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第二十五話 妹の企み

色々な問題を経てもどってまいりました。。。

まだしばらくは続く艦魂物語をよろしくお願いします


火星明楽


今回後書きはお茶会続編です〜〜〜

秋晴れの日々は続いていた

風こそ冬を近づけるために少しずつ冷たさを増してはいたがそういうものに負けない熱さがココにはあった


佐世保の士気は例の事件から向こう上がる一方だった

隊員たちは課業に。。。その後の時間を自身を鍛える事に積極的に使うようになったし

艦魂達もそれに合わせるように自分達を磨く激走に打ち込んでいた


いつも通り

走りを,終えた艦魂達の中,昨日の今日ではまだ心が定まらないのか『こんごう』は妹からタオルを受け取りはするが気まずそうな顔を隠し切れてはいなかった

「『ちょうかい』。。。。あのな」

何か話そうにも言葉が巧く出ない

思い切った態度で,一緒にお風呂に入ろうと言うだけのことが。。。言えない


言えない

という事

それほどに自分が「日常」において妹と距離をもっていた事の証明にしかならないから

余計に自分に腹が立ち拳にばかり力が入ってしまう


一言が。。。言えない



「『ちょうかい』!!」


妹の名前を呼んだのは『こんごう』ではなく『くらま』司令だった

ぎくしゃくした姉妹の関係など,我感ぜずの態度で部下を呼びつけた司令は


「10分後に司令室に」


そういうと踵を返し消えていった

呼ばれるまま姉に手を振り,急ぎ隊舎に消えて行く姿を『こんごう』は唇を噛んで見送る事しか出来なかった





「防衛庁から呼び出しが,君にも近々あるかもしれない」


渋い表情のまま司令室のイスに座った宗像むなかたの前

隊員達と同じ青服を着た粉川は敬礼とともに了解と答えた


「まあ。。座って」


不審船事件の経緯の公表,各方面のマスコミにおける「場違い」な非難を最小限に交わすべく

防衛庁は程度の情報操作に入っていた

実際では「調整」という作業段階である

昨日。。。「運良く」大物芸能人の不倫会見が重なったため事件に対する世間の目は反らすことは出来ていたが,事件そのものが無くなる事ではない


「海保との関連においての「間宮艦長」の対応などについて聞かれると思う」


粉川は目の前に並ぶ書類を見ながら

「調整」のために情報部がアクションを起こしている事に顔をしかめたが

司令の宗像に対する対応は落ち着いていた


「艦長の指示は正しかった。。。。これが僕の意見であり,見たままです」


宗像は片手をあげ

自分が喫煙者である事を示すと火をつけながら


「責任の問題が上がるようならば。。。私にも覚悟はあるという事は示しておきたい」

「司令に責任はありません」


粉川の態度は毅然としていた

目の前に置かれたガラス製の灰皿を宗像の側に押し


「責任を追求するならば「下」ではなく「上」の問題です」


宗像は粉川がただの熱血漢ではなく

あまりに理性的な人物である事を危惧していた

正しいがまかり通る程,世の中の仕組みはきれい事ではない


「優秀な艦長の育成には時間とお金がかがります。。。。間宮艦長は立派な方です,そして宗像司令も「その態度」を通して頂きたいと思います」

「しかし。。。君はどうなる?」


手元の灰をはらいながら

ココまできたのなら心配であるのは粉川の進退である事に宗像は額に残る傷をさすりながら聞いた

宗像の手元の資料には「調査部,今泉」の中間報告が入っていた

内容については手厳しい見解が多い中,個人の名前として粉川の名前が挙がっている項目を指差して


「調査部は。。。。君にも,有りもしない「疑い」をかけているぞ」

