表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/90

第十三話 防衛の鍵

お客様を呼ぼう大作戦。。。。

ヒボシが頓挫寸前で一時中断んんんん

すいませ〜〜ん(涙)

代わりに海保ギャルズの紹介かきましたぁぁぁ(涙)

「まことに遺憾であります」


羽村は目の前

長い囲み型のテーブルに居並ぶ「幕僚府」の歴々に対して「事件」の経緯とあらましの説明をすると腰掛けついでに一言添えた


ココは防衛庁の大会議室

天井の高い広大な部屋は,惜しむことなく豪奢な木目調などをあしらった贅沢な司令部の中に聞こえるのは

見苦しい怒声


「有事」という非常事態が起こればここが国家防衛の司令部になるところとすれば

当然,声を上げているのは「国防」の専門家であるべきところなのだが。。。


今,声を張り上げているのは「政治屋」だった


沈黙を守っているのは

並ぶ幕僚,顔にはそれぞれの苦悩を浮かべ目の前に置かれた資料を熟読している

「国防」という問題を「政治屋」の言うがままに触れられたくはないが

この国に根深く残る「戦争アレルギー」の前では守るべき戦いにまで「悪」の烙印を簡単に押されてしまう


官僚全てがこの「事件」に複雑な思いを持ち,慎重な対応を試みようとしている中

「防衛」に疎い内閣府の繋ぎだけが事の次第に慌てていた


「遺憾」


羽村が使ったこの言葉は

使い古された「政治屋」の謝罪の符丁,それを添えたのは軽い嫌味だった



「護衛艦は発砲しなかったそうだが?」

内閣府との繋ぎ役である官僚は,必要以上に厚く書き纏められた資料の表紙を叩きながら問いただした


「発砲はしませんでした」

末席に座る

羽村は制服のポケットに忍ばせたパイポを左手で捜しながら,右手で資料を指さすと

「32ページにその旨が書かれております」

「君に聞いているのだ?君は統合情報部のまとめ役だろう?事の経緯をしり,事件に徒事した護衛艦と「通信」を取り合っていた?聞いていたのだろう?発砲不許可の指示は君がしたのかと聞いているのだ」


羽村は資料のページをめくり

ゆっくりとした口調で

「ミサイル攻撃の要請を却下し。。。艦砲による攻撃を許可しました」

「つまり発砲は許したと?」

羽村の後ろに座した,佐々木は内閣府官僚たちの聞かんとしている言葉に苛立ちを覚えていた

護衛艦が国を守れなかった事より「発砲」をしたか?しなかったか?が問題である事を問いつめる「政治屋」というものに腸が煮える思いだった


「残念ながら撃ちませんでしたが」


そんな若さをみなぎらせる佐々木とは対照的に

変わらぬ表情のまま羽村はページをめくり

「38ページに通信記録を記載してあります。。。目を通して頂けましたか?」

「直接君に聞いている!」

「大事なことは資料にまとめてあります。。。。「それ以外」の事をおたずねください」


羽村に比べれば,若輩の団塊世代は防衛庁会議室で一人いきり立っていた

その姿は政府が「別の意味で」この問題に神経を尖らせている事を良く現していた





「あんな会議にどんな意味があるのですか?」


事の重大さからするとあまりにもあっけない閉会をした部屋を後に

おきまりの喫煙ポストの前でタバコを吹かしていた制服姿の羽村の背中に向かって,資料用のファイルを抱えた佐々木が尋ねた


「発砲の有無を知りたかった。。。それだけだろ?」


情報部が事件の概略をまとめたのはこの日の朝方だった

物理的な事件である「船」の方は夜半には交代制「警戒警備活動」に移行したため指示はおわり

朝までにくるであろう内閣府への対応のための資料作りに徹夜したばかりだった

佐々木の目の下は黒ずんでいた

緊迫の夜から向こう心が安まる所などになかった。。それは情報部に詰める全ての職員にも言えた

そんな労苦の果てに作られた資料はろくに目を通される事なく

政府側の一方的に「質疑」だけで会議は終わっていた


「何故。。。。間宮艦長は発砲しなかったのでしょうか?」


佐々木の頭の中には「少しでも」護衛艦隊が国防のために手を下すべきだったという残念があった

混乱の中での徹夜。。。糊のきいたスーツもくたびれていた。。。ネクタイを少し弛めながら


「あたらないと判断したんだろ」


情報部の見るディスプレイの前に数字と現場の状況は提示されていた

波の高い海の上で艦砲は当たるか?

