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第二十六話 落陽の港

今回は、後書きが本編ぐらいのボリューム(爆死)

お茶会激動編を掲載

なんかFFのダブル連載やってる気分になってきました!!!

こういうのをランナーズハイっていうんでしょうか(注.おそらく違う)

ヒボシはちょっと灰になったよwww

「なぁ、『こんごう』はどうしたんよ?」


メインディッシュを作り上げた『いかづち』はキッチンブースから顔を出すと部屋を見回して聞いた

港の景色が薄暗くなったのは部屋に灯る明かりの影でわかるもの

『いかづち』の定に返らぬ返事、と足らぬ人数


部屋の中には昼間メイン以外料理を作る魚の受け取りに出かけていった面子だけがいる

無駄に走ったせいか?ソファで眠りこけた『はるさめ』と彼女の大きな胸に顔を埋めるように寝る『はまな』

反対側のイスには足を放り出し、アタマをガクンと落としたままブラブラしている『むらさめ』


『こんごう』の姿はない

「なあ、どうなっとんのよ」


「『しまかぜ』なら1800には帰ってくるっていってたぜ」


めんどくさそうに欠伸をしながらも、部屋の中に充満し始めた香ばしい匂いを追う『むらさめ』は「筋トレ道」という本を煽りながら答えた


「いやいや『こんごう』がどこ行ったかって、きーてんねん」

「部屋にいんだろ?」


それはない

『いかづち』は昼から向こうずっと部屋に詰めて料理の仕込みをしていた

誰かがドアを開ければ気がつくが

ココを出入りしたのは『こんごう』以外の面子ばかりで,当の本人は風呂から上がって以降の姿は見ていない



「なぁ、1900には粉川はんと『ちょうかい』来るんやで?誰か呼びにいきーや」


ディナー用の小皿を拭きながら重ねる、隣にはメインのスープが仕込みの最終に入って小気味の良いクツクツという音を立てている

来客の心配までしている『いかづち』の手はまだ空きそうにないのに、目の前はだらけきった姿をさらした艦魂ばかりで、不安に答えてくれる者はいなそうだ


「『しまかぜ』が向かえに行ってるんじゃねーのか?」


イスに体を起こした『むらさめ』は背伸びして香り始めた料理に顔を弛める


「『しまかぜ』はんは、図書室に行ってんねん。呼びになんか行ってへんよ」

「またかよ、そんなに本も入れ替わってねーだろうに。調べ物ばっかだな」


背中のストレッチを軽くしながら安直に『むらさめ』は答えた

手足をブラブラ揺らして窓の外

少しずつ夕闇に染まった海を見ながら


「もちっと待って返って来なかったら「へや」に行ってくらよ」


そういうとイスを使ったストレッチに精を出した





基地内の街灯が一斉に付く時間18:00


『こんごう』はバースから少し離れた基地と佐世保みなとの境界に近いテトラポットに座っていた

夕日が波に映ってキレイ。。。悩んだ事でトロンと落ち込んだ瞳はそんな事を考えながら

水面に指を伸ばして仰いでみる

波に揺れる陽が空だけでなく,地上にも一斉に咲く中。。。。落ち込んだ気持ちに歯止めがきかなくなっていた


「。。。。。」


潮風に長い茶髪は揺れる

頬に流れる髪を払う。。。。

現実とは

目に見えるものだ。。。目の前にあった妹の姿が幸せに見えたのなら。。。

姉である自分が与えられなかったものを粉川が与えられたのなら。。。

それは。。自分の至らなさを認めざる得ないが。。


それでも

どうにもならない苛々と自分のもどかしさ。。。それ以上にモヤモヤした感情で胸が熱い


