第三十話 祭りの町
年末行軍まっただ中。。。。
みなさん〜〜如何お過ごしでしょうか〜〜〜
ヒボシはそろそろ限界です。。。
酒飲み達を家から追っ払わないと死にますょ〜〜〜
夕日のさしかかる時間になっても「防衛庁」が静まる事はなかった
職員すべてが緊急事態の「災害派遣」に足を速め行き交う音が聞こえる
非常事態に迅速に動くにはまず「頭」である事務方の方で仕事の差配を決める必要があるからだ
そんな騒がしさは羽村の執務室にも届いていた
「悪いと思っている」
わめき立てる受話器を下ろし,口をへの字にまげながらも反省のない羽村
電話の相手は「警備局長」
つい先ほどまで「防衛庁長官,金実」と問答をして戻ったばかりの部屋では電話の引き継ぎをしている職員が困った顔をしていた
「勝手に派遣艦艇を決めるな!!」
受け取った受話器を耳から離し大きな声で「羽村だ」と答えた先の返事はそれだけだった
「早く決めた方が良いだろうに」
テーブルに備え付けの受話器を戻し
モールス信号のような断絶音だけになった回線を切るとパイポをくわえた
引き継ぎの職員が下がった後
長官室に比べればシンプルな作りの局長室に残った佐々木が聞いた
「あっけなく引き下がりましたね。。。。金実議員(防衛庁長官)」
朝から揉めていた状態から考えるにも,あまりにもあっけない幕切れは気味の悪いものにみえていた
「大方。。。官僚に唆されたのだろう」
「でしょうね」
今回の悶着が出来レースである事を羽村と佐々木は最初から見抜いていた
何故,今日になって護衛艦艇の予算を来年に引き延ばすなどと言ってきたのか?
それは「災害派遣」の費用とは別に出た「金」の問題だった
官僚が考える「数」の空論では,今回支出された5億ドルの回収を何処でするかという問題があったという事だ
だが
こういう費用の計算が突発的にできるものでない事など何処の国でもわかっている事
そこで
金実に付いている官僚が「この事件」を利用してに防衛費削減を実行しようとしたという次第だったのだろう
「今頃。。。怒鳴られている事だろうな」
パイポを揺らしながら羽村は皮肉な笑みを浮かべたが
相手もなかなかの人物だと認めていた
普通なら自分が大手を振って切り出した論議に固執して支離滅裂な理論を振りかざす政治屋が多い中
予算延期を最後まで叫ばなかった金実は優れた判断で幕を引いたからだ
女とはいえ勉強熱心な金実はこの話しを決してごり押しはしなかった
途中で。。。。。コレが誰の差し金なのかに気がついた
だから防衛予算の押し通しを認め
新造の艦艇を認め
今頃,車の中で自分付けの官僚に「作戦」を与えた内閣府官僚に怒りを爆発させている事だろう
「実に鮮やかな退場だった」
皮肉ではなく相手を褒めてそうこぼした
男性議員でもなかなか実行できない事を見事にして除けた金実に羽村はそれ成りに敬意を払った
そう言うと
「来年も揉めたらこの方法で予算を押し通そう」と陽気に
「何言ってるんですか?」
秀才は自分の策に溺れたりはしないが。。。必ずしも良い事を考えているとは限らないところが怖い
イスを揺らしヤニ切れを既にあらわし始めている羽村はそれでも冷静に
人差し指を揺らしながら言った
「来年。。。。防衛庁長官が「同じ人」とはかぎらんだろ?」
佐々木もわかっていた
内閣府が決める防衛庁長官など「適任」で来る議員などいない
基本的に「大臣」になるためのステップアップの足場ぐらいにしか思っていないのだから
逆に金実のように「女」である事をバカにされる事をキライ勉強熱心でココにくる者など珍しいぐらいで
その金実を利用して防衛費削減の提案を推し進めようとした内閣は。。。かなり狡賢いとも言えた
「ああいう人は早く国のトップに行けばいい」
「来年も金実議員だったらどうするんですか?」
イスの上,秀才が暗い思案で「知恵」を楽しむ顔に佐々木は切り返した
防衛庁長官は議員にとって名誉ある職務という意識を持ちにくい
ともすれば「反戦美化国家」である国民から叩かれ役となる事が多いのだから「首のすげ替え」など頻繁にあるポストだからだ
来年同じ長官がいる可能性など。。。。佐々木の切り返しに羽村は
「その時には我々の「味方」になって下さる事だろう」
「そうですか?」