それは現場レベルでも難しい判断だというのはわかっている


「ならば。。。。何故ミサイル攻撃を許可しなかったのですか?」

「特に理由はないが。。。強いて答えるのなら情報不足だったからかな」

羽村はグラスエリアから下の靖国通りを眺めながら煙を顔のまわりに浮かべ,何事でもないように答えた

護衛艦隊が不審船からの海保に対する砲撃を受けて,転進,前にすすんだ時から

不審船が領海を突破した時間は20分弱しかなかった

最初の時点で「攻撃」を許可していたのならば相手を沈める事が出来たハズだった


「国防の問題ではないのですか!!」

「国防の問題だ」


佐々木は抱えていた資料を自分の足もとに下ろすと,喫煙ポストに寄りかかったままの羽村に詰め寄った

「では何故最初に」

「内閣府との連絡が取れたのは?」


ミサイル攻撃は内閣府の許可がいる

内閣総理大臣に「事件」が伝わったのはその8分後だった

残り12分弱。。。不審船は荒波の中を30ノットオーバー(およそ56キロ)で走っている

波の高さ(6メートル)(参考記録数)を考えれば40トン程度の船が出すにしては「狂気の沙汰」のスピードだ

艦砲はどう見ても無駄だし

総理が「決断」するまでに事は過ぎてしまっていた


納得のいく答えは佐々木の前にはなかった

「こういう「有事」の中でも私たちは沈黙を守らなければならないのですか?」

眼鏡の後ろで睨む目

「政府による,政治的な防衛がしたいのだろう?」

自分より遙かに若いのに眉間に深い皺を刻んだ佐々木に

羽村は左手で制止を合図しながら答えた


「1つ。。チャイナ.スクールの連中に「いまさら」騒がれたくない,来月予定しているアジア大洋州局長会議が近い事。。。事務レベルの窓口を増やす必要がある事」

「そのために防衛庁は,今は黙れという事なのですか?」


佐々木も懸念していた事だった

中国とは外交の折衝すりあわせがうまくいかない。。。国家主席などでの大事業的会談は常に出来レースで「イベント」でしかない

しかし

水面下では事務レベル会議が熱く燃えている

いくら中国が「唯我独尊」を通そうとも「荒唐無稽な戦争」でもしない限り世界経済との折り合いはつけられない

必然的に外洋の目の前にある国「日本」との交渉を避けては通れない

この「事件」を無視は出来ないという事だ


防衛庁が横槍を入れないのは

間宮が発砲をしなかった事も大きな理由にあるが

そういう窓口会談という「外交枠」を活かしたいと考える政府の意向そったものてもあった


「政府には。。。イージス艦機密漏洩の件で「片目」をつむってもらったしな」

つまり

すでに政府の方から「この件」につて防衛庁に指示が来ている。。。という事だ


「だから今度は我々が片目をつむるという事ですか?」

「そう言うことだな。。。それに「国民的」にもその方がいいらしい」


「事件」に対する問題は日本の方にもある

シーレーンを守るというのは無資源国家である日本にとって絶対の「防衛」であるが

この国

日本の国民が持つ戦争アレルギーが,今一歩のところで自衛隊の存在をを拒否している

これは由々しき事態だった

国民の持つ国益を守るという認識は甘すぎる



「起こるべくして事件は起きた。。。。」



羽村は煙の中でつぶやいた

それは誰に問いかけ羅れているの仮?

自分に問いかけているのか。。。まだわからない問い


佐々木は鈍っていた頭を少し早く回してみた。。。

これは?