「『こんごう』?」


ぼんやりしていた『こんごう』の背中に声が掛かった

振り向くそこには,メガネをかけた『しまかぜ』


「どおしたの?そろそろパーティーの時間じゃなかった?」


図書室から夕暮れを眺めていた『しまかぜ』はグラウンドの向こうにある係留から向こうを行ったり来たりしていた『こんごう』の姿をずいぶん前から気がついていた


「別に。。。なんでも」

「何でもないなら。。早くパーティーに行こう」


『しまかぜ』は『こんごう』が相変わらず悩みの中で定まらない気持ちの中にいる事を察していた

「パーティーは良いきっかけよ,『ちょうかい』と話しをしたらいいじゃないの」


「もういい」

返されたそっけない返事と

自分の方には向かない寂しげな『こんごう』の背中に

「どおしたの?まだ悩んでるの?」

『しまかぜ』が思いの外,繊細な心の妹に近寄った


「悩んでない。。。。」

自分の背中近くに座った姉に。。。強がった声で答える

「悩んでないなら。。。行こうよ」

「行かない」

早い返事


「なんで?。。。行こうよ,せっかく『いかづち』が色々と支度してくれてるのに」

背中を押す『しまかぜ』に


「とにかく。。。行きたくない」

『しまかぜ』が近づいた事で体をさらに硬く締め

頑な姿勢を見せる『こんごう』

後ろから見ているとすこし大人げなくも見える姿に『しまかぜ』は聞いた


「『ちょうかい』に合いたくない?。。。それとも粉川さんに合いたくないの?」


解っている大人はちょっと意地悪な質問をしてみた

『こんごう』の妹に対する蟠りがココまで深い理由が。。。ただ一つの理由と『しまかぜ』は思っていなかった

それは「恋愛」を知る女のちょっとしたイタズラ心から試みだった


「なにそれ!!どういう意味!!」


しゃがみ込んでいた『こんごう』は立ち上がると意味深な笑みで自分を見ている『しまかぜ』に向き直った

まるで釣りにひっかかるような『こんごう』の態度に笑いを堪えた笑みは

余計に意地悪く見える


「言ったままよ。。。ホントは粉川さんと仲がよくなった『ちょうかい』に合いたくないんでしょ」

「違う!!」


『こんごう』は否定と示しながらも自分の胸に刺さる「何か」に初めて気がついて驚き。。。顔を真っ赤にした

違う

違う。。。何度かの胸の動悸を抑える

なのに

プレイバックされる絵。。。。。どんな時も笑顔で話しかける「人」は

アタマを激しく振る

あれは。。違う。。。アレは。。。ウザイんだと

目の前自分に微笑みを向けている『しまかぜ』に怒鳴りはするが


「絶対に違う!!!」


仁王立ちのまま

やはり顔を合わせ続けられない。。。何かを読まれてしまった感じが。。。

顔を大きくそらせながらも,睨む態度で強く言う

「そんな事は断じてない!!」

「そんな事って?」


『しまかぜ』は本当だったら大声を上げて笑ってしまいそうな自分を抑えた

あまりに可愛い妹の反応に。。。つい意地悪な気持ちも楽しく動く


「別に。。。。汚染生物なんかに合いたくないから」

「『ちょうかい』にも合いたくないって事?」

「そっ。。。それも違う。。。」


「だったら行けるよね」

人差し指を立てて合図する,メガネ越し少し意地悪く笑う『しまかぜ』に逆らうように怒鳴る

「行かない!!」

「どおして?」

首を傾げ座ったまま下から仰ぎ見る

ぎこちない動作

顔を対面に向けないように海に向けたまま二の句を告げられない妹


「行こうよ。。。みんな楽しみにしてるんだから」


少しイタズラが過ぎてしまったか?

