第二十二話 妹の笑顔
私の書く艦魂は正しい設定を破壊している
という注意を頂きました
事実これからも正しいといわれる設定からは逸脱してしまう可能性が高いためココに但し書きをさせて頂きます。。。。長ったらしい文でごめんなさい〜〜〜(涙)
今回だけ。。。ココも読んでくださいませ。。。。
<要注意事項>
原初正しい艦魂設定を愛する方には不快な部分が多々ありますのでご注意下さい
誤って読んでしまったとしても一切の責任はとれません
この小説における「艦魂」は筆者である火星明楽が正しい設定とは別に諸説を織り交ぜて創作したものです
ですので
また,この小説では,これ以降の章で艦魂そのもの「正体」探る部分が出てきますが
以降書かれる「艦魂」の設定は
私,火星明楽の個人史家としての研究の元に書かれております
故に,ココで書かれるこの設定は私個人の物であるため,他所で使うことを厳重に禁止します
(私の著作,権利とします)
理由としましては
個人レベルで調べられた「民俗学」を基本とした仮説で話しを構築しているため,本来あるべき民俗学や考古学の発展の妨げとなってはいけない事,不必要な誤訳,誤解を世に広めてはいけないと,考えているからであります
また,これから艦魂小説を書こうとされる方に無用な混乱をさせないための処置と理解してたください
けして占有を目的としての禁止事項でない事をご理解ください
これはあくまでこの「艦魂物語」内での設定としての存在でありますから,事実とは一切の関わりはなく,実在の民俗学にも考古学にも一切関わりはありません
あくまでこの小説内における仮説に基づいた設定である事をご理解ください
また
設定の作成に関わった「民俗学」等々の資料に関するご質問にはお答えできません
それらを元に誤解,誤訳を増やすことを望んではいないからです
色々と堅苦しい注意書きとなりましたが
純然に物語として楽しんで頂ける事を心から願います
艦魂物語,魂の軌跡〜こんごう〜
筆者
火星明楽
「見てしまったの。。。。」
煉瓦倉庫2階にある艦魂達の部屋に続く通路
窓のない倉庫の一番端はお風呂から出てきた所に少しだけ広いスペースをもっている
課業が終われば汗を流しに艦魂達はココに集まるが
長風呂も多いため,ちょっとした,社交場にもなっている
籐のイスに座ってお茶を啜っていた姉妹達に話しかけたのは『はるゆき』。。『ゆき』型汎用護衛艦という艦魂姉妹での一大勢力ともいえる11姉妹の七女
前は一本に引っ詰めた髪をしていたが,風呂前という事もあり解かれた髪はショートの茶色,毛先だけが内側に巻いている癖毛の彼女は,上目遣いのイタズラっぽい目つきのまま姉の前のイスに座った
「何があったの?」
意味深な台詞とともにお風呂道具を足もとに置いた妹を見る姉の『いそゆき』は六女,佐世保では一番上の姉になる
すでに風呂から上がった彼女は真っ黒な髪を,蝶をかたどった鼈甲のバレッタで纏めた姿で,ラムネを口に聞いた
「今度のはスゴイよ」
主語の抜けた会話
いかにも女らしいはじまりで姉妹は顔をさらに近づけて話し出した
「『ちょうかい』二佐なんだけど。。。」
艦魂達には階級がある。。。。が
戦争があった頃のように厳格な規則に基づいてあるわけではないため割と忘れられがちなのだがココ佐世保ではかなり厳しく守られている
『ゆき』姉妹達艦艇から見たら『ちょうかい』は10年以上も年下で実質のクラスは一緒なのだが
