ハイソウ
ちょっと今回から配信が遅くなるかも・・。
用事で・・ごめんなさい。
できるだけ早くするんで・・(´・ω・`)
僕とヒルマさんとハレンちゃんの3人は必死に走っていた。
第2回戦という名の追いかけっこが始まってから2時間が経過していた。
やはり逃亡者側になった者は隠れる場所を探して隠れる物が多くて混雑で隠れる場所がなっているというのが現実だった。
開始から1時間もたたない内に逃亡者側で実力のない者は追いかける側の兵に掴まりリタイアしていった。
そして僕達はまず最初の悪夢をみることになった。
「美紅様アレ来るのです!お、オス男の臭いなのです!」
「に、逃げよう」
「あ、あの連中はなんで静かに走れないんだ?物凄い雄叫びが聞こええるぞ!追う側なら静かに近づくのが定石だろ!」
「き、来た!」
「美紅後ろ下がれ!」
「は、はい!」
そこには木を掻き分け暑苦しい肉戦車が叫びながら突っ込んでくる、地獄が近づいてきた。
見つかっちゃった!!
「いたわよぉぉぉぉ!!」
「ちっ!メスか!」
「ちっ!メスか!」
「ちっ!メスね!」
「美紅様何か変なのです!」
あの人達というかあの町の人が変なのは知ってるよ!凄い舌打ちしてるし!
「ど、どういうこと!」
「無視よぉ!メスなんか捕まえても汚れるだけよぉ!目指すは可愛い可愛い男子ぃだけよぉ」
「もちろんよぉでも渋い叔父様でも可よ!」
「わたしの胸板で挟んであげちゃうわぁ!」
「あっちよ!あっち!あたすぃの三角筋ピクピクが反応してるわ!そうね・・20代前半の身長178センチ体重53キロのスラっとしてて性格は引っ込み思案でそれでいていざと言う時は強気な男子!そんな反応よ!捕獲よ捕獲!!!!」
「「「ウォォォォォォ好みのぉぉぉタイプゥゥゥゥゥ」」」
こわっ!!メスじゃなくて女の子は触りたくないで捕獲できてもスルーする予定だったのは助かるけど怖いんだよ!なんで見えてないのに今から捕獲する男の人の容姿と情報しかも性格まで筋肉でわかるんだよ!
「た、助かったな・・美紅」
「あの方たちとは勝ち負け以前に関わりたくないのです」
「だ、だよね、よしここから離れよう」
そう言ってここから離れる事にすると遠くない場所で叫び声が木霊した。
「いぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
・・・若い男の人の声だった・・たぶん彼は犠牲になったのだ。
「さて・・あと7時間ちょっとですか、頑張って逃げ切りましょう。オス男の脅威は男の人限定ってわかりましたし」
容姿が女っぽくて・・蒼の体で本当に良かったと思います。
オス男の狩場から逃げて移動した後に何組かリタイアした組や『兵』側の人達とすれ違ったけど僕は何もしなくてもハレンちゃんとヒルマさんが退けてくれた。
ハレンちゃんの体術はもちろんだけどヒルマさんも剣がなくても結構強い。
「まだ強敵といえるのはいないな」
「ですね~、何もしてないですけど非常に助かります」
「強い人達はもうクリアしてると思うのです」
「確かにな」
うーーん。
「どうした美紅?難しい顔をして」
「あのですね、確かに強い人達はクリアしてると思うんですけどしてない人もいるかもしれません」
「どういう意味だ?」
「今回は結構ルールが決まってましたけど3個リーダーの印を奪えば『兵』側はクリアって言ってましたけど3個以上奪っちゃいけないってルールは入ってませんでしたよね?」
「あ・・なるほどなのです」
「そうか1回戦のホッカの実のようにか・・ライバルを減らすためにクリアできるのに余分に捕獲してる奴がいるかもしれないな」
「というか絶対いるような気がします」
オス男がそれをしてませんように・・。
「美紅様あそこに移動するのです、なかなかいい岩場が集まっているので隠れやすいのです」
「うん、任せるよ」
「あそこならいい隠れ場所になるな、体も休めそうだ」