これ以上『こんごう』が片意地を張ってしまったら本当にパーティーに参加しなくなってしまうかもしれないとて 引こうとしたがすでに時遅しだったかもしれない

固まったままの『こんごう』の顔から悩みの黒さは薄れ,赤い怒りが溢れ始めていたが,落陽の港の景色を眺めた『しまかぜ』にはわからなかった






「どうぞ!!いっらっしゃいませ」


18:40

待ち合わせの場所

少し冷たい秋の風の中

『ちょうかい』は粉川を迎え入れるために出てきていた

きちんと着替えた姿

冬服のダブルスーツに『こんごう』に比べると長めのプリーツスカート

少女らしい可愛い出で立ち


一方,呼び出された粉川は黒のスーツに身を固めしっかりネクタイという出で立ちでパーティーに揃えましたといった感じ

「さっ!」


無機質な煉瓦倉庫の壁の前不思議そうに入り口を探す粉川に『ちょうかい』は手を伸ばし腕を取った

いつも艦魂達が消える青い泡沫の光が一瞬走り

粉川は目を細めたが次に目を開いた前にあったのは

別の世界だった


只の煉瓦壁だったそこは産業革命以降イギリスでよく作られた赤煉瓦の官邸に姿を変えていた

どこか懐かしい色合いで。。。どこかで見たことのある景色に粉川は呆然と周りを見回した


「スゴイね。。。。」

「そうですか。。。私はもう最初からココが港なので」


手で煉瓦の壁を触る

本物の赤の粗目を感じる,正面に鎮座する門

大きな正門に

粉川はこれが何を模しているかに気がついた


これは「江田島基地」にある海上自衛隊第1術科学校のような作り

これが何故,江田島なのか?というのは粉川にはすぐに理解が出来た

『くらま』司令はココを「鎮守府」と言っていた

艦魂達にとって。。。。規範となるものは今も変わることなく「帝国海軍」であるという事。。。それを示す寄宿舎の存在


海軍に入る事が国家にとってもっとも優秀な男とされた時代のなごりがココには残っていた


鋼鉄製の黒い扉の向こう吹き抜けの広間を持つ大きな部屋,左右に階段


「ココで食事会とかもするんですよ」

プレゼントの小箱にピンクのラッピングをした袋

嬉しそうに胸の前に持って歩く『ちょうかい』の後ろを挙動不審なほどに色々と眺めながら粉川は進んだ

それにしてもガランとしていて誰もいない通路


「誰もいないの?」

「この時間になるとみんな自室でご飯だったりするし,消灯が22:00ですからね」

「早いね。。。」

「今日は特別に23:00まで。。。『しまかぜ』一佐がお願いして下さったようで」

ご飯。。。。

粉川は艦魂の実態がまだわかっていないかのような顔


「おかしいですか?艦魂の私達がご飯って」

「いやぁ。。別に「酒好き」なのもいますしね」

『ちょうかい』は歳に見合った笑みのままで

「良く知ってますね!『くらま』司令は日本の艦魂では一番の酒豪って事」


粉川はアタマを掻きながら

「あっ。。。。いや。。そうなんだ」


少女は早足で階段を登って行く

小気味の言いステップが良く喜びを表している事は粉川にとっても好ましい事だった


高い天井

江田島にある古いシャンデリアとよく似た照明が,今時の蛍光灯とは違うほのかな光をホールに降らす

そこから先に続く通路はホールとは異なり急にかなり暗い

裸電球をそのまま通した道にかわり「坑道」を歩くようにイメージになる

粉川は手を壁につけて足もとを確かめながら歩く

それに合わせたのか?

前を歩く『ちょうかい』の歩測が短くなり立ち止まる


「どうしたの?」


止まった『ちょうかい』の位置に同じく止まった粉川は胸に抱えた袋を持って目をつむってしまった彼女に聞いた


「よろこんで。。。。くれるかな。。。」


可愛い悩み

大切な妹

尊敬する姉に渡すプレゼント。。。


「喜んでくれるよ。。絶対に」

粉川は華麗に駆り揃えられたショートヘアの髪を上から撫でた




「こんばん」

「だぁぁぁあああ!!!鍋!!鍋!!!」


軽いノックで姉の共同部屋のドアを開けた『ちょうかい』と粉川の耳に入ったのは絶叫する『いかづち』の声だった

どうやら一人でブース内の切り盛りをしていた最中に寝ぼけた『はるさめ』が,はこべと言われた皿とは別にスープの入った寸胴をそのまま抱えてぶちまけそうになっていたらしい


