『おおすみ』は困った顔をしながら『きりしま』の向かった先に歩いた




早飯ぐらいはどこにいっても変わらない

むしろ早くご飯を食べる事が自衛隊にとって任務と同じぐらい常用な事にもなっているのだから

あんなに大盛りだったカレーを事もなく平らげた梅酢は爪楊枝を口にくわえて


「やっぱ隠し味の差かな?。。。。いまいち煮込みが足らん感じが?」

「コーヒー牛乳だな」


対面に座った佐藤もいまいちな顔で皿に残ったルーを舐めて

「鈴村はどうよ?」

梅酢の横に座った鈴村は遠い壁の方を向いて

「別に。。。釜の飯なら缶詰よりましなんだろ。。」

いたって冷静な回答だったが



鈴村は。。。。。焦っていた

四人がけのテーブルに着座した時には何もみえなかったのだが

。。。。

対面に座った佐藤のとなりのイスにいつの間にか。。。。。何かがいる

開いているハズの空白のイスに。。。。何かが座っているのが見えたのだ

それは明確な色や形をしてはいないが「白い物体」で。。。。シルエットはまさに子供の形をしている

それも。。。1人じゃない。。。

イスに座ったメインの子供の後ろに。。。少なく見ても後,2人の白い影


「。。。甲板で見たヤツ。。。だよな。。。」


鈴村は田の二人の話を右から左に聞き流しながら考えていた

「いかなきゃ良かった。。。。」


そもそも鈴村が彼処に行ったのは彼が陸自一。。。。幽霊を見る男だったからだ

梅酢も霊感の鋭い部分を持ってはいるが,鈴村ほどではない


昼間,自分の部隊の「疾風」を見に甲板に上がった時

それを集団で見た。。。。

梅酢の「もや」がなんてレベルじゃなく。。。人の形に近い集団が並んでいるところまで見えていた

最初は驚いたが「疾風」に乗って器機の整備をしているふりをしながら様子をうかがったがどうも「海の幽霊」というたぐいのものではなく

「船の幽霊」で,それもこの護衛艦に憑いている者たちなのでは?というところまでは推測ができていたが

それをまた確かめに見に行ってしまった事が失敗だった事に頭を抱えた


「取り憑かれた?」


霊感の強い者に幽霊は着いてくる

これは霊感の強い者の世界においては鉄則だ

彼,彼女達は世に未練があってそれを誰かに告げる,または自分に成り代わって実行してもらう事が希望であり

自分の存在に気がついてくれた者がそれを実行してくれるまで。。。


離れない


鈴村はタバコに火を着けながらチラリと目の前に鎮座する「白い霊」を見た

眼のない空洞の黒が自分を見つめている

「水子じゃ。。。ねーよな」

深く吸ったタバコ

小さく首を振った

「ない。。それはない,いくらオレがヤリっぱなしの馬鹿野郎でも,そこまで作った憶えはない。。。」

それでも白い霊は明らかに鈴村を見ている。。。

自分に何かを頼もうと見つめている


男は1人,そこはかとなく自分の体質を呪っていた





輸送艦『おおすみ』の内部

陸自の隊員達が寝るベッドは天井からのつり下げられた3段のもの

チェーンで括られた形で固定式の物とは違うタイプだがマットはそれなりにいいものが使われている感じだ


「おい。。。鈴村」


消灯の時間にはまだ早い

明日には任務のために準備と上陸のためのレクチャーが海自からされる

もう十分に眠りにつける日はしばらくはない事をよく知る隊員達は,ところどころで眠りに入っている中

小声で頭を下げてきたのは佐藤だった


「なんだよ?」

「幽霊さがさねーの?」


この数分前,梅酢が自分のカバンにあったお守りを手に甲板に向かったばかりだった

「探してどーすんだよ?」

鈴村はチラリと自分のとなりのベットを見た。。。

まだ空室のベッドには横に並んだ白い霊が3人。。。。自分の背中をずっと見ている

幽霊ならココにいると言う状態だ


「梅酢は確保するって言っていたよ」

「確保?」


鈴村は思い出して呆れた


「幽霊確保」。。。。


それは鈴村達が演習で富士に言ったときの話しだったが

といっても一般の演習とは違いかなり本気の行軍というもので,ほぼ「実戦形式」で行われる

この演習は富士の樹海近くで行われたりもするためなのか?

