後始末2
ちょっと忙しくて投稿時間が・・。
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僕達はハレンちゃん達に案内されて村に入っていった。
ずっと村の外の小屋や山の崖の上の社にいた為に入るのはこれが初だったりする。
もうちょっと感動があるかと思ったがまったくそういった感情が沸いて来なかった。
理由は・・。
「中に入るとわかりますけど、ヒドイですね」
「まったくだ、ゴルゴアの雷撃の嵐のせいであちこちの家が燃えて灰になっている」
「でもヒルマさんが防いで頂けなかったらもっと被害が出てたのです。感謝するのです」
「もう美紅の匂いを嗅がないという条件でその感謝を受けてもいいぞ?」
「お断りするのです」
そこ2人勝手に変な契約を結ぼうとしない!
「でも本当にこの村の状態で被害が少なかったのはお二人のお陰ですよ」
カイユウさんがそんな事を言う。
「カイユウがもっと最初からしっかりしてれば被害はさらになくなっていたかもな」
「同意します」
「なのです」
「そんなぁぁぁ」
実際そうだし・・でもカイユウさんが間違えて村の入り口を2回消費しなければ僕達はここに残って戦わなかったわけだから、もしそうなったらもっと被害が出てたのかな。
「ここがハレンのおじい様つまり長老様の屋敷なのです」
「おー!大きいね」
「確かに大きいな、それにしてもここの村は変わった作りの家が多いな」
ヒルマさんがそう言うのも無理はない。
この村は崖の上にあった社もそうだけど日本の建物に似ている。
現代とは違うけどたぶん昔の日本はこんな感じだったのだろう的な建物が多いのだ、なぜだろう?
まぁ、似たような文化があってもおかしくはないかもね。
「で?捕らえた叔父とやらはどこだ?」
「キオウお兄様が縛って屋敷の居間に」
「この屋敷は無事なんですね」
「はいなのです、運よく・・というより村の一番奥にあると言うのも大きいと思うのです」
お屋敷に広い廊下を通り叔父さんが縛られているという居間に案内された。
長老であるおじいさんもいるが非常に落ち込んでいて叔父さんを睨んでいる。
「来たか、こちらが夜雀の幻獣のネイゾウ叔父だ。怪我はしているが暴れる元気はあったので心配しなくていい」
雀・・以外と可愛い幻獣だった。
あぁ、名前だけか男の獣人なのでがっちりしててあんまり可愛くないね、うん!
「おじい様!なぜ私が捕まるのですか!?私はただこの事態を重く見て村の者達のために外の世界に薬や援助求めてに行こうとしただけです!」
「素晴らしいいいわけだな」
ヒルマさんが反応する。
「なんだとっ!長老!この者は人族ではないですか!恩人とはいえ混乱している村にいれるなんて村の者が怯えます!」
「叔父様この話は貴方が怪我で寝ている間に総意を持って決まってるのです。村人全員が恩人である美紅様、ヒルマさんを招きたいと言ったのです」
「馬鹿な!過去に我々を追いやり捕らえ殺した人族に心を開くなど!」
「またこの類か、いい加減にしてほしいものだ」
「さすがにしつこいですね」
偏見で物をいうタイプが最後に登場です。
「落ち着けネイゾウ、傷に触るぞ」
「私の傷なぞ心配はいりません!今は村の危機です!カイユウと私なら外の世界に詳しい、すぐに村の復興の為に行動すべきです!」
「しかし、お前は怪我を・・」
「この様な怪我いつか治ります!今大切なのは村です!次にあのような悲劇が起きる前に行動せねば!」
「心配しなくてもゴルゴア達はすぐに責めてきませんよ?あれだけ大掛かりな事をした後ですのでこっちが警戒している時に来るほど馬鹿・・いやゴルゴアは馬鹿ですけど・・仲間もいましたがさすがに大丈夫ですよ」
「人族の意見は聞いてない!長老!それにハレン!私にご命令を!」
「おじい様」
