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バトル開始

お待たせしました。


次も頑張って書くけどけどちょっと待ってね(*´・ω・*)

ゴソゴソガサガサ。

只今は僕はバトルロイヤルのステージを決めるクジ引きを引いてます。

運命のくじ引きです。

なにがって?先に引いたオス(メン)が叫んでいたのよ!1番よぉ1番引いちゃったわぁん!って!

1番を引いた場合・・バトルロイヤルでオス(メン)と戦う事になるのよ!


1番以外1番以外1番以外1番以外1番以外1番以外1番以外1番以外1番以外1番以外1番以外!!

神様カナギウス様!女神様蒼様お願いします!我に力を!


僕は意を決して紙を掴んで箱の中から手を抜いた。

そしてその手の中にある紙の番号を確かめる。


・・・・3番!


やったああああぁぁ!

これで僕達は助かった!ありがとう神様。


「ヒルマさんハレンちゃんやりました!3番ですよ!オス(メン)の人達とは別のステージです!」


「美紅よくやった!」


「美紅様流石なのです!」


ね?二人がかなり本気で喜んでる時点で僕達にとってこのくじ引きがどれだけ本気だったかがわかるでしょ?


「美紅様見てほしいのです、それぞれの組のステージの場所が張り出せれ始めているのです」


「本当だ」


「でも僕達を示すのも番号だしどの組がどのステージかはわからないね」


僕の番号は60番、普通に2回戦をクリアした順だ。


「行けばわかるだろう、さっさと3番の場所に行こう。ここは騒がしい」


続々とくじを引いた組が自分の番号の場所に移動し始める。

僕達は奇数なので右の武舞台に移動した。

うっ・・番号は違ってもオス(メン)がこっちにいるし。


「それでは皆さん準備が整いましたでしょうか!?只今から4回に分けてバトルロイヤルが行なわれます!まず1回目の代表者の方はこちらの控え室に集まって下さい。そこに様々な武器がありますので選んでいただきます!」


「1回目は1番の人達だから2回ほど観戦ですね」


「ゆっくりできそうだな、だがその間に私達も誰が出るか決めないといけないな」


「そうですね、魔法が認められるならヒルマさんを送りこめば全員感電させて終わりなのでそうすればいいのです」


「おい子猫、私の事を兵器みたいな言い方は止めろ」


「二人共そろそろ1回目始まるんでそこまでお願いします」


「わかったな子猫静かにしろ」


「ヒルマさんもなのです!ん?美紅様あれを見てほしいのです」


ハレンちゃんが指を指す方向を見るとそこには昨日の緑色の鎧のイケメンがいた。

周りにはそのメンバーと思われる2人もいる。

意外と若いナンバーだった、何か不思議な感じがした。


「あいつ等もこっちの武舞台か、3人しかあそこにいないと言う事は1番でこれからか?」


「わかりませんけど3番だったら嫌ですね」


「あ・・始めるみたいですよ」


「さあ!お待たせいたしました!只今から3回戦1回目の対戦を始めます!17名の参加者の皆様は武舞台上の上がって下さい!」


司会のアナウンスとともに屈強な人達が武舞台の上にあがると歓声が上がった。

みんな色々な武器を持っている、あれが選んできた武器なのだろうか。


「見てください美紅様、オス(メン)の人武器を持っていないのです」


「本当だ~」


「理由は簡単だな、オス(メン)は自らの肉体が武器と言うわけだ」


さすがオス(メン)自らの肉体のみで語るわけね。


そして始まる。

1回目の戦闘が。


「さあ!準備が整いました!審判の開始の合図でバトルロイヤルを始めさせて頂きます!武舞台上の選手の皆さんもそれを応援する選手のチームの皆さんもしっかり応援も頑張って下さい!ではお願いします!」



「始め!!!!!」



審判の合図と共に武舞台上の選手が入り乱れるように動き出した。

隣の者を警戒する人や目の前の者にいきなり襲い掛かる人もいる。

いきなり二人から奇襲をかけられて焦って逃げる人もいれば開始後にいきなりやられて倒れる者までいる。


「これは凄いな」


「そうですね、バトルロイヤルなんて見るのも参加するのも始めてですけどドキドキしますね」


「ハレンも初めてなのです。でも1名ほど圧倒してるのです」


その通りだった。

もちろんある意味優勝候補の生物オス(メン)


