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第十五話 生誕の楔

「アホでしたなぁ……」


 滝を通り越した汗で制服のブラウスが肌に張り付いた気持ちの悪さにボタンを弛めながら、秋の空のしたに発熱と蒸気を揺らし『いかづち』は「解散」の号令で終わったばかりの「修練走」を振り返った最初の感想をもらした。

10周を回ったところから急に「一緒に走る」と飛び込んできた粉川は20周を向かえたところで

司令部の呼び出しに掛かってしまい、今はココにはいなかったが


「戻ったら!!! 絶対最後まで走るから!!」


 息が上がり絶え絶えの呼吸の中にも

空元気フル回転の声で、誰に聞かせたいのか?大声で叫ぶとこれまた走って司令部室に向かっていった。

その後ろ姿はすでに膝が笑っているようにも見えて

思いだした姿に『いかづち』はアホなと漏らしたのだ


 緊迫していた「修練走」は終了の合図で場を緩め、並んだ艦魂たちも解散になり夕刻の時までの自由時間に入っていた。

そもそも朝の課業が終われば、よほどの事がないかぎり昼からの時間は自由に過ごしている艦魂達だ

終わりと同時に煉瓦倉庫にある部屋に戻る者達、護衛艦隊に挨拶する者たちとバラバラと行動していた


「何がしたいんかな? わてらと一緒に走るなんて無謀やで」


 外にもかかわらずブラウスを脱ぎブラトップだけの状態になった『むらさめ』は立ち上がる自分の湯気の中で言った

そもそも海の上を30ノットで走る護衛艦の艦魂。

修練走の50周を二時間で走るなんて考えて見なくても「人」には無理な話だ

そんな

足もとには『さわぎり』自分が走った訳ではないが、人の背中に何もせず、激走の負担にならず背負われ続けるのもかなり辛いのか、汗にまみれて肩で息していた。



「粉川って、今まで見た「人」と……なんか違う感じだな」


 キラキラお目々の後輩の艦魂に囲まれ、どうぞどうぞと水やらタオルを差し出され「様付き」で騒がれる中、ボトルを口に付けていた『むらさめ』は腰に手を当てた仁王立ちで司令部室のある煉瓦倉庫上部を見ていた。