「・・・お前の気持ちはわかった、だが今は安静にしなさい。キオウ、ネイゾウを静かな部屋に」
「おじい様!叔父様にはまだ聞きたいことが!」
「キオウ!ネイゾウを連れて行くのだ!!」
「しかし!」
「長老の私の言う事が聞けんのかっ!」
「茶番だな、美紅帰るか?」
「そうですね~」
「ハレン連れてきたぞ!」
「カイユウお兄様遅いです!」
「ご、ゴメンなかなか出てきてくれなくて・・」
ダンダンダンっと物凄い音がする。
廊下を歩く音だろうけど明らかにこの音を出している人物がイライラしてるのがわかる。
「ハレンお前まさかっ!」
「おじい様、お覚悟を」
白い狐が部屋に入って来た。
歳は取っているが美しい。
尻尾がたくさんある、たぶん9本?数えるのが大変なので9でいいや。
「まったく馬鹿共が!何が君は本だけ呼んでるだけいいから嫁に来てくれだ!ここぞという時に迷惑ばかりかけて!」
「待て!まず説明させてくれ!」
「黙れっ!偏屈じじい!!」
ぐはっ!と叫び声がすると同時に長老が吹き飛んだ。
大量の尻尾で薙ぎ払われて壁に激突する。
「キオウ!」
「は、はい!」
「その馬鹿雀を逃がすでないよ!逃げたら焼き鳥にすると言っておきな!」
「りょ、了解しました」
「さて・・」
怖い!今まで会った獣人の中で一番怖い!間違いない!
気品があって綺麗なのに迫力がありすぎて怖いよ!
横を見るとヒルマさんまでちょっとひいてるし・・。
「申し訳ありませんでした!」
え・・?
いきなり怖い狐のお婆さんに土下座をされました。
「私は本ばかり読んでいて村の事を全てこの馬鹿な夫に任せていた為にこの用なことに!聞けば貴方達がいなければ村は全滅していたと、なんとお礼をしていい物か!しかもこの馬鹿な甥が村を裏切っていたなどと、それを頑固に信じないとは夫には呆れるばかりです!どうかお気を悪くせずにもう少しだけこの村にいていただけないでしょうか!」
あぁ・・思考能力が追いつかない。
偉そうな人に頭を下げられるのは慣れてないんだよ。
「やっとまともな人物か、ハレンのおばあ様と言ったな、頭を上げてくれ」
「そうです、僕達は気にしてませんから!実際どうでもいいので帰ろうとはしてましたけど」
「お気遣い感謝いたします」
そう言うと顔をあげて真っ直ぐにこちらを見てくる。
「それで?まともそうな人物も出てきたことだし、どうするんだハレン?」
「はいなのです、ここで事実をはっきりさせたいと思うのです」
「そっか」
「僭越ながら私が仕切らせていただきます」
狐のおばあさんが頭を下げてそう言う。
「さて、今回の件は聞いた。ネイゾウお前は村を裏切っておったのか?」
「何のことでしょう!私が行動するのは村を第一に考える時だけでございます、今回も村の為に希少種との婚礼を必死に進め、長年の村の願いを叶えようとしました。しかしその努力も空しくこの様な事になってしまった責任を感じ、先ほども村の為と思い、復興のために怪我を押して外に」
「そうか・・わかった・・」
叔父のネイゾウに向かって頷きながら向きを変えて狐のおばあさんはこちらを向いた。
「人族のお二人様、ネイゾウが我が村を裏切っているという証拠はないのですな?」
「ないな、全部私と美紅の憶測だ。怪しすぎる行動と今回の件、繋げてそいつが浮かび上がっただけだ」
「わかり申した、ではここからは私を信じていただけますでしょうか?」
僕とヒルマさんは頷く。
「いいだろう」
「僕もいいですよ」
「感謝いたします」
そしてまた丁寧にお辞儀をしてくる。
「ネイゾウや、お前が嘘を言ってないかこれから調べる」
「まさかおばあ様!!!」
「嘘を言ってなければ安心しなさい、お前の願いと共にこれからも無事にこの村の為に働けるであろう」
「待ってください!それを私に使うのですか!私は貴方の甥ですぞ!同族なのですよ!」
