お買い物と情報
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僕は寝る前にハレンに自分の事とハスさんから聞いた幻獣種の祖先の由来を説明していた。
「というわけなの」
「つまりハレンの祖先は別の世界から来た『風』という存在で、美紅様も今回ハレンのご先祖様と同じで送られてこられた存在で、美紅様がいきなり消えるのは『風』特有の力でギフトと言う物で当ってるのです?」
「そういうことだね」
「そういうことだ」
「ということは、ハレンは美紅様と『風』という運命の糸で繋がれていたと言う事でいいのです?それに美紅様の匂いはハレンとの絆ってことです?」
「そんなわけあるか!『風』はお前の祖先でハレンじゃない!今のお前はタダの子猫だ!」
「だから猫じゃないのです!虎で『風』の子孫なのです!」
「たった今知った事実を偉そうに言うな!」
「と言う事だからハレンちゃん、今言った事の僕の部分は秘密でお願いします。ハレンちゃんの部分はハレンちゃん次第だけど」
「大丈夫なのです!ハレンはどっちも秘密にするのです」
「というかどっちも秘密にした方がいい、私の事といい喋ってもいい事など何一つない」
「そうですね、という訳なので内緒で行きましょう」
「はいなのです!」
「それではこの話は終わりだ。明日の予定は決まっているし寝るぞ」
「わかったのです、では美紅様一緒に寝ましょう」
「子猫は外だ」
「ヒルマさんは扉の外で見張りをお願いするのです」
「ふざけるな!」
「ふざけているのはどっちなのです!]
さて・・二人は放置で寝るか。
僕は不毛な争いを1日の最後まで続ける二人を無視して寝ることにした。
朝になり予定通り行動することになった。
「それでは私は行く、美紅にはハレンの面倒を頼む。迷子になりそうだしな」
「わかりました。ハレンちゃん行こうか」
「はいなのです、美紅様迷子にならないように手を繋いでほしいのです」
「え?」
「美紅、どこかで紐を買って引きずればいいんじゃないか?」
「ペットじゃないのです!」
「似たようなものだろう」
「あの~、いきますよ?」
「ま、待ってほしいのです美紅様!」
「子猫いかがわしい事を美紅にしたら許さんぞ!」
どっちも早くしてください!
「まずどこへ行くのですか?美紅様」
「うーん、先に防具を買おうと思うんだけど、お金の事もあるし他のものを買ってあとでお金が足りないとかなりたくないしね」
「わかりました、防具屋さんに行くのです」
「そうしようか」
大きな町なだけあって何件か防具屋があると言うことなので僕達はとりあえず目に入った防具屋に入ることにした。
「いらっしゃいませ、お嬢さん達かな?」
お店には中年のおじさんの店員さんが1人いた。
外套を被っているせいでわかりにくいらしい。
ハレンちゃんをあまり見せたくないので僕だけ外套を取って挨拶する。
「そうです、でも僕は・・」
「そうなのです」
ヒルマさんといいハレンちゃん何故僕の自己紹介を遮る・・。
「おお!可愛いお嬢さんだね、そっちの子も可愛い声だ」
「あの~防具というか鎧というか探しにきたんですけど」
「すまねぇ、で?どんなのがいいんだい?」
「えっと~初めてなんでよくわからないんです」
「そうかいそうかい、タイプはどうする?首から下を全部覆う様なタイプと部位タイプやちょっと高いがフルプレートタイプもあるぜ」
「すいませんがあまりお金がなくて・・二人で60万カナリなんです」
「うーん、それだと部位タイプぐらいしか買えないかもな、しかもちょっと素材の質も落ちるぞ」
「素材?」
「ああ、初めてだったな。説明すると鎧ってのはな。魔物の皮や鉱物で出来ているんだよ」
「なるほど」
「なるほどなのです」
