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新製品

リアルが忙しくなってきた(´;ω;`)ぶわっ


どうぞ(*´・ω・*)

男はいつの間にか後ろに現れた者に対して振り向かずに語りかける。


「ふむ、なぜ君がここにいるのかな?今日は私の仕事の後始末を押し付けてきた筈だがね。残業手当でも請求に来たなら給料日まで待ってほしいんだがね」


「残業というのは嫌いでして、それにこっちの方が大事だとご判断させていただきました。あといきなり口調を戻していかなくても結構ですよ。あと給料に不満はありませんよ」


「ほうほう、なるほど・・優秀だと思っていたがここまでとはね。それでいつからかな?」


「戻す気はなしですか・・それと最初からです、っとカッコいい事を言いたいのですがね、つい最近ですよ。ある事でおかしいと気付きまして。優秀と褒めてくれた後で申し訳ないですが暫く気付かなかったのがお恥かしい限りです」


「最近?ボロを出した覚えはないのだが・・まあ、それは良いとしよう。それで君程度がここに来て何が出来るのだね?」


「それなんですがね、どうやらご存知の通りそこにいる者が王の暗殺を行ったらしいのですよ。そして挙句その者は暗殺の時に私の姿をしていたらしいんですよ。これはいけません、例え偽者とわかっても印象が悪い。私の経歴に少しでも汚点が残ってしまいますのでね。勝手に偽られたとはいえ、姿を使われたのは周りに私はそういう事をしそうっと少しでも思われていたという事ですしね、なら私は自分のミスは自分で拭わなければダメでしょう?」


「なんの事かわからないが、その王の暗殺とやらで君の姿が使われていたのが気に食わないというわけかな?私の正体に気付くキッカケにしては少々足りない気がするが?」


「そこに戻りますか?良いでしょう、あなたに違和感を感じたのはある私に対する命令からですよ。貴方はあのメダルを使われた依頼をあまりにもぞんざいに扱いすぎた。ここまで言えばわかりますか?」


「そんなことか・・一応下調べも完璧だと自負しているんだがね。あのメダルはそこまでの品だったのかな?個人が作ったちょっと便利な情報網ぐらいの認識だったのだが」


「それで完璧とは笑えますね。アレは一流の商人を目指す者なら喉から手が出るほど欲しいものですよ?あんな若い人達が持っていた事には私も驚きましたがね。私はあの時に貴方から頼まれた仕事に対して完璧だったはずです。それなのに貴方といえば・・私から報告した情報の半分も彼女達に伝えずに帰した時は本当に驚きでしたよ。私はちゃんとそこに凍っている方がナディガムの重要人物だとご報告した筈ですよ?」


「確かにそれはそうだったがね。しかし考えてもみたまえ、私はそんな情報を彼女達に与えたところであの大会では役に立たないと判断したのだよ。あの大会は身分は関係ないしね」


「では『風』が関係しているかもしれないという情報は何故伝えなかったのですか?」


「それもさっきと同じ理由だ。不確かな存在である『風』だと伝えてたとしても彼女達には意味はないだろうと思っただけだよ。そもそも君のその情報も証拠がないじゃないか」


「その通りですね。しかし前提が間違っておいでだ。確かだろうが不確かだろうが情報は情報、依頼は依頼、商人という存在はお客様に対して紳士な態度で接し全力で望む物を提供するの仕事なのですよ。やはり仕草や姿だけ真似ても信念までは真似できなかったのですね。貴方の敗因を申し上げますと、貴方はあのメダルを軽んじすぎた。そして商売とは信頼から始まるもの、こちらの勝手な判断で商品の内容を書き換えるなど言語道断ですよ、キャングス支部長?」


「もう違うとわかっているのにその呼び方で呼ばれると思わなかったよ。君の言うとおりだ商人という者を甘く見ていたことは迂闊だったと言わざるえない。というより人という物を簡単に考えていたというのが正解かな?」


人ではない・・ということですか。


「なんだそいつは~?お前が言ってた部下だろ?成功したらそいつに罪を被せようって言ってたのだろ?まったくお前もしっかりバレてんじゃねかよ。これで俺達の失敗をとやかく言う権利はないだろ」


「うはははは。まったくそのお通りですね!耳が痛い限りだ」


「笑ってんじゃねーよ。どうすんだよ」


「どうするもなにも話は簡単ですよ。この状況、計画は修正可能じゃないですか?」


「あ?ああ、そいつに罪を被せることが出来るってわけか?」


「さすがお考えが早いですね。ナッハガイム君がここにわざわざ来てくれたという事はこの状況にはとても好都合です。商会副支部長ナッハガイムは実はセナス様達の一味でこの氷の牢獄に助けに入りセナス様を逃がしことに成功、しかし口惜しいか口封じにここで殺される、って感じでよろしいんじゃないですか?」