「ふぅ、逃げる側ってドキドキしますね、でもこれ結構楽しいかも」
「童心に返れるのです」
「ハレンは子供だろ」
「ハレンは成人してるのです、15歳なのです」
ハレンちゃんは確かに小さいわりに意外と胸もあるので子供ってわけでは・・ヒルマさんが肉感的すぎるだけで・・。
「・・何か聞こえる、二人共ちょっと静かに」
「兵さん達なのです?」
「そうだがちょっと何か違うな、心配するな距離は離れてる」
ヒルマさんの聴覚が何かを感じ取ったらしい。
「なんて言ってるんですか?」
『君達は何個奪ったんだ?』
『6個目です、しかしこんな簡単ゲームじゃつまらないですね』
『確かにそうだがこれも楽しいじゃないか、僕達のしてる行為や君達の力はルール違反にならないんだし』
『でも文句をつけられたらどうするんですか?』
『その場合はわたしに任せてくれたまえ、ルール違反などと文句をつけられた場合はちゃんと説明してわかってもらうよ』
『お任せします』
『うん、こっちも8組ほどだ、まだまだ時間はある最後まで楽しんで殲滅していこう』
『拙者疲れたでござる』
「なんだこいつ等は・・」
「どうしたんです?」
「ヒルマさん??」
ヒルマさんは聞こえてきた会話の事を話してくれた。
「余裕な感じで乱獲しているチームですか?危険なんですか?」
「危険というわけではない、恐らくそいつ等は1班だ。私達とは班が違うから敵ではないと思う」
「もしかしてオス男さんが言っていた強い人達かもしれなのです」
「班が違ってもあんまり会いたくないですね」
「心配するな、近づくものは私とハレンでわかる。ちなみにオス男の方はどうだ?ハレン」
「あ、あの人達はどんどん離れていくのです。というか離れていくのに臭いが強くなって言ってる感じが」
一体どんな匂いを発しているんだ・・あの生き物は。
「何か近づいてくるな、足音がする」
「これは・・アマゾネスさん達の臭いなのです」
「敵側ですかね?」
「それはどちらでもいい、移動するぞ」
僕達は見つかる前に逃げる事にしたのだけど。
「見つかった」
「だから私の言う方向に逃げればよかったんだ」
「あっちはオス男の臭いがしたのです!」
というわけだ、逃げる方向について二人が争って追いつかれた・・。
「残念だけど敵同士になっちゃったわね」
「あの~あっちに天敵のオス男さんがいますよ?行ったらどうでしょう」
「行きたいけどあの化け物達も同じ兵側なのよ、逃亡者側なら真っ先に捕まえに行ってるんだけどね」
「そーですかー」
運がなさすぎる!
「で?お前達は私達で何組目なんだ?」
「ん~わかってるのね。貴方達で6組目かしら」
「そんな!さっさとクリアしてどっかに行ってほしいのです!」
「賛成!賛成!」
「叫んでもダメよ、ルール上平気なら余裕があれば普通はライバルを減らすでしょ。同じ女チームとして
勘弁してあげたいけど手加減はしないわよ」
「なるほど、ならこっちもルールに乗っ取らせてもらおう」
「どう言う事?逃げるの?」
「逃げれないなら仕方ない、ハレンやるぞ」
「はいなのです!美紅様はお下がり下さい」
「二人共信じてるけど気をつけてね」
「いいわね、貴方達随分場慣れしてるのね。でもこの2回戦は一切の武器、魔道具が禁止されている。そんなルールでの戦闘はしたことある?」
「体術ならハレンは多少覚えがあるのです」
「そういう意味じゃないのよ、こういう場合や場所ではちゃんとした戦い方があるってことね」
そんな言葉を言うとアマゾネスさんの4人は近くの木に手をかける。
そして木を両手で掴む、確かに女性にしては筋肉質であったが目に見えるほどではなかった。
しかし一旦力をを込めると筋肉が盛り上がるように腕の筋肉が盛り上がり軽々と大木を引っこ抜く4人。
「ヒルマさん・・逃げません?」
「遅いと思うぞ?美紅」
「美紅様恐れることはないのです。あの位ならハレンもできるのです」
え?出来ちゃうの?
