知らぬが仏(兄)
楽しんでいただけてますか?
書きたいことを本当に思いつきで書いてるだけなので読んでる方とフィーリングが合い笑っていただいてることを願って!続きをどうぞ!
この回好き(*´・ω・*)
あたしは緑の部屋でおじいちゃんから女神についての説明を受けていた。
「まず大切なことから言うぞい、お前さんに頼みたいのは女神の代理じゃ」
「代理?正式じゃないってこと??」
「そうじゃな、死んだ魂だけの存在のお前さんをすぐに正式な女神するわけにはいかんのぅ」
そうなんだ・・その前にいきなり拾った魂の扱いに困っていても代理といえど女神にするのはどうかと思うけど・・だって女神だよ?一応神様だよ?
「そのさ女神代理ってどんなことするの?」
「急ぐでない、まずお前さんが女神になった場合わしができるかぎりの特典について話そう」
特典?なにかもらえるのかな?そりゃ女神だし色々あるんだろうけど・・。
「何か貰えちゃうの?」
「うむ、状況が状況じゃからお前さんの場合特別じゃよ」
「え?何が特別なの!?」
「お前さんが女神として見事わしの期待に応えてくれた場合に限りわしの世界で転生させてやろう!どうじゃ!破格じゃろう!新たな生の獲得じゃ!」
「お断りします!!!!」
あたしは即答した。
「ななな、なぜじゃ!生き返れるんじゃぞ!?お前さんが女神としてわしの頼んだことをもし達成してくれたならばこのまま死ななくてすむのじゃぞ?その頃には新たな女神候補も見つかると思うし!それなのになぜ断るんじゃ!?」
「だって~転生って生まれ変わるってことでしょ??じゃあやだ~」
「生まれ変わりじゃいかんのか!?」
「うん」
何を言われようがこの条件ではあたしの答えは決まってる。
「なんじゃ、なんなんじゃ!何が不満なんじゃ!普通飛びつくじゃろ!?理由を聞かせておくれ!」
「えっとね、あたし別の世界での生まれ変わりには興味ないの」
「このままこの世界の管理の理に行きたいということか?無になるかもしれんぞ?」
「ん~いいかな~死んじゃって心残りもあるけど、あたし生きてた時に絶対達成できない目的が1つあったの、別の世界に生まれ変わってもその目的達成できるわけじゃないしね」
「なんなんじゃお前さん冷めとるのぅ、その目的とやらは言えることかの?」
「・・ちょっと恥ずかしいかも」
言ってもいいけど物心ついた頃から考えて考えてそれでも自分を説得して頑張って諦めた事だけどいざ口に出そうとすると恥ずかしい気持ちもある。
「言いたくないこともあるのは今のわしには痛いほどわかるがのぅ」
「うーーーーーん・・じゃあ言うよ!えっとね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でね」
「ふむふむ」
「ってわけ!そんな理由であたしはお断りします!ゴメンねおじいちゃんすごく優しくしてくれたのに期待を裏切るみたいなことして・・」
私は生きてる間で一番多く考えた事を死んでから一番優しくしてくれたおじいちゃんに話した。
死んでからこの人にしか会ってないんだけどね。
「うううぅ・・ぐす・・わかるぞぉぉ・・わかるぞ!その気持ち!」
あれ?すっごい共感された?しかもせっかく裏切り女神の話が終わったと思って泣き止んだのにまた泣かせちゃった・・なんか罪悪感・・あと同情されてる感じがする。
「ありがとっ、でもそれがルールだし仕方ないよね!」
「いや諦めるな!娘よ!まだ方法はある!わしに任せておけ!同士よ!」
えぇぇぇ・・なんか火をつけちゃった?しかも同士とか仲間認定されてる?なんで!!?
「何がおじいちゃんの琴線に触れたかわからないけどそんなにいきなり張り切られても困るんだけど」
「ふははは、お前さん可愛いだけじゃなくて本当に運がいいのぅ、神のわしが言うのもなんじゃが神に愛されておる!わしが愛しているという意味じゃないぞ??わしが愛しておったのは・・・うぅぅぅ」
わかるし!言葉の例えってことぐらい!あと自分で言って傷ついてるし!なんかこっちまで泣きたくなるよほんとに!あとあたしが可愛いのは知ってる!