「勉強熱心な方だ。「国防」を知ればそうなる。。。。ならないのならただの政治屋だ」
決して相手を「女」と侮らなかった羽村の態度が金実に「策」のカラクリを気がつかせたように
政治の目に見える部分と。。。
見えない闇と
見せない影。。。。
国民の顔色をうかがいながら居座るポストに良い居心地を求める政治屋
選挙区の基盤を親から受け継いだ二世議員にタレント議員。。。。
本物の政治家などもういない
羽村はそういうものも十分に理解していた
しかし理解したから「国防」に対する態度を怠るという事は絶対にしない男だった
きつく尖った目のまま
「彼らが(政治屋)が守りたいのは「地位」と自分の「名誉」だが,我々はそんな小さなモノが守っているわけじゃない」
「勿論です」
佐々木の目も尖る
国防の任に付く者が守る物は「国」それが心の真ん中にいつもある
自分の名誉や地位を守るために躍起になっている政治屋と比べるまでもない「守るべきもの」
お互いの会話で緊迫してしまった場を和ますためか羽村は,目の前厳しい表情になった佐々木に頼むように
「だからこそ,こういう茶番は君らで解決できるようになってくれんとな」
冷やかされた佐々木は
「手紙は局長にでしたから」
駆け引きを促した相手を知った皮肉を返した
相手を知ってはいても口にはださない。。。そのあたりは,そつなく優秀な部下である佐々木に
イスを回し背を向ける
「困ったものだな」と羽村は苦笑いをした
「失礼します,佐々木次官,粉川一尉が登庁されました」
軽いノックと共の顔を覗かせた女性職員に
「はいれ」と命じたのは羽村だった
佐々木の顔に
「いいだろう事件(不審船事件)の話しを聞くのに別々に聞くのは手間だ」
そうでなくても
不慮の災害派遣の件で粉川の登庁は先延ばしにされていた
昨日には東京に帰ってきていた彼の報告書に目を通す時間を取ることなど出来ないと判断した佐々木は,粉川に報告調書のあらために一日置くと連絡していた
「不審船事件」も十分に防衛庁にとって改める必要のある事件だ
このまま先延ばしにするわけにもいかないしココは羽村の歳を感じさせぬ判断力に返事した
「粉川一尉,はいれ」
「はっ!」
歯切れ良い返礼とともに入室した粉川だったが。。。その顔に
佐々木は。。。額を抑え
羽村は口元を抑えた
顔面に残る明らかに「殴打」の跡の顔がそれでも真面目な顔で敬礼している姿に
「粉川。。。。なんだその顔は?」
佐々木は引きつった顔で聞く
乱闘の後という顔をさらしたまま真面目に敬礼が出来る粉川の神経を疑う
「艦とぶつかりまして」
痛めた口元をかばいながらも滑舌の良い返答
粉川の答えはたしかに正直な答え
事実『こんごう』とぶつかった(殴られた)のだから正直な返答だが
目の前にいる「人」に返すには不的確な答え
「艦とぶつかった?。。。。だと」
「はい」
不的確な事態に
この素直な返事が腹が立つ
嘘を言わないこの態度が。。。。
佐々木次官にとっての頭痛のタネ,粉川
粉川は情報局きっての問題児と言っても過言ではない存在だったが,それは彼が狡賢いからとか仕事に対して熱心じゃないからという所から来ていないのが問題だった
真面目に勤務しているのに。。。。何故か問題児という取り扱いに苦労する存在
憎みきれないキャラという所にもあった
「艦と。。。。ケンカしたのか?」
すっかりあきれ果てた佐々木の後ろイスに座ったままの羽村は粉川の顔を眺めながら聞いた
「。。。。ちょっと機嫌が悪かったみたいで。。。」
「機嫌が悪かった。。。『こんごう』は機嫌が悪かったのか?」
粉川が相互監視官として乗船している艦が『こんごう』である事は十分に知っている
「はい」
お構いなしの正直者に佐々木はキレた
「バカもの!!!「人」かなんかと勘違いしているのか!!貴様は!!誰に殴られたと聞いているんだ!!」
大激怒
粉川が本庁に登庁し始めた頃から,佐々木の激怒は慣例となっていた
隣にある情報局の「表」事務室には激怒が伝わり。。。。笑い声が。。。
「艦にぶつかったんです。。。。ホントに」
居心地悪そうに目を泳がす粉川の襟首を締め上げて
「艦は。。。。こんな明確に「拳」とわかるようなぶつかり方をするのか?」
あきらかに左顔面にパンチを食らっている跡