片手で寸胴を抑える『むらさめ』と後ろからよろめく『はるさめ』を止める『いかづち』の姿が

開扉一発目の見せ物になるとわ。。。瞬間ドアをあけた二人も固まった


「バーロー!!寝ぼけんじゃねぇ!!」


力仕事はお手の物の『むらさめ』は,寝ぼけ眼のまま事態が飲み込めてない『はるさめ』から寸胴を奪うとハッチの方に戻して,妹を小突いた


「たくよぉ。。。静かにやれっていわれてんのに!!おめーが惨状引き起こしてどーすんじゃ!!」


まったくだ

そんな熱モノのスープをばらまかれたんじゃ火傷じゃすまない

『いかづち』は仕込みに4時間は掛かったスープを危うく客の前でぶちまけられる所だったせいか,へたり込んでいた


「あはは。。。あっ!!粉川はん!!」

「おっ『ちょうかい』!」


思わぬハプニングの後。。。やっと気がついた二人の姿に


「のわぁああああああ!!!」

さらなる絶叫の『いかづち』は『むらさめ』を指刺してて言った


「『むらさめ』!!『こんごう』は?!!」

「あっ。。。。。」


固まる二人


「あの。。。。どうしましたか?」

粉川の前を進みダイニングに入った『ちょうかい』は周りを見回しながら聞いた

「鳥はん(ちょうかいのあだ名)。。。あんな。。。」


鼻先のメガネが落っこちそうなほど驚いている『いかづち』の後ろまでを見回した『ちょうかい』は聞いた


「お姉ちゃん。。。は?」

見えない姉の姿に急に眉に元気がなくなる

「ちょっと出かけてんだよ!!なっ!!」

「せや。。。今から呼びにいくんよ。。。なっ『むらさめ』」


キッチンを騒がせたハプニングのせいもあったが

姉妹揃って『こんごう』を捜しに行く事を忘却の思考から思い出し顔を見合わせる


「『むらさめ』。。。あんた30分になったら捜しに行くって。。」

「バーロー。。。『はるさめ』に食器運べなんてオメーが言うからあんな事になって。。忘れちまったよ,それに。。探すってったって。。何処にいるかわかんねーぞ」

小声とはいえ十分聞こえる

お互いど忘れしていた事を責任追及しても始まらない

だが目の前に『ちょうかい』が来てしまった今は気まずい事このうえない状態だ

そんな二人の間を割り姉の部屋のドアにノックする


「お。。。お姉ちゃん。。。お姉ちゃん。。。」


目の前にいない姉の姿に不安の鼓動は大きくなる

『ちょうかい』持ったプレゼントを胸に押し付ける

声は。。。。。涙声に


「お姉ちゃん。。。。。」


額をドアにつける

涙がこぼれる


「ちょっ!!ちょっと待ってりゃ返って来るって!!」

自分の妹にこんなタイプを持っていない『むらさめ』は焦って言った

「飯さ!!先に食って待ってりゃ。。。なっ」

隣に並んだ肩を押されて『いかづち』も

「せやで!!パーティする事は伝えてあるからな!!先に。。。」


二人の必死な言い訳の中『ちょうかい』は『こんごう』の部屋のドアの前に崩れ蹲ってしまった。。。。

「お姉ちゃん。。。うっうっ。。。」


「どうなってんの。。。」


崩れた『ちょうかい』の後ろ,慌ただしい展開を見せた部屋の中に向かってやっと第一声を発した粉川は足もとで泣く『ちょうかい』の肩を撫でながら

部屋の中で泡食っている二人に聞いた


顔を合わせて言い訳を考える二人に粉川は,はっきりとした声で聞いた

事態の収拾を急ぐなら

どうなっているのかを即座に理解する必要があるからだ


「『こんごう』ちゃんは何処にいるの!」


今日のこの日を楽しみにしてきた『ちょうかい』を思えば目の前で涙にくれる姿など見ていられない

