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3人で!

お待たせしました。


1日1話は無理ですが定期的に更新していくつもりです。


評価、感想おまちしております(*´・ω・*)

幻獣村を出発してから1ヶ月ほど経った。


僕達はハレンちゃんを迎え人目のない森の中にいた。


「美紅まだ剣の速度!腕の振りが甘い!」


「はい!」


「剣の速度は腰の遠心力で決まる!腰を使え!」


「ど、どっちですか!?」


「どっちもだ!」


「美紅様頑張ってなのです!」


旅を続けながら人の目のつかない場所でのヒルマさんとの剣の稽古、それが僕の日課になっていた。


「よし美紅ここまでだ!大分良くなったな。これならその辺の剣士ならなぶり殺しにできるぞ」


出来てもやりません!そんな残虐な殺し方!


「美紅様、ヒルマさん、ご飯の準備が出来ているのです」


「ありがとう、ハレンちゃん」


「ご苦労ハレン」


「どうぞお食べ下さいなのです」


「ハレンちゃんが料理が出来て助かるよ」


「み、美紅私だってできるぞ!」


「ソウデスネ」


「な、なんだその棒読みみたいな言い方は!」


「ヒルマさんのは料理じゃないのです!あれは素材を焼いただけなのです」


言いたくないけどその通り、肉焼いてそのまま出しました!味付けしてません!