「おほほほ!楽しいわぁもっときなさい!ほら!締めてるんだからもっといい声を出してよ!あら貴方背後からアタシにアタック?当たりが弱いわよ?そんな斧じゃ私の肉体にはかすり傷程度よ?もっと熱くぶつかってきなさいよぉ!!!」


オス(メン)は好み?の男性を後ろから羽交い絞めにして首を絞めて落とそうとしている。

その隙を突いてがら空きになった後ろから斧で斬りかかられたにも関わらず普通に攻撃が弱いと指摘している。というか斬られてるのに逆ギレとか恐ろしいわ。


「なんで締めている腕にちょっと力を込めればすぐに落とせるはずなのにあのオス(メン)はゆっくりと時間をかけて締めているんだ?そのせいで攻撃を食らっているぞ?」


「ハ、ハレンに聞かないでほしいのです」


「たぶんですけど締めている男の人の感触を楽しんでるんじゃないかと・・見てくださいあれ、締めているオス(メン)の人の顔、完全に恍惚の表情してます」


僕がそう言うとヒルマさんもハレンちゃんもオス(メン)の表情を見てドン引きしている。


「あらぁもう気絶しちゃったの?そんなに気持ちよかったなら言ってくれればいいのにぃ」


首絞められて言えるわけないでしょ、その前に気持ちよくないでしょ。


「まだ攻撃してたの貴方?もしかしてやっぱりア・タ・シ・に気があるの?嬉しいわん、じゃあ答えてあげるのがオス(メン)の嗜みぃぃぃぃぃぃ」


次のターゲットを見つけたらしく斧で攻撃していた筋肉が盛り上がった歴戦の戦士っぽいスキンヘッドの男性が狙われた。

あの人死んだな・・と僕は心の中で思ったのだった。


「ほらほらほらほらほらほら!貴方とアタシの筋肉がぶつかり合わせて芸術として観客のみんなが歓声をあげているわよぉ!」


その通りだった、観客はオス(メン)とスキンヘッドの男が斧を奪われそのまま組み合って抱きつく形で武舞台に転がって揉みあう姿に観客は歓声をあげている。


ただし・・。


「きゃーーーー!」


「うわぁぁぁぁ」


「おえぇぇぇぇ」


って感じの歓声だ。

悲鳴だね。


「美紅すまないが気分が・・」


「美紅様ハレンはちょっと横になるのです」


「うん、わかるわかるよ。あれは戦いじゃないし」


僕も我慢して視線を武舞台上に戻すと・・。


「ふぅ・・貴方なかなかだったわぁ、この大会が終わったらオストピアに来なさい。きっとみんな歓迎するわん」


なぜか汗でテカテカして1人だけ立ち上がったオス(メン)はいい汗かいた的に額から汗を拭うとそう言った。

その真下ではスキンヘッドの男が倒れている、明らかに気絶してはいない。

息を切らして両手で顔を覆って涙を流してぐすんぐすん言っている・・そもそも抱きつきあって転がってただけでなぜそうなる・・一体何をされた。


「耳を舐めまわしただけなのにそんなに嬉しかったのぉ?」


うわぁぁぁ聞きたくなかった!そんな事バトルロイヤルでやるなぁぁぁ!しかもそれでリタイアとか!


「み、美紅・・あれは戦いなのか?」


「ヒルマさん答えれないのわかってて聞かないで下さい。僕もちょっと泣きそうなんです」


ハレンちゃんに至ってはもう見ずに横になって耳を塞いで震えている。


「さ~て次のえ・も・の!」


これはオス(メン)が1回目は突破だな・・・。


「へ~驚いたわぁこれみんな貴方がやったのん?」


ん?


「あんたが変態行為をしてる間にね」


「まぁ失礼ね、聖戦って言ってよん!」


言えるか!って突っ込んでる場合じゃない。

目の前のオス(メン)のおぞましい戦い?に目を取られて見ていなかったがいつの間にか武舞台上は二人になっていた、立っているのはオス(メン)と十代後半のそばかすがある地味めの男の人だった。