「幽霊」を見た,または見るという者が後を絶たない


その日もうっそうとした森林地帯に歩哨としてビバークしていた鈴村の前に幽霊は表れた

姿は鮮明にして。。。。美しい女だった

距離にしてみると50メートルぐらい

木立の揺れる葉の下に浮かび上がった彼女は悲しそうな顔のまま鈴村を見つめていた

あまりの鮮明な姿に最初は演習地に紛れ込んだ民間人かと思い

何度か確認をしてみたが。。。。50メートルの距離では実際の相手が「何?」なのかを確認する方法はなかった



持ち出した小型の双眼鏡で何度か姿を追ったが

夕暮れ時を過ぎた今では白いもやのかかった美女としか確認は出来なかった


「ずっとあそこに立ってんです?どうしますか?」


判断を仰ぐため班長を呼んだ鈴村の前

双眼鏡を覗き込んだ厳つい班長は

「あれか?」と鈴村に聞いた


鈴村はアレが何かわからないし自分にしか見えていないのならば,拳が飛ぶかと覚悟していた

「見えますか?」

「ああ。。。よく見える。。光ってるな」


班長の隣には梅酢が双眼鏡で見ている

「見えるか?」班長が見えたのならばこの隊では自分についで霊感の高い梅酢にも見えるはず

「見える。。。。女だな。。。人間じゃなさそうですね」


迷彩を縫ったくったドウランの班長は双眼鏡を話すと鬼のような顔をしかめたまま動かない


「どう,しますか?」

厳つい,への字口は鈴村と梅酢に向き直って


「確保!」

「はい?」

真顔の鬼班長の言葉が何を言っているのか理解できない鈴村は首を傾げてしまったが

班長は月に輝く光の目は本気だった

「確保だ!!!」

「了解!!」

命令に即座に行動に入ったのは梅酢だったが

訳がわからない鈴村はもう一度班長に聞き直した


「幽霊ですよ!!確保してどうするんですか!!」

この時の班長の言葉が今でも忘れられない


「むさくるしい男バッカの演習地にわざわざ来てくださったんだ。掴まえないでどうする?」

「どうするん。。。。ですか?」


なんぼ

むさくるしい男所帯が続いているからって「幽霊」に何させるんですか?

本当はそう聞きたかった困惑の鈴村を前に


「きっと彼女も寂しいんだ。。。。みんなで慰めよう」

何を?