「・・・よしよし」
私は軽く肩をさする。
「すまんのぅ・・」
「いいよ、続き話してくれる?私が可愛いいって所から」
「可愛いところからじゃないと思うが・・まぁええか、実はお前さんの願いはちょっとめんどくさいがちょっと難しい方法を使えば叶うと言うのが結論じゃ」
「本当に!!!!!!!!!」
どうしよ、私も泣きそう・・悲しいじゃなく嬉しくて・・まだ信じられないけどあんなに諦めてた願いが神様が言ってるというだけで真実味を帯びてくる。
「ほっほっほ、すごい反応じゃな、わしは嘘は言わんよ、ただ全てはうまくいかん犠牲もある」
「犠牲?それってどういうこと?」
「うむ、これから話すことから選択のはお前さんじゃが、決してお前さんだけの責任じゃない、むしろわしの責任じゃな」
「詳しく話して下さい!」
真剣な話だと思ったのであたしはおじいちゃんの目をしっかり見て姿勢を正した。
「お前さんの願いはわしが今回この地球という世界に来た理由を利用すれば叶うというわけじゃよ」
「・・・この世界に来た理由?観光?」
確かにこっちには出張で来たって言ってた、こっちのババア・・管理者に何かをお願いをしに来たって言ってた気がする。
てかこっちの管理者って地球の神様じゃない?ババアって言っちゃったし・・。
「確かにちょっと遊んだが観光ではない、わしはな新しい『風』を選別しに来たんじゃよ」
「新しい風?」
いきなり意味不明だよ・・わかるようにお願いします。
「そうじゃ『風』じゃ、つまりこっちの人間をわしの世界に呼ぶためじゃ」
「え?それっておじいちゃんの世界が魔王とかが出現して勇者とか召喚ってそんなありふれた感じの?」
「ちゃうちゃう、確かにわしの世界は魔法もあるし魔物もおる、別に勇者なんぞ召喚するほど困ってもおらん」
「じゃあなんでこっちの人を呼ぶの?」
「それはな、わしの方針じゃよ神としてのな、十数年単位でわしは異世界からわしの世界に悪影響を及ぼさない生物を選別しては招き入れる側の管理者に許可をも貰い召喚しておる」
「へ~でもなんでそんなことしてるの?」
「進化と退化じゃな、わしが呼んだ生物がわしの世界にどういう影響を与えるとしても世界のためになると信じてわしは神としてそういった行為をしておるのじゃよ」
おじいちゃんは自分の世界に過去何回も地球とは違う世界から人や獣や亜人種、他にも色々な生物を『風』と称して連れてきたいるらしい。
「それっていきなり事情も知らない人を連れてくるの?」
「うむ、そうなるのぅ・・ただその世界の管理者には許可は取っているので問題は起きない、来てもらった者たちには理不尽かもしれん・・だがこれは神同士のやりとりだからのぅ・・理解してもらうのは不可能じゃて」
確かにそう思う、いきなり全てを捨てて知らない世界に放り込まれたらたまったもんじゃない。
だけど相手は神、死とか病気とかが突然自分に降りかかるように神が存在してるとわかった今ならこの行為も同じなのかも知れないとあたしは思った。
そういった存在って理不尽って感じするしね!!
「それがおじいちゃんがここにいた理由なんだね」
「そうじゃ、それでなここからが核心なんじゃが、お前さんの願いを叶えるために今回の『風』をの話をしたい」
そっか・・わかった・・もうおじいちゃんの言いたいことがわかった・・あたしに覚悟しろって言ってることもわかった。
もっと迷うと思ったけどあっさりあたしの心は決まっていた。
捨てるものも犠牲にするものある、けどそれよりももっともっと欲しいものが手に入る!
「おじいちゃん!今回の『風』はうちのお兄ちゃんでお願いします!!!!」
私はすぐにお兄ちゃんを生贄・・風に選んだ。
「理解がはやいのぅ、いいのか?まあ、それしかないのじゃがのぅそれにしても即答はさすがじゃわい」
「うん!覚悟は決まってます!」
コレも即答!!頑張ったあたし!
「うんうん、改めて言うがコレはわしの責務じゃ、この選択をしたのはお前さんじゃがコレを実行するのはわしじゃ」
「気を使わなくてもいいよ、あたしの我侭だし」
そう、これはわたしの我侭だ。
小さい頃に捨てた願いを叶える為!死んでしまった私の我侭!!
「それから大事なことを言っておくぞ、わしが今回連れて行くのは十数人位じゃ、つまりお前さんの兄をわしの世界に招く瞬間その周りにいるものがいればその者たちも必然的に巻き込まれる、というか周りにたくさん人種がいるときが理想じゃ、干渉するためにババアに貰った許可は1回だしのぅ」
1回か~教室にいる時とかが理想なのかな~まあその辺はおじいちゃん考えるよね!
あと今更だけどこのおじいちゃん・・ババア=地球の神様?と仲悪いのかな?その辺聞いてもいいのかな?あたしまでババアってさっき呼んじゃったし・・今もか!