「ほんなん……50年も、わてらを見られた人がおらんから変わって見えるんとちゃうのん?」

 『さわぎり』の背中をさする『いかづち』に『むらさめ』はまとまらない考えを振り払いながらタオルを投げた。


「荷物持って風呂いくるぜ!!」

「わてもそうしょ」


 タオルを肩に羽織った。

誰に言うでもない独り言で、乱れた考えの中をまとめながら。

「……戦争終わってから50年以上か、なんでそないに「人」と会うことがなかったのかな?」

 振り向き

粉川が走っていった道をみながらつぶやいた。



「お疲れ様でした。『こんごう』一左……いえ、あの……お姉ちゃん」


 立ったまま息を整えていた『こんごう』にタオルと水を差しだしたのは『ちょうかい』だった。

身の丈は『こんごう』に比べると10センチは低く、髪も黒のショートヘア

ただ二人が同型の姉妹である事を現す「青い目」が際だって見える。

『こんごう』は笑顔の妹から差し出されたタオルを見つめた

他の護衛艦達と変わらず汗で肌に張り付いたブラウスの胸ボタンをはずす姉に


「風邪ひかないように早くお風呂に行こう!」


 努めて明るく『ちょうかい』は話しかけるが『こんごう』は目で妹を見るだけで声をかけようとはしない。

走ることで赤くなった顔だが、表情には「暖かさ」がない。

どこか張りつめたように暗い眼差しのままタオルだけ受け取ると背を向けそのまま光の中に消えていった


「酷いな、せっかくタオルまで持ってきたのに無言なんて」

『ちょうかい』の隣に立っていた『はまな』が目の前、妹に対しても無言のまま消えていった『こんごう』の姿に愚痴った。


「いいの、お姉ちゃん今、きっといっぱいいっぱいだから」


 『ちょうかい』は今度の回航で色々な事が有りすぎた護衛艦隊の心を気遣った。

自分がその場に居合わせていたとしても、きっと同じぐらい目の回る事だっだろうと思っていた


「そんなもんかね。姉妹なんだからもっと仲良くしててもいいじゃない」


 『はまな』は三人姉妹の一番末の子。

だけど「補給艦」という任務の関係上滅多に会うことのできない姉妹だから、近くにいる同型艦の「姉」の存在を羨ましく思っていた。


「お姉ちゃんは責任感が強すぎるから、私達の分まで色々背負い込んじゃって大変なの」


 批判的な顔を惜しみなく見せている『はまな』に対して『ちょうかい』は精一杯の作り笑みを見せていた。

本心では姉の持つ数多の問題を手伝いたいと考えつつも、差し出がましいという思い。


「今日はお疲れ様だから、ねっ」


 これ以上の非難は止めて、そう言い聞かすような言葉を残しもう一つの任務に走った


「『しまかぜ』一佐! 回航お疲れ様でございました!」


 両手をあげ伸びをしていた『しまかぜ』は自分の前で敬礼する『ちょうかい』に笑顔で答えた。

「あ〜〜お疲れ様! 課業は終わりよ、普通に普通に!」

 堅苦しい敬礼を解くようにと手で合図。

汗で濡れた服の上にバスタオルを掛けた『しまかぜ』は息を十分に整えた様子で


「変わりなく、元気そうねみんな」


 この基地でもお姉さんとして慕われている『しまかぜ』

「はい!! みな変わりなく頑張っております!!」


 伸びた手をおろし微笑む『しまかぜ』は

「お土産はないわよ」と笑った

「いえ、そうではないのですが。『くらま』司令からです! 修練走が終わったら司令室に来るようにとの事です!」


 何もいわれなくても手荷物を運ぶ『はまな』と『ちょうかい』に挟まれながら歩く『しまかぜ』は腕時計を見ながら答えた。


「15分後でいいかしら?」

 両手をあげ汗まみれでシャワー必須とゼスチャーして見せた

「了解です!! 今電信しておきます」

 電信

その言葉と同時に『ちょうかい』の目が一瞬だけ光った

艦魂の持つ「テレパス」の力は現代では不可思議語の領域を抜け「電信」という堅苦しい言葉になっていたが便利な能力である事にかわりなかった。





「ご苦労だった」


 司令室に入った『しまかぜ』の前『くらま』は相変わらずの制服姿で窓の外を眺めながら背中越しに言った。

煉瓦倉庫。

佐世保基地の中にいくつも並ぶ骨董級の倉庫の一つが艦魂達が寝泊まりする寄宿舎兼司令部になっていた

もちろん,この事は艦魂以外が知ることはなく「人」の目にはただの倉庫にしか見えないのが現実だ。


 部屋の中には執務用の大きなテーブルがポツンと置かれ、パソコンというような現代の必需品的な機械はない。