何を慰めるんですか?困惑の目で班長を見る鈴村の前

野生の男は手をワキワキと動かしながら

「みんなでたくさん慰めよう」

あきらかに犯罪の匂いが漂う月の下




「バカだな。。。。」


鈴村は思い出した演習に笑った

結局,さしも幽霊も自分に迫る狼の魔の手を感じたのか,梅酢の接触数十メートルというところが姿を消して幕となった事に


演習に入ると野生化する男たちの姿は「女なら」幽霊でもウエルカムという非常識を現実の命令としてくだしてしまう

「あの班長は絶対に呪い殺されるな」と

思い出話を佐藤と笑っていて気がついた。。。。。鈴村は自分の後ろにいた幽霊達がいなくなった事に


「幽霊。女の人でしたか。。。陸自の男は怖いから。。逃げるが正解だよ」

気配を失った幽霊に少しホッとした




「怖いよ〜〜〜」


通路で梅酢とすれ違っただけで悲鳴を上げていた『はまな』は涙でグダグタになりながら『きりしま』と『おおすみ』に手を引かれて甲板に戻ってきた


「やっぱり「人」って怖いわ。。。幽霊でも掴まえて何するのかな?」

甲板にぺちゃんと泣き崩れた『はまな』の背中をさすりながら『おおすみ』は,風を触れる『きりしま』に聞いた


「何するんだろうね?慰めるって?ボク達別に寂しくないのにね?」


真顔の『きりしま』の返事に『おおすみ』はある意味,純粋培養な『きりしま』という存在にやっと気がついた

任務第一で,そうでなくてもイージス艦という特殊にして特別な艦の魂として見られている彼女は少しばかり世間からずれていた


「だいたいどうして「人」に気がついてもらおうなんて思ったのよ!!」


窒息するほど男まみれの通路に目眩を起こしながら帰ってきた『はまな』は『きりしま』に怒鳴った

最初に甲板で鈴村に気がつかれてから

『きりしま』は彼のまわりを一生懸命うろちょろしていた

手を振ったり,話しかけたりそのおかげで他の艦魂も彼が気がついている事はわかった

顔が緊張して

たまにチラリと見るという仕草で


「だって,「人」と仲良くなれたら任務もスムーズに進む気がしたんだよ」

「どうやって?」


怒鳴って咳き込んだ『はまな』の背中をさすって今度は『おおすみ』が聞いた


「ボク達は結局の所,艦の魂ってだけで何が出来るわけでもないでしょ,出来るのは気を緩めず任務のために集中して行く力を束ねるという行為だけ。だけど人と話が出来るようになればボクの目で見えた被災者をいち早く助けられるかもしれない」