というのがヒルマさんの料理です。


「子猫!ちょっと家事ができるからって!」


「子猫じゃないのです!虎なのです!」


「ふん!お前の料理だって美紅に負けてるじゃないか!」


「なっ!み、美紅様のは特別なのです!」


「二人とも喧嘩はその辺にしてください、それにハレンちゃんの料理だって美味しいですよ。さすが花嫁修業しただけあります」


「そんな・・美紅様お嫁に欲しいだなんて・・」


言ってません。


「嫁じゃなくて飼い猫だろ」


「猫違うのです!」


「お前が寝言でにゃーにゃー言ってるのを聞いたぞ」


「嘘は良くないのです!」


ごめんね・・実は僕も聞きました。もう食べれないのですにゃーって言ってました・・。


「まぁ、驚いたのはハレンが結構戦えることだな。私と手合わせしたらなかなかいい勝負をしたことだ」


「お褒めに預かり光栄なのです」


「ほんとにあれは驚いたよ」


本当に驚いた・・僕は一番弱いんじゃないかと思うくらいに・・。

男なのに女の子2人に負けてるかもという事実がこの1ヶ月、僕は必死に剣の稽古に勤しんだ。


「体術はこっそりお婆様に習っていたのです」


「ハス殿か、あの人なら納得だな」


あの人可愛い孫何なんてものを・・ハレンちゃん体術だけならキャッブさんに勝てそうな感じがしたよ。


「ハスさん昔色々な場所に行ってたと言ってましたしね。結構危ない場所も言ったので身を守るために強くなったのかもしれませんね」


「お婆様はそこまでお二人にお話されたのです?」


「ああ、色々聞かせてもらったぞ。主になぜ今の夫と結婚してしまったのかというグチをな」


「言ってましたね・・ハレンちゃんと娘が生まれたのが唯一の救いだったと・・」


「なんか・・お婆様がご迷惑をお掛けしたのです」


「いやいや、凄くためになる話もいっぱいしたよ?ねえヒルマさん」


「ああ、貴重な情報を頂いたな、私の種族がもしかしたらいる場所も教えてくれた」


「ヒルマさんの種族というとダークエルフなのです?」


「そうだ、私も長く旅をしているが積極的に聞いたことはないがそれとなく聞いてみても一切情報はなかったのにハス殿は可能性を教えてくれた感謝している」


「それはよかったのです」


「ですね、いつか会えるといいですね」


「子猫の鼻もあるしな、きっと会えるだろう」


「その時はお役に立てるといいのですけど子猫違うのです!」


仲がいいのか悪いのか分からない二人だな。


「それより実は問題が浮上してきた」


「問題なのです?」


「何かありましたっけ?」


「ああ、実はだな。そろそろ路銀・・生活のための資金がなくなってきている」


「ああ、あれからいくつかの村を通ってハレンちゃんに必要な物や旅に必要な物の補充やここ1ヶ月の食料とかハレンちゃんの変えの服とか色々買いましたものね」


「申し訳ないのです、ハレンもあまり手持ちを持ってきてなくて・・」


「それは気にしなくていいよハレンちゃん。女の子は服は大事だよ?それにハレンちゃんの村の服装は目立ちすぎるしこっちのデザインの服は絶対必要だったしね」


「感謝なのです」


「うむ確かにそれもある、だがもっと消費したものがあるだろう?」


「え?なにかありました?」


「なんでしょう?」


「本当にわからないのか二人とも?」


「えーと、あ!木刀とかですか?」


「そんな物はその辺の木の棒を削って作っていただろう」


「ヒルマさんの鎧の整備ですか?」


「それはちゃんと自分で点検し整備しているのでそんなにかかってない!」


「「あとはなんでしょう??」」


「ハレンの食費だ!!」


ああ・・。


「ハレンはそんなに大食いじゃないのです!!」


「嘘をつくな!お前が大食いじゃないなら誰を大食いだと言うんだ!」


「ハレンはそんなに食べてないのです!美紅様に聞いてみるのです!」


そう言うとハレンちゃんは問いかけるように僕の方向いた。

僕はハレンちゃんと一瞬視線を合わせると・・気まずいように視線を外して横を向いた。


「み、美紅様!」


「ほら見ろ!お前は大食いだ!」


「村では少食な方だったのです!」


「どれだけ食べる部族だお前達は!」


「人族の人達が食べなさすぎるのです!それに美紅様のお料理が美味しすぎたのです!」


「美紅の料理が美味しいのはわかるが食べすぎだな、太るぞ」


「ハレンは太らない体質なのです」


なんて羨ましい・・あんなに食べ・・いっぱい食べてるのに。


「ヒルマさんその辺に、あんまり食べてくれないより僕はたくさん食べてくれる方が好きですし」


「美紅様ハレンはいっぱい食べます!」


「う、うん、いっぱい食べて」


「美紅!私も食べるぞ!」


ヒルマさんそこで乗って来ないで下さい。食費の心配じゃなかったんですか?


「まぁ。食費の問題もあるがそれは建前だ、このまま行けばどの道お金が尽きるしな」


確かにそうだ、僕とヒルマさんは二人で旅をするに当たって持っていたお金を二人で管理していた。そこにハレンちゃんが加わったがハレンちゃんはハスさんに自分の事は自分で何とかしなさいと言われらしくあまりお金を渡されなかったらしい。孫に甘いくせに変なところで厳しい人だ。


「どうしましょう」


「ハレンはまだ外の世界は詳しくなくてわからないのです」


「ああ、だから私に提案がある」


「いい方法があるのですか?」


「教えて欲しいのです」


「私がお金に困るととっていた方法だがな、丁度美紅やハレンの修行や訓練にもなるだろうしな」


「もしかしてそれって・・」


「ハレンはさっぱりなのです」


「美紅はわかるようだな。ダンジョンだ!!」


やっぱりですか!ダンジョン探索!前は事情で仕方なく潜った初ダンジョン。

結局ヒルマさんと大量殺戮兵器スラビーさんのお陰で初ダンジョンって感じがしなかったけどついに潜ることに!


