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探し物を求めて!

ふぅ・・早く投稿できた。


次も書けそうなので早いかも?


評価お願いします(*゜ω゜)

ダンジョン攻略の情報が流れてから結構な日数が過ぎた。

この町から冒険者の数が減っているのが目に見えてわかるのもその特徴であると言っていい。


僕達は町を巡りヒルマさんの新しい剣を見つけるために探し歩いた。

探しすぎてもうこの町は知らない場所がないくらい探したのだ。

しかし残念な事にヒルマさんの新しい剣は見つからなかった。


理由は1つ、折れた剣より良い物が欲しかったからだ。

ヒルマさんに聞いたところ、剣に電気を流すのは剣に非常に負担がかかるとの事だった。

だからあの時ヒルマさんはこの方法はあまり使いたくないとぼやいたらしい。


過去何度か折れた事があるらしいのだけど、それでも別に新しいのを買えばいいという軽いノリでヒルマさんはあまり剣にこだわってこなかったらしい。

ヒルマさんは結構自分の事は後回しと言うか雑というか大雑把というかそういう所があるからね。

なので僕とハレンちゃんが提案した。


「せっかくだしもっと良い剣を探しましょう」


「そうなのです。せめて折れないまでももっと長持ちする剣をなのです」


「あまりこだわりはないのだが・・・」


とヒルマさんはあまりノリ気ではないみたいなことを言っていたけど時間はたっぷりあると言うことで納得してくれた。


しかしこの町では見つからなかった。

そうしているうちに宿のあの人が尋ねてきた。


「お久しぶりです美紅さん、ヒルマさん、ハレンさん」


リングさんだった。


「久しぶりですね。今日はどうしたんですか?」


「なんだまだ町に残っていたのか?美紅はやらんぞ」


ヒルマさん、久しぶりなのにその言い方はダメです。失礼ですよ、あと僕は物じゃないです。


「あはは、相変わらずですね。実は今日はお別れを言いに来たのです。お世話になったので何も言わずに出て行くのは流石にできなかったので」


「戻るんですか?ナディガムに」


「はい、決心がつきました。国に戻り私は私の義務を成そうと思います」


「わかりました、頑張って下さい」


「決めたのか?報告する事を」


「それはまだです、まだ確かめる事もありますし」


「そうか」


「何はともわれ旅のご無事を祈っているのです」


「ありがとうございます、美紅さんには本当に感謝してます。また会いたいものです」


「そうですね」


僕は笑顔でそれに答えるとリングさんも笑顔で手を差し出してきたので僕達は握手をした・・が。


「とう!」


「痛っ!」


「な、何をするんですかヒルマさん」


ヒルマさんが僕達が握手をしている手の部分に手刀を放って握手の邪魔する。


「美紅に感謝はわかるが、また会いたいなど!美紅をどうするつもりだ!」


「わ、私は別にどうもしません。せっかく縁が出来たのでまた会えたらいいなと思っただけです」


「怪しいのです、物凄く怪しいのです」


「二人とも最後なのにそんな言いがかりはダメですよ!笑って別れましょうよ」


「確かにそれもそうだな。よしリングワット私とも別れの握手だ」


「はいぜひ!」


「また会おう」


「は、は、はい。また会いましょう」


・・・おかしい、ヒルマさんの笑顔がぎこちなく、リングさんに至っては笑顔が引きつっている。

まさかとは思うけどヒルマさん・・握手する手に力とか込めてないよね?

手を離したリングさんが息を切らして握った手を撫でている・・・・ゴメンねリングさん。


「ハレンとも握手をするのです!」


ハレンちゃんはさすがに悪戯はしないだろう、安心して見ていられそうだ。


「あ、あのハレンさんは握手じゃなくてもいいですか?」


「ガーン!ハレンとは握手はしたくないのです?」


まさかリングさんからの意地悪!?ヒルマさんのせいなの!?