それとは別に仕事の重さでつけられる階級で上司という事になる
『ちょうかい』は最新鋭のDDG,ミサイル護衛艦で将来的にも「旗艦」になるクラス
「二佐はいいだろ?休憩中なんだし」
方眉をチョイと上げた『いそゆき』は小声で返した
「まあまあ。。。スゴイ事になってるよ」
「もったいぶるなよ」
自分の肩を突く姉の前『はるゆき』は課業が終わった後の出来事を話し始めた
走ること
それはどんな運動に置いても切り離せない基本のような物
佐世保ではほぼ毎日,激走型持久走が行われている
だけど
逆にいえばそれしかない。。。。「人」と違って身体的な機能の得手不得手を決めるのは姿である自身の決める事でなく「艦」の持つ力で決まる艦魂にとって走るというのは「心」をひたすら鍛える作業というだけの事だから
今日もよく晴れた秋晴れの下での持久走を終えた『こんごう』は足早く部屋に戻ってしまっていた
いつもなら無口な姉の姿を後ろから見ている『ちょうかい』だったが今日は違った
煉瓦倉庫の寄宿舎に姉の姿が消えたのを確認すると
青服のまま街路樹の道を突っ切り,基地から町に出るゲート近くにある金網のところまで走っていた
金網の塀には外側に向かった有刺鉄線が張られている
棘を輝かす太陽の下,粉川が待っていた『ちょうかい』は姿を確認すると飛ぶような喜びと共に。。。。
それを『はるゆき』は偶然見ていた
激走でダラダラになった『はるゆき』は,お風呂が込む時間を嫌って木陰で体を冷却していたのだ
「で?」
すでに関心のまっただ中に入った『いそゆき』の顔は,妹と鼻があたるほどに近づいていた
空気を奪い合うほどに共有する間合いの中で聞く
姉の関心が自分に向いたことで話題の主導権を握った『はるゆき』はニヤリと笑って続けた
「『ちょうかい』がね。。買ってぇ〜〜って,ねだってた」
「何!?」
「それに男の方は。。。鼻の下伸ばしてた」
「何と!!」
輝く瞳
人差し指を立てた『はるゆき』は自分の予想を話した
ぶっちゃけた話し
疲れきって木陰で休んでいた『はるゆき』のレーダーは自分から数百メートル離れていた豆粒の程度の影である『ちょうかい』と粉川の会話を正確に聞き取る事など出来ていなかった
部分的に聞き取った言葉に自分の「理想的予想」を当てはめ
呆然と見ていた景色の中,卓越した妄想が突っ走りあられもない話しと変化していた
要約するならば
自分に冷たい姉に対しての挑戦か?『ちょうかい』が粉川を狙ってアタックしているというもの
根も葉もなければ,茎もウテナもないような話しだ
「『こんごう』一佐はあんまり『ちょうかい』と仲良くないじゃん。。。そこにあの男,登場!!日頃,自分に冷たい姉の男に『ちょうかい』手を出す!!!」
「あの「人」って。。。やっぱり『こんごう』と付き合ってるの?」
「付き合ってると見たね。。。。」
どこで?
誰もが聞きたくなる
ココ佐世保に着いて粉川と『こんごう』が一緒にいたところなど一度もないハズなのに
横須賀から共に回航してきたという話しの拡大解釈妄想版は激走ばりにの猛威を振るっている
そして
誰かが言葉に出して言う訳ではなかったが
妹に対してぶっきらぼうな対応をする『こんごう』は『ちょうかい』と仲が悪いのではと予想をし
「しかも。。。相手の男もまんざらじゃなかった所を見ると。。実はかなり年下が好きなんだよ!!」
「やばくないか。。。」
ヤバイなどと良いながらも噂にノリノリの姉『いそゆき』
粉川のイメージ
粉川がどういう人間なのか?