「慣れてます」


佐世保での最初の質疑応答をぶち壊しにした粉川に,今泉は「任務妨害」と正しい見識の無い人物というレッテルを張っていた

粉川の側には「今泉に関わるな」という苦言を調書の翌日,情報局次官,佐々木からパソコンの方にメールではいって来ていたが

たとえ当日に入っていたとしても,あの反論を控えるつもりなどさらさらなかった


自分の立場を悪くするかも知れないという心配に「慣れている」と切り返した粉川の顔は苦笑いにも似ていたが

宗像には好ましいものだった


「もし。。本庁(防衛庁内局)に居られなくなったら。。頼ってくれ。君は海の方が似合うと思うぞ」


内局の事務机の前に粉川がいる姿は宗像には滑稽にしか見えなくなっていた

それほどに割り切りのいい男に見えた


「大丈夫ですよ!僕には「ふね」の加護が付いてますから!!」

立ち上がりながらも,あっけらかんとした態度で笑う粉川に,宗像は方眉をあげて笑った


「うらやましいな!!艦の加護か。。。。海の職務に徒事する私も欲しいものだ!」


豪放で知られた宗像は,それを余すことなく示す大きな声で笑った

「まったく羨ましい!!」

席をたった粉川の目には司令室に掲げられた予定黒板の文字に驚いていた


「『ちょうかい』ち。。。」

危うく「ちゃん付け」のまま名前を呼んでしまいそうだった口を塞ぎ,改めて


「DDGちょうかいは,明日長崎に回航ですか?」

タバコを口にくわえたまま宗像は大きく煙りを吹き上げながら答えた


「例の事件で遅れていたが「SM-3」の実装が決まっていてね。。。。防衛庁「長官」が騒ぎ出す前に動こうと言うことらしい」


もっともらしい話しだが宗像の態度には「皮肉」が現れていた

浮かぶ煙の狭間の思案

事が煙にまみれているうちに「必要な事」は前に進ませようという防衛庁の古狸達の知恵の戦い見えた


イージス艦の兵装


そもそも『こんごう』が横須賀に寄港していたのは,硫黄島演習で「SM-3」の実験をしていたからだ

そしてその実演は来年のリムパックと連動した演習項目にある,海自の春一発目の目玉となっている


だがまだ日本の防衛という点では実験段階であるミサイル兵装に対する「否定的意見」は多いという現状での見切り発車

何より金食い虫なイージス艦だが現実的問題を直視しているという意味では日本は明らかに平和呆けである


現実はアメリカ海軍の実験データの統計とNIE(米国国家情報見積もり)による警告が鳴らされている

2015年には赤の眷属国は,米国本土に届くミサイルの配備を完了するだろうとされている

と言うことは

当然日本は直下の射程に入る

米国的には本国に届く前の迎撃の第一段階を日本で迎えたいし,それは日本を視野に入れたミサイルを迎撃する為に必要不可欠ともいえる「防衛戦略」とも言えた

だが。。。。再三にわたり「ミサイル防衛」に重点をおく事をアメリカから通達されながらも自分のポストを気にした政治屋と国民感情によって計画は鈍行になっているのが現状だ。。。


さらに運の悪い事にココに来て

例の「イージス艦機密漏洩」と「不審船事件」というダブルパンチをうけ,現行の「長官」の対応は難色を示していた。。。。だが。。

だから「国防」に手を抜きますなどとは言えない,存在の異議まで問われる防衛庁は,さらに遅れる恐れが出る前に。。。。


「国防族」とも世の中から野卑される古狸達が先手を打ったという形になったわけだ


「本来なら。。。建造準じで,アップしてゆく事だが国際協力「だけには」熱心な政府の意向を汲んで『きりしま』はペルシャにいるんだ,ちょうかいの方を改装した方が有利だろう。。。ライン5を搭載する最新鋭艦だし。。。。兵器への対応もそのほうが早いと睨んだ。。。というところだ」

