第二十九話 知の闘将
新章!!!
新章ではアタマの戦いだったり「人」の話しだったりで『こんごう』達はあまり出てきませんが。。。
新しい艦魂が出たり
問題だった「艦魂とは?」という重大なポイントに(ヒボシ的に重大なだけだから。。。他の方にはどうかわからないけど)かかります
前回,掲載したように原初正しい艦魂とはいきません。。。ですから
それはダメという方は気を付けて下さい!!
まぁ
突然出ませんから
今回はないですから(藁)
出るときはちゃんと<重要注意事項>と提示しますから!!(藁)
それでは新章!!はじまり〜〜〜!!
防衛庁に,その情報を伝えたのは護衛艦『きりしま』だった
「アンダマン海域に置いて「地震」発生と思われる震動を観測,スマトラ島,インドネシア諸島に被害が出たのでは,情報求む」
情報局に詰めていた「佐々木運用局長次官」は
迷うことなく情報収集を開始
艦に響く程の地震に対しペルシャ湾からの引き揚げを開始していた護衛艦隊に「警戒」を発令し周辺海域,および関係諸国と諸島の情報収集を開始
同時に
継続的に入る『きりしま』からの報告は尋常な災害発生ではない事を時間を追う事に伝え続けた
時を同じくしてNOAA(米国海洋大気圏局)運営,PTWC(太平洋津波警報センター)は地震の情報を確認にしたにも関わらず太平洋側にしか設置されなかった津波警報ネットワークの情報不足も手伝い,ディエゴガルシア島駐留米軍に宛て「警戒せよ」との告知しか出来ていなかった
経験のない不足の事態に最高レベルの観測基準を持つ組織は十分な機能を果たす事は出来ていなかった
この事が津波の経験を今までした事のなかったインドネシア諸国の被害を甚大にする事につながってしまう
全世界を驚かせた地震の近海に『きりしま』はいた
日本政府は地震発生2日後より臨時閣議を招集
時の総理の意向により「5億ドル(約540億(変動制ドル換算のため正確ではない))を無償供与を決定
供与の選定のに2日を要したのは,被災地の正確な情報が無ければ「金額的支援規模」が決められないためではあったが異例なほどに早い決定だった
それは防衛庁に宛てられる『きりしま』以下護衛艦隊の情報の伝達の早さによるものだった
朝日を浴び
真新しい庁舎の壁を輝かせた防衛庁は木枯らし一番により
澄み切った空の下で寒々しい中に有りながらも何時に増して騒がしい人の動きを見せていた
「護衛艦隊の派遣を求められているそうです」
運営企画局局長室,大きな執務用の机の前「何か」物捜しにくれる局長「羽村」に,この3日間不眠不休で情報収集を続けた佐々木は乱れた髪を手櫛で整えながら,政府の作った要項をもって訪れていた
「出せばいい」
羽村の返事は。。。たいがいこういう素っ気のないものだとは,わかっていたが
今日の大事はそれだけでは済まない事で
佐々木は踏みとどまった
「派遣を決めるのは政府の指示だ。。。決まった事ならばそれは「政策課(国際政策課)」と「協力課(国際協力課)」の仕事だろう」
今年51歳になった羽村は真っ白になった髪のアタマを掻きながら
佐々木に背を向けたまま捜し物に没頭している
「防衛庁長官がいらっしやってます」
佐々木は単刀直入な言葉を返した
本来なら充当な出世街道にいた佐々木が「情報局」の局長に就任できず
羽村の下についているのは
他の局員からすれば「嫌がらせ」のように見えていた
幕僚級の人間だった羽村の局長就任はそう見られていたからだ
そして
佐々木も当時はそう思っていたが今は違った
「問題が発生しているのです」
政府の作った要項を机の上に置き
次は書棚の間を物捜しをする羽村の「聞く耳持たず」の背中に話し続けた
「新しい護衛艦の予算が通らなくなる可能性があります」
「馬鹿な事を」
即答
そもそも軍備の予算は防衛庁の提出から作られる「大綱」を基本に決められている