何か「事件」があれば。。。。国民の危機感を身近に感じさせる「事件」があれば。。。

それに乗じて

相手の窓口を増やし

自らの手を広げる事ができるのでは。。。


羽村の会話は何かを隠しているように見える



「間宮艦長はそこまで考えて発砲しなかったと?」

「それはわからん」


「力を示す必要はなかった。。。とお考えですか?」

佐々木は煙の中に顔を浮かべた羽村に矢継ぎ早な質問をした


「力で外交はしない。。。それは最後の方法だ」


外交の最後の手段が「戦争」

「撃たなかった事で。。。我が国が無力なる国家と蔑まれる」

熱弁する佐々木の口に羽村はタバコの煙を流し込んだ


「君のような責任職の者が「小事」にいきり立ってはいかんよ」

周りを見回す

「しかし」

「力の楯がその力を示すときは必ず来る。。。。来年とかな」

それは来年行われるイージス艦によるBMDprogramの事だった

ミサイル防衛構想の頂点に立つ「イージス艦」からの弾道ミサイル迎撃実験


顔に掛かった煙を払った佐々木は,むせた涙目ながらも質問を続けた


「中国は不審船の情報を隠匿したと考えられますか?」


根本までをふかしてタバコを捨て

矢継ぎ早に新しいタバコに火を着けながら羽村は首を振った


「隠した。。。かもしれない。。」

遠い目線

情報局は中国船籍のこの船の事を,中国政府に確認してくれと通達していたが

結果が来たのは事件が終わった朝の事だった

「該当する船舶は無い」

手落ちのような事後通達だったが

大国である中国が全ての船舶の洗い直しにかかる時間を考えると。。。


「違うのかもしれない。。。」


羽村のどちらともとれない返事

「だが。。。。それも一つの「手段」に変えることはできる」

「海保への対応はどうしますか?。。。海上での「有事」に匹敵する出来事です」

気になった事を余すことなく聞こうとする優秀な情報局司令部次官である佐々木を

羽村はめんどくさそうな顔で見た


「海保は。。。今まで通りの仕事として前に進んだ結果,痛い思いをしたわけだ。。。もう少し我々との信頼関係と連携がとれるようになればいいと思っている。。。後の事は政府に任せよう」