「オマエとぶつかった艦は,右利きか?」
「あっ。。。そうですね」
拍子抜けな程のアホぅな返答
「そうか。。。『こんごう』は右利きか」
詰め寄った佐々木の会話から羽村はパイポを加えたまま聞いた
「局長!!!」
艦艇を「人」か何かと勘違いした会話を平然と助長する羽村に,佐々木は怒りで真っ赤になった顔のまま怒鳴った
「まあまあ」
両手を出し制止のポーズ
一人青筋を大いに立てた佐々木と,後ろで自分の置かれている状況を無視したまま困った顔の粉川の前
笑うに笑えない羽村は
「とにかくぶつかった。。。という事だな」とあらためて聞いた
目の前で固まった佐々木と粉川。。。。
お互いがどうにもならない状態を理解して続けて言った
「報告書出してくれ」
「艦長の判断は迅速にして的確。。。。」
プリントアウトされた報告書を本当に読んでいるのか?と思うほどの早さでめくり
渋い表情のまま顔を上げた羽村は,目の前に立ったままのこ側に聞いた
「防衛庁の指示を待ち,それに従った。。。。なるほど」
この報告書にある事をそのまま「今泉」にぶつけたのでは「調査部」が納得しないことは容易にわかった
正論だけでは事件を解決できない。。。。特にこういう組織では通じないという事だ
両手を組んだまま
微動だにしない羽村の視線は真っ直ぐ自分を見ている粉川に尋ねた
「艦内で揉め事はなかった?」
「ありませんでした」
自分の見たままの正しさを立証できるという強気な返答
「艦長は冷静だった。。。と?」
「はい,冷静な判断でした」
粉川はミサイル攻撃の準備を間宮艦長がしていた事については言及しなかったが,準備した段階については的確に書いていた
まず,準備をして防衛庁に指示を仰いだと
もちろん粉川が「防衛庁に指示を」と発言した事は伏せられてはいたが,聞かれれば答える必要も知った上での判断だった
沈黙
横に共に立つ佐々木次官も報告書を読んでいる
羽村は手元に置いた文書をペラペラともう一度めくりながら深く思案している
沈黙が苦痛に変わるのは個人の焦りに準ずるものだ
粉川は勢い羽村の机に近づくと
「艦長の判断は個人のものではありませんでした!!正しく防衛庁の指示に従ったものです!!それでも責任をと言うのなら」
「更迭も解任もしない」
焦る若造の額を押し返し羽村は答えた
だがそれで不安が解消されるわけでもない
「では。。。。何を調べているのですか?」
「こういうものは常日頃しておく事なんだよ」
説明を渋る羽村の代わりに佐々木が答えた
この事件は色々な要素を孕んでいたが今回「災害派遣」という大事が起こったことで「世間的には」収束していた
むしろすぐに物事を忘れる国民から遠くなった
唯一コレを問題としているのは現段階では同じ庁舎に住まう「調査部」だけとも言えたが
それが良い事とはほど遠い事に羽村は気がついていた
身内で事件を抉りあっても得られる物は少ない
むしろ塩の揉み合いで痛み分けになるのが関の山
それでも
事件が無くなってしまうというのは「防衛庁」として望ましくない
領海を侵犯する事件による対応策を提示するための「窓口外交」を増やすためにも風化してはならない事件である
忘れないうちに政府との取り決めを作り
「国防」を前進させる必要がある
それも国民が「災害派遣」という大事に目を向けている間に。。。
騙すべき相手が自国民というのはやり切れない事だが
この国の「国防」の意識が低いうちは自衛隊がどう動いても「違憲」とする味方が強いのだから,手段わ選んでいるヒマなどあってはイケナイ
しかし
そのために優秀な艦長を更迭するのは「利害」としては「損失」にも入る
そこをカバーしつつも「事件」として生きながらえさせる方法を考えていた
絶ち切れた討論にまだ「深部」の事情を理解できない粉川を,羽村の机から引きはがした佐々木は耳打ちしたし
「粉川を。。。。泳がせましょう」
「そうするか」
羽村は佐々木が同じ事を考えていたことに感心した
事件の当事者(居合わせたための)である艦長「間宮」は来年の目玉であるBMD構想を実証するために先進の試験を重ねた経験豊富で重要な指揮者
これを更迭して。。。。他に実験を成功させる確率を挙げる艦長は今はいない
BMD構想は海自にとってもっとも大事とされる試験で