時代に即した防衛のための要項を元に,必要な予算を常に計上していて「決まっている」ものだ
それに即し「中期防」で調整を行う事になるが
予算の取り消しが行われる事など「ありえない事」だからだ
「バカげた事ですが。。。防衛長官がそれを望んでいるようで」
「なんでだ?」
書棚を見回しながら
見つからない捜し物にうんざりした顔を初めて佐々木に向けた
「例の事件の事で「自衛隊は有用か」と。。。「海自新造艦に予算は必要か?」という質疑を」
例の事件
「イージス艦機密漏洩事件」と「不審船事件」。。。。どちらも自衛隊。。事,海自にとって不名誉な出来事
「佐々木君。。。なんで今?その事なんだ?」
やっと話しに関心を持った羽村に手元にある様々な資料を机に置きながら
「金実「議員」(現,防衛庁長官)は「防衛費節約」を公約に挙げています「無駄」なく「無理」なくの「国防」を。。自分の代で防衛費削減に貢献したという勲章が欲しいのでは」
「とても「理想論的」な方だな」
着座した羽村は置かれた資料に目を通しながら茶化すように答えた
早足でめくるページ
「それにしても予算の話しは「経理(経理装備局)の仕事だ,頑張って予算は通して貰わねばならんぞ」
当然の回答なのだが
鼻に掛かったメガネを正しながら佐々木は溜息まじりに
肩をすくめる態度で
「朝から揉めてます。。。経理局は地震のために派遣する護衛艦の代わりに新しい護衛艦が「必要」であると予算の請求を迫ったようですが,話しが通りません」
席に着いたものの落ち着かない態度
小刻みに揺れる膝を抱えた羽村はめんどくさそうにしていてる
「今はどうやって来年度予算を通すかを模索中です」
「今年はどうする?」
「諦めるのでは?」
忙しなく指の間,パイポを回す羽村に佐々木は「わかっていた」が聞いた
「何をお探しでしたか?」
「タバコだ」
羽村は防衛庁でも有名なヘビースモーカーだった
タバコが切れてしまうとまともな会話は望めないのではという程に
佐々木は手元に持っていた封筒をヤニ切れで落ち着きを無くしている羽村に差し出した
「会計課からです。。。。タバコの領収書を提出したんですか?」
出された封筒に顔を歪めながらイスを回し背を向け
「バカな事を。。。自分の趣向物を税金で買うようになったらお終いだよ」
ちょっとした冗談に
冗談を返した羽村は封を切ると中にあった紙に目を通して深い溜息をついた
「佐々木君。。。C資料はあるかな?」
言葉と共のに立ち上がるとドアに向かって歩き出した
「あります」
真っ直ぐ通路に出た羽村は自嘲気に言った
「経理局はピンチと言う訳だな」
足早な姿
羽村が行動を起こす兆しに佐々木は情報局職員の小林を呼んだ
「C資料を用意」
「写真の入っているものがいいな」
そういうと羽村は足を止め,急ぎ資料室に向かう小林を呼び止めた
「タバコ買ってきてくれんか?靖国通りの柳家タバコ店のお嬢さんに頼んである。1カートン」
手元の万ケン(1万円札)を手渡す
緊急で動き始めた小林は元気よく答えた
「「峰」でよろしいですね!!」
タバコの銘柄の確認をした羽村は腕時計を確認すると
「20分後によろしく」
隣を歩いていた佐々木はC資料に付随する資料も運ぶよう指示を出していた
「他に必要な物は?」
指示を終え前を進む羽村は挑戦的な顔を現しながら
白髪のアタマを手櫛で整える
「車の用意を。。。。金実長官が「美しく」お帰りになれるようエスコートと」
本領に入った羽村の目の輝き
佐々木は自分がこの人の下に着いた理由をココに見ていた
秀才,羽村の駆け引き,それを知ることが佐々木の仕事でもあった
「何度話しても同じです!!」
どこもかしこもを大きく作った防衛庁長官室の中
「金実千香長官は自分の前に詰めた男たちに怒鳴った
国際協力の元,多数の護衛艦を出す事には積極的な支持を現した彼女だったが
新造する護衛艦の予算に難色を示していた