『きりしま』の思いは決まっていた

この災害で昼なく夜なく捜索活動を続けた

だけどイージス艦の機能を目に有する自分と隊員とでは見える物が違う

遠くに見える。。。。きっと人の体,自分がそれを見つけても隊員には見えない距離。。。

もどかしい救出活動

自分の声を伝える事ができたら。。。。自分はもっと役に立てたのではと

『ひえい』司令に言われた事は心に残っていた



「あんたのその便利で「万能」を唄う目で遭難者を捜せないの?」



探しても。。。自分の見つけた遭難者を,見つけてくれる人がいない事に涙していた

「助けたかったんだ。。。たくさんの人達を。。。。」

「だから陸自のあの人に気がついて欲しかったんだ」

俯いてしまった『きりしま』の思いがただの冗談でなかった事に『おおすみ』は反省した


「でも!!でも!!!あんな「人」選ぶ事ないよぉ!!」

話を聞いていた『はまな』は顔を上げて意見した

「だけどボク達が見える人って少ないんだよ,見える時がチャンスでしょ」

「ヤダ!!あんな人はヤダ!!!」

甲板を叩いて駄々をこねる『はまな』は叫んだ


「「人」は!!私達みたいな女の子掴まえてハアハアするんだよ!!」


「ハアハア。。。。?」

突然切り替わった話題に,それは何?って顔の『きりしま』


「『はまな』?ハアハアって何?」

「ハアハアって。。。」


『はまな』は純粋培養を自分でしたタイプだが,耳に入る情報を無視できるほどとまではいかない

そもそも独りぽっちが寂しくて誰かについて回ってないといけないような子

自分ではそういうゲスな事から遠ざかっていると信じているが,佐世保は基本が集団生活だ

艦魂同士の下世話なはなしもあれば,隊員の雑誌を失敬してきたもので見てしまう事もある


曰く。。。隊員の実用書にある「裸の女」とet ceteraは『はるさめ』達などが良く見ているので「そういうこと」は知っていた

そもそもこのメンバーの中では女としても一番年上なのだから。。。。知ってる


顔を真っ赤にした『はまな』に『きりしま』は不思議そうに首を傾げる


「ねぇ,ハアハアって何?教えてよ」

自分の知らない事にたいする探求心が悪気なく顔を近づける

「ハアハアは。。。あんな事ハアハアとか。。。こんな事ハアハアとか。。」


まさか自分がそんな事で問いつめられるとおもっていない『はまな』の頭の中には色々なものが廻っていた

任務もしてないのに涙の目を泳ぐ数式の光がフィードバックさせるのは。。。

あられもない女達の姿ばかりで言葉が出てこない


「あんな事ハアハアじゃわからないよ,もっと具体的に」


そんなパニック寸前の『はまな』に『きりしま』は不思議そうな顔のまま

2人のあまりに滑稽なやりとりに『おおすみ』はひっくり返っていた

笑い転げて

具体的にそんな事が『はまな』の口から出てきたらきっと『きりしま』は失神するんじゃないのかと思うほどに


「佐世保にも「人」が来たの!!その人が『ちょうかい』二佐とハアハアしてたって!!」

「ええ?」


パニックを起こした『はまな』は訳のわからない事を口走ってしまったが

おかげで『きりしま』の興味が一時的にそれた


「佐世保にボク達を見られる「人」がいるの?」

「いるらしいよ」

笑いすぎで涙目になった顔を拭いながら,やっと自分も入れる話題に『おおすみ』が答えた

「いるの?初耳」

自分の前で頭から蒸気を挙げている『はまな』の肩を揺すった


「いるよ。。。。『こんごう』一佐に殴られてたけど」


今度は話題が纏められない『はまな』

「どうなってるの?『ちょうかい』が何かされたり,姉さんに殴られたりって」

「その話し聞きたいな!!私も横須賀に居たときに少しだけ聞いたんだけど,どんな人なの?」


割り座のままフラフラになった『はまな』はコクコクと頷いた

「話したゲルよぉ。。。その変わり」

『おおすみ』の袖を掴まえた『はまな』は「ハアハアは『おおすみ』から聞いて」と自分では口に出来ない破廉恥を譲った



「へぇ〜見ることも出来て,話すこともできるんだ。会いたいな」


陸自の「疾風」に寄りかかったまま

佐世保に着いた「粉川」の話しを2人は聞いていた


「で?なんでその人,姉さんに殴られたの?」

「。。。着替えを覗いたから」

「命知らずだね〜〜〜」

いつの間にかジュースを横にしていた『おおすみ』は何度かの任務で『こんごう』を見たことがあった

その印象は怖い人で

横須賀に残る昔話なども統合するに「キレイだがキレる人」と認識していた


「それは粉川さんって人が悪いよ,着替えを覗くなんて最低だ!!」

「ボコボコにされてた」

「遠慮ないなぁ,一佐。。。50年ぶりの「人」なのに。。。」


妹の目は姉の怒りっぷりが見えるようだった

妹にだって自室に入る事を厳しく制限している姉が無防備に着替えていた所を「人」に踏み込まれたなんて事

『きりしま』は姉がイージス艦に持つ部屋ではほぼ裸で過ごしている事を良く知っていたから余計に怒った事を見抜いていた


「せっかく会えた「人」がそれだとがっかりだね」

「でも。。。いい人っぽいよ。。。さっきの陸の「人」より」


『はまな』はかいつまんだ話しで粉川のおとぼけキャラ的な部分は話したが『ちょうかい』にしてくれたプレゼントの話しとかはまだしていなかった

姉にあげたいプレゼントは高価な物だった

艦魂にとって外のブランド商品がいくらするのかなんて考えた事のない物だった


「高い物だったらしいけど。。。買ってくれた」


夜遅くまで,寄宿舎の自室で粉川が町まで行って買ってきていくれたプレゼントにラッピングを施していた『ちょうかい』の嬉しそうな顔を覚えていた

「寝ないの?」と聞いた『はまな』に『ちょうかい』は嬉しそうにそう答えた



「で,その人と『ちょうかい』がハアハアしたってのは?どういう事?」


横に座った真顔は急に話題を戻した

「『おおすみ』!!」

触れたくない話題に一応その件は譲った事と『はまな』はそのまま自分の横に座る『おおすみ』の肩を叩く


「抱っこすること!!」


本気で答えるつもりのない『おおすみ』は人差し指をたてて

「抱っこして頭,撫で撫でする事だよ」

「それをハアハアするって言うの?」

全く持って純粋な『きりしま』はそれにしてはと考えながら立ち上がると首を傾げた


「ちがうでしょ。。。」

考え込んで海を見渡している『きりしま』の後ろ

嘘を嬉々と吐いた『おおすみ』の顔を睨んで『はまな』は焦っていたが


「そのぐらいにしとけば良いって!!そんなそのうち誰かが教えてくれるって!」


「『おおすみ』!!!」


陽気に振る舞った『おおすみ』の背中に『きりしま』の怒鳴り声

「ごめんなさい。。。。嘘つきました」

両手を挙げたごめんなさいの手を掴む


「何か見える!!!海に。。。。人がいる!!」


それは夕暮れを周り南海の青い帳が海に届いた時間だった

カセイウラバナチャンネル〜陸自を調べた編〜〜



元気ですか〜〜学生のみなさんは有意義にお休みを遊んでくださいね〜〜

さて

今回災害派遣を閑話にいれたことで。。。めちゃくちゃ色々と調べるものがふえてしまって悪戦苦闘中のヒボシです

幸いネタの提供などをうける事などもできて(藁)