その思いが気迫として宿る本気の粉川の目には凄みがあった


「わからへんのや」

ホントの事

すまなそうな顔で答える『いかづち』の隣をフワリとピンクな影が横切った


「人だぁ〜〜〜〜〜」

緊迫の間に,抜けた声

粉川の顔に白い手が触れる

それもコネコネと体の部位を遠慮なく

突然の緊迫から緩みきった艦魂。。。。目の前に現れたナイスバディーにも驚きながら後ずさりする粉川さえ構う事なく


「なあ。。。これ〜〜〜粉川はんって〜〜〜いうのぉ〜〜〜」

「『はる』ねぇ!!」


目の前で泣いている『ちょうかい』も置いてきぼり,てんでお構いなしの主は焦る姉妹を尻目に続ける


「パーティーやろ〜〜〜今日は人の歓迎会なんだから〜〜〜」


実際『はるさめ』は人,事「粉川」の歓迎会としか聞いていなかったのだからそこを責める事はできないのだが。。。

この状況ではあまりに無神経過ぎる


「いやぁ。。。。ヤダ。。。。私。。明日になったら長崎に行かなきゃいけないのに。。。今日お姉ちゃんに会えなかったら。。。もう」


手からこぼれるプレゼント

顔を覆って泣く『ちょうかい』の言葉に


「バカ!!!そういう事は早く言え!!今から引っ張ってきてやる!!」


立ち上がったのは『むらさめ』だった

長崎に行く。。

聞くだけでわかる

改装のためにドックに入れば,あの限られたスペースの庭の中を独りで過ごす日々になる

『むらさめ』には。。。。自分が嗾けた責任というものもあった

拳をにぎり

「心配すんな!!すぐ見つけてきてやる!!」


「僕も捜しに行くよ!!」


『ちょうかい』の事情と明日までのリミットを知っている粉川も立ち上がった

「せやけど。。。。何処に行ったかわからへんのに。。何処探すよ?」

「基地の中にいるんだ!!そんなに時間かからねーよ!!」




「『こんごう』一佐なら南の突堤にいましたよ」


けたたましい部屋の喧噪に

自分の枕になっていた『はるさめ』の巨乳をなくして起きた『はまな』が眠そうな目で

つかみ合いに近くなっている集団を見つめて答えた

一瞬で言葉をなくした空間で寝ぼけた目をこすりながら


「どうしたんですか?」


その返事は返される事なく集団は駆けだした

後に残ったのはとぼけた眼を晒した二人。。。。『はるさめ』と『はまな』だけだった



カセイウラバナダイアル〜Vo26

紀伊の皆様とお茶会激動編

もう、なんかあんまり似てなくなってしままったキャラもいると思いますが。優しい目で見てやって下さい!!頑張りました!!!



お茶会転じて非常事態


護衛艦隊の面々は期せずして「帝国海軍」の姉達と対面する事になる


くらま 「只今より,大和型艦艇2姉妹の救出作戦を開始する!!」

大きく手を挙げ司令として指示を出す『くらま』の隣

お茶会の存在を隠されていた『しらね』がいそいそと大和姉妹に近寄って

元気よく敬礼する

「初めまして!海上自衛隊第一護衛隊群第一護衛隊旗艦『しらね』にございます!!」

場違いな明るい声に顔を歪める桔梗様

「は、初めまして」(非常事態に何しとんじゃー的挨拶(藁)」

どんな時にも落ち着いている撫子様はにっこりと微笑む

「まあ旗艦の方ですか。私,戦艦大和の艦魂『撫子』と申します。。。しらね様初めまして」

あくまでマイペースな撫子様とは『しらね』は話しが合いそうとつづけようとするが


「姉上。。。非常事態です!!」

背中に迫る巨大な妹(注.くらまさんは身長182センチ(藁)しらねさん身長148センチ)