「ダンジョンですか、近くにあるんですか?」


「ダンジョンはハレンも潜ったことはないのです」


「近くにあるかはわからないな、だがダンジョンが何処にあるかその辺で聞けばはすぐわかる」


「へー、ちょっと楽しみですね、てかハレンちゃんも初なんだね」


「村の主様のいないダンジョンはあったのですが行くのを禁止されてたのです」


「なるほど、確かにカイユウがそんな事を言ってたな」


「はいなのです」


「だから一度修行を中断してどこか町へ向かおうと思うがいいか?」


「もちろんですよ」


「お任せするのです」


「では明日は町を目指そう」


「はい!」


「はいなのです」


そして僕達は旅の資金を稼ぐためにダンジョンに挑戦することになった。

ていうか稼がないと暮らしていけない・・。



「しかしあっさり見つかりましたね。ダンジョン」


「なのです」


「町はというのはダンジョンの近くに作ることが多いからな。近くにダンジョンがあれば冒険者や一攫千金と狙った強者が集まる。それで町も潤うというわけだ」


「なるほどなのです」


「結構大きな町ですね、オストピア以来の・・あ!ハレンちゃんは買った外套を被ってね」


「はいなのです」


ハレンちゃんは獣人。獣人は町によって目立つ。でもハレンちゃんは子猫に見えるけど見る人によってはとても珍しいと言う事もあり道中の村で白いフード付きの外套を買って被るように指示している。


「人族の方がいっぱいなのです」


「キョロキョロするなハレン余計目立つぞ」


「はいなのです、でも回り皆さんこちらを見てますよ?」


「そうですね、見られてる気がします」


「・・美紅にも外套を着せるべきだったな」


「え?」


「なるほどです!美紅様が可愛いので見られているのですね」


「そう言う事だ!美紅が可愛いせいだ!というわけで外套を買いに行くぞ!」


「そんな馬鹿な・・2人も外套を被ってたら怪しい集団じゃないですか」


「美紅が普通に歩いて目立つより外套を来て姿を隠して怪しい集団になるほうが目立たないので後者を選ぶとしよう」


「賛成なのです」


なんだこの2人・・変なところで息ピッタリだよ。


結局外套を買って着せられました・・。

赤い外套を着せられました。

こんなやり取りがありました。


「美紅様!ハレンと同じ白い外套を買いましょう!」


「美紅!私の鎧とお揃い青色はどうだ?」


「ハレンと一緒の色を着るのです!」


「青のが良いに決まってるだろ?子猫は黙っていろ!」


「ハレンのです」


「私だ!」


やめて、お店の店員さんひいてるから・・本当に!目立たない為買うのに店の前で目立たないで!


「お、お嬢ちゃん何色が良いんだい?白かい青かい?」


店員のおばさんも気を使って白か青を勧めてくる。

他の色も勧めてね!


「その赤いの下さい」


「い、いいのかい!?白か青じゃなくても?」


「いいんです、その2つを選んだらこの店にお客が暫く寄り付かないですよ?」


「毎度っ!さあ!さっさと持っていってくれ!2割引きしてやるから!」


「え?ありがとうございます」


完全に迷惑だからさっさとどこか行ってくれ、まけてやるからさっさと店の前からいなくなってくれと目が訴えている。


「美紅!青を買ったのか?」


「美紅様は白を買ったのです」


「赤です」


「「そんな!!」」


「ほら!二人とも行きますよ!」


まけてやったんだ、さっさとどこかに行ってくれと目で訴える店員さんから合図を受け取り僕は二人を引っ張って言った。


「美紅が青を買わなかったのは残念だがこれで目立たなくなったな」


「白を買わなかったのは残念ですけどその通りなのです」


「外套を2人も着てると結局目立つかなって思いましたけど視線も減りましたし、そんな事なかったですね」


「どんな町にも姿を隠して歩きたい奴なんてたくさんいる。外套を着て歩くぐらい普通だ」


「そういえばよく見るとちらほらいるのです」


「確かににいますね」


さっきまで見られる側でそんな余裕はなかったけど落ち着いて周りを見えれば結構似た人がいるのがわかる。同じ様に姿を隠していても大きな尻尾が出ている人や背の低いがっちりした人いる。小さいのはドワーフかな?