手にはショートソードのような者を握っていた。


「ん~青臭いわん、貴方はあんまりタイプじゃないわね。嫌な感じがするし」


「本当に嬉しい言葉をどうも」


「うふ、まあいいわ。私は4人しか遊んでないのに残りは貴方が倒したの?」


「俺だけじゃないね、ほとんどは俺だけど適当に相打ちとかしてたし」


「それでも貴方が残ってると言う事は貴方は強者と言う事よぉ!」


「そうなるね、で?出来れば触りたくないので降参してくれない?」


「うふ、恥ずかしくて触りたくないなんてうぶなのね。でも駄目私もここには代表として立ってるからね。さあぶつけ合いましょう!愛を!!」


「マジっすか~、まぁ触らない方法で戦うけどね」


「オラァ!!!」


オス(メン)がそう叫ぶとオス(メン)の筋肉が肥大する。

そしてそのまま両手をあげて突進する、明らかにそのまま掴んむ体性だ。


しかしそれは成功しなかった。


次の瞬間オス(メン)は腕を切られたらしく血を流して突進も止まっていた。


「美紅見えたか?」


「わかりません何をしたんでしょう。魔法でしょうか?」


「魔法ではたぶんないのです」


「ハレン見えたのか?というか見てたのか」


「はいなのです。なんて説明したらいいのかわからないのです。でもあの持ってる剣から何かを飛ばしたのです」


「飛ばした?魔法じゃなくて?」


「それがわからないのです。でも物体がある物を飛ばす魔法なんてあるのです?」


それにはヒルマさんが答えた。


「物体?物体を飛ばしていたのか?確かに物体を想像する魔法は聞いた事あるが・・・」


物体とは何なのだろうと思ったが答えはすぐにわかった。


「まったく・・アタシとした事が油断したわん、一体なんなのこれは?」


オス(メン)がそう言うと腕から何を引っこ抜いて地面に落とす。

カランカランと音がしてそれは・・割れた・・そして消える。


「さて何でしょうね、首を狙ったのにそのぶっとい腕に防がれちゃったな」


「ガラス?これは・・魔法かしら」


「不正解!!」


「があああ・・」


そばかすの男は剣を前に突き出すと今度は僕たちにもわかるような光る物体がどんどん飛ばされる。

それはオス(メン)に向かって飛んでいく、腕で顔を隠すように防御しているオス(メン)の腕や体の次々を突き刺さる。

そして腕や体には尖ったガラスのかけらが刺さって血が流れていた。


「ヒルマさん、ガラスを生み出す魔法なんてあるのです?」


「私はそんな魔法来たことがない。しかもあいつは剣から出しているフリをしてるがそうじゃないぞ、あれは手から出している」


そうなのだ、剣を突き出して構えているが明らかに手前の剣を持つ手からガラスのかけら発射されている。


「うわ、タフですね。筋肉が厚すぎて致命傷にならないとか初めてですよ」


「あ、貴方あそこの緑の鎧のいい男のチームの人ねぇ」


「そうだけど何?」


「な、謎が解けたわん、1回戦ホッカの実を確保するだけなのに死人や怪我人が大量に出たって事がよん。

あの後聞いた話じゃ怪我人達は大量の切り傷に出血死が原因しかもホッカの木にも大量の切ったような傷がいっぱいついていたらしいのん。剣なんかじゃない傷がね。あれは貴方達がやったのね」


「それは正解かな、ルール違反してないし別にバレても怒られないからいいけどね」


「そうねぇ、でも今回はルール違反じゃないのかしら?」


「ん?ああ、もしかして魔法って聞かれて不正解っていった事?平気だよ、これ俺の元々持ってる力だし、そういったの使っちゃいけないってルールにないし。それに食らってわかったでしょ?刺さったガラスがどんどん次から次に消えてるってさ。俺の意志で消せちゃうから証拠も残らなーい!残るのは鋭利な切り傷だけってわけよ」