「それだと俺は完全に悪役なんだが?」


頭部だけ解凍されたセナスが嫌そうな顔で答えた。


「今更ですよ今更。ところでどうでしょうか?許可をいただけますか?」


「体が動かねー人間に許可もクソもないだろ。やれよ、でもこれ以上失敗はするなよ」


「了解いたしました。しかし私は貴方の協力者であって部下ではないので失敗しても責められるいわれはありませんよ?」


「黙れよ、この状況見られている時点で一蓮托生だろうが」


「うはははは、正論!まったく正論ですな」


「お話は終わりましたか?」


「ふむ、待ってくれていたのはいいがナッハガイム君は戦えるのかね?君程頭の回転が速い人間が何の計画もなしにここに1人でくるとは考えにくいのだが?」


「こちらも褒めておきましょう、流石わずかな期間とはいえ欺かれた方ですね。戦闘力という点では私はまったく役立たずですよ。自慢ではありませんが体力の方は皆無です」


「本当に自慢ではないな」


「ですが何の計画もなしに来ないという部分はあっておりますよ」


ナッハガイムがパチンっと指を鳴らした。

その音とともにナッハガイムとキャングスの間に石の壁が出来た。

そしてキャングスとセナスの入っている格子の前にも。


「氷の壁のほうがこの部屋では良かったでしょうが残念ながら氷のダンジョン石は在庫がありませんでした。希少ですしね、まぁ溶かす為に炎の魔法を使っていると思ったのでコレを選別しました。その他にもほら、ご覧下さい」


「石が・・鉄になっていく・・。変化形の魔法を込めたダンジョン石ですか。随分奮発したましね」


「手元に土系統のダンジョン石しかありませんでした。良い商品はすぐに売れる、この時ばかりは実に残念ですね」


「これで捕まえられたと思われるのが心外なのだが・・」


「おーい!さっさと何とかしろ」


2つの鉄の壁を挟んだ向こう側からセナスと思える声が聞こえた。


「わかりましたわかりました、そんなに急かさないで頂きたい。これでも一応腕には覚えがありますので」


ドンっ!ドンっ!と音がした。

間違いなく壁を殴る音。

鉄の壁を殴っている?


「ダンジョン石を配置して遠隔で作動させる。つまりナッハガイム君は魔力があり魔法が使えるという説明がつきますね。しかしそれで攻撃してこなかった時点で攻撃系ではない。起動に使える程度ですか、魔法が使用できたのは驚きだ。どの属性が使えるのかもまだわかりませんがこの程度の壁で私は止められんよ」


「一応分厚い鉄の壁ですよ?」


「みたいですね。ですが所詮変化させた物体。元は石ですからね、魔法は万能ですが完璧じゃない。この程度の魔法ならほら、この通りです」


鉄の壁に穴があいた?


「キャングス支部長、いや、違いましたね。貴方一体何者ですか?随分口調も丁寧な感じに変わってますが、それが地ですか?」


「お目付け役ですよ、そこの方のね。いや違うな・・そこの方の国の・・かな?」


「そういう意味で言ったんじゃないんですが?鉄の壁を破壊する打撃を確認した上で聞いたのですが?」


「つまり私の本当の正体が知りたいと?」


「人ではないことはなんとなくわかりますけどね、その姿も変装のようですし」


「変装・・変装か。ふっ、わかりました、もう良いでしょう。ここで君を犯人に仕立て上げて私は颯爽と去るのですからね、それにここでの事もセナス様がこの国から出てしまえばお役御免になるわけですからね」


「おいおい、俺抜きで話を進めるなよ。いいのかオイ?お前は一応表には出たくないっていってたじゃねーかよ」


「別に表に出たくないと正体を見せないは別の話ですよ。それにこの姿は使命でやっているので嫌々なんですよ。私は元々人嫌いですしね。醜い生物になるのは苦痛でたまらないですし。使命でなければ絶対やらないですよ」


「俺もお前のいう醜い人種(ひとしゅ)なんだが?」


セナスが嫌そうに顔をしかめる。


「大丈夫ですよ。私は使命を最上位に考えていますので、好き嫌いで判断いたしません。セナス様が人であろうと利害がある限り裏切りませんのでご安心を」


「そういう意味じゃねーんだけどなー」


「ナッハガイム君」


「なんですか?」


「君は人種(ひとしゅ)以外の生物に対してはどう思ってます?もちろん嫌悪感とか差別とかそういった悪感情的なで意味で答えて下さい」


「嫌な質問ですが私は人種差別は・・いやこの場合は種族差別ですか、そういった事はしない主義、これも違いますね・・そうですね、私情には持ち込まない主義です。差別しないといえば嘘になりますしね。しかしこれといって嫌いな種族はありませんよ。苦手な種族はありますがね」