経理局は派遣による艦艇の穴埋めが必要という事で予算を押しきろうと考えていたが
「女」の議員にはそれがスキマを狙った「イヤらしいもの」に見えていた
実際
経理は穴埋めによって前々から難航していた予算を通そうと計画していのだから。。。
自分たちのあざとさを逆手に取られた形になっていた
「護衛艦の数は,世界的に見ても十分に足りています!!今年度通す必要はないと考えています!!」
「しかし。。。」
「失礼致します!!」
そろい踏みの若い局員は熟年の彼女への当て馬だったが
そんな事では梃子でも動かない姿勢で平行線になってしまった場に,羽村と佐々木はドアをノックの後,入室した
金実議員の顔は羽村の入室にさらに嫌悪に満ちた目を向けていた
たくさんの防衛資料を重ねた机の前
静かな怒りは返答した
「誰が来ても同じよ」
議員当選以来,男社会の国会を蹴飛ばす強さで邁進してきた
初の女性防衛長官たる金実
鉄の女のきつく睨む視線の前,羽村は「敬礼」をした
「私にも「敬礼」しろと言う事かしら?」
「できれば,貴女は防衛庁の「顔」でございますから」
荒い鼻息
揃った男たちの社会に対する嫌味な態度に羽村は飄々と話しを始めた
「災害派遣の艦艇が決まりましたので,目を通して頂こうと思いまして。。。せっかく登庁して頂いた長官に確認をと」
予算とは違う方向の話しに,金実議員は拍子抜けしたような顔になった
が
慌てた反応を示したのは経理局の若い局員達だった
情報局に艦艇の選定が出来て言い訳がないからだ
反論に前にでようとする経理局「粟田」の体を佐々木が止めた
「黙っていてくれ」
駆け引きは始まっている
同じ内局で右だ左だなど今は必要のない事だった
関心を示した金実に羽村は写真付きの資料を開いて見せ
「旗艦に『ひえい』補給艦に『はまな』呉から輸送艦『おおすみ』を出します。。既に大隅は横須賀にて補給物資と,陸自の部隊を乗艦させる準備が整っております。。。後は防衛庁長官の「出港」の命令を待つばかりです」
開かれるページに写る大型輸送艦『おおすみ』の姿は金実を納得させるのに十分な巨漢
机の上めくられる資料に感心したように頷く
「素晴らしいわ」
羽村の提案は経理にとって「空論」
しかし現状をよく把握した判断ともいえる
佐世保の『くらま』は不審船事件からまだ日が浅い,旗艦を警備区から話すのは良い方法とは言えない
逆に『ひえい』は大湊と呉の間を常に就航していて使いでのよい旗艦だ
輸送艦の派遣はどの艦が出ても一緒だが「横須賀港フェスティバル」におりよく寄港していた『おおすみ』を出すのは宣伝にもなるし
補給の関係を揃え足並みを揃えて被災地に向かうのなら佐世保にいる『はまな』に事を通達した方が早い
空論とわかっていても黙らざる得ない
「でも足りないわ。。。もう一隻。。。イージス艦を派遣しなさい」
すでに掃海業務と共に事故現場付近を航行していた『きりしま』というイージス艦があるにもかかわらずの意見
部屋に会した局員は皆驚いた「国防の楯」であるイージス艦4隻のうち2隻を派遣するなど。。。とんでもない暴挙にしか見えない
だが金実には彼女なりのビジョンがあった
高額な艦艇であるイージス艦は不祥事の多発によってただの「金食い虫」に見られている
それが2隻揃って災害派遣で成果を上げれば。。。。それを決定した長官である自分に「利」となる事とイージス艦の汚名を晴らすことが出来ると睨んだのだ
だが
それは「見栄」
現行で十分に足りた艦艇を前に金実は馬脚を現してしまったがその事に気が付けたのは,羽村と佐々木のみ
「構いませんよ,イージス艦も出しましょう」
白眉の下の目は輝きを増して
目の前の議員に続けた
「予算を通してくだされば」
その言葉を待っていたかのように金実は笑った
「結局,予算のために回りくどい事をしにきたわけね」
そのまま資料を取ると白髪の羽村のアタマを抑えるようにヒステリックな声で