「ち、違います、握手もいいんですが、その・・撫でてもいいですか?」


「「え?」」


僕とヒルマさんの声が重なる。

ハレンちゃんに至っては無言で絶句している。


「実はその、不謹慎かもしれませんがハレンさんの事を可愛いと思ってまして・・」


「ハ、ハレンはそっちの気はないのです!ハレンは男の方、というか美紅様という種族が好きなのです!」


嬉しいけどそんな種族はないから!


「勘違いしないで下さい!私もノーマルです!でも・・そのハレンさんって獣人ですよね?フード被られてますが、戦闘中の動きとか雰囲気とかでわかったんです。それにチラっとお顔も見えましたし・・白い猫・・ですよね。とっても可愛いくて撫でたいなと・・」


「ぷっ!」


「あぁぁ・・」


ぷっと笑って噴出したのはヒルマさん、あぁぁっと心配するような声を出したのは僕。

ヒルマさんは面白がっているが僕はこのあとのハレンちゃんの反応が心配で声を出してしまった。


「断りするのです!!!」


「な、なぜですか?確かに私はハレンさんの敵になり一度は殺そうとまでしてしまいました。謝って許してもらえる事ではないのはわかります。でも私は可愛い獣人を見るとどうしても触りたくなってしまうのです。ハレンさんはその・・チラっとですが今まで見た獣人とか輝きも可愛さも何倍も上で・・我慢ができないんです!」


ここまで自分の(へき)をカミングアウトする人だったとは・・しかしリングさんたぶん理由は敵だったとかそういうことじゃない。

貴方は第一声で失敗してしまっています。

そしてさらにハレンちゃんの機嫌を損ねているのは僕の後ろにいる人だった。


「ぷ・・あははははははははは!リングワットいいぞ!お前の事が少しだけ好きになった!子猫を撫でたいか!ハレン撫でさしてやったらどうだ?輝きも可愛さも何倍も上の子猫とまで言ってくれているんだぞ?あはははは」


ヒルマさん・・喜びすぎです、笑いすぎです。

ハレンちゃんが下を向いてぷるぷる震えてるんですけど・・怖いんですけど・・。


「お願いします!ハレンさん少しでいいので!撫でるまではいかないまでも触るだけでも!」


「嫌なのです!」


「そんな・・・」


ガックリと肩を落として物凄く落ち込むリングさん、そんなに触りたかったのね。


「あのですねリングさん」


「・・・・はひ?」


涙目でこっちを見て返事をするリングさん。


「撫でるとか触る以前にですね、そのですね、リングさんは勘違いしている事がありまして」


「・・・なんですか?」


「ハレンちゃんは虎なんですよ」


「・・・ええええ!」


ダメだってそんなに驚いちゃ!その反応もハレンちゃんが怒っちゃうって!


「そうなのです!物凄い侮辱なのです!ハレンは誇り高き虎なのです!」


「ぷっ・・誇り・・ふははは」


後ろでヒルマさんがまだ笑ってる。


「で、でも戦ってる時とかその、ヒルマさんがハレンさんの事を子猫と呼んでいたので私はてっきり・・」


ああ・・呼んでたね。

獣人かもしれなくてチラっとしか見えず、しかも仲間が子猫呼ばわりしてたら勘違いするかもね~ってヒルマさんのせいじゃん!ほぼ!