50年ぶりではと言われる「人」の存在に対して司令の『くらま』は関心を示さなかった
そのせいで艦魂達の前,。。。ほぼ全ての艦魂が初めて自分たちを見る事のできる「人」と出会ったというのに「何者」であるか?という情報は一切与えられていなかった
それが『はるゆき』の素敵な妄想に拍車をかけていた
「あの男は。。年下の可愛い艦魂と。。。。ハアハアするのよ。。。」
「まさか。。。」
それこそ「噂」程度でしかない人物像は『はるゆき』の脳によって危険な男に変換されていた
「私も買ってぇ〜〜って言う〜〜〜」
姉二人が興奮の坩堝の中にいる会話にお風呂から上がったばかり,濡れた髪にタオルを巻き付けた末っ子『あさゆき』が会話を端折った台詞を言った
「バカ!!」
急に間を割られた『いそゆき』は驚いたが,高まる自分の興奮を抑える事は出来ていない
「奪い愛!秋だね!!」
理解して言っているか?『あさゆき』の顔は笑顔で輝く
「あんた。。。人間の男はアブナイよ〜〜」
熱を上げた『はるゆき』はいつものように体をくねらせながら口元を隠して
「よくさ。。。裸の女の写真とか見てるしねぇ。。。」
「いやぁぁぁ」
声を殺した笑いと悲鳴でイスの上に体を浮かせて足踏みする
二人は向き直ると
「『ちょうかい』!!この泥棒猫!!私の男に手をだすなんて!!」
『いそゆき』は『こんごう』のまねをして寸劇を始めた
「ふん!彼,お姉ちゃんより私の方が好きだって!言ってくれたわ!!」
間髪開けぬ素晴らしい合いの手『はるゆき』が『ちょうかい』のまねをする
「ふざけないで!!私と彼は海の上で愛し合った仲なのよ!!」
髪を振り乱し
妹を見下すように指差す姿
斜に構えたカッコはいよいよ『こんごう』の普段の立ち絵だ
「ふん!!アレはお遊びよ!!哀れねそんな事にも気がつけないなんて!!」
差し出された指をキリキリと握りしめ目線を会わせ「火花」のまねを『あさゆき』がする
「バッチバッチ!!」
「離れなさーーい!!姉の言うことが聞けないの!!キィーーーー!!許さないわ『ちょうかい』!!」
大きく手を開き怒りのポーズ
「イヤよ『こんごう』姉さんこそ手を引いてちょうだい!!妹だからって遠慮なんかしないもんね!!!」
迎え撃つように手を掴むと三人は飛び上がって
「きゃあ〜〜〜〜〜」
そこに風呂から上がって目の前の寸劇を見ていた『むらさめ』と『いかづち』『はるさめ』が
「きゃああああ(棒読み)」
風呂上がりの熱気と高潮した気持ちが一瞬にして冷める三人
「またオマエらか!!!くだらねー事,くっちゃべってんじゃねぇ!!」
すっかり自分たちの世界に没頭して風呂の出入り口を塞いでいたなんて気がつきもしなかった『ゆき』三姉妹はその場にすっころんだまま敬礼した
「すっすっすいません。。。」
聞かれてはイケナイ禁断の愛の話し,真っ赤な顔で立ち上がると最敬礼して
「申し訳ありませんでした。。。」
小さく
頭にタオルを置いたまま呆れた表情の『いかづち』は直立不動になっている『いそゆき』の肩を叩くとチョイと親指を後ろに向けて
「言い訳は。。。後ろの人にな。。。」
湯の暖簾の向こう
怒りなのか?湯アタリなのか?顔を真っ赤にして,プルプルと小刻みに揺れる『こんごう』
「私と。。。汚染生物がなんだと?」
秋を通り越した真冬の突風,絶対零度の射程が目の前に君臨する
最早,血の気も無くなった『ゆき』姉妹達は涙目
まさかまさかの。。。。「鬼のこんごう」がココにいる
強く握りしめた拳の姿で
「制裁は受けとけ。。。。」
固まった三人の間を冷ややかに抜ける『むらさめ』の言葉の後。。。。
廊下には大きな爆弾の落ちる音が3つ響いた
「アホ姉妹やな。。。。」
『いかづち』は鼻に掛かった眼鏡の奥で呆れた目をしながらつぶやいた
色恋の話しになると自分を見失うほどの状態に陥る事で『ゆき』姉妹は有名だった
『むらさめ』が産まれる前からいる姉妹達だが。。。。