「だから希少な鉱物や希少な魔物の素材ほど高くなるんだ、もっとも魔道具系の鎧なんざ俺の店が扱ってる鎧なんかと比べちゃいけねぇほど高いがな!」
「魔道具は無理ですよ、高すぎて僕たちじゃ手が出ません」
「わははは!お嬢さんよく言うぜ!その腰の剣かなりの値打ち物だろ?」
「え?あははは・・これはそのそんなに高いものじゃないですよ」
言えない、オストピアには魔道具屋がなくて武器屋に売っててその店員も魔道具に詳しくなくて凄い安かったなんて事は・・。
「嘘言っちゃいけねぇな!俺は武器屋じゃないがな、店に来る客がつけてる武器を見ることがたくさんあるんだ。その見事な赤い鞘!出てる柄!その剣は魔道具だろ?もしかしてその剣を手に入れるためにお金を使っちまったとかか?まあ、そんな立派な剣だ!それも仕方ねぇやな」
「あはは、いや本当にそんな高くないですって」
マジで・・。
「そうかい?でもこれ以上聞くもの悪いか。話がそれちまったな、何か要望はあるかい?」
「えっとですね、できれば軽さ重視がいいんです」
「ハレンも軽いのがいいのです」
「軽さね、悪いが予算的に軽くて丈夫ってのか無理かもしれないがそれでいいかい?」
「構いません」
「構わないのです」
「それに悪いが俺の店はお譲さん達みたいな華奢で小柄な防具はあまり置いてないんでな、数も少ないかもしれん、お勧めを取ってくるのでその辺見ててくれ」
「はい」
そういうとおじさんは店の奥に入って行った。
「美紅様美紅様!」
「どうしたのハレンちゃん」
「あっち奥見てきたいのです」
「いいよ行っておいで」
「ありがとうなのです」
そしてハレンちゃんは早歩きで奥の暗い方へ行ってしまった。
もしかして買い物好き?おじさんが持ってくるのを待てないくらいに。
「待たせたな、あれ?もう一人の白い外套のお嬢さんは?」
「あっちの一番奥の棚のほうに行きましたよ」
そう言って僕はハレンちゃんが行った方を指差す。
「ああ、あっちはあんまりお勧めできないぞ」
「どうしてですか?」
「あっちは訳ありでな・・中古・・いやじゃないのもあるか、整備してない物ばかりがあるんだ。売れないと思ってあっちにまとめて並べてある」
「そうなんですか」
「まあいいだろ、それでだこれなんかどうだ?」
分厚っ!
おじさんが持ってきたのは茶色の皮の鎧で胸の部分と下半身を守るタイプ。
「わははは!お嬢さん今重そうって思ったろ?」
いやそれもそうだけど厚そうって思いました。
「持ってみな!」
「え?はい」
「どうだ?」
「あれ?以外と軽いですね」
「そうだろそうだろ」
「これなんは何の素材なんですか?」
「ミリオンガウだ!知ってるだろ?」
・・・知りません!って知ってて当然なのその生物!
「あいつ等はダンジョンで物凄い数で責めてくるからな。素材が出回りやすいんだ。丈夫とは言い切れないが何枚か重ねて鎧を作るんだ。それでも軽さには定評がある。冒険者に成り立ての女の戦士は大抵これを選ぶな、値段も手頃だ」
「へー」
「どうだい?」
「うーん、買えるかどうかは別として他も見ていいですか?」
「もちろんだ、色々見ていってくれ」
「美紅様美紅様!!」
なんか暗い方からハレンちゃんが物凄い勢いで戻ってきた。
「どうかしたのハレンちゃん」
「美紅様にはこれが似合うと思うのです」
ハレンちゃんが持ってきたのは赤い皮?出来た鎧綺麗だけど汚れてる。
胸の部分と腰の部分タイプの鎧これ足の部分ないじゃん・・すごいホコリを被って汚れてる。
「ああ、それかー」
おじさんが反応してくる」
「これは何の素材なんですか?」
「それはな、レッバルナスだ」
え?終わり!もっと説明してよ!魔物が一般常識だと思うなよ!それにレッバルナスだけじゃ魔物かどうかもわからないし!もしかしたらレッバルナス鋼とかいう金属かもしれないし!僕に不親切な言い方やめて!