「ふーー!久しぶりに涙が出るくらい笑わせてもらったな。ん?なんだ子猫、その恨みがましい目は?」


僕と一緒の考えに至ったらしくハレンちゃんはヒルマさんを思いっきり睨んでいる。


「申し訳ありませんでした!獣人の方は誇り高い方が多いと聞くのに種族を間違えるような愚行を・・なんと謝ればいいか!」


「謝る必要はないぞリングワット。間違えても仕方ない」


「ヒルマさん!」


さすがにこれ以上からかうとハレンちゃんと喧嘩に突入しそうなので僕は止める。


「すまないちょっと面白すぎて止まらなくなったんだ。ハレンすまなかったな」


「許さないのです!」


これは暫く寝れそうにないな・・また夜がうるさそうだ。


「ハレンちゃん、リングさんも悪気があったわけじゃないし、それにずっとフードを被ってたし勘違いしても仕方ないとまでは言わないけど許してあげてくれないかな」


「むぅ・・美紅様がそこまで言うなら・・不本意ですが仕方ないのです」


「本当ですか!?なら!」


「ですが撫でるのは却下なのです。ハレンを撫でて良いのはお婆様と美紅様だけなのです」


「そ、そうですか・・美紅さんが羨ましいです」


そこまで撫でたかったのか・・落ち込み具合が凄い。

でも勘違いしてるね、僕はハレンちゃんをいつも撫でてはいないよ?

落ち込んだ時とかヒルマさんに言い負かされた時とかしか撫でてないし、数えるほどだよ。


「でも特別に尻尾ぐらいなら触らせても良いのです」


「本当ですか!!!!」


ガバっと顔を上げると先ほどの落ち込み具合が嘘のように声を荒げるリングさんがそこにはいた。


「特別なのです。そんなに長い時間もダメなのです」


「それで結構です!お願いします!」


「無理矢理捕まえて撫でればいいのに」


「ヒルマさん・・そんな事したら最悪の別れになりますって」


目の前では後ろを向いたハレンちゃんのヒラヒラの防具から真っ白の尻尾がぴょこっと出てきていた。


「うわ~~」


完全に好きな物を愛でる女の子の顔になっているリングさんがそれをみると感嘆の声をあげた。


「あ、あのくすぐったいのです」


リングさんはまるで貴重な物でも触るように片手に尻尾を置いて上から挟んで撫でている。

心なしが息が荒い気がする・・ハァハァ言ってない?