「な、なるほどねぇ」


「で?降参してくれないかな?他の人達は降参する前に倒れちゃったけどね」


「無理よ!!オス(メン)に・・後退はないわ!!!!」


そう叫ぶとオス(メン)は再び突進する、血を撒き散らしながら。


「まったくこっちの人は諦め悪いな。グラス・・」


「がふ・・」


きゃーーーー!と誰かが叫んだ。

その叫び声が引き金となって会場に悲鳴が響き渡る。


両腕を開いて突進したオス(メン)はそばかすの男を摘む1メートルほど手前で止まった。

もう少しで摘める距離にいた。

しかし掴めなかっただろう、掴もうとした時には両腕がなかったのだから・・・。

切り飛ばされた両腕の部分から血しぶきが噴出していた。

オス(メン)はそのまま前倒れになってうつ伏せたのだった。


「救護班前に!」


「早くぅ!誰か回復魔法を!いえまず血止めを!早くぅぅぅぅ!」


オス(メン)のメンバーが武舞台上に上がってリーダーを運んでいく。

リーダーは血しぶきをあげながら観客の見えない場所まで運ばれていった。


「審判さーん、俺勝ち抜けだよね?」


「ご、5番のチーム代表の勝ち!決勝進出を許可します!」


「うえーい!やりましたよ~」


やる気のないような声で勝ち名乗りをあげると後ろの緑色の鎧の男の元に戻っていった。


「ヒルマさん・・僕のダンジョン石ってあの傷に使えるでしょうか?」


「あの重症じゃ正直無理だ・・美紅の持ってる回復の石は中級回復魔法だと思う。前のハレンの背中の切り傷が限界だな。切断まで治っていたらそもそもグラブも美紅が切断した腕が治っていただろうしな」


「で、でもないよりはよくないのです?持っていったあげたほうが良いかもなのです」


「そうした方がいいと言いたいがここからなら見えるだろ。恐らく回復魔法が使える者だろうな、魔法士が治療している」


「本当だ、回復の光ですね。治るのでしょうか」


「切断まで直せる回復魔法を使える魔法士は・・滅多にいない」


「そんななのです・・」


「命さえ助かれば僕はいいと思う」


「その通りだな、恐らく処置も早いので命に別状はないだろう」


「ハレンはあのそばかすの人嫌いなのです、あそこまでする必要はあったのでしょうか」


「ないな、あれはわざと派手にやったんだ。一体あの力はなんなんだ」


「・・・・・・・」


そして空気を読まないアナウンスが流れた。



「第1試合場でちょっとしたハプニングがありましたが予定通り次のバトルロイヤルを始めたいと思いますのでご用意下さい!さあ!1回目に勝てなかった方は最後のチャンスをお掴み下さい!」



15分後1番を引いた人達の2回目のバトルトイヤルが開催された。

そして勝負は1分かからずに勝者が決まった。


「まったく、この大会のルールは盲点が多いな」


「まったくなのです」


「正直僕は気づいてました、でも普通やろうとは思わないですね」


2回目の勝者も緑の鎧の人のチーム。

再びそばかすの男が出てきてそれを見たほかの組は全員恐れてリタイアしたのだ。


「勝てば決勝のキップ。1回目を勝ち上がって手に入れていても2回目を出てはいけないとルールにはない・・か」


「つまり1番のくじを引いた人の勝者は2組ではなく緑の人達のチーム1組になってしまったのです」


「気にしても仕方ないし僕達の出番が早まっちゃったし誰が出るか決めようか」


「そうだな、さっきハレンが言ったとおり私が行こう」


「行くのです!大量感電兵器ヒルマさん!にゃぎゃーー!」


ヒルマさんをからかおうとしたハレンちゃんが最後まで言う前に叫び声をあげる。

理由はハレンちゃんの後ろに回ったヒルマさんがハレンちゃんにいたずらしたせいだった。


「し、尻尾を握るなんてヒドイのです!しかも力を込めすぎて痛いのです!」


「うるさい子猫、お前が私を馬鹿にしたせいだ。自業自得だ」


そう言われた横では握られた尻尾が痛かったのが自分で尻尾を撫でて毛づくろいしているハレンちゃん。


「ハレンの尻尾が~なのです」


「別にそんなに強くは握ってないぞ」


「尻尾は敏感なのです!それにハレンの尻尾を許可なく触っていいのはお婆様と美紅様だけなのです」


「それは撫でていい人の時も言ってなかったか?」


「そうなのです、ハレンに基本触れていいのは現在は美紅様ぐらいなのです」


「つまり美紅が触るつもりがないからこれから永遠にハレンに触るものはいないわけだな。寂しい奴だ」


「み、美紅様!ハレンの尻尾触らないです?な、撫でてもいいでのです!」


「気づいて必死にアピールするのをやめろ。悲しくなるぞ」


「必死じゃないのです!」


「あの~普段普通に生活する上で接触もあるし僕はハレンちゃんを永遠に触らないなんて事ないからそこまで必死にならなくても、ヒルマさんもそろそろハレンちゃんをからかうの止めて次出てくれるなら準備しないと、3番の人みんな移動してるし」