「駆け引きしにきたのね。。。予算ほしさに,でもダメよ。。。新造のイージス艦の予算は来年に持ち越しね」
「わかりました」
挑発的に斜に構える金実に羽村は,またもフラリとした対応を示した
金実議員はついに「男の城」を,ねじ伏せたという喜びよ顔に出したがそれが長続きする事はなかった
「では,日本海の防衛のために「アメリカ第七艦隊」に出動要請をお願いします」
「はぁ?」
突然出た「アメリカ第七艦隊」の名前に金実は声が裏返ってしまった
イスから立ち上がると笑みを浮かべて自分の前に立つ男の深慮を初めて感じた
「あっアメリカの艦隊は常に横須賀,佐世保と詰めているのにそんな要請は必要ないのでは?」
「日本海を護るために是非,アメリカ第七艦隊からイージス艦の出動要請して頂きたいのです」
金実の顔は曇った
ココに就任したときから「男達の防衛庁」に対して十分に勉強はしてきたが目の前にいる男の言う事について行けない
急にだ
めまぐるしく事の内訳を探すが,それでは手遅れと羽村の目は雄弁に語っている事しかわからない
「アメリカには十分な「防衛費」を支払っておりますから。。。。そのぐらいは可能と思いますが?」
「イージス艦が必要なの?」
「必要です。。。。。BMDの資料96ページにありますように「日本海」にイージス艦が居なくては初期迎撃が出来ません。。。。当たってからでは遅すぎますし」
金実は自分の前に置かれていた資料に目を走らせた
ココに来たときに羽村が持ってきた物だ
「横須賀から」
「手遅れです。。。。太平洋側にしか第七艦隊はイージス艦を配備しておりません」
手元の資料をめくった
保有艦艇数と配備されている艦艇名。。。。。。。。。日本海側にはどこにもいないアメリカのイージス艦達
羽村の言うとおり。。。。日本海側にイージス艦はいないのだ
なのに防衛構想では海の上を飛ぶミサイルの迎撃が描かれている。。。。。
いもしないイージス艦で。。。。どうやって
もし
そんな非情な事態が起こってしまったら対処する?
そして非常事態がなかった時。。。その費用は何処で回収できるのか?
「災害派遣中,日本海側に回して頂ければよいのです」
本当の事はいわない。。。。
羽村はいたって冷静な態度だ
金実議員のアタマの中も冷静になっていた
もし。。。。
災害派遣の穴埋めに日本海に第七艦隊の配備を要請すれば。。。。。アメリカは公然の軍費の要求をする
ただでさえ
第七艦隊という地球上でもっとも巨大な艦艇軍を維持するのは難しい
その軍隊の維持のために今までも日本が支払っている金は「在日米軍」の維持費の比ではない
それは新造イージス艦の予算を遙かに上回ると予想が出来た
「災害派遣のイージス艦の手配はお任せ下さい。。。そのかわり」
「待って。。。。。」
金実は片目をつむっていた
その要求は呑めない。。。。。
国家予算に割を食う判断をココで下せる訳がないし。
そんな前例を作る事自体が重要な責任の問題になってしまう
目眩のする判断を必要とする本物の「国防」というものを目の当たりにした瞬間だった
よろめく心と体
だが崩れる事なくイスにはついた
「羽村局長の提案を聞き入れましょう。もう1隻のイージス艦の派遣は見送ります。。。。それと予算も通すよう善処しましょう」
金実は自分のミスを認めた上で
国防が机上論では語れない重要な判断の連続である事を思い知った
その上で。。。。
今回の失言がココだけに留まった事に胸を撫で下ろした
「長官の正しい判断に感謝いたします」
初老の軍師の姿が,知の闘将に見えた
知識という戦いは静かで冷たいものと考えがちなものだったが。。。
国を護るという職務につくものは「違う」と感じさせた
知識の戦いに荒ぶる将。。。。羽村の姿に素直に感心した
「話しはこれで終わりね」
いつの間にか額に浮かんだ汗を金実は拭い立ち上がった
羽村は佐々木にドアを開けさせると敬礼をした
金実もまたそれに応じた