「なるほど。。。。」


黒板の前,佇む粉川に宗像は


「上の決めたことだが?問題になりそうかね?」

「いいえ。。。懸命な判断です」


自国を守るという事に極めて消極的な国民

それを選挙活動の項目に堂々と上げる政治屋

「防衛費削減」。。。。

そして現行の防衛庁の頂点に立つ政治家上がりの「長官」。。。。。粉川は宗像に一礼すると部屋を後にした


「政治屋ってのは。。。何が守りたいのかねぇ。。。」


大きく背伸びをしながら愚痴った



「粉川さん!!」

司令部の監舎を出た粉川の足を止めたのは『ちょうかい』だった

珍しく黒のセーラー姿で


「どうしたの?」

「私,明日」

「長崎に行くんだよね」


粉川は先ほど司令部で見た予定で『ちょうかい』が明日,長崎に回航,兵装の改装に入る事は知っていると告げた


「。。。。クリスマスには返ってこられそうですけど。。。」


元々関東生まれの『ちようかい』だには長崎はココ佐世保から近いとはいえ。。。知らない土地に身をゆだねるという旅になる。


三菱重工長崎造船所は数多くのDDGを手がけた実力のあるドックだ。艦魂達にとってはちょっとした故郷にもなるほどで

船体に対するデリケートな対応は慣れているし

姉の『こんごう』を始め,ココの生まれで,『きりしま』『みょうこう』もいるのだから心配は少ないハズ


それでも。。。。


俯いた顔

久しぶりに会った仲間達と離れ,長崎のドックに入らなくてはならないのは。。。寂しい事だと思う


粉川は『ちょうかい』の頭を撫でた


「じゃ戻ってきたら!クリスマス会やらないとね!!」


どう見ても幼い『ちょうかい』イージスシステムが最新鋭で姉達よりも優れた部分はたくさん持っていても。。。。。

『くらま』に付いて司令の任に当たる者としての心得を教えられ

いづれは多くの艦魂達の面前に立つ者となるとしても。。。。。


まだ甘えたいところもいっぱい持っている


小さな身の丈が前に折れる

俯いてしまった目は寂しそうに眉をしかめ続けていたが,粉川は元気づける意味も含め

彼女の体を抱き上げた


「元気だして!!それより。。。今日を騒がないと!!」


大きく

小さな『ちょうかい』の体を高く挙げ肩車した

「粉川さん〜〜」

「そこに乗ってて。。。話しやすいんだよ。。並んで話してると独り言を下に向かってしゃべってるみたいにみえるらしいから!」

そういうと走り出した

速度を上げた粉川の頭にしがみつく『ちょうかい』は


「走るんですか!!」

「倉庫の裏でサプライズの計画たてよ!!」


努めて明るく,相手を思いやる粉川の心に『ちょうかい』も柔らかい態度になる

姉の驚く顔がすぐにでも見たい

二人は微笑み合いながら海に向かう道を下っていった





「少しは手伝ってーな!!」


『いかづち』にどやされた『むらさめ』と『はるさめ』そして『はまな』は青服に着替えてバースの方に向かって歩いていた


料理を一手に受け持つ『むらさめ』は課業が終わった後はキッチンに,こもったきり仕込みで忙しいらしく

メイン以外の魚のつまみを『うずしお』のところに取りに行くのを部屋でゴロゴロしていた姉達に任せたのだ

何故か『はまな』まで付いてきてしまっているのかは。。。。本人の事情らしい


「よく司令が許可をくれましたね」

『はるさめ』の隣を歩く『はまな』は『くらま』司令が感心を示すことのなかった「人」の歓迎会をする事の許可が出たことに割り切れないものがあったようで聞いた


「『しまかぜ』が飲みに行ったついでに許可もらったらしーぜ」


髪を引っ詰め頭の上に洒落のような大きな団子を作った頭を揺らして前を歩く『むらさめ』はクーラーバックを背負っていた


「ただ。。。騒ぐと問題になるから少人数でって話しだったんだけど。。。。」

後ろを歩く『はまな』は自分が招かれざる者である事に肩をすくめた


「いいじゃ〜〜ん,はーちゃん(『はまな』)お部屋で一人だと寂しくて泣いちゃうんだよ〜〜」