女所帯が長すぎる弊害みたいなものを如実に現している
「なんで,あいつらって演じるのかな?」
まったくだ
『むらさめ』はタオルを肩に掛けたまま顔をしかめた
見ている方が恥ずかしくなる。。。
人の目を憚る事を忘れて「恋愛活劇」に没頭する姿は笑えるという事を通り越している
「ね〜〜〜粉川って誰ぇ〜〜」
『むらさめ』のお風呂セットを一緒に持って歩く『はるさめ』が湯船にとろけた体をフニャフニャさせながら
ゆる〜〜い声で聞いた
「横須賀から「監視員」で乗船してきた「人」だよ」
肩にタオルを乗せ,コーヒー牛乳を飲みながらこたえた
「「人」かぁ〜〜珍しいねぇ〜〜横須賀ぁ〜〜〜『しらね』さん元気〜〜〜」
質問の答えなど,すでにどうでもいいのか?無造作に茶髪を下ろした『はるさめ』はフラフラ揺れて『いかづち』にもたれかかる
「姉はん。。。フラフラすんなや」
どうしてこんなに個体差の激しい姉妹なのかと『いかづち』本人が疑問に思うほどに誰とも性格が一致しない『あめ』姉妹
『むらさめ』は常にテンションの高い体育会系,ガテン系なのに,年の差も少ないすぐ下の妹である『はるさめ』は常にこういう,ゆる〜〜いテンションだ
のんびりが信条なのか
どんな事が起こっても慌てない(任務は別)。。。ほっておくとよくお風呂に沈んでいる
それに
定期的に佐世保に来る四女の『きりさめ』なんかは,機械が友達と言うほどのメカフェチで常に何か改造していて
煉瓦倉庫に監部庁舎の電話線を引っ張ってきた強者だ
(どういう原理なのかは内緒)
もちろん無許可。。。。護衛艦隊の艦魂は「リンクシリーズ」が頭の中に入っているから繋がりさえすれば(非常事態とか通常演習などでオープンリンクすれば)会話など日本の何処にいてもできるのだが,それ以外。。。プライベートで繋がりたい。。。。またハイパーリンクを持たない姉妹達のためにとかと言って煉瓦倉庫の壁に電話機を接続したのだ
他の基地にも寄港するたびに違法改造を施したため,今ではどの姉妹も電話で繋がる方法を知っている
もちろん電話代はこっそり監部庁舎ツケて。。。。(と言っても明細にも残らない使途だからバレる事はないようだ)
「それにしても。。なして『鳥さん(ちょうかい)』は,粉川はんと一緒にいたのかね?」
(注.『ちょうかい』の名前は漢字にすると鳥海である,『いかづち』はあだ名をつけて『鳥さん』として呼んでいる)
長いすに座った途端,頭を自分の肩にのっけて居眠りに入ろうとする『はるさめ』を押しながら
「しらねーよ」
足を放り出し座る『むらさめ』は関心なさそうだったが,3人に追いついた『こんごう』はそうはいかなかった
「汚染生物。。。。。」
まさか自分の妹が粉川と会話していたなど
耳を疑う出来事だった
立ったまま一階からの上がり階段を見つめる姿。。。まだ戻ってこない『ちょうかい』を待っているのは見ればわかる
「あんがい『ゆき』姉妹の言う事も間違ってねーんじゃねーか?粉川と相性が良くて,付き合い始めたとか?」
『むらさめ』の顔は正面を向いている
背中の側にいる『こんごう』の顔を窓ガラスの反射で伺いながら顔をニヤリとさせた
堅物護衛艦の反応を試した
「付き合う。。。。。」
重い雰囲気に一気に染まる『こんごう』
「アホな事言うなや」
姉の突拍子もない発言に即座に釘を刺した『いかづち』は自分の前で額に亀裂を走らせ「怒り」と「焦り」を蓄積し始めた『こんごう』をなだめた
「どうせいつもの事やで。。。粉川はんが『鳥さん(ちょうかい)』に挨拶がてらに話しかけたとちゃうのん?」
『こんごう』は血走った目で『いかづち』を見る
「話しかけた。。。。それだけ?」
その姿をしっかり背中越しのガラスの目で見ている『むらさめ』は嗾けるように
「でも笑ってたんだろ?『ちょうかい』。。。結構「人」との相性が」
「やめえな。。。」
姉の意図を理解しながらも風呂上がりに問題発生!!