仮にも司令官なのにどこか場違いな『しらね』は妹に向き直ると怒鳴った

「挨拶は必要でしょ!!だいたい。。わたくしがいないところでお茶会なんて。。。酷いじゃないの!!」

切迫した状況の中で撫子様に握手を求める『しらね』快く応じて下さる撫子様

撫子様 「司令の任についてお話ししましょう」

しらね 「感激ですぅ〜〜〜」

くらま 「姉上。。。。抑えて!!」

桔梗様 「だぁぁぁぁ!!挨拶はいいから!!零と小雪はどーなってんだよ!!」


混乱する指揮系統の中で状況説明が行われた


「現在「仮名」違法時空航路内に妹様2人と『こんごう』が落ちてますゼ」

『きりさめ』の開いた旧式のパソコンの前,怪訝な表情の桔梗様

「なんで映像でねーんだよ」

画面のアイコンを指差しながら睨む

「インテルしか入ってないんダセ!!」

それが良いことなのか?悪い事なのか何故か自慢げな回答の『きりさめ』にうんざりしたように桔梗様は

「ふるくせえパソコンだなぁ〜〜うちらのヤツを持ってきたらよかったのに」

紀伊の世界は未来のテクノロジーが一杯だ!!

technologyヲタクの『ゆうだち』のハートが燃える(藁)

「どんなコアがはいてるの?未来のパソコンって?」

ショートヘアの『ゆうだち』は瓶底メガネの目を大きくしながら桔梗様ににじり寄る

たじたじと退く桔梗様をよそに会議は続行!!

「。。。。。。やっぱ『あめ』姉妹って変なのばっかや。。。」


きりさめ 「とりあえず本線航路も安全とは言えないから『鈴様「長門真名」』を待避させたほうがいいゼ!!」

くらま 「聞いたか!!『しまかぜ』鈴様を待避させよ!!」



その頃

異変が及び始めた時空航路本線の中


しまかぜ 「聞いたとおりです。。。確かにさっきほど本線が安定してまいませんから,鈴様,待避して下さい」

入ってきたときより歪み始めた時空障壁を指さしながら落ち着いた表情で出口を見る目に鈴様は抵抗を覚えた

鈴様 「『しまかぜ』殿はどうするのだ?」

二人でいると安定が得られない?だったら一人がココに残っても安定する可能性があるとも言えない,そういう事ぐらい帝国海軍元旗艦の鈴様の回転の速い頭で答えをはじき出していた

だが当然の事なのだが「客人」優先の指示を守ろうとする『しまかぜ』は,やんわりと続ける

「私はココに残ります。。。。違法航路のclothcharge.spot部分から妹様達が出られるかもしれませんから。。。その時のために」


「だったら私も残る!!」

誇り高き姉である鈴様は自分が,妹達の危機を置いて退くことなど考えられなかった

鈴様にとっては時間軸こそ違うが『しまかぜ』だって遠い妹にあたるわけだ

「二人とも残るのにメリットはありません」

「『しまかぜ』!早く鈴様を!!非難させるんだ!!」

自分を逃がそうとする『しまかぜ』の向こう『くらま』の指示が矢継ぎ早に飛ぶ

「正気か!!貴様!自分の。。。。」


あやうく「恋人」と叫びそうになった口を『しまかぜ』が止めた

目で「ダメですよ」と柔らかく微笑む

「任務が第一です」

冷徹を貫く『くらま』の声の前,『しまかぜ』は笑う

「鈴様。。。。大丈夫ですから」

笑う者。。。。戦いにおいてもっとも必要のない感情で自分を諫めようとする女に対して

鈴様は睨む目のまま聞いた

「大丈夫か。。。。そうか。。。大丈夫なんだな」

「ですからどうぞ」

周りの景色は色を悪くし始めている

明るかった本線航路は灰色に変わり始めている

「ココに残る!」

『しまかぜ』の手から指し示された出口方向

目もくれぬ態度で鈴様は続けた

「一人で残ったのでは広い航路の中でclothchargeのスポットを探すのだって難しいぞ!二人で残る方が零と小雪を探し出すにも有利なハズだ。。。大丈夫なんだろ?」