「何を探していらっしゃるのですか?」


タバコの煙の向こうにある

とぼけた眼の羽村に佐々木は今まで以上に真面目な顔で聞いた


これまでの会話では掴めない何かを羽村が探しているように見えたからだ


「防衛の鍵」


正面をきってみつめる佐々木に羽村はそれだけを答えた

口から大きな煙を吐き「真実」を眩ませて

胃のあたりを指すってみせた


「酒が欲しいね」

「ダメです。。。。今日もまだ仕事が残っております」

佐々木の厳しい切り返しに

「年寄りに優しくない職場だな」と溜息を吐いた


「ところで。。。。こんごうの調査員は誰だったかな?」

部屋に向かう通路で思い立ったように羽村は聞いた

「イージス艦機密漏洩事件」で相互監視として乗船している調査員にも「事件」の事を聞きたかったからだ


「粉川一尉です」

羽村は何かを思い出したように

「粉川。。。。くん。。。」

「そうです」


「彼にも一度,東京に戻ってもらわんにゃならんなぁ。。。」

今来た道の向こう。。。首都を覆う曇り空を眺めてそう言った






護衛艦隊は鹿児島港を出港,一路「佐世保」に向かう航路に入っていた

護衛艦は「軍事機密」も多く持つ船のため

長く一般の港に係留したくはなかったが「人」の方はそういうわけにはいかず,長い時間の拘束をされていた

「事件」からはすでに3日がたっていた

これから佐世保に向かった後,間宮と和田には「審議委員会」が待っている


「お疲れ様でした」


艦魂達が集まるいつもの部屋でパソコンを開いた粉川に(しまかぜ)がコーヒー持って現れた

部屋の中に(こんごう)の姿はなかったが,他のメンバーはいつも通りに揃っていた

「どうも」

コーヒーを受け取った粉川に(しまかぜ)は礼を重ねた


「大変でしたでしょ。。お花」

粉川の横に座った(しまかぜ)は出港直前の時間に(りゅうきゅう)の元を尋ねていた

その時に「花」を持っていったのだが基地と,決まった世界にしか足をおろせない艦魂である(しまかぜ)に代わって粉川が買い出しに入ってくれたのだ


「いやいや。。僕,自身には何の質疑もありませんでしたから。。大丈夫でした?(りゅうきゅう)さん?」

パソコンのモニターを伏せながら

受け取ったコーヒーに口を付けた粉川は心配そうに聞いた

(りゅうきゅう)は嵐の前。。。。会議室で見ただけの存在だったが。。。


美しい軽やかなウェーブヘアのお姉さんだった事は覚えていた

人の姿をした存在

それも若い女である彼女が銃撃に晒され,大けがを負ったのは人ごとには思えなかった


「中には入れませんでしたけど。。。花は渡せました。。。ありがとうございます」


(りゅうきゅう)の自室前には警備のメンバーから負傷で外された(はやと)が立っていた

力無く壁にも垂れかける姿は(しまかぜ)を見つけても変わらない

(はやと)と(むらさめ)のケンカは(しまかぜ)の耳にも入っていた


「お花を。。。。」

現場検証と写真の日々で今は乗務員のいない船になっている,りゅうきゅうの通路で向かいあった二人

(しまかぜ)は(はやと)に強い抗議を受けると思っていたが

(はやと)の細い手は素直に花を受け取った

「まだ。。。意識が戻らないんで。。ココで勘弁してください」