「そうだな、美紅も無理して触らなくていいんだぞ?それでは言ってくる」


捨て台詞を言って爽快に去っていくヒルマさん。

言い合いだと7:3でハレンちゃんが負けてる気がする。

可哀想だし撫でておくか。


「み、美紅様!お情けを感謝なのです。も、もっと直接お撫で下さい!」


「い、いや公共の場でフードまでとって撫でるとか無理だから上からで勘弁して」


「残念なのです」


本気で残念がっているハレンちゃんお頭を撫でたまま僕は緑の人達を見る。

もう試合には興味がないのか集まってお喋りをしていた。

見すぎていたせいか緑の鎧の人と目が合ってしまった。

しかもそのせいで手を振ってくる。

すぐに視線を逸らすと気づかなかったフリをして無視しておいた。


「美紅様美紅様ヒルマさんが出てきたのです」


「本当だ、やっぱり剣を選んだみたいだね」


「ハレンは思うのですけど、ヒルマさんは基本なんでも早めに終わらせたい性格だと思うのです」


「いきなりどうしたの?」


「たぶんあの剣も本当に適当に選んだのです、どうせさっきハレンが言った様に電撃ですぐに全員感電させて終わらせるつもりなのです」


「そうなの?ヒルマさんのこと良く見てるね」


僕は笑顔でハレンちゃんにそう言った。


「み、見てないのです、ヒルマさんは単純なので行動がすぐわかるのです」


そこは同意できないかも、たぶんハレンちゃんは照れ隠しで単純って言ってるけどヒルマさんは基本頭脳派だから単純とは程遠い。ハレンちゃんも素直じゃないからな~、酔った時に言った本音かもしれない話をしてあげようかな、いやヒルマさんに怒られたくないし止めておこう。


そして僕達の番である3番の対戦が始まるアナウンスが流れる。


「さて1番の対戦ではちょっとしたハプニングがありましたが予定通り右側の会場では3番の対戦を始めたいと思います。すでに3番のくじを引いた方がそれぞれの代表を選んで準備が出来ておりますのですぐに始めさせて頂きます。それでは審判の開始の合図で開始させていただきます!」


ちょっとしたハプニイングじゃないでしょ、あれは。


「それでは3番の試合!開始!!!!」


武舞台の上では17人の選手達が先ほどの試合と同じで武器を構えていた。

ヒルマさんも武舞台上に立っている。

ただし四角形の武舞台の丁度中央に立っていた。


開始の合図と共にやはり自分に近い者を警戒して戦い始めたり距離を取っている。

やはりみんなやる事は同じに見えた。

そしてヒルマさんはというと・・。


真ん中で見学するように颯爽と立っていた。

中央に目立つようにいる分警戒して誰もヒルマさんに向かっては行かない様だった。

そのまま5分ほど立つとヤられる者が出てきて人数が減っていく。


隙を突いて相手に斬りつけたり、明らかに組んでる者いた。

そしてさらに時間が経過した。

武舞台の上の選手の人数が半分以下になったところでヒルマさんが動く。


剣を武舞台に突き刺したのだ。

そしてそのまま・・電撃を流した。

電気は満遍なく地面を走って行く。

そのまま電気は地面に立っていた選手に襲い掛かり・・感電させてゆく。


武舞台上の選手は叫び声と共に痺れて倒れていく。

あっという間の出来事だった。

武舞台上には痺れて倒れてピクピクして選手達が倒れていた。


立っているのはヒルマさんともう1人だけだった。

そしてヒルマさんはその立っているもう1人に向かって喋りかける。


「ふむ、結構な電撃をだして暫くは動けない位の威力で攻撃したつもりだったんだがな」


深緑色のローブを着ている選手だった。

髪が長く前髪で顔が隠れている。

手には木の杖みたいのを持っていた。

顔が見えないので年齢はわからないが声からして性別は女の人だろうか。

ただし声がガラガラで陰気な感じで暗い雰囲気をかもし出していた。


「その様ですね、私もビックリですよ。まさか魔法士が混ざっていてここまで広域の魔法をいきなり使ってくるとはね」


「なるほどな、お前は魔法士だな?」


「さてどうでしょう」


「どうでしょうも何も姿形や武器が思いっきり魔法士だろうが、その木の杖は用意されたものではないな?