「これがレッバルナスなのです?」
ハレンちゃんまで知ってた・・。
「お!そっちのお嬢さん物知りだね、そうさ南の暑いダンジョンのいる小さいトカゲ型の魔物さ、薄い鱗で金属みたいに光沢を持ってる」
最初からそう説明してよ!
「いい素材なんですか?」
「うーん、お客の前で言うのもなんだが微妙だな」
「微妙なのです?」
「ああ、こいつの素材はいい物なんだがな1匹から取れる皮で1個しか鎧が出来ないんだ」
「それって貴重なんじゃ?」
「いやな・・レッバルナスはあんまり大きくないから小さい鎧しか出来ない。冒険者ってのはどうしても男が多い。需要がないんだよ、レッバルナスの皮は鎧以外使い道がないしな」
「なるほど」
「しかもこの鎧は落ちぶれた貴族が売りに来たんだ。ずっと倉庫でホコリを被っててな。俺の店はさっきも言ったがあんまり小型の鎧は置いてないから売れるかどうかわからないから整備すらしてないんだ。その鎧を買ってもいいが鎧の代金より整備代がかかるぞ」
「いくらなんですか?」
「鎧が15万で整備代が20万ってとこだ」
本当に整備代が高かった。
「さっきはああ言ったがレッバルナス自体この地方じゃ珍しいのでいい物なのは確かだ軽いしな、そこそこ丈夫だしな。買うかい?」
「そうですね~、ん?ハレンちゃんは決まったの?」
「はいなのです、ハレンはこれです」
いつの間にかもう決めていたハレンちゃん。早い!
「なにこれ?布?ヒラヒラしてる」
「お嬢さん何者だい・・よくそんなの引っ張ってきたな」
「奥の棚のさらに奥の木の箱からいい匂いがしたのです」
さすが幻獣1の嗅覚、何かを見つけてきたらしい。
白い布で出来たヒラヒラした着物の様な鎧?
「これ防具ですか?」
「ごめんな、俺もよくわからないんだわ!わはははは!」
笑い事じゃないよ、そんな物置いておくなよ!
「とてもいい匂いがするのです」
ハレンちゃんは匂いで防具を決めるらしい。
「それはな、俺のじっ様の代に買い取ったらしいんだがな、ずっと売れ残ってるんだわ!わははは!」
何年物だよ・・。
「素材は金属だ!布みたいだがな!薄い金属はいい物が多いがそいつは薄すぎて耐久性があんまりないんだ!だから売れ残った!わはははは!」
笑えばいいって物じゃないよ?
「しかもデザインが男の俺にはよくわからん!というかこの町の女に見せたこともあるがあまりわからんといいやがったのでな」
着物っぽいしね、和だとあんまり理解されてないのかな?