(はやと)の腕に巻かれた包帯,彼女もまた銃撃で怪我をした一人


「ごめんなさいね。。。力になれなくて」

(しまかぜ)の謝罪に(はやと)は首を振った

「もう。。。勘弁してください。。。。」


(はやと)には敵無き謝罪の方が辛かった

誰が。。。。誰が悪いの?それを責める場所が誰にもなかった




「意識が戻らない。。。か」

マグカップを手の中に顔を伏せてしまった(しまかぜ)に粉川は

「艦魂の怪我ってどうやったら治るんですか?」

「特に今回は「頭」を撃たれてしまったから「意識」の方はどうやって回復させるかは,わかりませんが。。。体の方は「人」の手によっての修理が早くなされる事ですね」


「修理,頑張ってもらいましょう!!」


粉川には適切な言葉が見あたらなかったがとにかく

自分の隣で心細くなってしまっている(しまかぜ)を励ましたかった

「佐世保に着いたらゆっくり休んで!!」

「佐世保に着いたら。。。もっと疲れますねん」


対面側のテーブルに座っていた(いかづち)が口を挟んだ

いつものコック姿で置いた料理本の上に体事伏せて


「佐世保に着いたら。。。ねぇ」

(しまかぜ)も困ったように眉をしかめて見せた


「なんかあるの?」

テーブルに溶けるように伏せた(いかづち)の手を引く粉川の質問に答えたのは観葉植物に水を与えていた(むらさめ)だった


「佐世保は伝統墨守.唯我独尊!の港だ!!到着次第,修練走があるんだよ!!」

「修練走?」

聞き慣れない言葉に首を傾げる粉川のいかづちが頭だけ起こしてつぶやいた

「やんのかなぁ。。。良くて50周。。。悪くすれば200周。。。かなぁ〜〜」

癖毛の髪に指を通し

ガシガシと描く。。。。眼鏡が鼻っ柱から浮いたままになっている


「14:00には佐世保に着くからね。。夕方まで時間あるし」


窓縁に歩き海を見ながら

波の反射で(しまかぜ)の顔の白さは際だち。。。唇が美しく光る中

この面子では一番お姉さんの彼女は粉川にとってもっとも「女性」であり

つい鼻の下も緩む好みのタイプだった

風に揺れるショートボブの髪を手で払い


「がんばろうね」と(さわぎり)の頭を撫でた

「ふぇ〜〜ん。。先にあやまっとくね。。。もしあたいが「袋役」でも許してね」


作業用の青服に体が沈んでしまいそうなぐらい肩をすくめた(さわぎり)はすでに涙目だった


「袋って。。。何?」


自分のタンブラーを取った(むらさめ)はテーブルを飛び越すと,へたっていた(いかづち)の頭を殴った

「しっかりしろ!!ダッシュ!ダッシュだ!!」

「そないな事いうても。。。。」


「今度の回航は色々有りすぎたから」


それには粉川も溜息がでた

そもそも

佐世保を寄港地とする(こんごう)達護衛艦隊が横須賀にきたのだって「ヒマ」で来たわけでなく

その上で「イージス艦機密漏洩事件」で足止めをくらい

遅れを取り戻すために急ぎ参加した海保との合同演習で「不審船事件」

心身に十分過ぎるダメージを蓄積していた

思いだしてみれば艦魂でなくても七転八倒の数日間に粉川も溜息が出た


溜息仲間になった(いかづち)は粉川を指さしながら

「佐世保にゃ,こわ〜〜い司令がいるんですよぉ」

「こわいの。。。」

ほおづえついた(いかづち)に(しまかせ)の膝に抱っこされた(さわぎり)