魔法が認められている時点で魔法士は魔道具じゃない限り自前は認められていたみたいだしな」


「貴方は魔法士じゃないのですか?まあ剣を持ってる時点で魔法剣士ですかね。しかも雷ですか、意外と珍しいですね。確かに私は魔法士ですが貴方では私に敵いませんよ。私は魔法のみに人生の全てを掲げてきた。剣などに(うつつ)を抜かして魔法と両立しているような中途半端な人には負けませんよ」


「そうか、魔法に人生を賭けてるのか。よく頑張ったな」


ヒルマさんその言い方は相手を怒らすかと・・。


「上から目線ですね、貴方腕に自信があるんでしょうが、私も負けられないのよ。一応ここには職業上の使命で来てるのでね」


「そうか、思い出したぞ。お前は昨日あそこにいる緑の奴のグループにいた奴だな?組は違うが仲間というわけか」


「よく見てますね、その通りよ。人数が多ければ勝率が上がるでしょ?でもあの方には私なんかの力は必要ないかもしれないけどね。それでも私は自分の為にあの方に役立つと言う事を見せておかなきゃいけないのよ」


「ご苦労様、もう良いならさっさと始めたいのけどな」


「そうね、じゃあ終わりにしましょう」


そう言って深緑色のローブの魔法士は杖を掲げる。

そして杖からはヒルマさんに向かって魔法が発動された。

真っ直ぐに走る紫電。

ヒルマさんが良く使う魔法。

雷撃を一直線に走らせ貫く魔法だった。

その光はヒルマさん向かっていき体を貫通するように貫いた。


「ひーひひひ、驚いた?ねえ驚いた?同じ系統の魔法がいきなりくると思わなくて油断しちゃったですか?さっきの上からの物言いはどうしたの~?あーすっきりした」


「ふむ、ちょっとだけ痺れたな」


「あ、貴方なんで無事なの?直撃食らったわよね!?」


「変な事を聞くな?私が広範囲の雷撃を地面にはわせたのをお前は食らっていただろう?なら私も無事なのは不思議じゃないだろう、自分の系統の魔法に対しては魔法士は耐性が自然とつくものだ」


「そ、そんな事知ってるわよ!でもあんたのは広域で威力も分散する!私のは威力集中型の魔法!いくら耐性があるって言ったからって普通は耐えれないのよ!」


「そんな事言われても私には答えれないな」


「わ、わかったわ!その鎧ね?魔道具なのね?運営側のチェックをうまく通り抜けてインチキしたってわけね?」


「馬鹿か・・ちゃんと魔法力探知を仕える魔法士が鎧にダンジョン石がはまってないかを入念にチェックしただろうが、あれをばれないように通過する術があるなら私が知りたいぐらいだ」


「嘘よ!絶対嘘よ!」


「別に信じてもらわなくても・・」


深緑の魔法士は発狂したようにさっきと同じ直線に走る紫電の魔法を何度も連射した。


「くらえ!くらえ!インチキ女!」


「なんなんだまったく・・」


それをヒルマさんは剣を盾にして防ぐ。

剣に電気をまとわせて紫電の方向を変えてしまっているのだ。


「インチキ女!魔法剣士のクセに!純粋な魔法士に逆らうな!」


「どういう理屈だ」


「うるさい!うるさい!」


「ふう、剣に亀裂が入ってきたな、支給品の剣では数分も持たないか。あとうるさいのはお前だよ」


そういうとヒルマさんの剣を持ってない方の腕が上がりそこから相手とまったく同じ魔法が放たれる。


さっきの雷撃がヒルマさんを貫いた光景とまったく一緒だった。

ただし決定的に違うのはヒルマさんと違って相手が叫び声をあげて煙と共に床に倒れたと言う事だった。


「ぎゃああああああ!」


「うるさい奴は苦手だ」


「勝者60番!決勝進出!」


前の試合とは違った歓声が響く。

純粋に選手を称える歓声。

悲鳴などの不純物は一切混ざっていない爽快な歓声がヒルマさんを包んだ。


ただし、その歓声に答えることなくヒルマさんは全力で走って逃げた・・。


「せっかく会場の視線を独り占めなのにヒルマさん選手控え室逃げちゃったのです」


「ははは、ヒルマさんは結構恥かしがり屋さんなんだよ。僕は結構気持ちがわかるかも」


「ハレンだったら勝ち名乗りをあげられたらアピールするのです」


「ハレンちゃんはそういうタイプだね」


でも種族的に目立っちゃいけないでしょ・・。


「それで美紅様どうするのです?」


「何が?」


「次の試合なのです、勝ち抜きもした者も参加ができるのです。美紅様が望むならハレンが勝ち抜いてもう1枚のキップを手に入れてくるのです!」


「そうだね、それは辞めておこう」


「はいなのです」


僕がそう言うとハレンちゃんはあっさりと引いた。


「ハレンちゃん僕の答えがわかってて聞いたでしょ?」


「はいなのです、でも一応聞くのが礼儀かと思ったのです」


「気を使ってくれてありがとうね、ヒルマさんのお陰でもう次に勧めるからこれ以上戦う必要はないってのも理由だけどそれ以前に戦いは何があるかわからないからね。ハレンちゃんを信用してるけど出てくれたとしても少しでも怪我する可能性があるなら出る必要はないと思うしね」