ハレンちゃんは幻獣文化で着物を着てたのでこのヒラヒラが好きみたいだけど。
「美紅様、ハレンはこれがいいのです」
上目使いで訴えてくる、可愛い。
「これおくらですか?」
「実はな、じっ様の時は店頭に出してたんだが親父は売れないと思ったのか奥の棚に、そして俺は棚から箱に!値段もつけてないんだわ!わははは!」
いい加減にしてください。
「じゃあタダでいいのです?」
そんなわけないでしょう・・ハレンちゃん。
「うーん、確かに俺の・・というか親子3代の落ち度だな。だが俺も商人だしタダが無理だな」
「では1万でお願いするのです」
ハレンちゃんといい、ヒルマさんといい、値切ろうとする根性が凄い。
「お嬢さんよくみな、それも一応金属だ整備が必要だろ?それも整備代がかかるからタダは無理だぞ」
「ではおいくらなのです?」
「そうだなー。そっちの赤い鎧も実は売れ残りだしな、買ってくれるなら赤い鎧は整備代込みで35万でヒラヒラは整備代込みで25万でどうだ?丁度60万だ」
「59万にしてほしいのです」
「わははは!いいだろうまけてやる!」
「買うのです」
女性陣が頼もしい・・そして僕情けない。
「それじゃあ、交渉成立だ。店が終わる頃に取りにきな!大至急整備しといてやる」
「え?そんなに早く出来るんですか?」
「朝一番だしな、急げばそれくらい軽いさ」
「わかりましたではあとで取りに来ますね」
僕は代金の59万を払って店を出た。
「まいどっ!またあとでな」
「ハレンちゃんありがとうね、良い物が買えたよ」
「お役に立ててよかったのです」
「でもハレンちゃんはあれで良かったの?たしかに軽そうだけどあれすごい薄かったよ?」
「当たらなければ問題ないのです」
なにそのカッコイイセリフは・・。
「それじゃあ、ハレンちゃんの短剣と携帯食料に水、あとダンジョン石のクズ石を買って昼食にしようか」
「はいなのです」
僕達は小さな武器屋でハレンちゃんに手頃な短剣を選んだ後に雑貨に向かい必要な物を補充した。
そして目に付いた食堂に入ってお昼ご飯を食べることにした。
「どうハレンちゃん」
「何がなのです?」
「村の外の世界だよ、出て1ヶ月で小さい村には寄ったけどこんな大きな町は初めてでしょ?」
「えっとなのです、同族の方が珍しいのです」
「同族が珍しい?」
「はいなのです、ハレンの村はなんというか同じ種類の同族の人はほとんどいなかったのです。でも外の世界は顔つきや身長が違うだけで同じ種類の同族の方がいっぱいなので珍しいのです」
「なるほど、ハレンちゃんには逆に珍しく感じるわけね」
「なのです、あと人族の人と楽しげに話しているのも新鮮です」
「ああ、それはあるね。実は僕もこんなに違う種類の種族がいる町は始めてたんだよ」
「美紅様も?」
「うん、でも本当はコレが普通なんだなって思うよ」
「そうだといいのです」
「うんうん」
「この後はどうするのですか?」
「うーん、防具選びにもっと時間がかかると思ってたけど以外に早く終わってしまって買い物も午前中で終わっちゃったしね~」
「なのです」
「お金ももうあまりないし町を歩いて見学する?説明したけど僕もハレンちゃんと一緒みたいなもので色々まだ見ることが新鮮なんだよ。だから色々見てみたいんだよ」
「ハレンと一緒!?」
ヒルマさんと同じで何故一部分だけ取った様に反応するの?