「群司令?」


基地司令の事かきいた粉川に(しまかぜ)は首を横に振った

「(しらね)の妹,(くらま)が佐世保の。。私達の司令なの」

「(しらね)。。。ああっ横須賀のDDH(ヘリコプター搭載護衛艦)の彼女」


粉川は記録していた物と合わせるためパソコンを起こしながら

この破天荒な航路の始まりに出会った「彼女」を思いだしてみた


横須賀にいたDDHの艦魂しらねはお色気魔神なんて(むらさめ)に罵倒されたりもしていたが

実際に,美人だったし小さな身の丈ではあったが「規律正しい」姿をしていたなぁと

同時に(くらま)もまたDDHであり佐世保の旗艦ともいえる存在だから

姉妹揃って美女ならば。。。などと少しばかり顔を弛めた


「(しらね)さんに似てるんでしょうね」

「目だけな」

(むらさめ)の即答

「目だけ?。。。後は?」


(しまかせ)は微笑んで

「後は見てのお楽しみかな?」

「その方がいいや!」

(むらさめ)はさもありな顔で笑った


「港に入ればすぐにわかりますよ。。。桟橋に必ず集まるんです,お迎えで」

(しまかぜ)は近づく陸地の先を眺めながら言った





「(こんごう)ちゃん。。。。大丈夫なんですか?」

入港時間までに支度を調えるようにと他の艦魂を返した部屋の中

(しまかぜ)と二人きりになった粉川は尋ねた

あの日以来こんごうはこの部屋には来ていなかった

嵐の夜

澄んだ瞳に怒りの炎を赤く光らせたまま。。。。泣いていた彼女のことが少しばかり気になっていた


「大丈夫。。。とは言い難いけど。。。しかたのない事だから」

そう言うと粉川の隣にすわり顔を近づけた

粉川は自分の顔に触れた柔らかな髪に。。少し動悸が高まり,少し下心が動いた


「ははっ。。。僕で出来ることがあればねぇ。。」


艦隊勤務は「男所帯」。。。。そんな中にあって(しまかぜ)存在は男心を大いに刺激するものがあった

他の艦魂はイマイチ「女性」という目で見ることはできないが彼女はそういう「女」を無性に感じさせる

笑う端から手が(しまかぜ)の細い腰に回りそうになる


「粉川さんが来て。。。あの子,少し変わったの」

「変わった?」

(しまかぜ)は部屋をクルリと見回して続けた


「あの子。。。結構しゃべるようになった」


粉川は驚いた

(こんごう)はこの部屋にいてもほとんどしゃべる事がない

たまに口を開けば辛辣な言葉を吐くぐらいだ

「あれでも。。しゃべるようになったんですか」

「そうよ!特に粉川さんの事で。。あれこれと話すようになったわ」

粉川は(しまかぜ)の腰に向かっていた手を自分の頭に戻した

何度も星が出るような殴打を受けた。。。(こんごう)に


「きっと。。汚染生物とかって。。。言ってるんでしょうね〜〜」

(しまかぜ)は嬉しそうに首を振った,小さな笑い声とともに


「それは。。。ごめんなさい。。。でもね,私達は少なくとも50年「人」と話しをした事がなかった。そんな中から急に現れた「人」。。」

(しまかぜ)の繊細な指が粉川の鼻の頭に触れる

「粉川さんが来た。。。だからみんな戸惑ってる(こんごう)も。。。戸惑いながらも今までなかった事に興味を持ってる」


長い睫毛

リップクリームが無くても艶やかな唇

面子のお姉さん格と言われる(しまかぜ)だが,歳をみれば20歳ぐらい。。

それより少し幼く見えるところもある「女性」と「少女」の中間

その顔が無防備に優しく笑う


「ぼ。。。ぼくも興味津々です」


粉川の視線は危なく(しまかぜ)の体を凝視してしまいそうになり慌てて天井に逃げた

「だからこれからも(こんごう)の事。。。よく見てあげてください」

「ああっ。。。(こんごう)ちゃん。。。」

「あんなだけど。。。凄く繊細で。。。寂しがり屋な子だから」


美人の頼みは断れない

「任せてください!!ははっ頑張っちゃいます!!」

粉川は自分の悪い癖だと思いながらも大見得を切ってしまった



14:00


護衛艦隊はついに佐世保基地に入港した

艦橋からバースの周辺を見ていた粉川の目に映ったのは


「お迎えに揃った一軍」


男臭い港にあって

あきらかに普通の集団ではないものだった

黒の海軍セーラーを着た少女たちの真ん中,男物の詰め襟,司令官服を着た女。。。他の艦魂より頭2つ分は大きな体躯。。。(くらま)司令の姿だった


「伝統墨守。。。唯我独尊。。佐世保の二群か。。。」


久しぶりの陸だった

カセイウラバナダイアル。。。。反省中(爆)



海上保安庁ギャルズ!!

お客様を呼ぼう大作戦はどーなった(藁)

あれは只今混線中です(爆死)


色々呼びたい方がいてもね。。。もっとヒボシが勉強しないと呼べないッすよぉ

だって。。。すいません(素直にごめんなさい)

他の先生の艦魂のイメージ壊したらどうするのよぉ!!

いきなりズドンになっちゃいそうで。。。怖くって。。。。


なので

海保ギャルズ!!!!(爆死)


(逃避してます。。。。)

登場から

退場までなんの紹介もなかったので。。。いまさらな感じですが(爆)


海保の艦魂紹介!!!

てか。。。。

海保は「艦艇」とはいわないから本来は「船魂ふなたま」になるんですが。。。

船魂だど。。。漁船の魂みたいなので(藁)


海上保安庁巡視船りゅうきゅう 艦魂りゅうきゅう


海上保安庁第十一管区所属の大型巡視船

なんとヘリコプターも搭載!!

沖縄を本拠地に東シナ海域,シーレーンの防衛を担当している彼女

身長163センチ

年齢20歳(艦魂流見た目年齢)

茶色にふわふわのユル〜〜イウェ〜ブヘア

いかにもお姉さんって感じの彼女は浜田船長だけに見えるという一風変わった艦魂

これには色々な理由や理屈と。。。伏線があったりなので今はスルー(藁)

(しまかぜ)とは何度か合同演習で会ったことがあるようで

海自の堅苦しさはそれなりに理解していてくれる人

浜田船長に初めて自分の姿を見られた時に。。。実は失神している(藁)

そのぐらい艦魂を見える人が現代は少ないという事だ

それでも

初めて自分と話しのできる人として仲良くなって。。。。いまやラブラブ(爆)