これの成功が次期イージス艦の建造に大きく関わっている事は言うまでもない
艦長に責任を問わない代わりが必要となるならば小さな波紋で事を濁すしかない
粉川を泳がす
当時その場に居合わせた粉川を。。。。この顔(殴打痕まみれ)から登庁させない理由は色々と作る事が出来る
小事ではあるが
事の次第を記録した彼が不在となれば「情報局」の隠蔽が疑われる事によってしばらく事件を風化させないだけの事はできる
報告書だけでは満足しないのが「調査部」だという事を佐々木もは村もよく理解していた
顔を上げると軽く咳払いをした羽村は
「ところで粉川くん。。。お父上は元気かね?」
イスから立ち上がった白髪の策士は決まった作戦を実行するために,粉川の注意をそらす話題に触れた
突然の質問に粉川は目をパチクリとさせたが,おずおずと答えた
「元気です。。。相模湾が見渡せる所がいいなんて言って藤沢にマンション買ってのんびりしてます」
羽村は粉川の父と面識があった
粉川の父が将補だった時,羽村は一佐として艦長をしていて,そのままスライドで基地司令になっていた
羽村局長と父の間柄は息子の粉川もよく知っていたが
こんな場所で急に話されるともおもっていなかったせいか困った顔のままだ
「たまには会わないのか?」
背中を向けたままの問い
「全然です」
「よろしくないな」
簡潔な会話の後,羽村は向き直ると
少しばかり優しい顔で
「祭りの町を見に行くついでにお父上を誘ってみたらどうだ?」
「祭り?ですか?」
話しの急転換に混乱している粉川の肩を佐々木が叩き
「横須賀から佐世保。。。それ以前から休みもなかっただろうし。。。これからも休める予定はないからせめてもの事だ。明後日から開催の「横須賀港フェスティバル」の視察をしてこいって事だ」
「いや!!そんな気にされても」
粉川の肩を掴んだ佐々木の手に力が入る
見上げる上司の顔は。。。口は笑って目は凶器
「その顔で登庁されると迷惑なんだ。。。。理解しろ」
さすがに暴打にまみれた顔を晒したまま登庁するなは正論
釈然としないという顔ではあったが苛つきに光る上司の目に了解した
「とういうわけで閉め出された」
庁舎を出たところで佐世保からの配達を頼んでいた大荷物を受け取った粉川は,同期の桜たちに囲まれていた
「その顔じゃ佐々木次官も怒るって」
腫れ上がったまま左頬をつつく友達の佐野は呆れたように言った
小太りの佐野は「陸自」からの出向で,内局に来てから落ちた運動量に合わせず飲み食いをするために最近,飲食に規制を駆けられている輩
自分の損傷に自覚のない粉川は
「そんなに酷いか?」
「酷いよ。。。誰とケンカしたの」
同じく同期の小柳はこの仲間内では一番の長身で190の男だが,ひょろりと高い姿は例の「ナイトメア」の骨にも似ていてあだ名は「骨柳」
ご多分に漏れずメガネ愛用者
「ケンカに見えるか。。。。」
まさか本当に艦魂である『こんごう』に滅多打ちにされたなどとは言えないが
艦にぶつかったでは言い訳として成立しない顔になっていた事をやっとで確信した粉川は
自分が登庁にふさわしくないといった佐々木の顔を思い出して溜息を付いた
「ところでオマエらどうしたの?」
「飯食いに行ったの」
食堂は庁舎の中にもあるがあえて外に食べに行く理由は気分転換を兼ねているから
「災害派遣」の件で全防衛庁職員が動き回っているのだから食堂だっていっぱいだ
そんなところで
お互いの苦労まで顔をつきあわせて飯を食うのは。。。気持ちの良いものじゃない
「なるほどね。。。」
「飯ぐらい外でしたのよ」
粉川の相互監視という重責も理解している同期の桜は肩を叩いて呼んだ
「そうだな。。。。中しんどいしね」
粉川も疲れた顔で笑って見せた
歩く中にあるのは愚痴だ
言葉に出して愚痴らなければ自分たちが,いかれる程「国防」の仕事は重い
「それにしてもなんでオレ達って何でモテないのかね?」
正門から離れた所で始まった少しの談笑にいつも通り最初に愚痴った佐野
骨柳はいつもの事なのか顔をしかめるだけ
「国を守るって大事な仕事してるのに。。。なぁ〜〜」
粉川は太ったからじゃないの?と言いそうになったが
隣を歩く同期の吉井が皮肉って答えた
「デブだからだろ?」