日本刀を持った軍服の貴人はその場に座った

意地でも動かないという意思表示

だが目には怒りはなく。。。。『しまかぜ』が見せたような柔らかな微笑みがある

「鈴様。。。。」

『しまかぜ』のレーダー越し。。。『くらま』の声が聞こえる

「泣き虫な妹達を連れて歩くのは慣れている」


「。。。。わかりました『しまかぜ』くれぐれも鈴様の身に危害が及ばぬように頼むぞ!」

救出作戦の各段階が迫っている以上長い交信は出来ない

一言の命令を後に交信は一時切れた

静まる航路の中,相対する二人。。。座ったまま鈴様は聞いた


「薄情なヤツとは思わん。。。だが寂しくはないか?」

秘めた愛の二人。。。『しまかぜ』は失礼とわかっていたが背中を向けて答えた

「いいえ。。。寂しくなんかありませんよ」


鈴様に顔を見せなかったことが答えだった




その頃『こんごう』は空前危機に達していた

小型の時空航路の伸縮は大きくなっているのか?小さくなっているのかさえわからない底抜けの状態で

視界は限りなく悪い上にレーダーの反応もいまいちの状態だが。。。。

もっとも深刻な問題は

目の前で大泣きになってしまった大和型4姉妹の妹様達。。。。

肩を寄せ合って泣かれる前

手をアワアワさせている『こんごう』

「泣かないで。。。。」


職務には忠実に,挨拶も敬礼でしたのに。。。何故に怖いと言われるのかが理解出来ない石頭(藁)


「こわいよぉ〜〜〜」

泣きじゃくる妹,零様を抱きしめながら警戒の目に涙をゆらしたままの小雪様

「怖い。。。」

なんとか場を和まそうとすれども。。。。『いかづち』のように饒舌になれるわけもなく

ただひたすら途方にくれていた所に電信が入った


「『こんごう』聞こえるか!」


落下から30分,早い行動を起こしていた『くらま』の声は至って冷静だ

「空間は非常に不安定だが幸いにして出口は見えているはずだ。。。そこに向かえ」

交信しながらも『くらま』は排水量の多い艦艇の姉妹達とスキマの入り口である『こんごう』の部屋に向かっている

横を同伴する桔梗様は聞く

「アンカー入れて引っ張り上げるのか?」

「そういう事になります」

桔梗様には何もかもがもたついた対応にも思えた。。。。

未来からの技術の多くを実戦投入している,しかも強き帝国海軍の艦魂だ

現代の艦魂達の立ち回りは,あまりにもスローに見えて苛立ちは募る一方だった


ノイズ混じり『こんごう』の返信

「了解。。。ですがスキマまで上がれません」

「わかっている!見える場所までこい!」

何時途切れても不思議ではないほどの流砂的ノイズの中『くらま』は的確に命令だけしていく

部屋の一面にあるスキマに到達と同時に『きりさめ』と『ゆうだち』が調査を開始した


「いた。。。。」

スキマを覗き込んだ桔梗様の前

遙か向こうに妹たちと『こんごう』が見える

「零!!!小雪!!!」

声は聞こえないようだ

見えるのに声も視線も届かないのは,かなりしんどいらしく桔梗様は『きりさめ』の怪しいパソコンとにらめっこ

旧式のパソコンではあるがマッドな使用になっている画面は目間ぐるしく動く


「変振動空間に近い構造だと思われるゼ!(注.空想科学です)」

スキマの中身に投錨するアンカーの強度計算しながらスキマの正体を考えていた『きりさめ』は立ち上がると親指を『ゆうだち』に向けて立てた

「ステキー!!ユニバース!!テキサース!!」

(注,ユニバースがわかったら「冨野ガンダムマニア」テキサースがわかったら「ニコ厨」(爆死))

瓶底メガネが輝く!!

何かわからんが大興奮の二人は。。。。踊る(爆死)


「バロー!!このマッドサイエンティストども!!はよ!妹達を救出しろ!!」

当然即座にボコボコにされる


「それで策定された救出案は?」

顔を腫らした二人に『くらま』は聞いた

「重力場が不安定で各所に歪みがあるから引き上げる方法がいいんだダゼ」

「じゃあそうしろよ」

即答の桔梗様

ココについて10分。。。スキマの向こうに見える妹達の様子は正確には見えないが『こんごう』との交信の中に泣き声のようなものが聞こえた事が苛々に拍車をかけている


「無理ですよ。。散らばる重力場の影響だけなら良いのですが?何故か本来持っている艦艇の重量が加算されているようで。。。上から引くだけじゃ上がりませんよ(注.空想科学です)」

