5
ご指摘をいただいたので『スナッチ』のスキルに制限を設けます。
一回の戦闘に一度だけの使用が可能。
自分のよりレベルが少しでも高い相手には効かない。
の二点です。アドバイスどうもありがとうございました。
テンのHPは...まだ少し残ってるな。
にしてもアイツ攻撃力高すぎだろ。しかも速すぎ。
戦士のテンをたった一撃で九割近く削るとかバケモノかよ
......バケモノだったわ。
「おいテン!大丈夫か?」
「ぐ...なんとか大丈夫...」
かなりよろよろだがなんとか立てるようだ。
間髪入れずにまたすぐにやつは突っ込んできた。今度は俺に。
「グルルルルァァァ!!!!」
「あぶな!」
上手く躱してすれ違いざまにダガーの刃を滑り込ませる。
するとやつのHPが一気に一割半以上減った。
「へ?」
「ウォォ?」
俺もやつもキョトンとした顔になった。
ちょっとジェイコブさん?ウルフダガー威力ありすぎじゃない?
...戸惑ってるのせいか思い切り隙だらけだ。掴むしかないこのビッグチャンス。
ダガーの効果で上がった素早さで一気に詰め寄り、
すぐに二撃、三撃とプレインウルフの弱点の頭に攻撃を叩き込んでいく。
我に返ったやつはバックステップで距離を取った。
...いける。このままいけば勝てる。
ウルフダガーの追加効果のおかげでギリギリあいつの素早さを上回れている。
そしてあいつの残りHPはもう一割程度しかない。勝ち確だ。
「ガルルルル....」
ん?ガルル?
「ガルルルルルルルァアア!!!!」
その雄たけびの刹那、プレインウルフは一回り大きくなり、
綺麗な黒の毛並みは荒々しい赤色へ変わった。
「え、嘘だろ...」
他のゲームでも何度か見たその光景。変身してパワーアップするボス。
なんであいつがその力を持ってるんだよ。
あれはもはやプレインウルフではない。中ボスかなんかだ。
「...どうするんだよアッキー」
「どうするんだよ...」
畜生、油断した。さっさと止めを刺しとけば...。
「ガルゥ♪」
くそくそくそくそ!!完全に詰んだ!
もう俺のスピードじゃ多分目で追うだけで精一杯。攪乱はもう不可能。
パワーも上がってるだろうし、テンでももう絶対受けきれない。
もう勝利を確信したのか中ボスもどきはニヤニヤと笑いながら
ゆっくりと俺達に近付いてくる。...ぶん殴りてぇ。
「パワーブロウ!!」
やつの顔面に武闘家基本スキル『パワーブロウ』がきれいにヒットした。
大したダメージにはならなかったが、やつは
ボクサーがダウンする時のように崩れて倒れた。なんだろうスカッとした。
「よう、大丈夫か?」
「「ジェイコフさん!!」」
「なんか騒ぎになってたから急いできたんだ。
馬鹿みたいに強いプレインウルフってこいつか?」
「はい、でも...」
ジェイコフさんは確かLv5。増援はありがたいが正直あまり戦力にはならない。
「わかってる。まあ心配すんな。助っ人は俺だけじゃないからよ」
そういうと町の門からたくさんのプレイヤー達がこっちへ向かって来る。
ざっと五十人はいるだろう。
「...というわけでこの勝負俺達の勝ちだ!」
かっけえ。かっけえよ!ジェイコブさん!
「ガルルルァアアア!!!!!」
中ボスは物凄いスピードで
他のプレイヤーの方へ向かった。
救助に来たプレイヤーの過半数がやつの回し蹴りで一気に死んだ。
それ絶対狼の攻撃手段じゃないよ。やつは...まだ諦めてないか...。
でも中ボスもどきよ。そっちに集中したせいで誰かさんを忘れてないかな?
「俺だよバーカ!!」
一瞬の隙をついてやつの背後に周りこんで短剣で一突き。
するとやつのHPは底をつき、光の粒子になって消えた。
その粒は花火のように広がり
生き残ったプレイヤーに大量の経験値を与えた。
フィールドはたくさんのレベルアップ音に包まれた。
-----------------------------------------------------------------
アッキーLv11 ビースト テンLv11 ドラゴロイド
職業:盗賊Lv2 職業:戦士Lv2
サブ:小物職人Lv1 サブ:???
HP 280 HP 420
MP 220 MP 80
攻撃 380 攻撃 350
魔攻 220 魔攻 104
防御 229 防御 430
魔防 290 魔防 340
素早さ350 素早さ140
器用さ370 器用さ190
装備:ウルフダガー 装備:初心者大剣
レザーアーマー アイアンシールド大
レザーレガース プレートアーマー
レザーブーツ プレートレガース
プレートブーツ
スキル:盗賊の心得Lv2 スキル:戦士の心得Lv2
短剣術 Lv2 大剣術 Lv2
隠密 Lv1 大盾術 Lv2
今更ですがレベルアップには個人差があります。
もう五話...まだヒロイン出てないとか...。