「強気なのはいいけど出来ない事を出来るとか言うのは感心しないわよ、白いフードの子」
「で、できるのです!」
「そうだ、アマゾネス達お前達は見た目で判断しているようだがな、このハレンという奴はお前達が引っこ抜いた大木どころかあそこに見えるか?あの大岩すら軽々持ち上げるぞ」
ヒルマさんが直径3メートルぐらいの岩を指差して言う。
「さ、さすがにあの岩はハレンも軽々は無理なのです!」
「ハレン・・私も冗談で言ったのに持てるのか?」
「持てないのです!か弱いのでその辺に落ちている石ころが限界なのです!美紅様ハレンはお箸より重いものは持った事ないのです!」
何かいけないことを言ってしまったみたいな顔をして必死にか弱いアピールをしてくるハレンちゃん、でもそれどころじゃないんだよ。
「ははは、お前達は面白いな。でもさっき言ったように私達は戦闘に関しては手加減はしないからな。いくぞ!」
開始の合図ともにアマゾネスさんのうちの二人が左右から同時に突っ込んでくる。そして同時に持ってる気を振り上げてヒルマさんとハレンちゃんに向かって大木で殴りかかる。
ヒルマさんはそれを華麗に避ける。
「なっ!」
攻撃したアマゾネスさんの1人が驚いている、それの叫びはヒルマさんを攻撃してよけられた方のアマゾネスさんではなかった。
驚いて叫び声をあげたのはハレンちゃんを攻撃したほうのアマゾネスさん。
驚愕している理由はハレンちゃんに対して攻撃に使った大木が・・。
ハレンちゃんの拳で破壊されていた。
「ハレンちゃん凄い!」
「ハ、ハレンお前・・」
「ふっふ~ん、どうなのです!驚いたのです?」
「ああ、あっちのアマゾネス達の顔を見ろ。確かに驚いているがそれよりも驚いているのはよくそれでお箸しかもてませんと言うお前の面の皮の分厚さだ」
「・・・こ、降参するのです!これがハレンの力なのです!」
勢いで誤魔化した!?
「た、確かに驚いた、まさかこんな小柄な小娘が大木を拳で真っ二つにするとはな。だがそんな事は私達も出来る!見ろ!」
そういうとアマゾネスのリーダーさんは持ってる木を目の前に置くと両拳を組み合わせて振りかぶった。
そして大木に向かって振り上げて同じ事が出来るとアピールした。
実際大木は物凄い音とともに真っ二つになる。
「どうだっ!」
「どうだと言われても・・お前達が根を張る気を引っこ抜いた時点で怪力なのは知っていたので驚きはないな・・強いて言うなら武器が減ったぞ?位だ」
うん、ヒルマさんの言うとおりだね。
「・・・木ぐらいなくても貴方達ぐらい素手で倒せるわ!」
やってから気づいて負け惜しみをいうタイプだ。
アマゾネスさん達ってもしかして脳筋タイプかもしれない。
「ここで止めにしないか?なんか気が抜けてしまったし」
「そうはいかないわ!みんな行くわよ!」
そう言って今度は4人で飛び掛ってきた。
そのまま二人組みになってヒルマさんとハレンちゃんに襲い掛かってきた。
ヒルマさんを襲いにかかったほうはまだ1名大木を持っていた、ハレンちゃんにまた大木を破壊されてはたまらないと思ったのだろう。
「お前はあっちの小さい子みたいに木を破壊など出来ないだろう!」
「無理だな、私はハレンみたく馬鹿!!!力じゃない」
ヒルマさんヒルマさん、馬鹿!!!に力が入りすぎ、ハレンちゃんに聞こえるように言ってない?
「ヒルマさんあとで話があるのです!」
ほら・・聞こえてる。ハレンちゃんは2人のアマゾネスの攻撃を避けながらヒルマさんに講義する。
てか余裕あるな!