「細かいところはわからないけどとりあえず言っておくね」
私は再度姿勢を正しておじいちゃんを真っ直ぐみて言った。
「女神代理をお引き受けいたします!色々我侭言って申し訳ありませんでした!その分頑張りますのでよろしくお願いします!」
「ほっほっほ、急に礼儀正しくなったな!良い態度じゃがわしの方からも礼を言わせておくれ」
「お互い様だし、それにこういうのは礼儀正しく言わないとね!あと口説いても恋人はムリだからね?ここは覚えておいてね」
「口説かんわい!もう暫く女は当分いいわい!」
危険な宣言をした神様、同姓に興味持たないでね?そうなったらお兄ちゃんに会わせないようにしないと。
「そうと決まったらさっそく女神になって貰おうかのぅ」
「へ??そんな簡単になれるの?こう試練とか修行とか想像しちゃうんだけど」
「そんなことしとる暇ないわい!ほれ!」
そう言っておじいちゃんは見たことある宝石を投げた。
「え?2つ目だよ?さすがにお腹減ってないよ?これ違う種類?色が銀色っぽいけど」
「さすがにもう食べ物はいいじゃろ!!それは違う石でわしの力を込めた石じゃ!それを握って念じてみぃ」
「念じるってどうやって?女神になれ~って感じで?」
「そんな感じじゃ、自分の思い浮かべる女神像で念じればその石の力がお前さんのものになる」
「簡単すぎ、姿とか変わっちゃう?」
「念じるとき次第じゃな~、変わりたくないならそう念じれば変わらんて」
そっか~、女神女神・・あたしの女神像ってどんなのだろう・・。
う~ん、羽はほしいかも、あとは神々しい感じ?姿は変えたくないので服装かな~バルキリーっぽいのにしよう!!
「えい!!」
あたしは掛け声とともに自分で想像した女神像を思い描きながら宝石を握った。
パーっという強烈な光にあたしは包まれた。
「なにこれ?」
「なにこれってお前さんが想像した女神じゃろ?凄い綺麗じゃぞ?」
綺麗なのは嬉しいけど・・。
「槍と盾持ってるんだけど・・戦いに行くわけじゃないんだし・・」
「そりゃお前さんが思ったからじゃの」
「いらねっ!!!」
と叫んだ瞬間槍も盾も消えた、出し入れ自由らしい。
「全体的に容姿は変わってないのぅ、服がちょっと戦士っぽいかのぅ」
そりゃ戦女神想像しちゃったしね・・。
「あとは髪が銀髪になって目の色が左右変わったぐらいじゃな」
「え???」
「ほれ!鏡じゃ」
と言って鏡を出してくれたので覗くと顔の作り、体系はまったく変わっていなかったものの髪だけ銀髪になっていた。
「うーん、銀髪になれとか目の色変われとかは念じなかったはずだけど・・まぁ綺麗だしいっか・・」
「それはすまんのぅ、もしかしたら女神化の影響かもしれん」
「いいよそれくらい、結構気に入ったし」
「それにどうじゃ、女神になった感想は代理とはいえ大抵のことは出来るぞ?」
「なったばかりで実感はないけど感じるよ、人じゃないってことは」
女神になったことで言葉にはできないけど大抵のことなら何とかできるという自信がなぜか沸いてくるのを感じることが出来た。
「そうかそうか、女神になれたことじゃし、これからの詳細とわしの世界のこと、そしてお主に頼むことを話そうかのぅ」
「覚えることいっぱいだね」
「ほっほっほ、心配せんでええよ、女神の力で一度聞けば忘れることのない位にはなっておるはずじゃ」
「絶対記憶能力じゃん」
女神すごいな~代理でもそんな能力があるのね。
「そうじゃ!1つ心配事というか大事なことを言い忘れておった!」
「え?今更なに?おじいちゃんしっかりしてよ!ご飯ならもうさっき食べたでしょ?」
「ボケとらんわぃ!実はなお前さんの願いを叶えるにあたってな、お前さん死んじゃっておるじゃろ?実はわしも万能ではないのでそこの辺の話じゃ」
「うん、今は女神だけどね」
「そうなんじゃが、わしが今現在預かっておるお前さんの肉体が問題でのぅ」
すっかり忘れてた!あたしこのおじいちゃんに体を預かってもらってたんだった!
