第8滴 勇者の発見
小説って書くのしんどいですよね。
「それではステータス鑑定を続けていきます。」
先ほどのことから全員のテンションは下がりに下がってしまった。
杏莉も光の束縛から解放されたが、何もいうことができずにいる。
里奈はそんな杏莉にくっついてビクビクしている。
しかし、
ある一人の男を鑑定したとき、王女が大きく光り輝きはじめた。
「これは!」
光がおさまり、鑑定したステータスを王女が見た。
王女は驚きが隠せないようだった。
そしてそれをを公開するとそこには、
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・峰紀望
・男
・17歳
・光
・異界からの召喚者
・勇者 レベル1
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「固有スキル『勇者』!?」
王女は大声を上げて驚愕の声を口にした。
王子も目を見開いて口を開いたまま固まってしまっている。
この世界でいう勇者とは。
魔王を討伐するもの、あるいは討伐を行なったものに対して贈られる、称号のようなものだった。
そもそもスキルに『勇者』というものが存在することすら知られていなかったのだ。
なので『勇者』スキルをみた王女と王子の感じたものは凄まじかったのだろう。
「そんな...俺の時代が...俺の異世界無双が...」
自分こそが勇者だと思っていた英輝は意気消沈していた。
それは英輝だけではないようで、何人か落ち込んでいる生徒の姿も見ることができる。
峰紀望
彼はクラスの中でも特に影が薄い生徒だった。
何か目立ったことをするわけでもなく、
学校の行事の際にもみんなに混じって盛り上がるわけでもない、
言ってしまえば地味、
正直言われるまでみんな存在を忘れていたほどだった。
「俺が、勇者.........?」
望は状況が飲み込めていない様子だった。
当然ともいえるだろう、
本人が言うのもなんだが、ぱっとしない高校生生活を送っていたと思ったら、
急に異世界につれてこられて、
しかも自分が『勇者』と呼ばれる。
それもクラスの全員いる中で、自分が、だ。
もっとカーストの高い生徒や目立っている生徒がいる中で自分が。
「勇者様!どうかこの世界の未来をよろしくお願いします!!!」
王女の必死でそれでいてうれしそうな声は訓練室に響き渡るのだった。