「い、いいかな?」
「賛成なのです」
「じゃあ、食べ終わったらいこうか」
「はいなのです!」
お昼ご飯を食べた僕達は町を見て回っている。
「凄いのです!人族の人がいっぱいなのです!」
「そうだね、さっきは朝であんまり人が歩いてなかったけどさすがにこの時間になると人通りの量が違うね」
「美紅様あれはなんなのですか?」
「だぶん大道芸?」
数人の人が体を張ってパフォーマンスをしている所に人が集まっている。
「ハレンもあれくらいできるのです」
「うん、出来たとしてもやらないでね」
僕はハレンちゃんに向かって笑顔で答える。
もしやったら目立ちすぎる・・。
「いい加減にしろ!!」
ん?どこかで聞いた事があると言うかこの声って・・。
「美紅様、ヒルマさんなのです」
「みたいだね、何叫んでるんだろう?」
人ごみのさらに先からヒルマさんの声が聞こえたくる。
「だからいい加減ついてくるな!」
「いいでしょ?俺らと一緒に行こうって」
「うるさい!何故私がお前達と行かなければならない!」
「情報あげたでしょ?そのお礼だと思ってさ、それに俺達と一緒なら楽だよ?」
「あんな情報などお前達じゃなくてもわかることだ」
「そんな事言わずにほら!どうせ1人なんでしょ?危ないって」
「うるさい!ちゃんと仲間がいる」
「嘘は良くないって、あんな場所に1人でいる時点で実は一緒にいくメンバーなんていないんでしょ?」
「もし仮に1人だったとしてもお前達と一緒にいくなんてことはない」
「だから~、俺達今メンバーが1名欠けてるんだって!だからさ!」
「その辺の犬でも入れておけ!」
なんか凄い絡まれてる・・。
しかも複数の男性に・・。
「美紅様どうするのです?」
「うーん、いこっか。さすがにヒルマさん困ってるし」
「わかったのです」
「あ!でもハレンちゃんはあまり目立たないほうがいいから大人しくしててね」
「よくわからないけどわかったのです」
ハレンちゃん以外と気が強いからこう言わないと余計ややこしくなりそうだしね。
「もうついてくるな!」
「だからそのいるかもしれない仲間を紹介してくれたら引くっていってるでしょ」
「そうですか、じゃあ引いてください」
「美紅!ハレン!」
「ヒルマさんこっちは買い物終わりました」
「終わったのです」
「あれ・・本当にお仲間さん?」
「言っただろ!ちゃんといるとさあ消えろ」
「いや、本当にいるとは思わなかったな~、でも全員女か~それなら余計危険だよ?」
「女3人で悪いことなど何もない、偏見と差別的な発言はするな」
いや、そこはヒルマさん僕を男と紹介して下さい。そうすれば解決ですよ?
「ヒルマさんこの人達は誰ですか?」
「こいつ等か?私がこの近くのダンジョンの情報を組合に聞きに言った時に教えてくれた組合に所属している冒険者らしい。私が情報を集めているのでダンジョンへ行くと思って私を一緒に行こうとずっと組合からついてきている」
ナンパか!!
「なるほどです、あのヒルマさんは僕の連れなので諦めてもらえます?貴方達4人もいるじゃないですか。僕たちはヒルマさんを連れて行かれると困るので」
「美紅!私はどこにも行かないぞ!」
ヒルマさんが反応しないで下さい、せっかく説得してるのに。
「まさか本当に仲間いるなんて思わなかったな~、でもさ君達ダンジョンの情報を集めているくらいだし、ここのダンジョン初めてなんでしょ?俺達一応この町を拠点にしてる冒険者なのよ。だから経験者ってわけどう?この際7人で一緒にいかない?」
「ご遠慮します、会ったばかりの人を信用して行くほど軽くないので」
「うわー、ひどいなー!言ってるでしょ?俺達組合に所属してる冒険者だし怪しい者じゃないって!ランクも高いよ?ブロンズだよ?」
「怪しいとか強さじゃないんです。ちゃんと断ってるのにしつこく誘ってくる人間性を言ってるんです」
「うえ・・きっつー」
「美紅様カッコイイのです」
「美紅私のために!」
そこの2人は黙ってようね。
「じゃあ、ご飯だけ行かない?まだ色々俺達だけしか知らない情報とか教えてあげるよ?」
やっぱり親切じゃなくてただのナンパか・・。
「そもそも何でヒルマさんを誘ってたんですか?」
「へー、ヒルマって言うのかいい名前だね」
「名前も教えてもらってなかったのによく誘えましたね」
「あはは、痛いとこつくね君さっきから。ヒルマさん?と誘ったのは雰囲気とその立派な鎧かな。他の雑魚冒険者は気づかなかったみたいだけどその鎧たぶん魔道具だよね?しかも足運びも相当の剣士ってわかるし、丁度前衛があと1人欲しかったのよ」
確かにそれがわかるのが凄いかも、僕がはじめてみた時は立派な鎧ぐらいしかわからなかった。
「理由はわかりました。でもヒルマさんは僕たちと旅をしている仲間なので貴方達と一緒に行くことはないです、本人も嫌がってますし。あとご飯も食べたばかりなので行きません。それでは失礼します」
「さよならなのです」
「さらばだ」
「待って待ってそこの一番小さい白い外套の子!獣人でしょ?」
え?なぜわかったの?