「黙れ!同族がなんじゃ!今回のことで学ばなかったのか!同族を売るのは禁忌?その様な者はただの言葉じゃ!欲望の為に行動する者など種族に関係なくおるわ!」
「ふざけないで頂きたい!獣人にはその様な軽いものは!」
「おるぞ?悔しいが我の弟がそうだったぞ?」
ここで意外なことにキャッブさんが言った。
「よう言った、機種族の若長よ。種族等という括りで差別してきたのはむしろ我々も同じ、迫害されて別種族を遠ざけて仲間だけを信じすぎて裏切るものはおらん等と・・今回のことはそんな物にすがった罰かもしれんな」
「お婆様!貴方にその様な事を言う権利はありませぬ!本ばかりで村の事をまったくせぬ貴方に!」
「叔父様それは誤解です!お婆様はちゃんと村で重大な事を決めるときはちゃんと支持を出してきたのですしかしその意見を蔑ろにしてきたのは貴方達なのです!」
「ハレンいいのじゃ、ネイゾウの言う事も事実、しかしその事は今は別じゃ、責めならあとで受けようぞ。さあ!ネオゾウよ、覚悟せい」
「待て!止めるのだ!ネイゾウはお前の甥だぞ!」
長老さんが慌てて止めようとする。
「カイユウ!キオウ!そのジジイを黙らせろ!」
「は、はい」
「わ、わかりました」
二人はあれだけ長老長老と言って逆らえなかったのにあっさりと長老の口をふさぎ押さえつける。
最初からやれよ・・。
「お前た・・うぐっ」
「長老、黙ってて下さい」
「お、おじい様うるさいです」
やればできるじゃん。
「お待ちをお婆様!」
「これからお前に質問をするが黙秘をすれば嘘と見なす。嘘を答えれば苦痛がお前を襲う。しかし真実を言えば苦痛はない、心して答えよ」
「お待ちを!お待ちを!」
何をされるか知らないけど嫌がり方が尋常じゃない気がする・・。
そんなに怖いのかな?いやたしかにあのお婆さん怖いけども。
ぼっぼっぼっと音がして狐のお婆さんの周りに青い炎が浮かび上がる。
「なんだあれは・・?」
「さあ?わかりません狐火でしょうか?」
「ほう!わかりますか!!可愛い人族の御仁!!」
「え?はあ?なんとなく!」
「これを人目でわかるとは御仁は何者ですか!?これは私のみの力です!外の世界に使えるものなどいないはずですぞ!」
「お婆様・・・」
「失礼・・取り乱しました。珍しい物が好きなもので・・では気を取り直して」
お婆さんはネイゾウに向かって指を指した。
そして周りに浮いていた青い炎がネイゾウに向かって飛び掛る。
「嫌だ!お止め下さい!」
ネイゾウの体が青い炎に包まれた。
燃えて絶叫を上げると思えばそうでもなかった。
「はあはあ・・お婆様!私は無実です!いますぐこれをお止め下さい!」
「では質問をする」
懇願する自分の甥を無視して青い炎に包まれているネイゾウに問いかけた。
「ネイゾウ、お前はなぜ翼を焼かれ怪我をしていたのに村を出て行こうとした?」
「それは先ほども言ったように村の者の為に私の伝で外の信用できるものに助けを!」
ネイゾウが答えを返した途端、ネイゾウを包んでいた炎がいっそう燃え上がった。
「ぎゃあああ!熱い!燃える!熱いです!お止め下さいお婆様!」
「嘘を付くからこうなるのじゃ、私の力は知っておるだろう?その青き炎は別にお前に外傷は与えん。感じるのは熱さと痛みのみじゃ、私に嘘は通じん。素直に答えよ」
なんて怖い力だ・・。
「私は嘘などついておりませぬ」
「そうか・・では次の質問をするぞ」
「お前はこの婚礼の件は本当に村の為だけに進めたのか?」
「もちろんです!ぎゃあああ!」
「続けていくぞ、お前はゴルゴアに村の情報を流したか?」
「流してなどおりません!それは今回の婚儀にあたり多少は譲歩して話しましたが決してっ!熱い!やめて下さい!嘘など言ってないのに!ぐぉぉぉぉぉ」
「お前はゴルゴアと繋がり村を襲う計画をしたのか?」
「そんな恐ろしいことは考えておりません!」
炎は反応しなかった。
なぜ???