『はまな』の肩を抱きながら,相変わらずフラフラ歩く『はるさめ』は彼女が一人で居られない理由を良く知っていた


小動物系のうえに妹系を具現したような『はまな』この上,メガネっ子という最強のコンボを持つ艦魂

しかも本人は極度の寂しがり屋でマジに一人で部屋に残されたりなんかしたら布団に潜って泣いてしまうし

その身(体)がアブナイ

一人でいるといつもモジモジしていて上目遣いになってしまう彼女の癖は「姉系」の艦魂達にとっては「誘ってサイン」にしか見えない

何度も誤解を招いて襲われそうになり,そのたびに『はるな』司令が助けたりしていた事もあり

前の配属では『はるな』司令にべったりだった


配属が変わって佐世保に来た頃は寂しくてよく泣いていたが

同室に,生まれた年数は違っても

歳の頃合いの近い『ちょうかい』がおり

このボケボケの『はるさめ』が意外と『はまな』を可愛がってくれるおかげで今に至っている


「はーちゃんがいないと〜〜私が呆ける〜〜〜」

「オマエは,元々ボケボケだろ!!」


『むらさめ』は強烈な突っ込みをしながら,昼下がりで小寒くなってきたバースに向かって走った

風は夕方に向かって強くなっていきそうな感じ

潜水艦達のいるバースまではまだ遠いからか,体力作りの一貫なのか走る『むらさめ』を早足で追う2人


「あ。。。あれ『こんごう』一佐」

『はまな』は佐世保に移ってからあまり外に出たことがなかったせいか

周りを見回しながら歩いていた先に『こんごう』を見つけた


前を走っていく『むらさめ』は聞く耳持たずだったが『はるさめ』は『はまな』の指差す先を見た


「お〜〜〜『こんごう』ちゃんだ〜〜〜」(注,『はるさめ』は『こんごう』より年下です(藁))

大きく手を振る

離れた突堤にしゃがみ込んだ『こんごう』に何度か声を掛けてみるが

体育座りのまま顔は上がらなかった


「呼んできますか?」


実は苦手な『こんごう』だが呼ばない訳にもいきませんよね

という目で『はまな』は『はるさめ』を見上げたが


「いんじゃな〜〜い,ご飯の時には,くるよぉ〜〜〜」

そういうと姉の後をフラフラしながら追った

「ところで「人」が参加する事は『こんごう』一佐には知らせてあるのですか?」

こんな質問をボケの『はるさめ』にまじめにしてしまう『はまな』


「さぁ〜〜〜知ってるんじゃないかなぁ〜〜」


自分の知らない事には努めていい加減な返事『はるさめ』は『はまな』と手をつないでバースに歩いていった




その『こんごう』は突堤の風に己の身を晒したまま。。。。実は涙にくれていた


課業の終わった昼過ぎ。。。。

お風呂にこない『ちょうかい』の事が気になって

煉瓦倉庫3階にある司令室に近い階段だ待っていたのだが,ふと息をついた瞬間に『ちょうかい』は階段を一足飛びに越え寄宿舎にも向かわずそのまま外に出て行ってしまった


さすがはイージスの血統などと,その時は関心したりもしたが

そう言う問題ではない!!と後を追って走り付いた先に見たのは。。。。



粉川に肩車されて楽しそうにしている妹の姿だった



言葉では。。。なんとも言い表せない悔しい気持ち

ココに来て3日たらずの間で『ちょうかい』が笑う姿は何度も見た

自分の前では見せたことのない。。。。素顔


話すことからもう一度スタートしたらいい


『しまかぜ』はそうは言ってくれたが。。。自分の行動はもう後手過ぎてただの「媚び」にしか見えなかった

今日は。。。パーティーをする

『いかづち』からはそれだけを聞いていたけど

もう何がめでたいのか?何でパーティー?理解が出来なかった


「。。。『ちょうかい』。。。。」


思い出せば反省の必要な姉だった事ばかりだ


『ちょうかい』が産まれたとき。。。。運良く横須賀に寄港していたことで,結晶から産まれ出た妹を一番に抱きしめる事ができたはいいが。。。。

石川島播磨重工横浜第一工場で誕生した他の姉達を押しきり(『しらね』『くらま』もココの産まれ)