って言った人も獣人だ。犬だね
「それがどうかしたのです?」
ハレンちゃんが答えた。
「いやいや、なんでそこまで姿を隠してる気になっただけよ、それに他の獣人とかなーんか違った匂いもするし」
「関係ないのです」
「そうなんだけど同じ獣人として親交を深めようよ」
なんなんだこの人達・・リーダーらしき人を断ったのに全員同じ人種か?
「お前達いい加減にしろよ?」
「いや、怒らないでって本当に親切で誘ってるんだから、ね?」
「そうですか、たしかにあの子は獣人ですけど貴方と親交を深める気はないようですので本当に失礼します。行きましょう、ヒルマさんハレンちゃん」
「おい!本当にいいのか!?ここのダンジョンは初めて行く奴はよく死ぬんだぞ!?主のいるダンジョンは狡猾だぞ!?」
「ご親切にどうも、でも適当な理由をつけて女の子を誘うような人と行きたくないので」
「なっ!」
「図星か」
「みたいなのです」
「いきましょう」
「お、おい!」
さすがうざいので3人とも足早に4人の冒険者を置いてその場を後にした。
「すまない迷惑をかけて」
「ヒルマさんが謝る事じゃないですよ」
「なのです、ああいう人達ははっきり言ったほうがいいのです」
「いや、ハレン結構はっきり言ってたぞ私は」
「ヒルマさんは、ついてくるな!いい加減にしろ!とかしか言ってなかったのです。あれではしつこい殿方は諦めないのです」
「ハレンに言われるとは・・」
「災難でしたねヒルマさん」
「まったくだ、組合に言ったんだがやはり所属してない者には詳しい情報はくれないみたいでな、所属すればいいらしいだがその気もない、だからあいつ等に聞いたんだがその後私が女だとわかったらあの始末だ」
「あの・・ヒルマさんは鎧でもわかるぐらいスタイルがいいので女性と丸わかりなのです」
「そう思う」
横にいるハレンちゃんを見ると何故か自分の胸をじっと見ながら言っている。
「正直に言うがああいった輩は何度も会った事があるが苦手なんだ」
ヒルマさんはナンパが苦手っと・・メモメモ。
「それより質問が在るんですがブロンズって強いんですか?」
「ああ、下から3番目だな、冒険者組合のランクはプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、クロム、アイアンとあるからな。強いといえば強いが微妙だ」
「凄い自慢してたのです」
「もしかしてハレンちゃんってああいう男の人嫌い?」
結構嫌そうな顔してたし」
「嫌な臭いだったのです、美紅様の匂いで匂い直しをさせて欲しいのです、くんくん」
判断基準が匂いでした。匂い直しって何?口直しみたいなもの?
あと離れて匂いを嗅ぐ事も出来るなら抱きつかなくてもいいんじゃ・・。
「まぁ、もう会うこともないだろう。迷惑をかけた忘れてくれ。それより防具や買い物はどうだったんだ?」
「ハレンちゃんのお陰で良い物が買えたと思います。このもう少し時間が経ったら取りに行く予定です」
「ハレンのお陰?」
「はい、お店の奥にある変わった鎧を匂いで見つけてきてくれて」
「匂いか美紅を嗅ぎまくらなければ本当に役に立つな」
「一言余計なのです!」
「本当の事だろうが!」
相変わらずすぎる。
「でもお金もほとんどなくなってしました」
「それは仕方ないだろう、稼ぐしかないな」
「ヒルマさんの方はどうだったのです?」
「ん?ああさっきの奴らを思い出すのは嫌だが情報は集まった」
「どうでした?」
「この町の近くにあるダンジョンは1つだ。主がいるらしいが少しやっかいらしくてな長く無攻略だそうだ」
「長く無攻略ってどういうことですか?」
「ああ、1度ダンジョンの主が倒されて攻略された場合は主のいないダンジョンになるが、そこにまた主が育ったり現れたりした場合がある。ここは過去攻略されたことがあるんじゃないか?それでさらに強い主になったせいでまだ攻略者が現れていない」
「へー、辛いかもしれませんね」
「楽しそうなのです」
ハレンちゃんの感想が怖い、楽しそうなの?