「なるほどなるほど、では私の正体がナッハガイム君の苦手な種族ではないことを祈って下さい。それではこの薄汚い物を脱ぎますね」


そう言うとキャングス支部長であった者は自ずと自分の頭部を掴む。

髪の毛を引っ張るように頭部の皮膚ごと力任せに掴み引っ張る。


皮膚はゴムのように伸びきってブチ・・ブチと音を立てて途中から破れていく。

中からは少量ながらも血が流れ出ていた。


そして蛇が脱皮した後のような皮を地面に投げ捨てた。

ぐちゃぐちゃにはなっているがそれは人の形をした皮だった。

おそらくそれは本物のキャングス支部長の皮に違いないと思った。


「・・・支部長を殺して剥ぎ取った皮を着ていたのですか?」


「まったく苦痛でした。こんな汚い物を着る私の身にもなっていただきたいですね」


「おいおい、それは俺に言ってるのか?」


「半分はそうですね。しかしもう半分は文句など言えないのですよ。頑張っているのだから愚痴ぐらい言わせて下さいよ」


「ならさっさとしてくれねーかな」


「了解です。しかしその前に・・」


文字通り皮を脱いだ目の前の者は片手を上に挙げた。

そして手からは噴水のように水が放たれた。

勢いよく放たれた水はそのまま自分にかかる。


「穢れた人の血でベタベタしていてね。まず体を清めないと・・せっかく脱いで姿を見せたのだから綺麗にしたいじゃないですか」


目の前の者はそんな言葉をここにいる2人にではなく独り言のように言って血を洗い流し始めた。

そして体についていた血で見えなかったがその姿は鮮明に目の前にあらわになった。


「どうでしょう?ナッハガイム君、君の苦手な者でしたか?私は」


「・・・新たに苦手リストに追加・・というところですね」


「うははは。そのリストは今後はないかもしれない君では役に立つとは思えませんね」


笑う。

歪な生き物が笑う。


ナッハガイムの目の前にいる者はナッハガイムがこの世に生を受けてたぶん・・初めて見る生物。


「しかしあまり恐ろしいとはいえない容姿ですね。むしろ・・いやいいでしょう。それにしてもどこかで見たような気もするのに非常に嫌悪感が湧くその姿は・・・魔物ですか?」


「さて?どうでしょう」


キャングスの皮を脱いだ者は二足歩行の兎?のような者。

しかし亜人ではないように思える。

脱いだ時は普通の大人より多少大きい程度だった体格が今は2倍近くに膨れ上がっている。

なにより腕の太さが異常で人間の大人の胴回り程あるだろうか、そして口は裂けて恐ろしいほどの長い牙がはみ出している。


「姿も不思議ですがその体積でどうやってあの中に入っていたほうが不思議ですよ」


「まったく君は頭の良い人間だ、そんな事よりもうちょっと考える事があるでしょう?」


「鉄の壁が破られた、目の前には異形の化け物、私の命が危ないという事ですか?」


「そうそうそれです!」


「残念ながら・・貴方が言うように自分で言うのも何ですが私は非常に優秀なのでちゃんと用意はしてますよ?切り札と言うべきでしょうか」


そう言ってナッハガイムは左腕を前に出して指を広げる。

そこには・・・。


「黒い宝石の指輪?魔道具ですか?」


「正解。収納の魔道具です」


ナッハガイムがそう言った瞬間、指輪が光り指輪から何かが飛び出してくる。

それは複数だった。

大きさは60センチあるかないかだろうか?人の形を象ったそれは人形のような物でもあった。

しかし布や綿で出来ている感じではなく、金属で出来ていると思われた。

それが5体・・いや6体。

それは多種多様な、その図体にあわせた武器を装備していた。

剣、槍、弓、盾と。

指輪から出現したそれは整列する。

ただの物ならばそこに転がって動かない筈、しかしそれは立ち上がって横一列に整列した、ナッハガイムの前に。まるで守るように。


「なんですか?その玩具は?見覚えが・・ありますね。たしか君の事務所に飾ってあった置物じゃないですか」


「よく覚えてますね。その通りです、しかし玩具というのはちょっと違います。今からそれをお見せしましょう」


そう言って今度は右腕を出して見せる。

そこには先ほどとは違う指輪。

白い宝石がはまっている。


「白・・白という事は回復や補助魔法が主のダンジョン石ですが・・攻撃魔法は確かあまりない属性の魔法だったはず。白の攻撃魔法は希少と聞きましたが、貴方程度が持っていると思いませんし」