まるでラグビーのボールを奪うようにひっ掴まえる形で抱きしめた


結果

なにもワカラナイ『ちょうかい』は腕の中でフルフルと震えながら初めての姉である『こんごう』との対面をする事になった


「私が姉だ。。。。」


仁王立ちのまま

裸の妹に自分の服を被せた『こんごう』だったが

とことん一生懸命が空回りしている『こんごう』の姿に『しまかぜ』は笑いを堪えるのに大変だったらしいし

『しらね』目頭を押さえて零した


「私くしって。。。そんな酷い事したの。。。見てて悲しいわ。。。」

『しらね』はたった一度の暴挙で自分がお迎えもろくに出来ない姉と烙印を押されたと嘆いたらしい


後日注意された事を思い出した

「びっくりしちゃうわよ。。。あれじゃ」

そうは言われても。。。。また『しらね』のように暴挙におよぶ者がいるのではないかと思うと,いてもたってもいられない。。。。


だが

今思い起こしてみれば。。。確かにダメな行動だっとわかる

あれでは

妹は緊張するばかりで。。。。



「う。。。。ごめんね。。。『ちょうかい』。。。」



昨日もあれほど迷った

だけど

鏡を見ても代われない。。。自分がいまさら「優しい姉」になれる自信はなかった

「何かに代われるわけじゃない」

『しまかぜ』の言葉

代われるわけじゃないからこそ!自分のままで新しいスタートをしたらいいという忠告が

悪い考えに傾いていた


「代われないよ。。。。。私には無理だよ」


代われない限り。。。『ちょうかい』の笑顔を自分で見ることは出来ないと

膝を抱えたてやっとパーティーの意味がわかった

きっと今日のパーティーは。。。『ちょうかい』が粉川と付き合う事になった記念の為に開催されたんだと


もし付き合いが本当だとしたら。。。。祝う事になる

『こんごう』は首を振った。。

頭の中にある思いを整理できない

『むらさめ』に言われるまで気が付けなかった自分の落ち度にただ蹲り

そこから動く事が出来なかった


姉に日頃の感謝とプレゼントをという妹の企みを。。。。まったく誤解したまま夕暮れ時は近づいていた


カセイウラバナダイアル〜〜Vo25

戦うお茶会!!!






『こんごう』は。。。。それなりに注意を働かせて時空トンネルに入ったつもりだったが

泣く相手の声は。。。四方から聞こえるという「歪み」の中で,何時間か彷徨う事になっていた

見上げれば自分が降りてきたスキマは見えるのだが


「こまった。。。。」


そのスキマに向かって上がっていけない事にもいまさら気がついていた

通常時空トンネルは自分達が通ためにあったとしてももっと規模が大きい

そうしないと「安定」が得られないからだ

なのにスキマ程度の穴でつなぐというのは。。。。何か欠落している証拠だ


「こんにちわ」

ゆらゆらと揺れる好き間の出入り口を睨みながら思案に暮れていた『こんごう』の前に。。。

柔らかく上部に結んだ二つの髪の少女と,長いサラサラの髪がまだ真新しい天使の輪を輝かせている少女が立っていた


「こっ。。。こんにちわ。。。であります」

おもわず変な返事を返してしまった『こんごう』だったがココにいる人といえば!!

思い出たしたように足を揃えて敬礼した


「初めましてであります!!海上自衛隊DDGこんごうであります!!」

大きな返答に

姉の後ろに隠れる『零様(近江真名)』と余計に固まってしまった『小雪様(信濃真名)』



「こんにちわ。。。。信濃の艦魂,小雪です」

「。。。。近江の零です。。。」


目の前で固まってしまう大和型2姉妹

実は彼女達以上に『こんごう』も固まっていた

勢いよく挨拶したはいいが。。。。

巨大戦艦の艦魂ともあれば。。。

そして

栄光の帝国海軍の姉様達とあればという思いこみ(藁)

もともと頭の固い『こんごう』はその思いこみから,目の前にいる可愛いかたまりにどう対処していいかと迷ってしまっているが


小雪様 「あの。。。お茶会に行こうと」

こんごう 「はい!!お迎えにあがりました!!」

零様 「。。。こわいよ。。。この人」

くそ真面目に敬礼のまましゃべる『こんごう』に怯える2人


小雪様 「あの。。。ココどこ?」超涙目の状態

こんごう 「時空航路の別ルートと思われます!!」

零様 「おねーちゃんこの人怖い〜〜〜」半泣き状態

こんごう 「こわい。。。ですか。。。」

小雪様 「あの。。。もうちょっと普通にしゃべってもらえませんか」涙目崩壊寸前

こんごう 「了解しました!!」

小雪様 「普通。。。。」

こんごう 「普通であります!!」

零様 「こわいよぉぉぉ〜〜この人怖い〜〜」涙目崩壊!!