「どうやら襲うことまでは知らなかったようじゃな」
「はあはあ・・当たり前です!私は無実です!」
「お前はカイユウを襲う手伝いをしたな?3人組がカイユウを襲ったときカイユウの情報を渡しお前が指示を出したのだろう?」
「ちがっ!ぎゃあああああ!」
「馬鹿が・・学べ!先ほどの様に嘘を言わなければ何もない!素直になれ!」
「最後の質問じゃ、お前はゴルゴアと手を組み兄であるキャッブ殿を殺せればこの村の実権をやるとでも言われたのではないのか?」
「・・・・・・・」
「言ったはずじゃ!黙秘は嘘と見なすと!」
これまでで一番の炎がネイゾウを包む。
「きええええええ、お許しを!私は決して~~全部この村の為に~~」
「わかった、ここにおる全員がすでにお前が裏切ったと思うておるだろう。お前が死のうと誰も止める者はおらん。これ以上素直にならぬならその炎を外傷を与えれるものに変えお前を燃やし尽くす」
「ヒェェェェェ」
「待て!そこまですることは!」
「黙れ!クソジジイ!この件が終わり次第お前とは別居じゃ!離婚されんだけでもありがたいと思え!」
「そんなっ!待て!考え直しておくれ!」
「おじい様・・自業自得なのです」
ハレンちゃんまで・・うん!この村は女の人が強いね!
「す・・全てお話しますから・・だ・・だからこの炎をお止め下さい」
「人族のお二人、この者はそう言っておりますがもはやこの者のせいでこうなった事は明白、このまま燃やす尽くすことも出来ますが、お判断して頂けるでしょうか」
ハレンちゃんのお婆さんは悲痛な面持ちで願い出てくる。
「消してあげて下さい、悪い人でも貴方に殺させるのは違うと思います」
「美紅に賛成だ」
「お慈悲を感謝いたします」
「ヒィヒェェェェ」
「ネイゾウ!この二人に感謝して全てを吐き出せ!もしこれから1つでも嘘を言えばお前の首を跳ねる!」
「わかり・・ました」
そう言ってネイゾウは観念したように倒れた。
そして虫の息で話し始めた。
「私は悔しかったのです、ハレンの母親・・姉上の願いを叶えたかったのです。姉上は外の世界に憧れておりました、体が弱くて外の世界を見る前に死んでしまいましたが・・。せめて願いだけでも叶えようと希少族の後ろ盾を頼み、婚儀を進めました。その時です、ゴルゴア殿に提案されたのは・・」
「何を言われた?」
「む、村を人族に襲われたことにして、それを希少族である俺が助ける。そして兄・・キャッブ殿を排除すると・・村の場所を人族が嗅ぎつけた理由としてカイユウを襲うが決して殺しはしないとお前は手伝うだけでいいと、その代わり兄を排除できた場合はお前は人族から村を守った功績で村の長になれるかもしれないと・・」
「この大馬鹿者!姉の願いを叶えたいのではなかったのか!長の座に心奪われたか!」
「長になればもっと自由に外の世界へ村を導けると思ったのです!それに私は今回の婚儀の為にハレンを売りました!姉の残した宝であるハレンを!キャッブ殿が・・ゴルゴア殿に排除・・されれば婚儀はなくなり・・ゴルゴア殿が実権を握り・・ハレンは自由になり・・希少族の後ろ盾だけ残り私は長になり、願いを叶えれると・・」
「頼んでないのです!ハレンもカイユウお兄様もお母様が小さいながらもお母様が外の世界を見たいといっていたのは知ってます!でもそんな事叔父様には頼んでないのです!」
我慢できずにハレンちゃんが叫んだ。
「ハレンお前にはわからん!姉上がどれだけ外に憧れていたか!そもそも大昔珍しいと言うだけで狩り!奪いここに追いやった人族のせいでこうなったんだ!多少強引な手を使わねば!」