「この町は亜人種は結構いるな」


「同族の臭いがするのです」


「変な言い方ですけどあまり差別のない町なんでしょうか」


「オストピアみたいな場所が極端なだけだな、今の時代大っぴらなら差別などあまりしない。する奴はよほど思考が凝り固まった奴だ」


「オストピア?どんな場所なのですか?」


「簡単に言うと男の人のパラダイスだよ」


「安心しろハレンは行くことはない」


「よくわかりませんがいい場所ではない雰囲気は伝わったのです」


今ハレンちゃんが想像してるより3倍は凄いところだよ。


「ところでヒルマさんこれからどこに行くのですか?」


「そうだな、とりあえずどこか宿を取ってからダンジョンの場所や情報を聞きつつ必要な物を準備だな」


「ダンジョンという物は勝手に入っても大丈夫なのですか?」


「聖堂管理じゃない限り問題ないはずだ、その辺も聞こう」


「あのヒルマさん教えてほしいんですけど・・」


「なんだ美紅?」


「冒険者がいるって事はその集まりというか組合か組織みたいな物ってあるんですか?」


「あるぞ、たしか冒険者組合だったな」


「どんな事をする組合なのです?」


「文字通りだ、冒険者登録をして色々な頼み事や依頼を受けたりダンジョンに潜って素材を稼いでお金を稼ぐ連中だな」


「ダンジョンに行くって事は僕たちもそこに行くんですか?」


「美紅は冒険者組合に入りたいのか?」


「いえ、入らなきゃダンジョンに潜れないというなら入ることも考えますけどそうじゃないなら別にどっちでもいいです」


「美紅が入りたかったら方法を考えたが正直私も入ってないし入りたくない。登録すれば当然冒険者仲間と知り合いになったり、冒険者として有名になれば目立つ事になる。言わなくてもわかると思うが私の鎧の中身も見られる可能性もあるので入りたくないのが私の気持ちだ」


「大丈夫です。僕も目立ちたくないので入りたくないです」


「ハレンなのです。目立つ行動はしたくないのです」


「なら大丈夫だ、ダンジョンで取った素材とかは組合で買い取ってもらえる。登録してない場合は安く買い叩かれるがな。ダンジョン石は換金所や組合だな。ダンジョン産のものなどいくらでもさばく事が出来るので安心してほしい。私もお金に困った時はこれで凌いできた」


「お一人で潜ってたのです?」


「そうだが??」


そうだが?っていくらヒルマさんでもダンジョンに一人って・・いや、平気か強いし。


「じゃあ、とりあえず宿だけ先にとります?荷物も置きたいし」


「そうだな、そうしよう」


「楽しみなのです」


僕達は大きくもなく小さくもない宿を選んだ。

あまり人気のある宿は行きたいないと言うのが僕達の3人一緒の意見だ。

でもあまり人気のない宿も嫌だ!らしい・・贅沢?違うよたぶん。


「いらっしゃませ、3名様ですか?」


恰幅のいいおばさんが迎えてくれる。


「3名だな、部屋は2つ頼む。こっちの白い外套の奴が1人部屋で私と赤い外套の子が2人部屋だ」


「なんでそうなるのです!嫌なのです!寂しいのです!」


「ヒルマさん流石にその意地悪はダメですよ。僕が1人でヒルマさんとハレンちゃんが一緒で」


「「3人部屋でお願いする!」するのです」


なぜそうなる・・最後まで言わせてよ。


「さ、3人部屋ですね。3名様で27000カナリになります。食事は朝と夜はつきますのでご安心を」


「じゃあ・・それで・・あ!ご飯は部屋で食べますので運んでもらえますか?」


「大丈夫ですよ、わかりました」


僕は何か納得がいかないがお金を払い部屋に向かう。


「ベットが3つあるのです。ハレンが真ん中に寝るので右がヒルマさんで左が美紅様でお願いするのです」


「何故そうなる!私が真ん中だ!」


完全にハレンちゃんの復讐だよねこれ。


「ヒルマさんのお隣はゴメンなのです」


「私だってそうだ」


「なら僕が真ん中でいいので喧嘩はやめてください!!」


僕はいい加減うんざりしたので妥協策を取った。


「それなら問題ないな」


「ハレンも問題ないのです」


あれ?やけにあっさり?もしかしてハメられた!?