「それも正解です。これはこう使うのですよ」


ナッハガイムが指に力を入れたように思えた。

そして指輪が小さな白い光を放つ。

それに反応したようにナッハガイムを守るように整列していた金属の人形達はまるで生き物のように動き出す。走り出す。

キャングスだった化け物に向かって。


走り出したのは4体。

大剣1体、片手剣と小さな盾1体、槍1体、盾を2つ装備した1体。

弓を持った人形は途中で止まり小さな弓を放つ。

6体のうち残った1体は一際大きな盾をを装備しており、ナッハガイムの前に立ち小さな体ながら守るように陣取る。


「うはははは。なんですかこれは?私と人形で遊べとそういうのですか?」


「ええ、遊びましょう」


「ふざけるなっ!」


兎を象った化け物は激昂する。

舐められていると思ったのだろう。

冷静だった口調を捨てて怒りをあらわにした。


ナッハガイムが出した金属の人形達はそんな事など関係ないという感じで元キャングスに襲い掛かった。


大剣を持った1体と片手剣を持った人形が襲い掛かる。

元ギャングスはそれを煩わしいとばかりにその太い腕を横殴りにして2体を吹き飛ばそうとする。

しかしその腕は防がれる、剣を持った2体の間にはいった盾を装備した1体に。

盾の人形は吹き飛ばされずそのまま不動の体制で留まる。


そして剣を持った2体はそのまま一気に元キャングスに斬り付けた。

突き出された腕を切り裂き、片手剣は肩を貫いた。


「ぐっ・・こんな人形にっ」


2体に斬られた元キャングスは悲鳴をあげたが攻撃はそこで終わらなかった。

元キャングスは下を見る。

そこには槍を持った人形がわき腹を刺していた。

その人形を蹴り飛ばそうとした瞬間新たな痛みが元キャングスを襲う。

蹴ろうとした足に何本も弓が刺さったのだ。


小さな武器だろうが傷みは痛み、キャングスは顔をしかめ攻撃してきた人形を睨み次の攻撃に移ろうとしたが、人形達はまるでよく訓練された歴戦の兵士のようにすでに元キャングスから離れ、最初の位置、ナッハガイムの前戻っていた。


「どうですか?馬鹿にする人形とのお遊びは?多少血を流しておりますが楽しんでいただけたようで何よりです。さてどんどん行きますよ」


人形の弓兵が放つ矢がキャングスを襲う。

小さな矢だが的確に急所を狙ってくる。

目を狙ってくるようで非常に小ざかしい。

そしてその矢に気を取られているといつの間にか足元には自分の足腿や脛を切り刻んだり刺したりしてすぐに去っていく剣と槍の人形達、先ほどと同じでそいつらを蹴ろうとするとすぐに盾の人形が前に出てくる。


連携、まさに己の役割をしっかりとわかっている兵士の動きだった。

何より災いしたのは元キャングスと人形達の体格差、下手に自分が大きい分的の小さく機敏な動きを繰り返す人形達はまさに天敵だった。


「小ざかしい上にイライラしますね。君がこんな変な物を使って戦うのは流石に予想してなかったですよ。手を汚さない戦い方という点ではお似合いですね。しかしこの人形は何か聞いても?」


時間稼ぎ?と思ったがナッハガイムは嬉々として答える。


「よくぞ聞いてくれました。この人形達は魔動具という名らしいです。まあその名前も怪しいらしいのですがね」


「魔動具?聞いたことのない物だな」


「それはそうでしょう。これはつい最近私が個人的ルートでやっと手に入れた品です。いやはや6体手に入れるだけで資財をかなり使いましたよ。かなり希少品で貴重な品ですしね」


「まさに・・貴重そうでうざったい品だな」


「そう言われると光栄ですね。これは今は北方のドワーフの国、ドワーフ製の品でして、ドワーフでは名の知れた鬼才モルクの作品らしいのですよ」


「モルク?聞いたことはあるが・・らしいとは?」


「モルクの作品はドワーフと言えと真似できない作品が多いらしいのですよ。しかしこれは作品になる前の物、モルクが残した設計図を発見したドワーフ達が解読して出来た物らしく未だに完成品とはいえない試作品らしいのですよ。しかし戦ってみてわかるように試作品とは思えない出来栄えです。もし完全に解読された場合どのような物になるのか・・ぜひ完成品を作って欲しいものですよ」