バシーン!と音がした。
「ハレンちゃん・・」
ハレンちゃんがネイゾウを殴った音だ。
「お母様を汚した罰なのです、叔父様の罪にお母様を巻き込まないでほしいのです!カイユウお兄様!」
「は、はい?」
「何をボーっと突っ立っているのです!お母様を侮辱されてるのです!カイユウお兄様も1発殴ってやるのです」
「え?え?」
「カイユウさん・・」
「カイユウ・・男だろ?さっさと殴れ」
「叔父様!失礼します!」
ドガッ!
迷ってた割りに結構本気で殴ったようで壁まで吹っ飛んだ。
やっぱりちょっとムカついてたのかな?
「馬鹿なことよ、私は昔から言っておったのに、ここに追いやられようと村の者は幸せに暮らしておる。外の世界に憧れるのは悪いことではないが、だが焦って何になる。ネイゾウお前は姉・・娘が外に憧れて外を見たいと願って叶わずに逝ったと言ったな」
「違うのですか!姉上はずっと!」
「実は叶ったのじゃ。私が娘の死期を悟った時に外の世界に連れ出したんじゃ。幸い私はずっと書庫に篭っておるのでいなくなっても誰も騒がんだから連れ出せた。ほんの数日だったがな・・危篤で面会できなんだ時があったじゃろ?それがあの時じゃ」
「馬鹿な!なぜそれを教えてくれなかったんですが!ならなぜ私は!」
「姉のせいにする出ない!知っていた知らなんだは関係ないわ!お前のした事はそんな事実とは関係ないわ!」
「私は・・」
「ちなみにカイユウとハレンはその事を知っておる、子供ながら納得して協力もしてくれた。娘と息子じゃからのう、幼くして父親を亡くし母親まで亡くす痛みに比べればお前の願望なんぞクソじゃ!」
「私は・・取り返しの付かないことを・・も・・申し訳・・ありません」
ネイゾウは床に頭を擦りつけ泣き始めた。
「人族の御仁、情けないですがこれが我が部族の顛末です、この度は本当にご迷惑を」
「その言葉は聞き飽きた」
「そうですね、カイユウさんで聞き飽きてます」
「・・・す、すいません」
カイユウさん本気で謝られても・・場を和ませる為に言ったのに台無しです。
「それでこの叔父とやらはどうなるんだ?」
「村ので話し合い恐らく刑が執行されると思います」
「え?死刑とかですか?」
「この件で亡くなった者います、どうなるかはまだわかりませんが自由にはさせませんのでご安心を」
「心配はしてない、これで逃げたら本当のクズだしな」
「村の為を思うなら素直に罰をうけるべきですね」
「そうさせてもらいます」
「では私達はもういいか?貴方に任せていおけば平気そうだしな」
「ですね、さすがハレンちゃんのお婆さんです」
「いや、私にも責任はあります。本好きなのを良い事に村の事を馬鹿な夫に任せたせいでこんな事に・・これからはハレン達の時代、今回の事でこのクソジジイや老人はは引退、村の離れの余生を静かに過ごさせます、暫くは私が指示をだし、ハレンやカイユウやキオウが中心になっていくようにしたいと思います」
「それは凄くいいと思います!」
「そうだな!ただアドバイスすると、カイユウは中心にしないほうがいいと思うぞ?」
「そ、そんな!!」
「カイユウさんゴメンなさい・・僕もハレンちゃんとキオウさんが中心のほうがいいと思います」
「美紅さんまで!!」
「カイユウ、俺達が村の運営を任されるまで勉強しよう。俺も付き合う」
キオウさんいい人だなー。
「はい・・」
「我も勉強するぞ!」
いたのか馬・・貴方は自分の村に帰れ。
「人族のお二人お名前を聞いてもよろしいか?」
「美紅と言います」
「ヒルマと言う者だ」