こんごう 「あああっ〜〜どっどっとどうしたら。。。」

自分の妹にさえまともな関係を持てていない『こんごう』には予想外にして攻略不可能な展開になっていた




その頃

鳥籠のお茶会ステージに珍客が訪れていた

甚だしく評判の悪い『あめ』姉妹の一人『きりさめ』はパソコン片手に姉妹達に挨拶していた


きりさめ 「異常な事態が発生してるんダゼ」

突然来た『きりさめ』は前に大和姉妹がいる事もかまわず『むらさめ』に話しかけたが

返事は拳だった


むらさめ 「お客様の前で何しとんじゃ!!テメエ!!」

もう一歩遅かったら『くらま』司令か。。。。『桔梗様(武蔵真名)』に蹴りをくらっていた事だろう

突然訪れて日常会話とは。。。やっぱり非常識な『あめ』姉妹


くらま 「まったく。。。礼儀がなっていないぞ!!」

撫子様 「かわった方がおおいのですねぇ」

笑ってはいるが。。。。

むらさめ 「すいません!!このアホ妹!!」

桔梗様 「やっぱ,あめ姉妹ってのはろくなのおらへんな」

頭から煙りを出して沈黙していた『きりさめ』だったが急にエンジンが掛かったように起きると敬礼した


きりさめ 「『くらま』司令にお伝えしたい事があります!!」

くらま 「こんなところで任務をするな!!下がれ!!」

不機嫌に輪を掛けた『くらま』は手で下がれと合図したが

桔梗様は『きりさめ』の持っている少しばかり古いパソコンが気になったご様子


桔梗様 「ちょっとパソコン見せろや」

きりさめ 「いいゼ!」

切り返しは早かったが状況判断に置いて言葉使い失格な『きりさめ』に鉄拳の準備をしてい『くらま』だったが


桔梗様 「なんだこれ!!零と小雪だ!!」

開かれたパソコンの中にへんてこな図面とアイコンが書き込まれている

撫子様 「あらあらあら。。。零と小雪のアイコンね」

桔梗様 「やい!!きりさめ!!コレなんだ!!」

きりさめ 「時空航路の航行図ダゼ」


今回の時空航路の作成には『きりさめ』と『ゆうだち』が関わっていた

二人とも揃ってヲタクだ(爆)『きりさめ』hard.soft区別のないメカフェチ

『ゆうだち』science.technology等々のマッド

くらま 「何故,本線航路と別の場所にアイコンが出ているのだ?」

きりさめ 「異常事態だからダゼ」

桔梗様 「異常て。。。。」

きりさめ 「穴あいたようダゼ」

くらま 「なんだと?穴が開いたとは?」

きりさめ 「誰かが航路にclothchargeしたっぽいんダゼ」

桔梗様 「それって。。。何だ!!!何だぁぁぁ!!テメエ!!!小雪と零はどーなったんだ!!!」


興奮の桔梗様『きりさめ』の襟首を掴まえて怒鳴る

頭をクランクランシンクさせながら

きりさめ 「違法航路のスポットに落ちたらしいゼェ。。。。」

桔梗様 「スポットに落ちただぁ!!!」

撫子様 「まあ。。。そんな事もあるんですね」

桔梗様 「姉さん!!落ち着いてる場合じゃー」


くらま 「緊急事態発生!!!全護衛艦隊に出動命令!!」


お茶会開催から1時間!!!事態は急転する

どうなるお茶会!!いいのかこれで!!






なかなか進まなかったお茶会編(藁)ですが。。。ポロリはあるんでしようか(爆)


それにしましても

今回ココにいたるまでに

大変たくさんの先生方にご迷惑をかけ

たくさんの声援と温かい励ましを頂いたことで作品を投げ出さずにすんだことに感謝します

一時はホントに。。。もう止めてしまおうかと思ったりもしました

全部を書き溜めて

出来上がったものを一度に掲載して終わって終おうと考えたりもしましたが

そんなに神経が持つともおもえなく本当にヤバイ状態だったところを

先生方から読者の皆さんに助けて頂きました


ホントにありがとうございました

まだしばらく書いていけそうです

頑張ります


火星明楽

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