「さすが商人だ。思わず欲しくなりそうな説明だったよ」


「それはそれは高値で買っていただけますか?」


「残念だがさっきも言ったように売主がいなくなるのでそれは無理だよ。壊れた残骸ぐらい頂かせてもらおう」


「残念です」


そこで二人は再び会話を切る。

人形達は動き出し元キャングスも動き出す。

先ほどまでとは違ったのは人形の攻撃を元キャングスが待ち構えるのではなく攻撃に転じた事だった。

ナッハガイムに向かって突進して行き、その異様に太い腕を構え振りぬく。

しかし降りぬく前に3体の攻撃用の人形が襲い掛かる。

元キャングスは煩わしいとばかりにこの3体を吹き飛ばした。

そして残った腕でナッハガイムを殴り飛ばそうと襲い掛かる。

しかしそれは防がれる。

常にナッハガイムの前に陣取っていた一番大きな盾をもった人形に。


「まったくなんですか、その人形は・・しかし所詮玩具か。ちょっと本気を出して当てればこの通りだよ。確かに小ざかしかったがそっちの攻撃はほとんど聞いてはいないしね」


元キャングスは自分が吹き飛ばした人形、そして自分の拳を防いだ人形に対しての言葉だった。

それもその筈、攻撃した人形は吹き飛ばされた勢いで氷の壁に当たってひしゃげて凹んでおり、盾で防いだ人形は元キャングスの拳の威力で盾が曲がってしまっている。

攻撃による被害を受けた人形が動けてたとしても残った2体では次の攻撃を対処するのは不可能に見えた。


「さてナッハガイム君、多少珍しい物を見せてもらったが人形劇も終わりだ。君との仕事は楽しかったよ」


「お別れをいうのは早いんじゃないですか?」


「何?まだ何かあるのかね?」


ナッハガイムは再び手を前に出した。

白のダンジョン石がはまっている指輪の方の腕を、そしてダンジョン石が光る。

そしてそれは起きた。

ダンジョン石が光ると同時に吹き飛ばされて体が凹んでいた3体の人形達が立ち上がっていた。そして盾が曲がった人形にも変化が起きた。


4体の人形が同時に光に包まれたのだ。

そしてすぐに光が治まり、何が起きたかわかる。


「何だとっ!」


元キャングスが驚いた理由、それは。

傷ついた4体の人形達が治っていた。

戦闘が始まる前、まるで先ほどナッハガイムが指輪から出した直後のような状態に戻ったのだ。


「どういう事だ!」


「驚いていただいて何よりです。やはりお客様が喜ぶ姿を見るのは商人にとっても喜びですね。説明しましょう。これは魔動具と言わせていただいたでしょう?ドワーフ製がただの動く人形と思ったら大間違いです。一見確かに魔力で動く人形ですがこれは実は1体1体に小さく砕いたダンジョン石が埋めれるように出来ております。そして埋まられた魔動具達はその砕いたダンジョン石、一番大きな欠片を持った者の言うとおりに動く」


「そしてその指輪がそれというわけか」


「その通り!一番大きな破片を持った使用者の思い通りに動き、さらにそのダンジョン石に込められた魔法や属性により攻撃方法や戦い方を変えるのです!素晴らしい品です。さらにダンジョン石の質や込められた魔法の威力にももちろん影響しますよ?魔道具でもありますので。ちなみに見てわかったでしょうが、私の指輪に込められた魔法は回復系です。というより私自信実は多少回復系の魔法が使えるのですよ。さらに素晴らしきドワーフ製の金属!魔力を伝えるのに最適な品ですね」


「壊れても直る人形共か・・なるほどな。しかし・・いや、褒めておくよナッハガイム君。君は素晴らしかった!ここまで驚かされた事、それにこんなに時間がかかるとは思わなかったよ!」


「・・・そうですか」


確かにナッハガイムは有利に見える。

しかし元キャングスはそんな事は関係ないというように両手を広げて戦いの再開を告げる。

そして戦いは再開した。


ナッハガイムはわかっていた。

というより計算外だったのかもしれない。

確かに自分は用意周到にこの場に対する対策を練ってきた。

自分の上司がおかしいと気付いた時はすでに遅いと思った。

しかし職務上無視するわけにもいかず、責任は支部のナンバー2である自分にあると考えた。

だからわざわざこんな危険な場所にきたのだ。正直に言えば自信はなかった。しかし勝算もあったのは確かだった、こんな化け物が出てくるなんて計算外がなければ・・。


「ふむふむふむ、やはりかねナッハガイム君。非常にお疲れのようだね。よし、今度は私が説明しよう。君のその魔動具とやらは非常に高性能だが逆に非常に効率が悪い、魔力消費がね。ダンジョン石は魔法を込めれば無限とはいかないが魔法を使えない者でもダンジョン石が誰でも持っているといわれる魔力に反応して何度も使用できる素晴らしいものだ。しかし君のそれは魔法が使えなければ使用できないのではないのかね?しかも垂れ流し状態、その人形が動いている時点で魔法をずっと使っている状態なのだろう?しかも君の場合は人形が傷つけば直すというおまけ付きだ。うははは、それならその状態になってもおかしくないね。そうだろう!そうなんだろう?ナッハガイム君!」