などという事態が来ることを嫌がる『いかづち』は手で思案を払うように言葉尻を蹴飛ばす
だが
それさえも楽しむように
「艦魂と「人」のカップル成立かぁ」
「いいねぇ〜〜〜カップルンルン〜〜〜」
どこまで話しを聞いていたのかワカラナイ合いの手『はるさめ』はトロンとした目で『こんごう』を見ながら
「ちゅーしてたりぃ〜〜」
「やめえ!」
口をタコのように尖らせながらもゆる〜〜く笑う『はるさめ』の顔を『いかづち』が抑えて
「挨拶しただけやで。。。。多分」
「痛いよぉ〜〜〜『いかづち』ぃ〜〜〜」
手のひらで押さえられた顔。。。スキマから漏れるような間抜けな声の向こう
「。。。『ちょうかい』に限って。。。そんな事」
『いかづち』の制止はすでに手遅れになっていた
『こんごう』は粉川の図々しさを思い知っている。。。。何度も自分に声をかけ
あれほどドツキ倒したのに挫けず前に来る「人」並外れた根性で。。。
もし。。。。小さな妹に。。。。
手が震える
「だけどさ。。。『こんごう』は妹,可愛がってないんだから別にいいじゃねーか。。。粉川が世話してくれるなら」
顎を突き出した顔
振り向いた『むらさめ』は挑戦的な目で伝えた
「私が。。。『ちょうかい』を可愛がってない。。。だと?」
「おおうよ。。。だってせっかく同じ港にいるのに,無視され続けたんじゃ辛いぜ」
「『むらさめ』そないな言い方せんでも」
「無視。。。した。。。」
最早『こんごう』の頭の中に『いかづち』の言葉は入ってこなくなっていた
『むらさめ』の言葉は腹の立つ事が十分に含まれていたが
否定は出来なかった
事実。。。妹とどう顔を合わせていいか。。。いつの間にか解らなくなっていた
無視してきた訳ではなかったが。。。。
じゃ。。。
最近いつ。。。。『ちょうかい』としゃべった?。。。。。思い出せない
その時。。。。妹はどんな顔をしてた?
思い出せない。。。。。
姉達を黙らせながら笑顔で「冗談やで」と言おうとした『いかづち』の前『こんごう』は走った
「ちょ!!『こんごう』!!」
手渡そうとしていた水のボトルは,すでにその場から消えた影の跡に落ちて転る
「あ。。。。」
階段を一足飛びしたのか下の階の艦魂立ちの驚きの声が聞こえる
「アホ!!!なして嗾けるの!!!」
爆走で姿を消した『こんごう』の姿をイスから首だけ逆さに垂らした『むらさめ』は人差し指でチッチッとすると答えた
「アイツがあんまりかてーから『ちょうかい』も遠慮しちまってんだろ?これで『こんごう』がぶつかって行くきっかけってのが出来たべ?」
「硬いよねぇ〜〜『こんごう』ちゃん〜〜硬い〜〜〜」
『いかづち』は間抜けた二人の姉の前で仁王立ちをして聞いた
「で。。。ぶつかっていって,粉川はんはどうなるの?」
「。。。。。。」
そこは忘れていた
そういう顔をする『むらさめ』と,それさえどうだっていいのか頭を右左とユラユラさせる『はるさめ』
このまま『ちょうかい』と会話していただけで。。。。天高く殴り飛ばされる事にでもなれば。。。
『むらさめ』は咳払いをして
「発展には。。。。犠牲もつきものだし」
「アホ。。。。」
『いかづち』は大きな溜息をつきながら『こんごう』が走っていった先をただ見つめた
全速力の『こんごう』はせっかく風呂で磨いたばかりの肌に玉の汗を飛び散らせていた
秋の空はだいぶんと傾き,小涼しい風が肌を冷やしていくが,心の方はもって冷や汗でいっぱいに満ちていた
自分的には。。。。妹に良くしていた「つもり」だった
だが
客観的に言われてみれば,あまりに溝のある姉妹なのかもしれない
走りながらも頭を振る
自分でもどうしていいかワカラナイ事が多すぎた
。。。。『ちょうかい』。。。。。
あっという間に『はるゆき』が妹を目撃したというポイント近くまで来ていた
息を整える
もしも。。。。。あの『ゆき』姉妹が言っていたように『ちょうかい』が粉川と付き合うなんて言い出したら。。。。そんな汚らわしい事を許せる訳がない
幼気で可愛い妹を守るために鬼にでもなる覚悟は出来ていた
拳に力がこもる
レーダーを全方位にこんなに焦っている
フェイズドアレイレーダーのラインを持つ輝くの目がは周囲を捜査する
全身にじっとりとした熱
息を整えながらの散策
「『ちょうかい』!!」
冷たい風のふく中
国道35号に面した側にある騒がしい基地出入り口近くの金網に『ちょうかい』は青服のまま,.ぼんやりと空を眺めていた
少ない風邪に揺れる髪のまま
『こんごう』はホッとした
粉川が近くにいない事に強張っていた心が緩みレーダーの光を落とすと
もう一度周りを見回した
こんな吹きっさらしに。。。まだ汗も洗い落としていない『ちょうかい』は何をしているのか?