「遅くなりましたが私はハレンの祖母でハスと申します、先ほどは帰られる様な事を言っておりましたが今日はどうかお泊まり下さい。ささやかですがお食事もだしますのでどうか・・お話したいこともありますので」
「いいですよ」
「美紅?いいのか?」
「ええ、もうさすが面倒事もなさそうですしね」
「そうだな、私も泊まらせてもらおう」
「感謝します」
「ただし!条件がある!」
え?ヒルマさん大声でいきなり何を・・?
「そこの子猫と離れた部屋を頼む!その子猫は手癖が悪く美紅の匂いを嗅ぎに来るのでな!」
「お断りするのです!!」
「なんだと!また嗅ぎに忍び込むつもりか!」
「人聞きの悪いことを言わないでほしいのです!もう美紅様にお願いしてどうどうと嗅ぐのです!」
「ふざけるなよ!」
おーい!勝手に話を進めないでね?ハレンちゃんも許可が出ると思わないんでね?
「ふ、二人ともどうでもいい話はあとにして・・」
カイユウさんが話に入っていこうとする・・ああ・・馬鹿なことを・・。
「どうでもよくない!」
「カイユウお兄様は黙ってるのです!」
「ヒィィィィ」
絶対そうなると思った。
「さて・・ハスさん、僕お腹空いたのでご飯食べさせてもらっていいですか?あの二人は無視の方向で」
「わかり申した」
「美紅!酷いぞ!」
「美紅様!見捨てないでほしいのです!」
だって~そろそろめんどくさいし・・。
そしてその後の食事の席は隔離された長老と捕まったネイゾウ以外全員で食べた。
「美味しいです!」
「うん、この村はご飯は気に入ったな」
「よかったのです」
どうにかして米と味噌を大量に持って帰る方法はないものか・・割とマジで真剣に!
「お気に召されたようでなにより」
ハスさんがにっこり笑ってそう言った。
「我も美味いぞ!これが毎日食べれるようになると思うと我も幸せだな!」
「・・・キャッブ殿と申したか」
「なんですかな?ハス殿?」
ハスさんに呼ばれてキャッブさんが返事をする。
「今回の婚礼の件ですがなかった事にしようと思います」
「何故だ!?」
「キャッブ殿には悪いのですが今回の件は元々ネイゾウと長老達が強引に進めたもの、それにゴルゴア達にされたことで村の者も希少種の部族をよく思っておらぬものも出てきてしまった。この様な形で婚礼などすすめてうまくいきませぬ」
「ならばこそ我とハレン殿が一緒になり我が部族とのわだかまりを解きながら共存の道を!それに我たちと一緒になり外の世界へ行くという願いもあるであろう!」
「残念ながらその願いはこれからこの村を担っていく若者達は願っておりません、いえいずれはという思いもかるかもしれませんが今はこの平和で静かな村で暮らすことを願っております」
「それでも我は希少種に生まれた幻獣の先祖返りだ!この村の為に何か出来ると思うぞ!?」
「それも必要ありませぬ、なによりもっと大事なことがあります」
「なんだ大事なこととは!我に出来る事なら何でもするぞ!?」
「一緒になる者同士の気持ちでございます」
「気持ち!?我はハレン殿を気にいっておるぞ!見た目もさる事ながら、中身も強く素晴らしい女性だ!」
聞いてなかったのか馬・・同士だ同士、貴方だけの気持ちじゃないんだよ。
「ハレン、お前はどうなのだ?」
「ハレン殿!!!」
うるさい叫ぶな。
「・・申し訳ありませんキャッブ様、ハレンはキャッブ様に会う前からこの婚儀は乗り気ではなかったのです、知らない相手と勝手に決められた婚儀で一生の相手を決めるのは嫌だったのです」
「もう知ってるではないか!?」
知ったらもっと嫌になったとかあるよね?