書棚には「大日本帝国海軍史」と黒表紙に金字で書かれた本。それに準ずるように並ぶ大東亜の戦争を戦った艦たちの本と写真と資料。

 テーブルの横には大きな「日本国国旗」と「自衛艦旗」が掲揚用のポールに着けられ並べられている。

近代艦艇の基地としては少し古ぼけた作りを感じさせるその部屋の中に、際だって古典を感じさせるものは飾られていた。

佐世保鎮守府の色あせた記章。


 古い海軍の時代をそのまま移築したような部屋。


「座ってくれ」


 まだ濡れた髪のままタオルを片手で隠すようにして立っていた『しまかぜ』に『くらま』は手で着座を促した。

「髪を拭きながらで良い」

対応はやわらかで部下に対するものとはあきらかに違っていた。


「君にまで修練走を科さね成らなかった事を」

「連帯責任!」


 まだ硬い謝罪の文句を並べる『くらま』の言葉を『しまかぜ』は遮った。


「いい運動になったわ、何もしないで年寄り扱いなんて御免だから」

「そう言ってくれると助かる」

 対面するソファーに腰を降ろした『くらま』は初めて苦笑いにも似た表情を見せた


 『しまかぜ』と『くらま』は少しのタイムラグをもってはいたが、同期の桜ともいえる仲だった。

お互い艦としての用途が違う『くらま』は誕生当時から各艦隊群の旗艦として産まれ

『しまかぜ』は護衛艦隊の要「ミサイル護衛艦」として産まれたためお互いが役割に徹していたが、気心しれる仲としても長い。

 テーブルに用意されていたポットから、琥珀色の紅茶を注ぐと『くらま』は慎重な面持ちに戻って。

「私が生きているうちは修練を墨守する方針は守りたいと思っている」

 今までも自分の使命としてきた言葉を口にした

「わかっているわ」

『しまかぜ』はその決意に変わらぬ同意を告げた

「ありがとう」

 『くらま』は同意を確認した事で少し安心したようだったが、表情に残る暗さは変わらなかった。

重い口調。


「『こんごう』の事だが……」


 ティーカップを持つと目の前に座る『しまかぜ』に書類を見せた。

それは「不審船事件」の経過を記したものだった。


「人の判断するところでの停止命令は絶対だ。それに対応する事のできない精神状態には問題があると、私は判断している」


 攻撃準備停止命令


 防衛庁から発された艦砲の許可とは別に下された間宮(間宮艦長)の命令。

その後の『こんごう』の状態を『くらま』はリンク16によって正確に把握していた

『こんごう』は、停止のという命令に耐えられなかった。

それどころか自分を律する事が出来ず『むらさめ』に殴打を加えるという失態まで晒していた。

 それが長じて海保の『はやと』に対する殴打事件を『むらさめ』が起こす事になった事は『くらま』の知るところになっていた。


「前にもこの事は討論したが『こんごう』の事は『しまかぜ』……君の負担にもなりかねない。人の下す「人事」にまで私達が介入する力は無いが、鎮守府にいる内は私が鍛え直す事もできる」

「ダメよ『くらま』、『こんごう』の事は私に任せる。そう決めたハズでしょ」


 慎重に言葉を選ぶように話す『くらま』に『しまかぜ』は笑顔ながらも断ずるように言った。


「しかし『こんごう』はあまりに不安定だ。これからの防衛の要となる艦があんな事ではこまる」

「忘れたの?」


 事実に基づく危惧。

司令官としての勤めを的確に果たそうとする『くらま』の前、優しい顔の中にも厳いしく瞳を光らせた『しまかぜ』はカップを下ろして



「真っ白な姿で産まれてきたあの子。その心を過剰な期待で押しつぶした時の事……忘れたわけじゃないでしょ」


 『くらま』は反論を口の中に留めた。

とても続けて責務を説くことは出来なかった。

カップを手にしたまま、テーブルの横に掲げられた自衛隊旗を見つめつぶやいた


「生誕の楔……」


 それは『こんごう』誕生の時の苦く不快な思い出。






 『こんごう』


その名前が艦魂達の元に届いたのは新造艦の進水式の一年も前だった。

名前の選定が人の手によってに成されている以上、自分たちが関わる事はないものではあったが


 この名はどの艦魂にとっても驚きと期待があった事は事実。

それ以上に「人」の反応は過剰だった。


 軍艦金剛


 かの戦争当時艦齢30という長きにわたり日本の国防を勤めた有名艦であり『大和』『武蔵』のように秘匿戦艦でなく、当時一般的に国民に知れ渡り、名ある戦艦としては一二を争う。