とにかく
早く確保と足が前に出たとき
「おまたせ!!」
聞き慣れた害虫の声に。。。。。拳に力が宿る
「おのれ!!汚染生物!!」
『こんごう』はダッシュ力を加えた殴打で粉川を妹との間から吹き飛ばすつもりで一歩前に出たが。。。それ以上足を前に進める事はできなかった
粉川を見つめる
妹の笑顔
それは今まで『こんごう』に見せたことのない微笑み
見えすぎる目に映った笑みは。。。嘘の笑いではなかった。。。
『ちょうかい』は。。。。粉川と。。。。お互いを向きあわせ笑顔で会話をしている
勢い前に出ていた足は素直に後ろに下がり
そのまま木陰に『こんごう』は尻餅をついて倒れた
ノイズ混じりに聞こえる『ちょうかい』の声は。。。。明るく少女という年齢にみあった高い笑い声
「ありがとうございます!!」
手渡された何かにお礼をする『ちょうかい』。。。。。
小躍りして渡された何かに喜ぶ『ちょうかい』。。。。。
木に頭をコツコツと小さくぶつける『こんごう』にとって。。。。。
見たことも聞いたこともない妹の姿と声
手を取って笑いを分かち合う粉川
「驚くかな。。。。僕たちが一緒に。。。。たら!!」
聞こえない。。。聞きたくない
『こんごう』は首を振った
現実の前に耳を塞いでしゃがみ込んで
そのまま二人が隊舎に消えて行くまで動かなかった
夕暮れが空を赤く染め始めた頃
不意に出てしまった涙と共に『こんごう』はトボトボと部屋に戻ると
悲しくて誰にも会わないままベッドに飛び込んだ
カセイウラバナダイアルVo22。。。。反省
前書きにも大仰な事を書いたように反省中です
「艦魂」の設定を破壊している
原初の設定からすると私の書いている物は大きく逸脱していて美しくないというご意見でした
好き勝手とまではいきませんが
確かに自分の「情報」を織り交ぜ書いてきたわけですから
そこはスイマセンでしたと言うしかないのですが。。。。
私はこれからも逸脱してしまうと思うので前書きのような但し書きをしたという次第です
黒鉄元帥が当初の艦魂の設定というのを挙げていらっしゃいましたが
私はきっともっと,かけ離れていってしまうと思います
元帥にも断りはいれてありますが。。。。
不快に思われる方もいると思われますから
その場合はもうお読みにならない方が良いとをお薦めします
作品事態は最後まで出来ているので最後まで書いていこうー!!と思ってます
それでも応援してくださる方がいるなら心強いです
この件では
黒鉄先生に草薙先生と迷惑をおかけしました
それ以外にも原初艦魂の設定をもって小説を書いておられる艦魂作家の先生達にもお詫び致します
至らぬ力で書いた後書きで迷惑をかけましたが
草薙先生には続きを書いても良いと言われているので頑張って番外の「お茶会」も書いていことおもっております!!!
色々と騒がせてしまった事に反省しつつ
これからもがんばっていこうと思いますのでよろしくお願いします!!!
火星明楽