初の魔道具作成
新しい家に着いて扉を開けるとセトとランが忙しそうに荷物を整理していた。
「あっ、レオー。おかえりー!」
「ただいま。どう?荷物の整理は順調?」
「それなんですけど、どの部屋を使えばいいんでしょうか?」
「あー、そう言えば言ってないよね。二階のネームプレートが貼られてない部屋なら何処でも大丈夫だよ」
「分かったー!」
「それなら、階段上がってすぐの方にしますね」
「うん、了解。部屋の中にネームプレートあるからドアに貼ってね」
「はーい」
「わかりました」
「じゃあ、僕は魔道具部屋にいるから用があったら言ってね」
そう言って二階にあがる。魔道具部屋と書かれたドアを開けると魔道具の本が並べられた棚と窓側には作業が置かれており、椅子を引いて座る。
「さてさて、魔法杖を作りますか!まずは魔法石からだから宝石に魔力を注ぐ基込めないと…」
レオはマジックバックから青い宝石を取り出す。元の世界ではサファイアと呼ばれていたがこの世界でも同じ呼び方だ。勿論宝石としての価値もあるがこの世界では別の価値もある。サファイアを左手に乗せその上から右手をかざし【魔力操作】で右手から左手に魔力を通す。
すると、青かった宝石は透明になり段々と赤みを増す。深い赤になればなるほど等級が上がり価値も上がるらしい。
見たところ魔石等級で言えば3等級程だろうか。レオは気づいてないが人口魔石で3等級と言えば最等級に当たるのだが、そもそも等級があること自体知らないだろう
「おおっ!赤くなった」
そもそも、本で作り方を知っているくらいで魔法石を作ること自体初めてなのだから当たり前といえば当たり前なのだが…その前に11歳の子供に魔法石を作ることがどれだけ大変な事なのかすら分かっていないのだ、本来なら錬金術の能力を持っている錬金術師が3等級並の人口魔石作り上げるものなのだから
「さて、次は銀の装飾か…」
次はマジックバックから銀の塊を取り出すと【硬質変化】の魔法で粘土程の柔らかさにして形を整える。杖の先に取り付けて、魔法石をはめ込み固定するように形作る。
「よし、出来た!」
余談ではあるが先程レオが使った【硬質変化】の魔法は超級魔法に属される程の魔法なのだがいとも容易く使う所をみると初級魔法や下級魔法としか認識していないのだろう
「どうせだしあと4本作るか」
そう言って残り4本の魔法杖作成に取り掛かる。全てが3級の魔法石をはめ込まれているのは言わずもがなである。結局の所全て作り上げるのにそう時間がかかる訳もなく、早々に作り上げセトとランが部屋を整理して下に降りる頃にはキッチンで料理を楽しそうに作るレオがいたそうだ。