ヒビの入ったメガネを押しながらグラフィックに変換した図面を指差す『ゆうだち』

「アンカー落としてそれを上で引きながら下も目標に自力で上がる方法しかないゼ」

桔梗「なんで?オマエ,私のパワーをなめてんのか!!」

拳に力を込める桔梗様の前

テンボーで図面を刺して説明し始める『ゆうだち』

「無位置空間の合力がバラバラで(注.空想科学です)うんたらかんたら。。。説明ダラダラ〜〜」

げんこつ落ちる

「わかるように説明せぇ!」


つまり重力の壺に落ちていて,かかる重量が何故か?場所によって(注.空想科学です)倍になったり半分になったりと変化するという筒になっているという事

桔梗「。。。。プラズマ拡散型電磁棒みたい。。。」

指をならす『ゆうだち』「おしい!でもあれは力を加えれば一定方向にもむくから」

「もおいい!!私が行く!!」

えも知れぬ説明ばかりで進まない物事に痺れをきらした桔梗様はスキマに飛び込もうとしたが

その手を『きりさめ』が止めた

「ダメダゼ!」

「桔梗様と撫子様が上で引かないと上がらないと思われますよ」

「なんでだ!!」


「わてらでは出力がたらへんのですわ」

手を挙げた桔梗様を止めたのは『いかづち』だった


「わてら現代艦の出力では1人アタマ艦体排水量6万トン以上を持つ妹様2人を引き上げられへんって事やろ?」


現代艦魂達の最大排水量は最高でも最新鋭護衛艦『ひゅうが』の13500トン

最高出力100,000PS

大戦時の大和だって排水量6万5千トンにして出力153,553PSなのに

足し割りをすれば勝る部分は多いが「排水量」を締める重さはカバーできない

そして現状あの小さな体に「何故か」その比重がそのまま移ってしまっている

ジェットエンジンや分厚い甲板を装備する大和型2姉妹を持ち上げる事は基本的に不可能だった

それよりも重力場がアチコチに働いているのだから

妹様達当人に点火で発進してもらいそれを振り切り進み,その上で桔梗様と撫子様が引くが最善の策で。。。その補助ぐらいしかできないのが護衛艦達だ

現代艦魂の能力ではとうに限界を突破している状態


「なさけねーな!!オマエらホントに大日本帝国海軍の末裔なのか!!」


桔梗様の激怒に誰も顔を上げられない

策を講じても手も足も出ない

力がないという事実は認めざる得ないから

「わかった!!それでいい!!私が引き上げてやる!!」

そういうとアンカーを撃てと指示した

手際よくアンカーを投げる『きりさめ』だったが。。。。


「せやけど無位置空間で台座もないのにどうやってアンカー固定すんねん?」

『いかづち』の当たり前の疑問に作戦を立てていた『きりさめ』の顔は曇ったが

『くらま』はそのまま指示を出した


「『こんごう』にアンカーを固定させる。。。発射も『こんごう』を足場にして飛べばいい」

「司令。。。じゃお姉ちゃんは。。いいえ『こんごう』はどうなるのですか?」

駆けつけていた『ちょうかい』の顔が青くなった

ジェット推進を使った後。。。。この不安定な空間が無事でいられる保証はない

「妹様達を救出したら「次に」助ける」

『くらま』は『ちょうかい』を決して見なかった

ぶれることなく客人を救う事に終始する視線が,他の護衛艦艦魂達に二の句を告げさせなかった



「アホ!!!見捨てるのか?そんな事が出来るか!!『こんごう』だって私らの遠い妹なんやぞ!!」



『くらま』の襟首を掴んだのは桔梗様だった

「他に。。。方法はないのかよ!!」


沈痛な面持ちの艦魂達

静まりかえった部屋に優しい声が響いた


「あるわよ」

それは大和艦魂,撫子様の声だった




次回 感動の最終回!!!

どうなる護衛艦隊!!!妹様達は!!鈴様は!!桔梗様は!!

そして鍵を握る,撫子様は!!!



ただ頑張ります。。。色々すいません(涙)

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