 国民的「戦艦」


 四姉妹の中でも特に有名であった「金剛」

人の過剰な反応は対岸の赤き国にも飛び火していた。

「大日本帝国海軍復活」

反日の煽り文句として「赤」を支援する新聞や無責任なマスコミに書き叩かれる事も多かった。

そんな中で「彼女」は産まれた。


「今度こそ……」


 青天に恵まれた中ではあったが、ドックヤードのコンクリート壁に走る風は冷たく変わり始めていた。

その日、進水式典のために寄港していた『しらね』はスカート姿にもかかわらず黒の詰め襟の制服を来て

今と比べると髪も幾分短く、バレッタでキレイに纏めた姿の彼女は興奮の中にいた。

何度も身だしなみを整え、目の前にある船体を羨望の眼差しで見ていた。


 艦魂たちには古い逸話があった


「同種・同業の任に着く船の魂は受け継がれる」


どこよりか逸話として流れていた話しではあったが、数多の艦魂達によって語り継がれたこの話しに『しらね』は希望を求めていた。

産まれおおよそ30年で「死」へ向かう艦魂たちにとって「魂の引き継ぎ」は希望であった

そして

その魂「戦艦金剛」という名を受け継ぐ『こんごう』に帝国海軍の艦魂が受け継がれる事が望みだった。

 「大東亜戦争」で死に絶えた栄えある帝国海軍の「魂」それが受け継がれる事は

海上自衛隊と名を変えたが自分たちが帝国海軍の末裔である事の立証

断絶によりまるで別物のように言われる自分たちにとっての生ききるべき指標だった


 だが現実はままならないもの


『しらね』の姉であるDDH(ヘリコプター搭載護衛艦)の『はるな』『ひえい』はその名を継ぎながらも帝国海軍の魂を心を継ぐことは出来ていなかった。

理由は「戦艦」という業務を継ぐ艦ではなかった事。そう『しらね』は考えていた

だからこそ、今度は願いが叶うのではという希望があった。


「今度は絶対に魂を継ぐわ。だって戦艦に匹敵するふねなんだから」


 「国の楯」イージスという名の艦。


今まで見た艦とは大きく違うシルエット。

巨大な艦橋部に着けられた最新鋭のレーダー「千里の瞳」を持つ戦いの女神はすぐそこに見えた。


ドックから海に向かい斜めに船体を構えた艦の舳先に「女神の結晶」が輝いて見える

灰色で無機質な「軍事に携わる船」を現す無彩の中、宝石のように輝く結晶

これは人には見ることのできない「魂」の誕生を現す光。

プリズムのように角張った円筒の中、まだ眠りの中にある裸の女神の姿は七色の光の中に隠されていた。


「防衛庁長官より。命名『こんごう』」


栄えある名前は音高く宣言され三貴子みはしらのうずのみこの銀の斧により支綱を切られた船体は滑らかに海へと滑り降りた。

くす玉が割れるその時を同じくして人には見えぬ女神の結晶は輝きを増して割れ、宝石の微塵を海に落とした。「日章旗」をはためかせた船首の元『こんごう』は目を開いた。


『こんごう』の前に世界が開かれた瞬間だった。




「ココ……何処?」

 眼前に広がり遠ざかって行く世界

多くの手に握られた「日の丸」困惑の顔の中にある「笑顔」と歓声の中にある「罵倒」

耳を押さえ揺れる光、あきらかに『こんごう』は混乱していた。

それは『しらね』の目にも映っていた。

魂を受け継いだのならこんな混乱はあり得ない。もっと威風堂々と日章旗をはためかせ。

自分達の魂をかつての海軍の繋ぐ旗手となるべき存在は目の前にある状況に震える少女に過ぎなかった。


「嘘よ……立って!!」


 『しらね』は叫び、隊列から飛び出した。

その声に反するように『こんごう』は困惑のまま船首に蹲った

震える体、裸の自分が何故ココにいるかがわからない。

たくさんの声と「心」が自分の中に入り込む

「帝国海軍」「軍国主義の復活」「期待の艦」「国の楯」

頭を抱え、耳を塞ぎ目を回し助けを探す。


何故……自分がココに産まれたのかと?


「『こんごう』!!」


 艦首に蹲った『こんごう』に声を掛けたのは、たまらぬ想いで艦体に飛び移った『しらね』だった。

「何? 何? これは何なの? 私……どうしてこんな所にいるの?」

「立って!!!」

 自分の目の前に現れた『しらね』にさえ恐れをなしている『こんごう』は裸の体を隠しながら叫んだ。


「ココは何処!!! なんでこんな所に私はいるの!!」


 『しらね』の目に大粒の涙

震える手が蹲ったままの『こんごう』の頬を平手で殴った。

「嘘よ!!! 嘘!! あなたは「金剛」! 戦艦金剛なのよ!! 立ってよ!!!」

「何? なんで……殴るの?」

 殴られた意味さえわからない『こんごう』は立つことなど出来なかった

ただ手を甲板につき『しらね』を睨み,わめき散らした


「怖いよ!!! 怖いよ!!! 何!! なんで怒るの! 私が何したの!!」


 産まれたばかりの魂。

何もわからない世界。

手探りで掴む冷たい風の中『こんごう』は己の身に起こった不条理に怒鳴った。

そんな姿にら遠慮する事なく『しらね』は相手の顔を掴まえると涙の目で怒鳴り返した。


「ねぇ! どうしてなの! 「金剛」の魂は……何処にあるの!! 帝国海軍の魂は何処にあるの!!」


 そのまま手を大きく振りかぶった。

苛立ちと怒り、どうにもならない気持ち。

大きかった期待に反した結果の前『しらね』は自分を律する事が出来なかった。

止められない切なる願い。


 音高い殴打。

目の前『しらね』の平手を受けたのは『はるな』だった。


「止めなさい『しらね』生まれ出でた者に対して無礼はなりませせん」

 『はるな』の目にも涙があった

それが殴打による痛みで出たものではないのは誰の目にもわかっていた


 期待と希望。

戦争による絶滅。断絶の向こうに新たに歩み出した護衛艦達の魂は帝国海軍のそれとは違うのか?