正解・・という言葉を吐くのすらナッハガイムは億劫だった。

自分はあまり汗をかかないタイプだが今の状態はどうだ、滝のように汗が流れ出していた。しかもその汗は冷たい。

俗に言う魔力の枯渇の症状。

このまま行けばナッハガイムは間違いなく意識を失い倒れるだろう。


「うんうん、まさにお遊戯だったよ。セナス様、お待たせしました。彼は終わりです」


「まったくやっとかよ。オイ、殺すときはあんまり派手にやるなよ。俺がやった事にするならお前の一撃を本気で食らわしたら死体の状態でバレちまうぞ?そうだなー心臓を一突きにしてくれ。それくらいなら許容範囲だろ」


「助言ありがとうございます。なら私の爪で串刺しといきましょう」


そう言うと元ギャングスは人差し指から鋭い爪を出した。


「しょ、商人の基本・・」


「ん?まだ喋れたのかね?口を開くのも苦痛の筈だが。しかも何を言っているんだ?妄想まで商売の話とは君は本当に生粋の商人だね、それにそっちは行き止まりだよ」


ナッハガイムはふらつく様に後退する。

操っていた人形はあちこちが凹んでバラバラになって倒れている、もはやピクリとも動いてはいなかった。


「・・は先を読み、先物取引・・」


「先を読んだ結果がこれかね!」


元キャングス、口が裂けた筋肉の化け物は飛んだ。

その体型ではありえないジャンプ力で。

天井にぶつかるギリギリまでの跳躍で。

そしてそのまま狙いをつける。

ふらつきならがら後退するナッハガイムの心臓に爪をつきたてる為に。


ナッハガイムは牢屋の入り口の手前で尻餅をついた。

遂に体力、魔力が尽きた状態で。

後に待つのは兎の爪のみ。


「あが?」


兎の爪はナッハガイムの丁度胸に刺さる手前で止まった。


「待たせたか?」


扉が開いた。

扉から入った来た者はそれと同時に声をかける。


「・・・・・・非常に」


「瀕死だな。外傷はないが・・これは枯渇か?」


「・・・・これが・・商談なら遅刻で破談なん・・ですが?」


「嫌味は健在だな。なら平気だ、ハレン引きずっていってやれ」


「はいなのです!」


「・・・優しく・・お願いします」


「却下なのです。ハレンが優しくするのは美紅様かお婆様限定なのです」


「ナッハガイムを外に出したらすぐに扉を閉めろ」


「了解なのです!でも平気なのです?なんか恐ろしい化け物なのです」


「平気だ。もう勝負はついた」


「ヒルマさんご武運を。さ!ナッハガイムさん行くのです」


ハレンがナッハガイムの服を後ろから掴むと入り口から外へ物凄い勢いで引きずって行く。

そして私は目の前の化け物を見る。

扉から入ると同時に自分の剣で貫いた化け物を。


「あにものだ」


「言っている言葉がわからん。まぁ口から頭を貫かれて生きているだけでも褒めておこう。お前こそ何者だ?」


「おあえはあおよおいあ」


「だから何を言っているかわからないと言っているだろう!」


「こおてえどでわわしはしなないど」


「今のはわかったぞ。この程度では死なないと言っただろ?だが残念だが私の剣にさされた時点で終わりだよ。それにしてもこんなに早く試すことが出来るとは」


「あんのことだ!」


「何?まったく口を開けたまま喋るな!と言いたいが私の剣が邪魔で閉じれないか。お前に刺さっている剣はな、先日手に入れた大会の優勝賞品でな。何でもドワーフの名工、天才モルクの一振りだそうだ。今からその剣の耐久性を試すので実験台になってくれ。今までの剣は私の7割程度の力でも折れていて話にならなかったからな」