「凄い、今まで触ってきた獣人の方とは全然違う毛並みです。色といい艶と言いハレンさんはもしかして噂に聞く希少種の方ですか?」


「ご、ご想像にお任せするのです、くすぐったいのでそろそろタイムアップなのです!」


「あ~~もっと~~!」


名残惜しい声をあげるリングさんだが無情にもハレンちゃんの尻尾は素早く防具と服の中に帰ってゆく。

なんて悲しそうな顔だ・・そんなに気持ちいい手触りだったのだろうか?ちょっとだけあとで触らせてもらおうかな。


「私も握った事はあるが嫌がってたな」


「ヒルマさんは普通に力を込めて握ったんじゃないんですか?」


「そうだな、フリフリと揺れていたので止めてみたくなってな」


あったなーなんか尻尾がどうので言い争ってた日がー。


「では心残りもなくなりましので出発しようと思います。皆様本当にありがとうございました」


「いえ、会えたらまた会いましょうね」


「達者でな」


「ばいばいなのです」


「それでは」


綺麗にお辞儀をしてからリングさんは体を町の外に向けると振り向くことなくそのまま去っていった。

できればもうディットには仕えて欲しくはないがそれは我侭というものだろうと思った。



次の日の朝の事だった、僕達のところに商人組合のダッシムさんの使いだと言う人が来た。

ダンジョン石を返却したいのでできれば取りに来て欲しいとの事だった。


その知らせを受け取った僕達は準備をして出発する事にした。

ダンジョン石を受け取ればこの町にはもう用はなくなるのでそのまま出発しようと思っていたのだ。


「ようこそ、本来こちらから出向く所なのに足を運んでもらって申し訳ありません」


出迎えたのはダッシムさんだった。


「いえ、気にしないで下さい。ついでですので」


「何か用事がおありだったのですか?」


「私達はこのまま町を出るつもりだ」


「それは寂しくなりますね、ですが同じもはや組合員です。いつでも連絡を取れますので何かあれば渡したコインで連絡を取り合いましょう」


「はい、有効活用させてもらいます」


「では、これを」


ダッシムさんが緑のダンジョン石を小箱に入れて僕に返して渡す。


「確かにお返しいただきました」


「お陰でこの町に農場ができました。感謝いたします」


「いえ、こっちも助かってますしお互い様です。そうだダッシムさん」


「なんでしょうか?」


「剣が欲しいのですがどこかに良い剣を売っている町とか国はありませんか?この町の店は全部見て回ったのですけど中々理想的なのがなくて」


「なるほど・・そちらのヒルマさんの剣ですかな?お腰に剣がなくなっていたのでもしやと思いましたが」


「そうだ、私のだ」


「ヒルマさん程の剣士が求める剣となると魔道具をお求めで?」


「別に魔道具じゃなくてもいい。事情で耐久性が高いのを探している」


「そうですな・・ふむ!貴方達は運が良いかもしれません」


「運がいい?」


「はい、ここから南に馬車で20日ほど行くとキューブレという小国があります。聞いた事は?」


「僕はないです」


「ハレンもなのです」


「私はあるな。つい最近出来た国だろ?たしか港に面して貿易で栄え始めているとか噂で聞いたな」


「その通りです。その国が今の王の10周年を祈願いたしまして国を挙げてのお祭りが開催されるのが1ヵ月後でございます。商人組合所属の商会も儲け話なので多数の商人が出店するために向かっております」


「それがなんで運がいいのです?」


「貿易の国なので様々な品が集まる事、さらに出来たばかりの国なので交易を結びたい国々の方もそのお祭りには集まります。いい商品、つまり美紅様達が求める剣などもあるかもしれません」


「へー、凄いですね」


「さらにです、これはまだ噂の段階ですがなにやら大会を行なうらしいのです」


「大会?なんだそれは?」


「申し訳ありませんがそこまでは・・しかし少ない情報によりますとその大会の賞品が非常に素晴らしい物かもしれないらしいのです」


「そんな情報貰っていいんですか?」


「結構ですよ、貴方達にはそれ以上のもの頂いておりますので」


「そうですか、感謝します」


「貿易の国にさらに大会か。出るかは別としてどうする美紅?」


「そうですね~、次の目的地も決まってないですし行ってみます?」


「ハレンは行きたいのです、お祭りを見てみたいのです」


「では、決まりですね。ヒルマさん剣はそこで探しましょう」


「お祭りなのでーす!」


「ほほほ、お気をつけて。そうだ少しお待ちを」


そういうとダッシムさんは部屋を出てすぐに戻ってきた。


「これをどうぞ」


そう言って出したのは剣だった。

それをダッシムさんはヒルマさんに渡す。


「くれるのか?」


「はい、前にヒルマ様がお腰にさしていた剣よりも劣りますがお腰に何もないよりはいいでしょう。新しい剣が手に入るまでの間に合わせと思ってください」


「ありがたく使わせてもらう。感謝する」


「何から何までありがとうございます。この町で商人組合に入れて良かったです。あとダッシムさんが担当になってくれた事もです」


「こちらこそ、蒼の商店様には今後もご贔屓にさせてください」


「またこの町に来たら寄るのでダッシムさんもお達者で」


「世話になったな」


「お世話になりましたなのです」


僕達3人が頭を下げるとダッシムさんも頭を下げてくる。

いい情報を貰った僕達はリステイン商人組合支部をあとにした。


「馬車で20日ですか、どうしましょう?」


「祭りは1ヵ月後だ、数日前に着けばいいだろう」


「馬車で行くのです?」


「それだがな、馬をレンタルしようと思う」


「馬ですか?馬車ではなくて?」


「そうだ、この町で借りてキューブレで返せばいい。馬のレンタルにはそういうサービスもある、町から国へ、国から町へと馬を貸して儲けている商店もあるんだ。勿論馬をダメした場合それなりの賠償金も払うがな」