「貴方いつのまに木刀を!」
「お前達が木を破壊したので落ちてるのを拾っただけだ、礼を言う」
「くっ!剣士だったか」
ヒルマさんとハレンちゃんVSアマゾネスさん達4人組の争いが目の前で行なわれている。
手枷をはめられている上に僕の印が取られると失格になってしまうために僕には何もできないのが歯がゆかった。
「とうっ!」
そうこう見ているうちにハレンちゃんの蹴りによって1人のアマゾネスさんが僕のほうに弾き飛ばされてきた。
すぐに起き上がって僕をチラッとみると戦闘に戻ってゆく。
そして背後からいきなり声がした。
そこには地獄がいた。
「あらやだぁ、メス同士の縄張り争いよぉ」
「醜いわぁ物凄く醜いわぁ」
「そして暑苦しいわぁ、物凄く暑苦しいわぁ」
「もっと平和に過ごせないのかしらぁ」
さっきまで貴方たち荒々しく男達を刈ってただろうが!!
「まったくぅ見てられないわぁ」
「行きましょ行きましょ、アタシ達はちょっと興奮した男子達を戯れすぎて5組と汗かいちゃったし」
興奮した男子?絶対興奮してたのは貴方達ですよね?
「そうね、ベタベタするしねぇ、さっさと帰ってシャワーでも浴びましょうよぉ」
「じゃっあね~!醜い・メ・ス・ど・も」
そしていい汗をかいたらしくテカテカしたオス男達は消えていった、5組も犠牲者がでたのか。
・・・そしてその言い草と光景に僕達もアマゾネス達もその場で全員固まっていた。
「再度申し出ていいか?やめにしないか?」
「そうだな、貴方達はなかなか強いようだしこのままやっていても時間の無駄だ。もし3回戦で戦う事があったらそこで決着をつけよう。そしてなりより!あのオス男共がああああ!」
アマゾネスさん達は僕達との戦闘よりやっぱりオス男達に怒りを感じたようである。
「あの~、戦いをやめるのは嬉しいですし、こんな事を言うのもなんですけどあのオス男の人達とは関わらないほうが~」
「ご忠告どうも!しかしそれは無理よ!私達アマゾネスは女傑女系の一族、女という事を誇りにしている誇り高い一族よ!それを馬鹿にするような奴等とは相容れないし、馬鹿にされたままでいられるほど私達は軽くはないの!それに会うたびに舌打ちまで~~あの肉達磨共~~!」
「こ、怖いのです」
「しかしあのオス男に向かっていけるのには関心させられるな。ぜひ倒してもらいたい」
「僕は複雑です・・オス男は苦手ですけど一応スラビーさんの町の人ですから・・」
スラビーさんは尊敬に値する人だ、なぜあの人もオス男なんだろう。
「というわけで今回の勝負は預けるわ、3回戦が何かは知らないけどけどお互い生き残ってたたら会いましょう。そうだ、緑の鎧の集団に気をつけなさい。いい噂を聞かないわ」
「あ、はい。なんか争っちゃったけどお互い頑張りましょう」
またね。
そう言うとアマゾネスさん達は僕達の前から再び消えていった。
ただアマゾネスの中でいつも後ろにいて表情が隠れている人がだけ最後まで僕をじーと見ていた気がするのは気のせいだろうか。
そのあとは静かなものだった。
何組がは遭遇したり追いかけられたけど、僕達にはハレンちゃんの嗅覚とヒルマさんの聴覚があるので距離を取りつつ逃げ切る事に専念、そしてそのまま10時間が経過。
フィールドに終了の鐘の音が響き渡った。
ダメ立った者、クリアした者、兵側や逃亡者側もその合図を聞いてすぐに時間とともに最初の開始の場所に集まってきていた。
「なんだあれは?」
ヒルマさんが何か聞こえたらしく僕にそう言ってきた。
「さあ?何か集まってますね」
僕はわけがわからずにそう答えた。
「行って見るのです」
ハレンちゃんが興味深そうにそう言うのでちょっと見に行ってみる事にした。
そして・・そこには争う声がしていた。
何十人もの人間が少人数の集団を囲んで言い争っていた。
「ふざけるなよ!お前達のした事は到底納得できない!」
一際大柄な男が代表して囲まれた集団の中のリーダーっぽい男の人の胸倉を掴んで文句言っていた。
「無礼だな、文句を言うのは勝手だが放してもらいえるかな。私達はルール違反などしていないし文句をいれる事もしていないと何度も言ってるだろう?」
「それがふざけているといっているんだ!お前達のしたことはハイソウじゃない!」