「今日はもう夜になるしご飯でも食べてゆっくりしましょうか」


「そうだな、明日情報を集めよう」


「わかったのです」


「買い物もしなきゃいけませんしね」


「そうだな、必要な物は美紅とハレンの防具だな。ハレンは体術だから素手や爪で戦うので武器はいいんだろ?」


「はいなのです」


「防具ですか、防具にも魔道具ってあるんですか?」


「あるぞ、高いがな。はっきり言って武器より高いかもしれないな」


「そうなんですか?」


「ハレンは魔道具屋さんはは村になかったので教えてほしいのです」


「ああ、武器は攻撃魔法をこめたダンジョン石をはめるが防具は耐性魔法が込められたダンジョン石をはめる。丁度キャッブだ、あの馬が持ってた火炎昆というのがあっただろ?あれは熱耐性をあげる魔法を込めたダンジョン石をはめて熱を軽減または無効にしてあったんだ。だからあいつの炎にも耐えられた。もちろん炎を発生させるダンジョン石を防具の魔道具にはめることも出来るが普通の奴はそんな物使った途端丸こげだ」


「なるほどなのです」


「ん~、お金もないですし普通の防具でいいですね」


「美紅も私のようにフルプレートはどうだ?」


「え?えーと遠慮します」


「何故だ!?」


「いや、熱そうですし?」


「熱くないぞ!これは魔道具だ!水耐性のダンジョン石を入れてるので涼しいぞ?」


「そうだったんですか!?もしかしてキャッブさんの熱もあんまり効いてなかったんですか!?」


「そういえば言ってなかったな?その通りだ。確かに熱かったが軽減していたので耐えれないほどじゃなかったな」


「水だから青い鎧なのです?」


「それはあまり関係ないな、製作者の気分だろ?これも買った物だしな」


「なるほどちなみにおいくらだったんですか?」


「たしか・・1000万カナリ以上したぞ」


「高すぎです!!」


「高級品なのです!」


「全身タイプだからな、いい物はそれ位する」


「でもダンジョン石をはめる穴はどこなんですか?」


「ああ、そのせいで魔道具とわからないのもあるな。内側だな、外側にあると魔道具と気づかれるので防具は内側にあるのが結構あるな。勿論構造上外側につけなきゃいけないのもある」


「色々考えているんですね」


「一番怖いのは回復の魔法をハメれるタイプの魔道具だ」


「なぜなのです?」


「私は聞いた話だけがその鎧は所有者が傷つくと回復し続ける」


「無敵じゃないですか」


「すごいのです!」


「いや、違うな。確かに怖いがダンジョン石にも限界がある。つまりは所有者の魔力だな、魔法士じゃなくても、というかどんな者で魔力は大小なりとも持っている。それを操る才能が有るかどうかだな。当然魔力が尽きればどんな魔道具も効果がなくなりただの耐久性のよい防具になりだけだ」


「そうなんですか?それは仕方ないですし別にいいですけど」


「美紅様が使っている茶色のダンジョン石が凄いですよね」


「スラビー副聖堂長が言ってただろ、かなり良いダンジョン石だと。それにダンジョン石の強さは質と込めた者の力で決まる。美紅のは質も最上級で込めたのはスラビー副聖堂長だぞ。全力で込めたと言っていたしな」


さすがスラビーさん、いなくなっても化け物感がすごいです。そしてありがとうございます!