でもたしか問題かも、でも目的達成のためにはこのまま預かってもらっていいのかな?神様なら安心だし。
「どんな問題?」
「うむ・・実は体の方は魂と違って・・・・・・・・・・・・」
「そっか・・そうだよね・・できないこともあるよね」
伝えられた事実に私はがっかりした・・願いの半分が消えた・・そんな感情が襲ってきた。
「これ!早とちりするでない、解決策はあるのじゃ」
「・・・え???本当に???」
「なかったら最初に言ったようにお前さんの願いは叶うなどといわんよ、ただその方法には『風』の件とは別にお前さんの兄に骨を折ってもらわなければならぬがのぅ」
「いいよぉ!!全然いいよぉ!!どんな方法!!!」
あたしはまた即答でお兄ちゃんを売った。
「それはな・・・・・・・・・」
「うん!いいよ!それくらいならあたしなら許せる!むしろ面白いよ!」
「それしか方法がないとはいえ即答じゃな・・お前さん短い付き合いじゃが大物じゃよ」
「ありがとっ!」
「それではこの問題はいいな、全てがうまくいけばお前さんの願いは叶う」
「うん、ありがとうおじいちゃん」
「・・・まぁわしのほうはもっと大変じゃがのぅ」
そうなんだよね~、あたしは願いが叶うから興奮してたけどおじいちゃんが自分の世界に危険な裏切り女神が潜んでるわけなんだよね~。
「おじいちゃん元気出してよ、ここまでしてもらったんだし代理だけど問題が解決するまであたしも出来る限り力になるしがんばろ??」
「そうじゃな、頼りにしておるぞ」
そう言うと私たちはお互い見詰め合って笑った。
これからおじいちゃんの世界に行ってお仕事をするパートナーなのだから。
「ね、おじいちゃん」
「なんじゃ?」
「色々ありすぎてお互いすっかり忘れてたけどさ、私達名前を名乗りあわない?それとも神様って名前ないのかな?」
地球の神のこと名前で呼ばずババア呼ばわりだしないかも知れない、ただ失礼なだけかな?
・・・まてよ?もし地球の神の名前が『ババア』の可能性も捨てきれない・・・地球の神様がその名前だった場合それはそれでショックだけど。
「おうおうおう、すまんのぅわしも色々ありすぎてすっかり忘れておった盲点じゃな、神にも名はあるぞ」
そっかあるんだよかった~、つまり地球の神様も名前で呼んでた!『ババア』説も捨てきれなくなった。
「よかった~!私から言うね、私の生きてた人の時の名前は樹 蒼華いい名前でしょ!」
「うむ、響きのいい名前じゃな」
褒めてくれた、私もこの名前が大好きだ。
「それじゃ、わし自己紹介じゃな、わしの名はカナギウスという」
「へーカッコイイ名前だね!」
「そうじゃろう!そうじゃろう!」
「様とか付けて呼んだほうがいい?カナじいでいい?」
「・・・・・早速愛称か、まぁええわい」
だって上司でもカナギウス様とか今更呼びにくいし今のうちに親しい呼び方にしちゃえばいい関係になれるじゃん?
「それでね、お願いがあるんだけど聞いてもらっていい?」
「なんじゃ、もう蒼華はわしの部下じゃ何でもいってみぃ」
「うん、あたし今は女神だし人じゃないよね?だから女神の時は人の名前は置いておいて別の名前を名乗ろうと思うの」
「なんじゃそんなことか、でもいいいのかのぅ?蒼華という名前は気に入っておるのじゃろ?」
「大好きだけど、女神代理を引き受けるんだもん覚悟としてそうしたいの、だからカナじいがあたしに対する女神としての名前付けてくれる?」
自分の我侭が実現するからという理由でもこのおじいちゃんはあたしを信用して女神なんて大役をくれた。だからあたしはあたしで頑張ろうと思う、名前を変えるのはその第一歩と覚悟の証。
あ・・・でももちろん変な名前だったら却下するよ??
「そうじゃのぅ、スィーニーでどうじゃ?」
「スィーニー?それってこっちの言葉だよね?」
「そうじゃな、地球生まれじゃしな、そのほうがよかろう?」
「うん!気に入った!」
スィーニーかぁ。あたしはこれから女神スィーニーらしい、代理だけど恩を返すために頑張ります。
「それでは女神スィーニーよ、これからよろしくのぅ」
「よろしくお願いします、カナじい!」
「わしの世界は問題を抱えてしまった、お互い苦労するかもしれんが頑張ろうぞ」
「うん!あたしも目的あるし!頑張る!」
「ほっほっほ、元気でいいのぅ」
そうだ、死んじゃったけどなんだかんだでいい方向に転がってる!
カナじいも言ってたけどあたしは死んでしまったけどそれでも運がいい気がする!
第2の人生?仮だけど・・女神代理スゥーニーになって頑張ります!あたしの究極の目的のために!
そう・・・・!
『 異世界でお兄ちゃんとあたしの幸せ計画!!!!!!!!! 』
美紅のいない場所で色々なことが決められてる!
美紅「なんか胸がざわつくな~」
気にするな美紅(*´・ω・*)