「や、やめろ!」


「ちゃんと喋れるじゃないか。だが遅い行くぞ」


私はそのまま魔法を発動した。

今までなら確実に剣が折れているだろう威力での発動。

この剣が耐えれるかどうかはわからないが耐えれないならそれまでの剣という事だ。

体が雷で光り、それが剣に伝わり、さらの剣から突き刺さっている目の前の兎の化け物に伝わる。


最後に見えたのは兎の化け物は驚愕の表情。

そして雷が全身を包みこみ体が恐ろしい勢いで痙攣する。

10秒ほどの眩しい光り、雷が治まる。

残されたのは所々が黒焦げになった物だった。


「おお、実験終了だな。素晴らしい剣だ、だがしかし・・急に重さがなくなったと思ったらこれはどういう事だ?」


私は自分の雷の威力に耐えた剣の先を見ると確かにそこには突き刺した兎がいる。

しかしそれは先ほどの者ではなった、先ほどの筋肉で覆われたような巨体の兎ではなく、萎んだ兎。


それは・・皮。

黒く焦げた兎立った者の皮が剣の先にはぶら下がっていた。


「・・・もしかして私は逃げられたのか?」



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なんてことだ、ナッハガイムの奴は時間稼ぎが目的だったのか。あいつ等がナッハガイムを助けに来るとは思わなかった。あいつ等はナッハガイムを嫌っていたはずなのに。セナス様のことは諦めるしかないだろう。自分は使命も大切だが命はもっと大切なのだから。それにセナス様を助ける事は別に優先度言えば下のほうだ。恐らくは別に叱咤もされないだろう。それにしても危なかった。自分は汗などかかないがさっきのは冷や汗ものと言うのだろうか、もし2枚目を捨てなければ確実に死んでいた。今はここから逃げる事だけを考えなければ・・自分にはまだ使命がある。ここでの事は正直に話しすしかない。追っ手が来るかもしれない、気持ちを切り替え合流先を目指すしかない」


「ぐはっ!!!」


なんだ!脱出の為に必死に進んでいると尻尾に痛みが走った。

追っ手か!?こんなに早く!?

首を、いや体を捻って痛みが走った尻尾を見ると・・。

噛み付かれていた。


「はぐはぐはぐ・・むぐむぐ」


人間?の小娘が尻尾を今現在噛んで咀嚼していた。


「不味い!これ不味い!」


「不味いなら噛むな小娘!」


「お?喋った喋った!お前やっぱり喋れる!」


「な、なんだお前、私がなにかわかるのか?」


「感じた。それにしてもお前不味い」


「意味がわからない!噛むな!放せ!よせ!咀嚼するな!」


「やだやだ。むぐむぐ」


「こ、この」


まずい、この姿では対処できない。

いっそこのガキにしてしまうか?

だがこのガキが何者がわからない以上それは危険だ。


「おい!お前は私を食う気か?人間なんかが私を食べれば死ぬぞ!やめておけ!」


「・・・・もぐもぐもぐもむぐむぐぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもむぐむぐぐもぐもぐもぐもぐもぐ」


「ギャー!け、警告してやったのに咀嚼速度を早速めるな!!!」


まずい本当にまずいこのガキがこのまま食べるとは思わないがこのままここにいるのはまずい!いっそこのガキを本当にやるしかないのか?


「アミー!アミー何処に行ったの?まったく急にどっかに行っちゃうんだから、アミー!」


こ、この声は!聞き覚えがある!ヤバイ!赤い奴だ!


「しゃくしゃくもぐもぐもぐもぐもぐもぐもむぐむぐぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもむぐむぐぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもむぐむぐぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもむぐむぐぐもぐもぐ」


このくそガキは咀嚼を止める気がないらしい。

しかたない最後の手段だ!


「むぐむぐむぐ・・うん?」


今だ!さらに弱まるがこれでなんとか逃げるしかない。

私は別に自分を負かした相手に対しては復讐したいとか執着心はあまりないがこのガキとナッハガイムだけは次あったら許さない!特にこのクソガキは絶対にだ!


「あ・・・切れた逃げた」


「あ・・いた!アミーダメだよ、まったく君のせいで僕はヒルマさんとハレンちゃんに気を使わせちゃったじゃないか。急にどっか行くんだもん。ん?何食べてるの?」


「不味いもの?」


「え?えー!もしかして拾い食い?だ、ダメだよ!こんな所に落ちてる物食べちゃ!あ・・ダメだって!こら!ぺっぺしなさい!ほらぺってしなさいって!」


「むぐむぐ・・ごっくん」


「あぁぁ・・食べちゃった・・もう!何食べたか知らないけどお腹壊しても知らないからね!」


「あー不味かった!」


「そんなやりきった顔で不味いとか言われても・・・」


「行くぞ美紅!」


「・・・こっちのセリフだよ。君のせいでナッハガイムさんが死んでたらどうするんだよ」


「知らない知らない」


「僕も知らないよ・・・って飛びつかないで!なんでアミーは自分で歩かないで僕に肩車させるの!頭に乗られるの疲れるんだよ!」


「ゴーゴー!」


「だんだん言葉覚えて図々しくなってきてるし・・・」


「走れ走れ」


「はぁ・・終わってたらどうしよう・・」



そして僕はアミーを肩車してヒルマさんとハレンちゃんを追いかけるのであった。


「ちょっと待ちたまえ、そんなはずはない。私は確かに長年俗世から離れて地下に潜っていたが地上に出た後はしっかりと現在の世界の情勢は集めたんだ。チュージー君、君が今言った事はおかし過ぎる。ありえないんだよ」


「え?そうなのか?別におかしくないだろう?」


「ソウ君は何か知っているのかね?何を持ってそんな根拠のないことを言うのだね?」


だって女神って結構我儘なのだ。

我のご主人がそうだし、あれ・・?でもこの場合ご主人ではないから・・まさか聞いてたアレが?