specialthanks Hon先生


楽しく描くこともできました

そういえば

ヒボシの知勇学の頃の同級生も何人か自衛隊員になってましたが

ヒボシはちょっとずれた子だったので話しもした事がなかったですね(爆)


リックランドにもそろそろ足を運ばねばならんですね



ところでこんなメッセがきたのですが


ヒボシ先生の作品にはアダルトな描写が結構あります

R15の表記をしては如何でしょうか?



アダルトォォォォ!!!

そんなところあったっけ?

実は友達にそうなのか?と聞いてきたところです


友達ラ 「百合のシーンを具体的に描いた事じゃないの?」

ヒボシ 「アダルトでしたか?アレ?」

友達ラ 「全然だが。。。。読んでる年齢層でアウトな人がいるのでわ?」

ヒボシ 「今日日女子中学生でもSEXぐらい知ってますよ?」

友達ラ 「知ってるねflowercomicなんて普通にレイプの描写もあるしね」

ヒボシ 「少年チャンピオンぐらいですね。。。」

友達ラ 「気にしすぎでは?」

ヒボシ 「ええっそうなのではと思うのですが?」


実際。。。。ヒボシは『しまかぜ』さん『くらま』さんのシーンをただのエロスで描いているわけではないので

ただのエロスと感じたのならばそこどまりの見識という事になると思います

本当はネタバレになるのであまりこういう事はかきたくなかったのですが

故にここから先は小説の先を楽しみにしていらっしゃる方は読まないでくださいね〜〜


それではまたウラバナダイヤルでお会いしましょ〜〜〜















Rの表記について


ヒボシの見解では

艦魂である彼女達に「sexuality」は不必要と考えていました

つまり

魂の存在である彼女たちが「女」である必要性さえないと思ってました

だからといって女の姿を否定しているわけではありません

否定しているのは「女のとしての機能」です

つまり男性に恋したり,愛情をもったりという必要は無いと考えていました

なせならば

艦魂という以上「人」と関わったとしても「子孫繁栄」の意志は必要なく

また年もそれほどにとらない彼女たちに恋愛が必要ではないと考えていたからです

そのほうが艦魂という原初的設定にはしっくりくるからです


艦魂を見られる人は少ない

つまり彼女たちは見られる必要を持っていないともいえます

たまたま見られる人がいたから色々と物語として作られるという事にもなります



でも。。。。

それはあまりに切ないです

なので

ヒボシを設定を間逆にとらえた訳です

「女である理由」

「女であるために行われる事」

そしてココでは多くの艦魂作家の先生からも助けられ百合もあると理解を示して頂きました

女所帯の50年で

ふれあうことも出来ない男を前に「女」である彼女達は何を考えて生きてきたか?

何故

女同士の関係を結ぶ者がいるのか?


これらの事に作品が進めば随時答えが出てくると思います


艦魂の世界は

ヒボシ達が考える「人」の世界とは違います

まずそこから考えた結果があの形であり

たまに現れるエロスです


そういう意味ではR18なのかもしれません

恋愛が恋人同士の特権としか考えられない年齢の人には向いていません

ですが


チャタレー夫人の恋人の初版に年齢制限なんかありませんでしたよ(藁)

純文学と名の付く小説にも多々SEXの描写はありますが年齢制限なんかないです

太宰治も

芥川も

小説の必要な要素としてSEXを扱っています

それが人間本来の血肉だからです


ヒボシもまた血肉として扱っています


それに。。。。

この程度の描写でR15とかR18入れていたら

本気でR18を描いている人たちに叩かれますよ(藁)

まあ

それでも個人的見解ですが。。。


これからもそういう描写はあると思いますが

それでもR表記をする事はないと思います

それが私の意志だからです


火星明楽

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