「ふざけてなどいないさ、この大会のハイソウはハイソウであってハイソウじゃない。ちゃんとルールに乗っ取った行為だ」
「どこがだ!!!」
大柄な男は物凄い剣幕だった。
そしてそれをあざ笑うかのようにあしらう緑色の鎧の男性、茶色の髪をしていて非常に整った顔をしたイケメンだった、年齢は10代後半?だろうか。
「貴方達も見に来てたのね」
すぐ横にいたのはアマゾネスさんのリーダーだった。
「あれは何を言い争ってるんだ?」
ヒルマさんがアマゾネスさんに聞いた。
「私も最初から見学してるわけじゃないんだけどね。あれは第1班のほうの連中よ。まぁ見てる限りあの大男達の気持ちもわからないでもないけどね。でも恐らく無意味ね」
「どういう意味ですか」
「よく見てよあの緑色の3組の胸の色と大男達数十人の組の胸の色を」
そう言われて僕は胸の色を見る。
緑の鎧の人達側は黒い色、そして大男側は青色だった。
「わかったかしら?」
「緑の鎧の人達が逃亡者で大男さんたちが兵側ですよね?それが何か?」
「あ、説明不足だったわね、なぜ文句をつけているかはこういう理由よ。あの緑の奴等はね、あの大男達がが集めた逃亡者の青いバッヂを奪ってそのまま制限時間まで逃亡したのよ。しかも一組じゃなくて何組、何十組もね」
だから怒ってるのね。
「そういうことか」
「ありなのです?」
「ルール上やってはいけないとは書いてないわね、別に殺してもないしね。逃亡者側が兵側が奪った他の逃亡者のバッヂを奪ってそのまま保持して逃げてはいけないなんてルールはないもの」
「うわ~えげつないですね~」
「まあね、でも賢いわ。減らすと言う意味ではね、たぶん文句をつけてもこの国の大会運営側は緑の奴が正しいというわね」
「だがあの大男達は納得しないだろ?」
「そうね、だからああなってる。さあ、そろそろ運営側がアナウンスがはいるんじゃない?みんな集まってきたし。貴方たちも巻き込まれたくなかったら移動したほうがいいわよ」
「あ、はい。ご親切にどうも」
アマゾネスさん達はその場から離れていったので僕達もそのアドバイスに従って巻き込まれたくないしその場から離れた。
「まさかやる奴がいるとはな」
「どういう意味なのです?」
ヒルマさんの呟きにハレンちゃんが反応した。
「さっき緑の奴の行為だ。兵側が奪ったのを逃亡者側が奪う。実はあのままアマゾネス達の戦闘が続けば私はそれを美紅とハレンに相談した上で実行しようとしていた」
「そうなんですか?」
「ああ、奪って交渉して争いを終わらせれば楽だしな。だがあくまで交渉用だ。最後まで奪って恨みを買う行為まではしないつもりだった。そんな事をしても意味ないしな」
「あの緑の鎧さんはやったのです」
「馬鹿の典型だな、減らすと言う意味では賢いがあれは完全に楽しんでる。あの時聞こえた声の通りだ。ふざけた奴等みたいだな」
「なんか関わりあいたくないですね」
「そうだが参加して以上勝ち抜いていけば関わる事になるだろうな」
「うわ~なのです」
そんな会話をしていたらアナウンスが入った。
「皆様2回戦お疲れ様でした!只今統計作業が終わりました!3回戦進出者の数は~~!なんと255組中
78組に減ってしまいました!3回戦に進出された方々おめでとうございます!3回戦は明日の今日と同じ時間に開催いたします!開催場所はなんと町の大広場で開催いたします!先ほど渡した3回戦進出の証をもってご来場ください!」
大勢の観客から歓声上がった。
今まで国の外を利用していたし、見に来ていた人も実際はあんまり内容は見れてはいなかったので次回はしっかり国の中なのでみれるという期待からの歓声だった。
「はい大歓声ありがとうございます!ここでちょっとだけクレームが入りましたのご説明いたします!実は兵側が逃亡者側から獲得した印を逃亡者が逆に奪いそのまま保持してその兵側を失格に追いやったと多数の方から運営に申告という形で報告が入りました~」
どうやら直接文句もつけて運営にもしっかり報告していたらしい。