(りゅうきゅう)と浜田はお互いを認識する事ができたが

その他の艦魂たちはやはり空気のような存在にしかなれなかった事で

他の艦魂に自分たちの関係の公表は控えている様子です

不審船事件では自らを楯に浜田を救い

重傷の身となってしまった彼女

早くよくなってもらいたいものです。。。。



海上保安庁巡視船はやと 艦魂はやと


海上保安庁第十管区所属の大型巡視船

東シナ海域という七管区とも同じぐらいに激戦地の海を守る艦魂

身長172センチ

年齢16歳(艦魂流見た目年齢)

ベリーショートの赤毛(染めてます)両耳にはピアス

見た感じの風体は男の子のような彼女

艦魂にはめずらしく喫煙するが(艦魂の喫煙に年齢制限は無い,お酒も同じ)実はこれも密かに思っている「高槻」のマネだったりで。。。

中身はベタベタなほどに乙女な(はやと)

同期の(おおすみ)に比べると女らしい部分が少ない自分の体にコンプレックスを持っている

お胸の薄いこと。。。つるぺたちゃん(爆)

ケンカ早く,男勝りで調子が乗っている時はガンガン行けるのだが

一度落ち込むと,どん底までとことんの方で自分の感情に振り回されるタイプ

不審船事件では憧れの「高槻」を撃たれ危うく我を見失い,その事を(むらさめ)に罵倒されたりと。。。ちょっと可哀想な彼女でした

現在は(りゅうきゅう)と共に修理のためドックに入っている



海上保安庁巡視船おおすみ 艦魂おおすみ


海上保安庁第十管区所属の大型巡視船

(はやと)と同じく激戦区の海,十管区を守る艦魂

身長168センチ

年齢16歳(艦魂流見た目年齢)

頭の上に大きなポニーテールで,茶髪の長髪(絵にするなら(ひぐらしのなく○にの魅○みたいな(藁))

ナイスバディの彼女はファションに非常に熱心

(はやと)の行きすぎな彼カジ(彼氏カジュアル)に本音ではドン引きしている(藁)

仕事とプライベートきっちりわけちゃうタイプで本来はしっかりした人なのだけど

海自の合同演習を仕事と認識していなかったそれは

かなり海自を見下していた事に端を発するのだが。。。。

結果として見ることになった惨状は予想を上回り(はやと)同様身動き出来なくなるほどの恐怖を味わう事になった

お調子者で常に明るく振る舞う彼女だが

落ち込み泣くばかりの(はやと)を思いずっと付き添ったりと思いやりの深いところも持っている

現在は警戒警備を強めた十管区の海を七管と十一管のメンバーと警備中



海上保安庁巡視船あかいし 艦魂あかいし


海上保安庁第十管区所属の新鋭艦

東シナ海域の不審船対策の一貫としてあらたに鋳造された船

艦魂の(あかいし)は艦齢が若く10代前半の女の子で容姿的には(さわぎり)に近い

身長138センチ

年齢13歳

ショートボブなんだけど何故か,おかっぱっぽい(藁)

真っ黒な髪にドングリ眼の元気娘

本来なら「不審船対策」として作られた彼女が先行するハズだったが合同演習からの流れで救助活動に徒事した結果りゅうきゅう被弾という惨状を見るには至らなかった

ちびっ子のため甘えんぼ

なかなか相手をしてくれない同じ管区の(はやと)や(おおすみ)よりも(りゅうきゅう)に懐いていた事が(こんごう)への殴打につながってしまった

現在は警戒警備のため各管区と連携をとって警備にあたっているが。。。

(りゅうきゅう)に合いたくて夜な夜な泣いたりもしている。。。可哀想な(あかいし)



も〜〜

前章のキャラ今更紹介だったりですが

彼女たちもこの後もまた登場予定ありますから!!!

よかったら覚えておいてあげてください〜〜〜


さて。。。。お客様呼ぼう大作戦は。。。。どうしたものか。。。

ただいまヒボシ逃走中〜〜〜


ではまた

ウラバナダイヤルでお会いしましょ〜〜〜(涙)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