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第2滴 転移した先
壱世が目を覚ますと、そこはどこかの部屋の中のようだった。
横たわっていた固い地面の感触がまだ残っている。
周りにはクラスメイトたちが横たわっていたのにこの時気付いた。
「ここは・・・?」
周りにいた生徒のうちの誰かがそんなことを言ったのが聞こえた。
壱世もそれは気になった。
聞こえた言葉から自分たちの状況を察したのか、ざわついた空気は伝染して広がっていった。
ドン!
音がした。
見るとさっきまで気づくことができなったがそこにあったであろう扉が開いていた。
奥から甲冑姿のいかにも兵士のように見える男たちが入ってくる。
そして壱世たちを掴んで立ち上がらせ、引きずって行こうとする。
「何なんだお前ら!」「放せ!」「触るんじゃねぇ!!!」「キャーーー!」反抗をしたものもいたし、悲鳴をあげているもの、おびえて震えているもの、中には諦めていたものまでいたようだったが、そんな反応など視界に入ってないかのように兵士たちは全員に目隠しを施し、部屋の外に連れ出した。