『しらね』は崩れた


「どうして!! どうして、わたくしたちは……魂を継げないの!!」

 『こんごう』の船首に集まった艦魂達にあったのは悲しみだった。

『しらね』は甲板に手を打ちつけて泣いた。


「わたくしが……わたくしこそが『こんごう』を継げば、魂は繋がったのよ!! きっと」

「『しらね』!!」

 『はるな』は妹の頬を張った

「無い事を願うなど、司令艦にあるまじき事!!」

「わたくしには強い意志があります!! この国を守らんとする意思が!!」

 バレットをおとし乱れた髪の下で『しらね』はふくれあがっていた想いを吐き出した。

「わたくしならば……戦艦金剛になれたのに……」と。


 そう、そもそも『こんごう』と言う名を継ぐのは『しらね』だった。

だが

人の意志がそれを変え彼女の名前は『しらね』になった。

産まれた時から司令官という任を義務づけられていた『しらね』にとってそれが一番の残念であり、それ故に希望はだれよりも大きかったのだ。


冷たい風の中、震える女神は自分誕生が一部の人と多くの艦魂に望まれていなかった事にただ呆然としていた。

誰も自分を見てはくれない……なのに産まれてしまった。


 涙でいっぱいの目は言葉を閉ざしてしまっていた。

『こんごう』と言う名前により、目の前で行われた争いが恐怖であり悲しみだった。



「初めまして、『こんごう』」


 名前を継ぐ者を巡る喧噪に体を小さくたたんだまま俯いた肩に制服を掛けた手は優しく『こんごう』の体を覆った。


「私は『しまかぜ』、貴女の姉よ」


 猜疑の顔しか向けられないほど傷ついた『こんごう』は、優しい笑みで自分の前に立った『しまかぜ』を信じる事ができなかったが、彼女の温かい胸に抱きしめられた事で凍えていた自分を知った。


「ごめんなさい。みんな貴女が産まれてくるのを待っていたのよ。それだけは信じて」


 優しい微笑みと温かい抱擁、震えた体を覆う。


『こんごう』は大きな声で泣いた。


それは悲しすぎる誕生の産声だった。


カセイウラバナダイアル〜〜〜(小説という世界)


今回。。。。『こんごう』生誕の話しに際して


艦魂の誕生という。。。。なんかとってもデリケートな部分を書きました

艦魂の設定についての論議は元帥のところで少しなされていた矢先だったので。。。

実は迷いましたが

これがないと後の話しを続けてイケナイので書きました


なので。。。。

ヒボシは。。。。はぐれ者の扱いを受けてしまう可能性もあります(涙)

後。。。

快くこの作品を読んでくだせさる皆様に,今回の誕生という設定は「艦魂物語」においての物でありますから,他所でこういう話しは無いのが当たり前ですから!!

他の先生に迷惑はかけないでくださいね〜〜〜

心からお願いします〜〜〜



さて次です。。。

期を取り直して。。メッセーから。。。


「イージス艦が出てくるのは楽しいのですが,あたごや,あしがらの名前を見ないのですが?あしがらは佐世保にいますよ〜〜」


そうです

現在H20『あしがら』は佐世保にいます!!が。。。

この物語ではまだ。。。いません(爆)

まだ作られてないんです!!

つまりですね。。。。

『あたご』『あしがら』が出てくる以前の話しという事になりますが。。。

これも小説設定に基づくものです


一応

最初にこの小説を書くときに注意書きしました

年号を断定しませんと

ですが

『あしがら』が出てこない,『おおすみ』が出てきても『くにさき』が出てくる事がないような時間帯と理解して頂きたいとおもっております

厳密に年代設定をすると

「事件」の有無にまでに及んでしまう事が多々でてくるので

そこはフィクションという事でご了承ください。。。。



さてと。。。。。

お客様を呼ぼう大作戦。。。。この先を考えるのが怖くて逃げているヒボシ〜〜〜〜



それではまたウラバナダイヤルでお会いしましょ〜〜〜

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