「あとは手に入れた情報ではここのダンジョンは強い冒険者は挑戦してないようだな」
「そうなんですか?」
「そうだろ?さっきの連中が何度も挑戦してるくらいだ。ブロンズ程度が自慢してくるぐらいだだからな」
ブロンズ程度ってことはヒルマさんはブロンズより強いのかな?そういえば冒険者の強さを知らないので比べれないや。
「ヒルマさんそのダンジョンはなんてお名前なのです?」
「ん?ああ、この町の名前がつけられていたな。たしか町の名前はリステインだからリステインダンジョンだな」
「リステインですか」
「ああ、とりあえず情報も集まった、買い物も終わった。だから明日出発しようと思うがどうだろう?」
「僕は構いません」
「ハレンもです」
「決まりだ、ところで防具はいつ取りに行くんだ?」
「夕方辺りです」
「そうか、私はご飯がまだなのでその辺で時間を潰すか」
「わかりました、ハレンは美紅様と時間を潰してくるのでヒルマさんはお一人でお食べ下さいなのです」
「なんでそうなる!美紅は私と一緒に食べるんだ!」
「美紅様とハレンはもう食べたのです」
「美紅、甘いものは食べたくないか?」
「結構なのです、さっき食べたのです」
「子猫には聞いてない!」
「はいはい、二人とも行きますよ。ハレンちゃんも甘い物食べたいでしょ?外の食べ物色々食べよう」
「はいなのです!」
「猫は魚でも食べてろ」
「魚は好きですけど猫じゃないのです!」
魚好きなんだ・・。
ヒルマさんの食事に付き合いながら明日の計画を練る。
明日は朝早く起きてダンジョンに向かうことになった。
そして僕たち3人は宿に変える前に約束した時間に防具屋さんに行った。
「おうお譲さん達!出来てるから持っていきな!」
「凄い綺麗になってますね、ありがとうございます」
「ハレンのも凄く綺麗なのです。感謝なのです」
「いいっていいってこっちも仕事だ、こっち女性用防具が2つも売れて万々歳だ!また来てくれよ!」
「またよろしくお願いします」
え?女性用防具が2つ?1つじゃなくて?やっぱりこれ女性用だったの!?
宿屋に戻った僕とハレンちゃんは防具を来ていた。
そしてヒルマさんに感想を聞いた。
「似合うぞ美紅!とても可愛いぞ!」
「ありがとうございます、それで肝心のあれはどうでしょう?」
「ん?ああ、これは女性用だな。わかって買ったんだろう?」
「・・・いいえ、誇りを被っていたのでわからなかったんです」
「気にするな!可愛いが全てだ!ハレンも似合っていると思うだろ?」
「はいなのです!とっても綺麗です美紅様!」
普段言い争ってるのに何故そこだけ揃うのか。
「しかしいい素材の防具だな、レッバルナスか。あまりこの辺じゃ見ないが軽くていい素材だな。私もあまり見たことがないので新鮮だ」
「そうなんですか?」
「うん、色が赤で目立つしな。美紅は赤が良く似合う」
ヒルマさん戦闘で目立つ色は危険なのでは?敵に狙われやすいのでは?