背筋を正し,どの女性自衛官にも負けることのないキレイな敬礼を
「素晴らしい敬礼をありがとうございます。防衛庁の顔である貴女には輝いた笑顔がお似合いです」
横を通る彼女の口には「悔しい」という思いと「負け」を認めた,はにかみがあった
「車は用意してあります」
「ありがとう」
歩く防衛長官を情報局の局員が導いた
彼女の歩みはどこか清々しくもあった
「羽村局長!!」
長官が姿を消したのを確認したように声をあげたのは「経理局職員」の男,栗田だった
「独善過ぎます!!これはいずれ問題になると思います!!」
金実の部屋に先に詰めていた経理局の者達には別の妥協案も用意してあったのを,面子を丸ごとを潰される結果になっていた
丸顔の若さがまだ全身に残る長身の彼は栗田を押しのけると,羽村の真ん前に立ち
「派遣する艦艇の選定まで。。。」
「言ったとおりだ。。。。そのように防衛局に私が連絡しよう」
見下ろす形になっている羽村に
それでも上官である事を意識して敬語を使うが,自分たちのを蔑ろにされたという気持ちは留められていなかった
「強攻策を使って艦艇を増やせば,いずれ叩かれます!!一度は引いて来年の予算に計上するという妥協案だって使えたハズです」
「たわけたことを言うな」
飛び出した自分よりは遙かに若い局員に静かな対応なれど「喝」に近い声
「平井君だったな」
丸顔の平井は驚いた。。。なんで自分の名前をと
通常吹くのスーツには名札が隠されているため顔を見てわかるなんて事はあり得ないのに。。。切れ者羽村の目は驚きに黙った若造平井に
「ならば聞こう,現在国防のために我が国領海に守りの任に着いている護衛艦は何隻いる?」
平井以下並ぶ局員は正確な数が出せなかった
「45。。。隻ですか?」
「40隻だ」(注.このぐらいの年での計算で)
「少ないのですか。。。」
若造平井は既に自分たちの知識と意見の浅さを痛感していた
普通に話す羽村の言葉には何年も自衛隊の一線を生きた凄みがこもっていた
「『専守防衛』をこの国が掲げる限り!!艦は1隻でも多く必要なんだ。。。。途中で建造を控えるなど。。。もってのほかだ」
恫喝に近い声
怒りをわめくよりも深い戦いの意味
交渉も駆け引きも戦いだ
国を護るというアタマの戦いは深く熱い
平井達はもはや何も言い返す事は出来なかった
「手間をかけさせたね」
防衛庁の日陰の一室に「喫煙室」がある
ガラス張りの小窓から見ても視界を悪くした煙の中,羽村ともう1人の男が座って話しをしていた
二人とも白髪の似合う渋い男ぶり煙まみれの中,優しい垂れ目は労をねぎらった
「たいした事でなくて良かったです」
口から白煙を吐いて
あっさりとした返答
「そういってくれると思ったよ。。。手紙はなかなか洒落ていただろう?」
「シャレにしておきましょう」
そういうと腕時計を見た
「そろそろ執務に戻ります」
立ち上がり煙にまみれた部屋のドアを開けようとした
「羽村。。。。今度飲みにいかないか?いい店があるんだ」
「お断りします」
「連れないな」
彼が誘う店は女の子のいる店で落ち着けない事を羽村は良く知っていた
左のポケットに忍ばせたパイポを耳に挟んむと人差し指を立てて答えた
「新橋にいいの飲み屋があります。。そこでならご一緒しましょう」
立ち食い立ち飲み。。。市井にあるザッパな場所がお気に入りだと告げた
白髪の彼は微笑んで答えた
「いいね。。。そうしよう」
夕日の差し込む窓
真新しい防衛庁のガラスを輝かせる通路を羽村は情報局に向けて帰っていった
カセイウラバナダイアル〜〜〜防衛庁に行ってみよう編〜〜
ちは〜〜〜
新章に入りました
今回は。。。艦魂物語の真ん中アタリの章になりますが
そのせいか『こんごう』達の出番は少ないです
その代わり防衛庁の方々が少しと
新たな艦魂達が少しでます
難しい話しが多くなって。。。さらにつまらなくなりそうで。。。
わぃ!!