「なので~ここでご報告させていただきます!結果から申しますと逃亡者側が行なった逆に奪うという行為は~公正!つまりありでございます!奪われた兵側の失態になるので問題ありません!ルールにはやってはいないとまったくないのです!そもそも逃げる兵は自分の身体能力を使って抵抗が可能なこの2回戦、その際に相手のバッヂを奪ってもそれがその組の実力ならなんの問題もないのです!ですので残念ではございますが奪われて失格になった方はご了承くださ~い!」
なるほどね、てかこのアナウンスの人って結構煽った言い方するよね、失格になった人怒るよこれじゃ。
だって実際後ろですごい野次が飛んでるし。
「それでは皆様お疲れでしょう!明日の3回戦からの盛り上がりは大変なものになるでしょう!体調を万全にして明日会いましょう!それでは失礼いたします!」
「さて美紅、ここは騒がしくなる。別荘に戻ろう」
「そうですね、絶対うるさくなりますし」
「どう言う事なのです?」
「行きながら話すよ、早く行こう」
そして僕達は後ろが騒がしくなり始めたのを聞きながらその場から離れていった。
別荘に戻った僕達はハレンちゃんに説明した事を話し合っていた。
「つまり2回戦が納得がいかない人達が暴れ出したと思うって事ね」
「というか暴れてたな、叫び声が聞こえていた」
「もう失格ですしいいやって感じですかね?」
「なるほどなのです」
「そいえば国って治安良くないんですかね?」
「さあな、出来たばかりの国だ、法的整備がまだまだなのかもしれない」
「町並だけは今まで見たどの町より綺麗なのです」
「だね」
「それより次はどうなると思う?」
「さあ?国の広場でやるんですよね?」
「考えても仕方ないと思うのです」
「まぁな」
「明日に備えません?」
二人共賛成らしくそのまま僕達は今日は早めに寝る事にした。
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「困りますよ、まったくこんな騒ぎを起こされて」
「仕方ないじゃないか、酷い言いがかりで殺されかけたんだよ」
「どう見ても過剰防衛ですよ、後処理するこっちの身にもなって欲しいですね」
「すまないすまない、この借りはきっと返すよ」
「高くつきますよ?貴方様ならすぐ返していただけそうですが」
「ははは、期待していてくれよ。私について来てくれさえすれば損はさせないと約束しよう」
「はあ・・そう言って口説かれてしまいましたが面倒事の処理が私に押し付けるの止めてくれません?割に合わないですよ」
「君に期待していると言う事だよ。いずれちゃんとしたポストを用意する、それまで我慢してくれよ」
「期待せずにまってますとは言いませんよ。さっさとして下さい」
「言うね、だが任せたまえ。私は実力主義だ、人種や国など関係なく君のような要領のが良く頭のいい者が
たくさん欲しいんだよ」
その二人の会話はとても豪華で部屋で静かに終わった。
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「ん~~~~~!いい朝」
僕は背伸ばすとベットから起き上がった。
そして横にいるはずのいない者を見る。
「で?ハレンちゃんなんで横で寝てるの?しかも珍しく起きてるし」
「おはようございますなのです、お背中お流しします」
三つ指をついて土下座のようにお辞儀しながら丁寧にハレンちゃんはそう言ってきた。
「・・・・・・・」
ある原因で僕は朝風呂派になりつつある、そしてどうやら早起きして一緒に入るために待ち構えていたらしい。
「さあさあ!お風呂に参るのです!」
なぜ楽しそうに言う・・。
だけど僕はにっこりと笑って答えた。
「1人で入ってくるのでハレンちゃんはお留守番ね」
「ガーン!美紅様酷いのです、ハレンは美紅様の為に・・」
僕の為を思うならまだ寝ててよ・・。
「ハレンちゃん、もしハスさんが今のハレンちゃんを見たらどういうと思う?嫁入り前の自分の孫が男の人と一緒にお風呂に入りたがっているなんて知ったら」
「???お婆様なら美紅様が相手と知ったらそのまま押し倒しなさい位は言うと思うのです」
ハレンちゃんは不思議そうな顔でそう答えた。
「・・・・・・・」
そうだった!あの人はそういう人だ!そしてこの子はあの人の血を色濃く継いでる!