「何気にサイズがピッタリだったのだちょっと・・」
女性用ピッタリってどうなの?たしか胸の部分が空洞があるけどそれ以外が違和感ないとか・・。
まぁいいか・・買っちゃったし二人と似合うって言ってるし。
「美紅は何を着ても似合うからいいとしてハレンだ。なんだその鎧?はそれはお前の村の服だろ?」
「違うのです!似てるのですがこれは布じゃないのです!」
「そうみたいなんですよ、あれ金属らしいんです」
それを聞くとヒルマさんがハレンちゃんに近づいてヒラヒラを触る。
「本当だ・・なんの金属だこれは?こんな薄い金属知らないぞ?」
「さあ?店員さんがおじいさんの時代から売れ残っている品だと言ってました」
「さっぱりわからないのです」
「理由はわかるがな、薄すぎて耐久性がない。ヒラヒラが邪魔になりそう。この辺じゃ見ないデザインでさらにサイズが小さすぎる。まさに子猫用だ」
「子猫用じゃないのです!ハレン用なのです!」
それは子猫用であってるような・・。
「謎の金属か、もしかしたら掘り出し物か?」
「どうなんでしょう?」
「なのでしょう?」
「考えてもわからないな」
「僕もそう思います、でもハレンちゃんが気に入ってますのでそれで良いと思います」
「軽くて最高なのです」
「だがそのヒラヒラならもしかしたら面白いことができるかもな」
「面白いこと?」
「ああ、フードだ」
「あ!布みたいだからフードだけ引っ付けることができるかもですね!」
「ああ、フードは別に服屋で買えばいい、なんとか引っ付けて顔を隠せるかもしれないな」
「いいですね、ハレンちゃんそうしてもらう?」
「ハレンは目立つと困るのでそれが出来るならそうしてもらった方がいいのです。
「明日ダンジョンに行く前に服屋に寄ろう。もし出きるならやってもらおう、そんなに時間もかからないだろうしな」
「そうしましょう」
「わかったのです!」
「よし、明日の準備をして寝るか」
「そうしましょう」
「はいなのです」
「美紅は右で寝ろ、私は真ん中だ、子猫はどこかで丸まって寝ろ」
「むー!丸まって寝るのは好きですけど美紅様の横は渡さないのです!」
丸まるの好きなんだ・・。ヒルマさんの意地悪でハレンちゃんの生態が結構わかってくるな。
「ダメだ、美紅は予約済みだ」
「そんな事聞いてないのです!」
「言ってないからな」
「じゃあ!明日からずっとハレンが予約するのです!」
「残念ながら1年先まで私が予約済みだ」
「ずるいのです!」
そんな予約システムないからね。
「ヒルマさんは夜中鎧でも磨いていればいいのです!」
「私の鎧はいつも綺麗だ!」
「ハレンの鼻は誤魔化せないのです!」
「なっ!臭いとでも言うのか!」
「内緒なのです!」
・・・さて寝るか、僕は二人を無視して真ん中のベットに倒れこんだ。
「教えろ子猫!どんな臭いなんだ!」
「変な臭いなのです!」
無視したのはいいけど僕を挟んで喧嘩するの止めて欲しい・・寝れない!
カナじい「腹がたつわぃ!」
蒼「どうかしたの?カナじいが怒るなんて珍しいね」
カナじい「どうもこうもないわぃ!ババアがいつか借りを返して貰いに行くからなと行ってきおった!」
蒼「ババア?もしかして地球の神様?」
カナじい「あれはただのババアじゃ!」
蒼「あの・・一応あたしの元世界の神様だし・・あたしはあんまりそれには賛同できなんだよ」
カナじい「今は私の世界の女神じゃ!言ってやれクソババアと!」
蒼「いや無理だから・・てか仲悪すぎ何かあったの?」
カナじい「大昔ちょっとな!今回確かに借りは作ったがあのババアめ!わざわざ恩を着せる言い方を!」
蒼「一体大昔何があった・・」
なんだろうね(*´・ω・*)