「なるほど、便利ですね」


「で、でもハレンは馬には乗れないのです、あ・・美紅様の後ろに乗って良いということなのです?」


「ゴメンねハレンちゃん、僕も馬は乗れないの」


「じゃあ、ヒルマさんの馬に3人乗りなのです?馬が耐えれないのです!ヒルマさんの重さで!」


「こ、子猫!私が重いみたいに言うな!相当の馬でも3人乗りなんて耐えれるか!」


「じゃあどうするのです?」


「言ったろ?日数がまだあると、つまりこの時間を有効活用して美紅もハレンも馬に乗れるようになるんだ」


「あ、そうですね。さすがヒルマさんです、そうしましょう」


「美紅もっと褒めていいぞ!」


ヒルマさんが凄い嬉しそうな顔でこっちを見ている。


「ハレンはあまり自信が・・」


「我儘を言うな。いざと言う時の為だ」


「はいなのです・・」


というわけで僕達は馬を貸してくれるという店に向かった。



「いらっしゃいませ、馬をお求めですか?」


「レンタルしたい、やっているか?」


「もちろんです、何処まででしょうか?」


「キューベレという国までだが、大丈夫か?」


「キューベレですね、大丈夫です、そこにも支店がございますのでキューベレに着きましたらそこに返却をして下さい。何頭お求めでしょうか?」


「3頭だ、この2人は初心者で乗り方も覚えたいので気性の荒い馬はダメだ。この白い小さい奴にはロバでもいいぞ?」


「ロ、ロバですか?」


お店の人はヒルマさんの冗談を本気に取ってしまったようだ。


「嫌なのです!馬でお願いするのです!」


「すいません・・馬でお願いします。でも出来るだけ身長も考えて適した馬でお願いします」


「はあ?わかりました」


「この青い鎧の人は重いので出来るだけ力のある馬をお願いするのです」


「わかりました、力のある馬ですね」


これも本気にしたようだ。


「う、嘘を言うな!全然普通の馬で構わない!私はむしろ軽いほうだ!」


「え・・あのぅ」


困った店員さんが僕を見てくる、たぶん店員さんは僕だけはまともに話せると思ったのだろう。


「3人とも普通の馬でいいです、初心者でも乗れる2頭だけはお願いします。練習しながら行く予定なので」


「はい、その様にいたします」


「二人とも・・店員さんが困るような喧嘩は外でお願いします」


って睨みあって聞いてないね。


「お会計は馬のレンタルは1頭に付1日8千頂きます。3頭なので2万4千になります。こちらはレンタルした今日の日付でございます。何日の予定でございますか?」


「どうしましょうヒルマさん」


「そうだな・・25日で頼む。あとその分の馬の餌を頼む」


「畏まりました。25日で3頭で20万になりますが、馬を破損、つまりレンタル中に死なせたり怪我をさせた場合、そのまま返却されない場合もありますので最初に馬の代金も払っていただきますがよろしいでしょうか?勿論その馬の代金はこちらの借りた期日を記した紙を返却する支店に提出していただく時にお返しいたします。日数を過ぎたりした場合も追加料金が発生いたします、25日より速く向こうで返却していただいた場合はその分のお金も馬の金額と一緒に返却いたします」