チュージーの話を聞くとこうらしい。

自分達はこの世界の者ではない。

自分達の集落に目も眩むほどの赤い光の玉が現れて気づいた時には変な場所にいた。

驚きもつかの間、目の前には先ほどの赤い光の玉が浮いていた。

そして自分達の一族から数人が光に包まれた。

そして自分もその中に含まれており、光が収まった後、呆然となった。

暫くして回りがざわざわと驚いていたので自分自身の体を見回して見ると・・。


姿が変わっていた。

まず6本あった腕は2本に。

そして2速歩行になっていた。

視界はしっかりしていてそのままだった。

体を動かしてみればやはり変な感じはしたが驚く事に違和感がなかったのだ。

まるで生まれた時からその姿、形をして生きていたような感じすらした。


赤い光から音が聞こえた。

それが言葉だとわかった。

しかし理解したのはその赤い光が消えた後だったと言っていいだろう。


『お前達はわらわの初の実験です。全員一度に力を使うのは愚というモノ。まずはある程度使い物になりそうな物に贈り物をしました。下等な生物からそなた達は進化したのです。その力をわらわの為に使う事を許します。新たな世界で存分に生きなさい。わらわはこの世界を新たに書き換えようとしています。しかしまだ完全ではありません。力を与えた者達よ。わらわの一の(しもべ)に従い地上に降りなさい。力を与えなかった物は一の(しもべ)に言って暫く眠ってもらいます。そなた達は失敗すれば新たに実験材料になるでしょう。では行きなさい』


そしてチュージーは別の場所にいた。

赤い光とは別の何かに言われ今ここにいる。


「馬鹿な!もう一度聞くよチュージー君、君が言うこの世界の者じゃないというのは小さな意味ではないのだね?例えば森だ。森の奥地に住んでいて森の外に出たことがなく、森以外を違った世界とか呼んでいるとかそういうのではないのだね?」


「意味はなんなくわかる。でも違う、この地上という場所に飛ばされてダンジョンに潜るまでに空を見た。オレの世界の空はいつもうす暗かった。そして丸いのが4つは浮いてた。ここはどうだ?1つしかない。いつも4つあった物が3つも減るわけない」


「それが本当なら・・まさに違う世界だ・・」


「シュッペル、それが何か問題があるのか?」


「大有りだよソウくん、君はわからないのかい?これは一大事だよ・・彼らはこの世界の法則に当てはめるなら『風』だ!『風』を知ってるだろう?」


「そ、それくらいなら我も知っているのだ!」


ご主人様からちゃんと教えられたのだ。


「ならこれは知っているかな?数ヶ月前に3大聖堂に数人づつ『風』が送られてきたのは?女神様が『風』をこの世界に連れてきたのは?」


「知っているのだ!」


我は胸を張って答えた!それもちゃんと説明にあったのだ!

ご主人様も胸を張って、あたしの初仕事!!と言っていたのだ。


「なら当然おかしいと思うだろう?『風』の来訪は女神様自ら光臨為され来訪先である聖堂に知らされる、それなのにチュージー君は違う。この世界に連れてこられ姿形まで変えられて、さらに変な実験までさせられているという。おかしいだろ!」


え?我もいきなり連れてかれて、姿形まで変えられてほぼ無理矢理任務とかいって働かされてますが??

おかしいだろ??


「確かにそう言われるとおかしい??」


「おかしいさ!一体女神様は何をしたいのか!これは聖堂は知っているのか?知らなければ大変なことだ!・・・いやもし知らなくて今知った場合もっと大変なことに・・くそ!冷静になれ私!これは私の専門外だ。だからと言って思考を止めるわけには・・」


シュッペルが壊れたのだ。

なので我が続きを聞くことにした。


「チュージー、お前はその実験が成功して賭けに勝ったら何が起きるのだ?」


「一の(しもべ)(しもべ)が言った。俺様と賭けをして勝ったらお前の願いを俺様から口を聞いてやる。でも負けたら俺様の下につけと、だから勝たなきゃダメになった」


「そうか。実験の内容は今も言えないのか?ここまで話しても言えないのか?」


「そこまで言ったら俺は裏切り者と言う者ならないか?」


「う~ん・・我もあまり頭の良い方じゃないからな~」


しかし唸っていたシュッペルがここで口を開いた。


「その前に君の仲間は囚われている者と一緒に選ばれた者達であってそいつらは仲間じゃないだろう?裏切り以前の問題じゃないのかね?」



その通りだ!( ー`дー´)キリッ






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