「でも切れない回復の鎧とか着てる人がいたら怖いですね」


「そうだな、世の中は広いもしかしたらそんな物が存在するかもしれない。回復の属性・・つまり回復系のダンジョン石をはめれる鎧を作れるドワーフがいればだがな。だが美紅も気をつけておくんだ。ダンジョン石を使いすぎると魔力切れの状態になり暫く精神疲労で動けなくなるからな。」


「わかりました。あの回復魔道具を作れるドワーフはいないのですか?」


「いるにはいるが私はあまり見たことがないな。それだけ希少らしい。白のダンジョン石も貴重だしな」


「魔道具は何のダンジョン石でもはめれる訳じゃない。複数はめれるものは多いがな。むしろ1つの属性しかはめれない物のが実は強いと言われている事がある。複数だと確かに戦いの幅は広がるがその分属性の威力が分散する1つの属性が強い理由はその属性1点に特化できるからだ。だがこれは使う者の見解が入っているので一往にどっちが強いとは決して言えないがな」


「ヒルマさんの鎧はどうなんですか?」


「これは水と氷だな」


「2つなのですね」


「そうだな、伝説もあるがな全属性をはめれて威力まで上がるようなとんでもない魔道具があるとな、そんな物持っていたら化け物だな考えたくない」


え?今の言葉に凄い嫌な予感がしました。


「そ、そうですね、考えたくないですね!」


「美紅様の剣はどうなのですか?」


「え?あ?うん、わからないんだよ、僕まだスラビーさん産の土系しか持ってないしね。それしかはめたことないんだよ」


「なるほどなのです」


よし、話が剣にいった!アレのことは忘れてよう!


「今回運がよければダンジョン石が手に入るかもしれない、欲しい属性のダンジョン石が手に入るかはさらに運がいる」


「ヒルマさんってダンジョンでダンジョン石拾ったことはないんですか?」


「あるぞ、だがこの鎧を買うための資金にしたり、鎧を手に入れてからも水のダンジョン石ばかり狙っていたので、いらないダンジョン石は売ってしまった」


トントン!


「ん?ああ、夕食のようだな」


「ですね、食べながら話しましょう」


「ハレンが開けるのです!」


店員がご飯を運んでくれたので僕達は食べながら話を続けた。


「なかなか美味しいな」


「美紅様の料理よりは落ちるのです」


「そう?これも美味しいと思うけど」


「絶対美紅様のほうが美味しいのです!」


「あ、ありがとう、そうだハレンちゃん僕のちょっと食べる?」


「頂くのです!」


「太るぞ」


「むっ!太らないのです!」


「美紅様の食べかけ・・」


「子猫!それをよこせ!私の残りを全部やるから!」


「嫌なのです、残飯などいらないのです」


「質より量だろお前は!よこせ!」


「嫌なのです」


くだらない争いをしてる所悪いけどその煮物は実は苦手だからあげたんだよ・・だから一切手をつけてないの、食べかけじゃないんだよ。


「さっきはダンジョン石の方に話が言っちゃいましたけど僕とハレンちゃんの防具は普通のでいいと思います。お金も残りわずかですし」


「そうだな、明日は私はダンジョンの情報を仕入れてくるので美紅とハレンは防具ついでに買い物を頼む、それとハレン」


「なんです?」


「お前は武器はいらないと言っていたが短剣ぐらいは買っておけ、あって困るものじゃない」


「わかったのです、明日は美紅様と二人で買い物に行くのです」


「予定変更だ、美紅は買い物、私は情報を入手、ハレンはここで留守番だ」


「お留守番なんて嫌なのです!」


「留守番は大切だぞ?荷物に何かあったら困るしな」


「それでも嫌なのです!留守番するくらいならハレンが荷物を全部背負うのです!」


ハレンちゃんは両手を挙げて抗議する。


「ヒルマさん、防具を買うならハレンちゃんのサイズ合わせとかもありますし留守番は可哀想ですよ」


「美紅様!!」


「こら子猫!」


抱きつかれた・・。やめてね、また喧嘩になるから・・。


「くんくんくんくんくん」


「離れろ!子猫!」


「寝る前のリフレッシュなのです!」


「起きれないようにしてやろうか!」


「静かに食べましょうよ・・」


ハレンちゃんが旅の仲間に加わってから1ヶ月以上、喧嘩というか不毛な争いというか1日も欠かさずやって飽きないのかなと思ってるけど実はこんな風に仲良く話したことは妹以外で久しぶりなので新鮮と感じる自分がいることは確かだ。ちょっと笑ってします自分が不思議だった。