「いいですよ、いくらになりますか?」


「レンタル代20万。馬の保証金3頭で58万、25日分の餌代3万7千5百、端数をサービスさせていただきますので全部で80万カナリにさせていただきます」


「ありがとうございます、それじゃこれで」


「確かに、では少々お待ちを」


暫く待っていると店の外の小屋に案内されて馬を選んでくれと言われた。


「じゃあ僕はこの白い子にします」


「私は別にこだわらないのでこいつでいい」


「ハレンはこの茶色い子にするのです!」


3人ともフィーリングで勝手に選んでいた。


「ハレン本当にそれでいいのか?」


「なんでなのです?難しい馬だったのです?」


「いや・・あっち赤っぽい馬がいたぞ?あれじゃなくていいのか?」


「ぜ、絶対嫌のです!あの子には悪いですけど見るのも嫌のです!」


「ヒルマさん・・よくそんな事思いつきましね・・」


赤い馬・・うるさい馬・・ギャップ・・ハレンちゃんじゃないけど頭が痛くなる名前だ。


「ありがとうございましたー」


店員さんの声を後ろに僕達は馬を引いて町の出口に向かっていた。



「この町ともお別れですね」


「なかなか楽しかったのです」


「ディットに会わなければ最高の町だったのは確かだ」


「「まったくです」なのです」


僕達3人はしみじみそう思った。


「それじゃ、練習しながら向かうぞ。まず乗るより馬に慣れる事だな。ハレンいきなり餌をあげるな!」


「ハレンちゃん自由だね」


「可愛いのです」


「自由もいいがハレン、ちゃんと乗れるようにならないと1ヶ月以上かかったらお祭りに間に合わないんだぞ?」


「そうだったのです、頑張るのです」


そうだった、僕も忘れてた。


「頑張ろう、ヒルマさんご指導よろしくお願いします」


「任せておけ、ハレンは適当に乗ってみろ。美紅はまず私が手取り足取り教えるのでこっちにきてくれ」


「にゃー!ハレンもちゃんと教えるのです!」


「にゃーってお前・・よくそれでリングワットに猫じゃないと怒れたな・・」


確かに・・。


「きゃーの聞き間違いなのです」


きゃーでもおかしいよ?


そんなこんなで僕達の次の目的地はキューベレと言う港のある国。

馬に乗る練習をしながらゆっくりと次の町へ向かうのであった。






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半月程前・・そこはリステインから2日程歩いていけばある開けた街道。



「クソクソクソクソ!ぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺す!」


「殿下、そろそろお気を沈めて下さい」


「黙れゼーガス!全部役立たずのお前やあのクソ騎士のせいだ!俺の寿命がどれだけ減ったと思っている!」


「申し訳ありません」


「それにお前の軽い口のせいで俺にお前のような出来損ないの兄がいる事がゴミ共とはいえバレてしまったんだぞ!」


「それに関してはあの者達は国の人間ではないので問題ないかと・・それにあの者達ならあそこでああ言えば見逃してくれるであろうと確信がありましたし」


「ふざけるな!見逃してもらえるだと!?俺があいつ等を見逃したんだ!それに機転を利かせろ!他にも騙すなり嘘を言うなり方法はいくらでもあっただろ!」


「・・無理です。あの3人は嘘は見抜いたでしょう。本心からの言葉なのであの場は何とかなったのです。もし嘘と見抜かれていたらあの場で私は・・俺は斬られていた」


「お前など斬られればっ!」


「・・・・・・・・」


「クソ!許せ・・言い過ぎた」


「気にしないで下さい。私は殿下がいなければ価値はないのですから」


「目は・・平気か」


「心配ありがとうございます。ですが殿下の寿命に比べたら私の片目など問題ではありません」


「次の村か町で眼帯を買え・・見苦しいからな」


「仰せの通りに」


「聞いてもよろしいですか?」


「なんだ?」


「どのくらい・・持っていかれましたか?」


「9年だ」


「9・・そんなに」


「首まで撥ねられればそれくらいは貰うだそうだ、役立たずのクセにこのクソスライムが・・しかし半分血の繋がったお前の目がなければもっと取られていた」


「いざとなれば私が」


「それでは意味がないだろうが」


「母もわかってくれます!」


「2度言わせるな!」


「申し訳ありません、それとリングワット様はどうなさいますか?」


「あの口うるさいだけの1番の役立たずか、あのクソは解雇だ」


「出来ますでしょうか?宰相閣下が後継者候補に1人づつ騎士団長クラスを護衛にと選んだ方です」


「護衛?あのゴミ2匹に負けた馬鹿が護衛だと?そもそも俺の力があれば護衛などいらんのだ」


「しかし鎧を起こすたびにリスクが・・」


「クソッ!だから探していたのに!リスクをなしに出来る可能性があったのはシュッペルという男だけだった!どこかのダンジョンの潜っているという情報を手に入れたのに・・どこにいやがる!」