「うるせえ!!陸自に戻ればすくに痩せらぁ!!」
それは佐野の口癖
それにしても晩婚型一直線な仕事場
上司の紹介でもなければ結婚なんて夢の世界だが。。。。結婚した後で女房との時間がしっかり維持できるのかも夢の世界
結局そう言うことがネックになっている自衛官
「警察官だって敬遠される世の中だよ。。。佐野は結婚したいの?」
粉川は目の前本気でつまらなそうにしている佐野に聞いた
「したいよ!!一回ぐらい!!30も越えた男がずっと独り身なんて気持ち悪いよ!!。。。粉川は結婚してるから。。」
「自分で言い切るなよ」
骨柳は呆れたというより達観した顔で佐野の絶叫を断ち切ると
「色んな意味で世の中は,自衛隊に冷たいね」
本音を吐いた
「災害派遣」は自衛隊を国民に「必要な組織」として認識してもらうための慈善事業にも近かった
「国防」の砦として存在する事には否定的な日本国民のための政治的ゼスチャー
その為に海外に派遣される兵士達
海外の大事に協力する事は大切な事とわかっていても。。。やり切れない気持ち
自衛隊員というだけで「反戦」を掲げる人達から疎まれるのは日常的すぎて。。。悲しい
「なんで自分の国守ろうってオレ達が嫌われ者なんだろ」
「護衛艦の予算で揉めるぐらいだから。。。嫌われてるんだろうね」
骨柳はすでに金実議員が予算の事で揉めたことを知っていて
それを「民意」と奮われた事に気分を害していた
佐野は諦めたように大きな溜息をつくばかり
粉川は小柳の言葉に,同じ想いで海の守りに徒事する「艦魂」達を思い出し
すっかり陽の落ちた空に顔を上げた
「国防の矢面に立つ彼女達」。。。。。
荒海の中,不審船を追うという任務をこなした彼女達にどんな罪があるのか?
あるわけが無い「罪」なんて。。。
国を守りたいという思いが大きいからこそ。。。。逃げて行く凶悪な船の姿に涙した『こんごう』の姿を思い出すと
判断ままならない事に右往左往する本庁の実情に申し訳なく思った
「なんでかね。。。。むしろ愛されたいよね」
護衛艦の魂
年若い女の子である彼女達までが嫌われている事に粉川の落胆は隠せなかった
何かしてあげられないか。。。。
粉川はそこまで考えて顔を上げた
「小柳!!車貸して!!」
会話が一段落ついた事で自分たちの部署に戻ろうとしていた小柳を粉川は呼び止めた
いつもの事と慣れた仕草で小柳はキーを出すと投げた
「ガスは満タンで返せよ」
「わかってる!!洗車もしとこうか?」
小柳は粉川の申し出に首を否定と横に振った
「洗車だけが趣味だから」
仕事まみれの自衛官らしい回答に苦笑いを浮かべた粉川は担いでいた大荷物と一緒に走っていった
カセイウラバナダイアル〜〜年末決死編〜〜
。。。。。大人の世界はストレスでいっぱいです
そして昨今の経済状態で心のバランスを失う大人が多いです
大人=責任のとれる人ってのはもう過去の産物です
てか
そういう気持ちがわかってしまうヒボシもどうか?と思いますが
そのぐらいストレス社会に生きている人達が羽目を外す時期です
ほぼ毎日にわたる飲み会でヒボシもかなりヤバイです
そして飲んだまま感想などを書き込みしてご迷惑をかけてごめんなさい。。。
もともと飲む(お酒)のは強い方なのですが
強いと飲み会では生き残り組みになり。。。。当然先に泥酔した人の看護とかしないといけません。。。
また
こういう時に限ってめっちゃ飲む人とかいるんです
よりによって弱いのに。。。。
こういう人が続出する事が許されるのが忘年会です。。。。
泣きそうです
そんなに何に苦しんでいるんですか?大人!!
どうして不満があるならちゃんと会社に言わないよ!!大人!!
でも。。。
言えないんです。。。。大人になると守るものが増えて
会社に多少の不満があっても言えないんです。。。。
「オレはフリーダムだから」なんて言っていたバイトくん。。。。
それが通用するような世の中はもうなくなってきているんですよ
もしそれを実戦したいなら田舎に帰れ!!!
もう。。。。ヒボシを困らせるな!!!
なんで自分より年上の男に説教しなきゃならないのか。。。。疲れますよぉ〜〜
明日も続く決死行。。。。
生きて帰れると信じて戦ってきます!!
それではまたウラバナダイヤルでお会いしましょ〜〜