「というわけで行くのです」
「却下!!!」
「何故なのです!?」
本気で不思議そうな顔で聞かないで欲しい。
ここは僕は本気で答えたほうがいいの??
「あのねハレンちゃん、ヒルマさんにも言いたいけど僕は男なの」
「知ってるのです」
「うん、だからねヒルマさんやハレンちゃんみたいな魅力的な女の子達とお風呂に入るのは恥ずかしいわけわかる?」
「魅力的・・美紅様・・は、ハレンも実はは、恥ずかしいのです。でも美紅様なら問題ないのです」
ダメだ都合のいい単語だけ聞いてる・・このままじゃ説得にならないぞ。
「う、うん、そう言ってくれるのは嬉しいけどね。なんて言うのかな、僕も男だからもしそう言う事をしてしまったら我慢できなくなるというかなんというか・・」
僕は何を言ってるんだろう・・。
「そ、そうなったらお婆様に報告しないといけないのです」
・・・いや、違うからそういう問題じゃないから!未来設定の話とかじゃないから!
「一体なんの話をしてるんだ?」
横でヒルマさんが起き上がっていた。
もしかして助かるかもしれない!
「邪魔者が起きてしまったのです」
「子猫・・お前美紅に何をしようとしていた。ハスさんに何を報告するんだ?」
「美紅様を婿として村に迎えれますとご報告するのです」
「み、美紅!?」
「ヒルマさん誤解ですよ、ただハレンちゃんが一緒にお風呂に入ろうと待ち構えていただけです。ハレンちゃんも話を飛躍してヒルマさんに伝えないでね」
「子猫ぉぉぉ!!!」
「ち・・なのです、もしかして美紅様はカイユウお兄様が義理の兄になるのが嫌なだけど思ってたのですがもうちょっと違うかもなのです」
・・・ハレンちゃん君の中でどこまでカイユウさんの株は下なの?
「お前と夫婦になるのが美紅は嫌なだけだ子猫!」
「にゃー!そんな事はないのです!さっきハレンを魅力的と美紅様は仰ったのです!」
「な、何!?美紅そんな事を言ってしまったのか!?」
「はぁ・・ハレンちゃんとヒルマさんが魅力的って言いました」
二人の争いに僕は呆れて本当のことを言う。
「美紅様!ヒルマさんには気を使わなくても問題ないのです!」
「美紅・・正直すぎだ」
ヒルマさんは褐色の肌なのに赤くなり下を向く。
「むぅ~ハレンのは本気でヒルマさんのは気を使って言ったので、ついでなのです」
「そ、そうか私は魅力的か・・」
ハレンちゃんヒルマさん聞こえてないよ?
「ヒルマさん聞いてるのです!?」
「ん~?子猫何か言ったか?」
ヒルマさんはボーっとして何も聞こえてないらしい。
それがハレンちゃんは気に入らないらしく横でわめいている。
さてこの隙にお風呂に入るか・・鍵をかけて。
お風呂から出るとまだ何か言い争っていたがご飯の準備をすると二人は何もなかったようにご飯を食べた出した。
そしてそのまま準備をすると僕達は国の広場、3回戦の会場に向かう事にした。
そこは会場だった。
2つに分けられた試合場。
周りには囲むように観客達が座っていたり立ち見をしている。
あそこの1部の豪華な場所はこの国の重鎮の席かな?