そして
問題だった「艦魂とは?」という部分に入ります
なので
とても受け入れられないという人も出てくると思いますから注意して読んでください
そんなヒボシは防衛庁を訪問してみたいと思い。。。電話してみました(突然)
ですが。。。。
防衛庁て突然訪問しても絶対にはいれないらしいです
当然ですよね国防の中心なんですから
団体で予約すると割と早く入れるらしいのですが5人〜〜ぐらいからじゃないとダメみたいです
一人でも良いらしいのですが。。。
ガイドの内局職員の人と。。。何話していいかわからなくなってしまいそうで
でもいつか入ってみたいと思ってます
そうすればきっと小説にもフィードバックされて良い結果になると信じています!!!
さて(藁)防衛庁関係 人物評
羽村雅彦運営企画局長 51歳
新章,一発目に出てきたこの方は
例の不審船事件の時に出てらっしゃった方です
粉川くんの所属する局の大ボスです(藁)
ヘビースモーカーでタバコを一日6箱吸うかなり健康じゃない人です(爆)
実はものすごい秀才のため色々と防衛庁の影働きなどをしています
のらりくらりとした態度とはうらはらに
本心では主権国家としての強い日本を目指しながらも「タカ派」では国が動かないことをよく理解している人であり
流れの中からも改善策を模索するなど柔軟な姿勢で政府に臨むタイプで防衛庁にはなくてはならない人
家族に奥様と娘が二人いて下の娘が「陸上自衛隊」の一佐と付き合っており結納間近なのだが
「陸さん」という世代のため会おうてしない,だからか?頻繁に自宅からの電話が入り執務室で口論になっているところを何人かが確認している
それでも
奥様には頭が上がらないのか電話口でも大人しい
粉川の父である粉川将補とも面識があり
粉川の動向にもそれなりに目をかけている
佐々木淳運営企画局次官 42歳
羽村さんの下で働いている人で。。。。いつも羽村さんに振り回されながらも
秀才の上司に着いていこうと努力している人です
粉川くんを直接叱ったりする人はこの人です(藁)
上司に羽村という秀才ながらも問題の多い人物を持ち日々苦労している優秀な次官
「不審船事件」の一件からも解るように防衛政策においては「タカ派」よりな面を持っている
「攻撃しなかったことで我が国が無力な。。。」の下りでもわかるように目に見える防衛というものに主眼をおく「今時」の次官であるが
冷静さがたりないわけでもなく秀才羽村の背中を見ながら色々と学ぶ事になる
今泉剛防衛政策局調査課職員 44歳
「不審船事件」で佐世保に調査に来た調査課職員
バリバリのキャリアで背広組である彼は現場が起こす問題を毛嫌いしている
彼は内閣府官僚からの出向のため特に事件があれば「犯人捜し」「首切り」などを優先的におこなったりもする人だが
国防の意識はしっかりと持ってもいるため
防衛庁にとっても必要な人材でもある。。。そのせいか事務方に手入れが入る前に現場の末端を切り捨てるというやり方が多いようだ
現場という前線で働いている者達を末端扱いするのはどうかと作者も思うが。。。(藁)
佐世保では粉川に言論無視をされたため防衛庁に戻って問題視しようとしていたが。。。予算審議委員会の一件で羽村が防衛庁の面目を立たせたことによりもみ消される事になる(それでも問題自体が消えたわけではなく調査は継続という形になっただけ)
そんなこんなで年末行軍の中
より内容が多くなり一章も長くなっていきそうな「艦魂物語」ですがよろしくおねがいします〜〜!!
ではまたウラバナダイヤルでお会いしましょ〜〜