「美紅!何を笑っているハレンを剥がせ!」


「美紅様が笑って!?ハレンが抱きついたのが嬉しいのですきっと!」


「そんなわけあるか!呆れて笑ってるだけだ!」


「違うのです!くんくん!絶対ハレン効果なのです!くんくん!」


「はいはーい!二人とも離れてーヒルマさんも剥がすと言って抱きついてますから離れてくださいね」


「ハレンが先に抱きついたのでハレンが先に離れるべきだ」


「順番は関係ないのです!」


はぁ・・『ロスト』


「あうっ」


「うぐっ」


勢いで二人は頭をぶつける。


「痛いのです」


「くっ、痛い」


「さっさと食べますよ、二人とも!」


「美紅様がまた急に消えたのです」


あ・・ハレンちゃんにギフトの事話してなかったね。


「美紅・・消えるときはいってくれ、寂しくなる」


「言ったら抱きつくのやめてくれるんですか?」


「無理だ!」


「ならダメじゃないですか・・」


「うぅ・・」


頭を抑えて唸るハレンちゃん。


「ヒルマさん」


「なんだ?」


「ハレンちゃんにそろそろ僕の事を話そうかと思います」


「うん?ああ、そうだなこれからの事もあるし美紅が良いなら私は止める権利はない、だがな美紅・・」


「なんですか?」


ヒルマさんが耳打ちして小声で言ってくる。


「ハレンが美紅が『風』だからハレンの好きな匂いを感じているというのはどうするんだ言うのか?」


「え?言っちゃダメですか?」


「ハス殿も言ってなかっただろう?」


「あれはたぶん時間がなかっただけだと思いますよ?」


「確かにそうか」


「それにハレンちゃんはこれから一緒に旅をするんですし言えることは教えたあげたほうが良いと思います」


「先祖が美紅を同じ『風』ということもか?」


「それはむしろハレンちゃんは知る権利があると思いますけど・・僕たちから聞かされるもの変ですけど、ヒルマさんだったら自分の部族というかダークエルフの起源とか教えてあげるとか言われたらどうします?」


「聞きたいに決まってるだろ」


「そういうことです」


「むぅ・・なら仕方ないな」


「ですよ、僕の事で話せる範囲の事はヒルマさんも知ってますし教えてあげるべきです」


「そうだな、寝るまでの時間で話してやる」


「二人とも何をお話してるのです?」


頭の痛みが消えたのかハレンちゃんがそう聞いてくる。


「えっとね、これから僕の事をハスさんから聞いたハレンちゃんの事を話すから聞いてくれる?」


「美紅様の事とお婆様のこと?」


「うん」


「よくわかりませんが静かに聞くのです」


「私は飲み物でも貰ってこよう」


「あ・・お願いします」


「ありがとうなのです、ハレンは暖かいミルクを希望します」


「水だな」


「違うのです!!」





そうして僕はダンジョンに行く前に自分の事とハレンちゃんの事を話し始めた。



カナじい「どうじゃ?」


蒼「ん~、なんか各地で変な噂があるみたい」


カナじい「まったくめんどうじゃわぃ」


蒼「ところで噂の中に女神の上にいるかもしれない神様を信仰してる変な奴らがいるってあったよ?」


カナじい「ほっほー!素晴らしい者達じゃな!わしの存在に気づくとは」


蒼「でも変な人達扱いされてるんだよね」


カナじい「それは仕方ないのぅ。元々わしの世界は女神に運営させておるしのぅ」


蒼「そういえば何でカナじいって自分で前にでないの?」


カナじい「・・・内緒じゃ」


蒼「恥かしかっただけだったりして」


カナじい「ち、違うわぃ!」


当たりだな?(*´・ω・*)

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