どこかで見たことあるような武舞台のステージ。
もう何をやるか見た目でわかる。
僕達は、3回戦はここで戦うのだ。
「さあさあ!遂に3回戦が始まります!見ればすぐにわかるでしょう!3回戦は4つの組に分かれて戦っていただきます!現在78組ですので、17組に分かれて戦っていただきます!ここで発表させていただきますね4回戦上がれるのは~、8組つまり最大で32名の勝者達、1つのステージで行なわれる戦いで2組のチームが次の4回戦つまり決勝に舞台に上がる事が来ます」
「どう言う事だ?17組だと多すぎるだろう。対戦式で何回も戦うのか?」
「さあ?どうするんでしょう?」
「さて対戦方式を発表させていただきます。対戦方法はバトルロイヤルでございます!それぞれ組から1名代表を選びまして17人で一斉に戦っていただきます!つまり2回チャンスがあるわけです!しかし分けて戦うので1回勝てば決勝に進めますので頑張って下さいね!」
うん、17人で一斉に戦うのね。
1回勝てばいい?簡単に言うな!
「ここでルールを説明いたします!17人で戦うのは変わりませんが武器などはこちらでご用意したものを使っていただきます!防具は自由ですが残念ながら魔道具の使用は認められません!ごく普通の差のない武器を各種様々なものをご用意しておりますので選んでお使い下さい!」
へー!最悪だ!
「今回も相手を殺害等の行為はなしとしたいのですが~しかし戦いでございます!最悪の場合もあるでしょう!一応かくステージには審判がおります、リタイアは自由!武舞台の外に出るかもう戦えないと判断して降参されればその場で負けとなります!そして今回は~魔法は許可されます!ダンジョン石によっての魔法はダメですが、資質によって発動される魔法はありとさせていただきます。理由は魔法によって戦う方もいるからです!ちなみに戦闘前にダンジョン石を所持しているか厳重なチェックがあるのであしからず!」
魔法ありか・・使えないよ!
「それでは各組のリーダーの方、ステージを決めるくじ引きがありますので運営のコテージまでいらして下さい!1番から4番の番号が入っております。奇数を引いた方は右の武舞台。偶数は左の武舞台が会場になります。開始は30分後!参加者の皆さんも大勢集まり頂いた観客の皆さんも楽しんで下さいね!」
うん、楽しめないね!怖すぎる!
そして僕は運営のコテージにくじ引きに向かったのだった。
さて、ここに取り出したのはカナじいから今回の為に奪った・・貰った素材。
要で絶対必要だった魔力のこもった素材が手に入りました。
ドラゴンさんそのものです!
というわけで使徒の面接を始めます!
「では正直に答えてください」
「え?あ・・はい女神様」
「種族、職業と住んでる場所は?」
「ど、ドラゴンで職業?は野良?です、住んでた場所はマナ山という山脈地帯だったと思います。あのこれなんなの?」
「はいはい、無駄な会話はマイナスになるから喋らないでね」
「は、はい」
「憧れの種族とかある?」
「憧れ?強いて言うならもうちょっと小さくなりたかったかな?ほら我大きいし・・」
「なるほど、では好きな色は?」
「色?・・黒?ほら我黒いし」
「はい、マイナス50点ね」
「なんで!?」
「そこは青色って言わないと駄目だよ」
「なんで青なの理不尽!!」
「もう1回チャンスあげるよ。好きな色は?」
「赤!!!」
「うーん、もしかしてちょっとムカついちゃって意地でも青って言いたくない感じだった?でもオッケー!赤の場合プラス100だから!なので現在プラス50点です」
「女神様。我なんでこんな事しなきゃとか採点されてるのかわからないです」
「気にしない気にしない。あたし楽しいし、次の質問いくよ!女神の使徒になったらしてみたい事は?」
「強制的に使徒にするくせに・・」
あたしはその言葉を聞いてギロっと睨んだ。
「ヒィ・・女神様の役に立つのが幸せです!」
「よろしい、プラス50点。では最後の質問ね、使徒になると休みとかあんまないけど我慢できる?あ、給料は払うよ?有給も・・申告制でつけたあげる!」
「あの~我それが何なのかがわからないの。あとやっぱり使徒なりたくないかも・・」
「それは却下!なぜならあたしが貴方を気に入ったから!というわけで使徒面接終わり!」
「そんなぁぁ」
「今から転生の義を開始します!あ・・面接合格だからね。さっさとこっちにきてくれる?」
なんだこの茶番(*゜ω゜)