「美紅様、ハレンの事をそこまで思ってくれて嬉しいのです」


ハレンちゃんは感動に目を潤ませて僕に向かって完全に抱きつこうとしている。


「こら子猫!美紅の子猫に対する優しさは社交辞令だ!」


ハレンちゃんが飛びつこうとする寸前に後ろから戻ってきたヒルマさんに引っ張られてそれを止められた。


「うぐっ・・首が絞まったのです。酷いのです逃亡ヒルマさん」


「わ、私は逃げてなどいない!立派に戦った!」


「戦いは確かにカッコよかったのです。でも恥かしくて逃げたのでーす」


「黙れ!あれは逃げたんじゃない!折れた剣を早めに返しにいっただけだ!」


「絶対逃げたのです」


「違うと言ってるだろ!美紅なんとか言ってくれ!」


「えっと、ヒルマカッコよかったです。ありがとうございました。お陰で次に勧めます」


「ほらほろ!!!美紅はわかってくれてる!!!」


いやそんなに大声で勝ち誇られても・・。


「ふふん!それこそ美紅様の優しさの社交辞令なのです」


「揚げ足ばかり取るな子猫!」


「だから猫じゃないのです!」


「お手!!」


「それは犬にやる行為なのです!屈辱すぎるのです!侮辱なのです!」


「お座り!」


「い、いい加減にしてほしいのです!ハレンは犬でも猫でもないのです!」


いい加減にしてほしいの僕なんですけど・・目立つからやめてよ。


二人が言い争ってるうちに最後試合のアナウンスが入った。


「さて皆さん!右側のステージは早くも最後の試合になりました。強者揃いで試合がスムーズに運んでおります!それでは3番方々~最後のチャンスです。新たな代表者を決めてもよし!先ほどのリベンジで同じ方がでてもよし!選手を決めて武舞台にお上がり下さい!」


そして僕達以外のチームの代表16人が武舞台上がった。


僕達は見学している中で勝ち上がったのは大きなバトルアックスを持ったガッチリした中年の戦士だった。


「あれはさっきのうるさい魔法士の仲間だな。見ろ同じ場所の帰って行く」


「すいませんあんまり見たくないです。あの人達全員こっちをガン見してるので怖いんです」


「平気なのです、恨まれているのはヒルマさんでハレン達は無実なのです」


「そんなわけあるか!恨まれてるのは私とハレンだ!」


「なんでハレンが入ってるのです!?」


「美紅は絶対恨まれないからだ、ハレンはきっと恨みの対象に入ってる」


「むぅ・・確かに美紅様を恨む人はいないのです」


何その見解、僕は結構こっちに来て恨まれることしてきたよ?

あとなんで二人共僕にそんなに優しいの?嬉しいけど流石にそれは違うと思うよ?


そしてどうやら左の会場でも全ての試合が終わったらしい。


「会場の皆さん!全ての試合が終わりました!どうでしたでしょうか!?どれも素晴らしい試合だったと思います!そして決勝のキップを手に入れた6組チームの選手の方々おめでとうございます!」


オォォォォォ!と会場が沸く。


「6組?こっちが緑のせいで3組になったけど向こうの試合でも同じ事をした人達がいるんですかね?」


「美紅考えればわかるだろう?戦闘大好きな部族がこっちにいなかった時点で向こうにいる」


「あ・・」


「アマゾネスさん達は絶対嬉々として2回出たと思うのです」


そうだ・・言われてみると絶対あの人達も2回出てる。


「それでは決勝戦は3日後になります!会場は我が国の城の前の広場になります!今回は細かいルールは当日になりますが種目だけは先に発表させていただきます!決勝戦はトーナメント方式の対戦でございます!今回は2組が2枚のキップを手に入れておりますのでその2組はシードチームとさせていただきます!残りの4組は最初に対戦していただいて勝ったチームがシードの組と対戦していただきます!そして最後に残ったチームが優勝とさせていただきます!本日の説明はここまで対戦方法やルールは後日説明させていただきます!ただしこれだけは言わせて頂きます!当日は選手の方が全力を出せる格好でいらしてください!ここまで言えばここまで勝ち抜いたチームの方ならお分かりですね?では選手と会場の皆様2日後にお会いしましょう!ご清聴ありがとうございました!」