「今更ながらその情報は真実なのでしょうか?」


「情報元が信用できないか?だがそれでも邪魔者共に勝つには信用するしかない。そう決めただろが」


「そうでした」


「あのクソ騎士はおそらく国へ戻るだろう。あいつの事は後回しだ」


「どうするのですか?」


「確実ではないがシュッペルが見つからないなら別の方法を考える」


「あまり危険な方法は・・・」


「もう遅い、それに危険な道を通らずして手に入るものだと思うか?」


「殿下が正しいです」


「わかればいい、国へ帰り邪魔者その2に接触する」


「王位継承権第2位・・バインズ様ですか?」


「そうだ、アレもまた俺とは違った方法でリスクを抑える方法を探っている」


「あの方は魔道師団関係のパイプがとても強い方だったかと」


「そうだ、この鎧を賜ってから奴は魔道師団に入り浸りという噂だ、恐らくリスクを軽減する方法を模索しているだろうな。それだからこそ邪魔者の中では一番この力について知ってるだろうからな」


「で、でもですよ、殿下にその知識を教えてくれる可能性は」


「素直に頭を下げたとしてもないだろうな。下げる気もない」


「ならばどうやって!?」


「研究してるなら実験もするだろう、そういうことだ」


「そんな危険です!」


「さっき言っただろ!危険な道を通ると!」


「あの邪魔者その2も宿った力は違えど存在は同じ鎧、リスクを無くす実験をしているなら自分の鎧を使うはず。ならばもう1人ぐらい実験体がいた方がよいはずだ。国へ帰り次第邪魔者その2に接触する。その様に計らえ」


「・・・承知いたしました」


「俺様がこのような方法をとるしかないとは・・覚えていろ・・あの赤ゴミめ」


「殿下、あの人達の事はもう忘れたほうが」


「9年取られてか!?」


「・・・・・・・・・・」


「最後だ・・」


「最後?」


「あの最後・・首を撥ねられた時、俺の意識はスライムと混ざっていたが死の感覚を感じて今までのどの状態よりも鋭敏になっていた。あの赤ゴミは何か違った。あれはダンジョン石などの力ではない。あれも俺様と同じ。特別・・認めたくないが特別な力を持っているゴミだ」


「庶民にその様な人間がいるとは思えませんが」


「知るかっ!必ず復讐するが今は時間がなさすぎる!ゼーガス俺様達の目的の為に今一度誓え!」


「はっ!私はディット殿下に生涯お仕えします!決して死ぬことなく!」


「それでいい。母の望みを叶えるのだ!俺様達兄弟で!」


そして私は殿下と国へ戻った。

力のない者は力を求め力に溺れる。

しかし泳ぎきれば力も手に入る。

私の未来は殿下にかかっている。

殿下の未来は私が作る。


殿下が私の前に現れて誓った願いの為に。

ふっ、使徒を作るといっても女神だからといってすぐできるわけではない!

決める事!素材!結構色々ある!なにせ生命誕生だ!わかるでしょ?


というわけでまず種族と性別を決めまーす!

実は性別は女にしようと決めてました!

理由?ほら、男だと色々あるじゃん?兄いるしもう男はいいんだよ実際。


というわけで次は種族!

女神の使途だし天使でしょ!カナじいに天使の事を言ったらなんじゃそりゃ?見たいな感じになったしね

やっぱり文化というかそういう物が違うんだって思ったので今度カナじいが出てきたら驚かそうと思います。


天使天使、天使の素材。

とりあえず力のある素材を地上に捜しに行こうと思います。

ここにないのかって?ないよ?何でもあると思ってはいけない。

私力はあるけど所詮女神(仮)だし。


というわけでドラゴンさんに会いに行きます。

ドラゴンさんの魔力のこもった素材を分けてもらいに行きます。

初めて会うけど簡単にくれるのかな?

そもそも女神の威光ってドラゴンも有効なの?その辺聞いてないんだけど。

まぁなんとかなるでしょ!


というわけで適当に強いドラゴンのいる場所へGO!!

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