オォォォォォォォと再び大きな歓声が巻き起こる。


「3日後か、明日じゃないのは怪我をおった者もいるからという気遣いだろうな」


「そうですね、そして決勝は武器防具なんでもありってわけですか」


「ダンジョン石もなのです」


「あの説明だとそうなるな。むしろ最後はどうせこうなると思っていた。派手にやりたいんだろうな」


「そうだと思います、頑張りましょうって言いたいですけどちょっといいですか?」


「なんだ美紅?」


「どうかなされたのです?」


僕は伝えたい事があるのですぐに帰りたいと二人に言った。

出来れば聞かれたくないので借りた別荘で話したいとも。


「ゆっくり派の美紅にしては随分急いで帰宅を促したなどうかしたのか?」


「すいません二人共疲れてるのに急がしちゃって」


「ハレンは美紅様を責めてはいないのです。責めているのはヒルマさんだけなのです」


「子猫お前・・」


「す、すいません二人共気持ちはわかってるので早めに伝えたい事が」


「子猫黙っていろよ」


「そっちこそなのです」


「えーと」


「すまない美紅言ってくれ」


「どうぞなのです」


「えっとですね、話したいと言うのは緑の鎧の人いましたよね。一番最初の試合、バトルロイヤルに出てきたそばかすの人の事です」


「メス(メン)の両腕を切断した奴がどうかしたのか?」


「あのガラスを飛ばす方ですか?」


「そうです、あの人の事で気づいた事があります。たぶんですけどあってると思います」


「あの変な技の事でもわかったのか?」


それもたぶん分かったけど肝心な事で核心だけを先に僕は二人に伝えた。




「あの人は『風』です」


「はいこれしっかり持って握っててね」


あたしは必要な素材をドラゴンさんに渡した。


「何これ?」


「いいから握っててね。あとこれもこれも」


「握りたくない・・」


「文句を言わない!それがないと混ざらないから!」


「何を混ぜるんですか!女神様!?もしかして我を混ぜるの?そうなの!?」


「お楽しみお楽しみ。悪いようにはしないから!・・・タブン」


「今小さかったけど最後にたぶんって言いましたよね!?途中から思ってたけど貴方本当に女神様ですか!?」


「女神女神、まぁそこんとこは転生して正式採用してから話したげるからいちいち聞かない」


「・・・やっぱり何かあるんだ」


「はい、最後の素材。てかこれが一番必要な物!自信作だよ。2回目だけどね!結構うまく出来てると思うよ」


「ダンジョン石??銀色の?」


「知ってるの?女神だけが作れる奴で貴重なんだよ?あ・・それ呑んでね」


「呑むの!?なんで!?ダンジョン石ってそういう物じゃないでしょ!?」


「女神には女神のやり方があるのだ。それに今回は貴方の願いを叶える用じゃないからね~。強制的に私の力とあわせて使うからね。私の力と体の中から変えるから体内にあった方が力が反応しやすいの」


「我実は食欲がなくて・・」


「呑め」


「・・・はい」


ごくん・・とドラゴンさんは涙目になって女神の雫を飲んだ。

嬉し涙だな、きっと。


「なんか気分が・・」


「よし・・準備オッケー!気を楽にしてね。あとは力を抜くだけでいいからね。いくよ!」


「我まだ心の準備が・・」


「そいやっ!!」


あたしは掛け声と共に初転生を開始する。

あたしの手が輝くとそれに反応するようにドラゴンの腹部が光り出した。

飲みこんだ女神の雫があたしの力に反応して共鳴している。


「ああああああ・・」


何かドラゴンさんが叫んでるけど無視無視。


光はお腹の部分からゆっくりと広がり大きなドラゴンの全身に広がり出してやがて完全に光で見えなくなってゆく。


「ぎゃああああああああ」


うるさいな。

痛くないはずなのに叫ぶとは・・痛くないよね?


光は徐々に眩しいと言えるほどに強くなって行きその場を包む。

やがてドラゴンさんの体積以上に広がりだした。

だがそれも短く段々小さくなり光も納まっていく。


そしてどんどん小さくなる。

小さくなりすぎて心配なほどに縮まっていった。


10メートル近くあったドラゴンはやがてその小さい物体になり光は納まり姿を現した。


「よし!成功??」




なぜ疑問系!?ぇ…(´Д`υ)



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