「キャッブ様ははっきり言ったほうがいいと感じたので正直に言わせて頂きます、ハレンはキャッブ様はタイプじゃないのです」
「そんな!我のどこが気に入らないと申されるのか!我は強いぞ!?」
ここに来て強さアピールとか・・ゴルゴアに負けてたでしょ?うるさいから苦手って言われたら笑えるけどね。
「ハレンは・・耳がいいのです、キャッブ様は一緒にいると頭が痛くなるほど騒がしいので苦手なのです」
まさかの当たり!わーい!
「そのくらいなら我も治せるではないか!!」
しつこい!治せるならその問いも静かに言え!
「・・・外見もタイプじゃないです」
「馬鹿な!!でも我は!」
「いい加減にしないか!キャッブ!」
「父上!?」
「申し訳ありません!ハス様!ハス様が仰っていただかなければ、わしはこの婚礼はこっちからお断りしようと思っておりました」
「父上何を勝手に!!!」
「黙れキャッブ!お前は責任を感じないのか!全部ゴルゴアが悪いと思っているのか?わしもお前も責任はある!本来ならばわしやお前もすぐにでもこの村から出て行かなければならぬのだぞ!?」
「それは・・」
「ハレン殿、馬鹿息子がしつこく失礼をしました。これもハレン殿を気に入ってしまった上の暴挙お許し下さい」
「そんな頭を上げて下さいなのです」
「色々ありまして遅くなりましたが今回の件全て私の不徳です、ゴルゴアは我が部族の恥、部族を率いて討伐に望む所存でございます。今まではこのキャッブのに部族を任せておりましたが、わしが指揮に復帰しゴルゴアを討伐しますのでどうかお許し下さい。本来ならば今ここで罰を受けたいのですがわしの首ですむならそうします。ですがゴルゴア討伐までどうか猶予を!」
「父上が責任をとる必要はありませぬ!ゴルゴア討伐も我が!」
「黙れと言っている!わしが放任主義だったのがいけなかったのだ!2人の息子がどちらも馬鹿というのも見抜けなかった!責任はわしがとる」
見かねてハスさんが前にでて話しかける。
「頭を上げて下さい、それなら私も罰を受けなくてはなりませんね、私も放任して本ばかり読んでいました。聞けば貴方はゴルゴアに売られ奴隷生活をしたとか、それで罰は受けております。今回のことはたしかにゴルゴアがやったことですがネイゾウもそれに誘惑され加担した時点でどちらにも比がありますす、責任が誰にあるという話にするよりまずはこの後の事を一緒に考えましょう」
「うう・・ありがとうございます」
キャップさんのお父さんは泣き出してしまった。
「キャッブ、責任を取るというなら今回の事でお前は長から降りろ、そして我が村からこの村に物資を運べ、幸いこの村の場所はゴルゴアと捕まえた仲間とわしとお前しか知らん。以後この場所を他言することは禁止する!ハレン殿のこともきっぱりと諦めよ!」
「承知した!!我も男だ!しかし父上!恋愛は自由と聞く!我はハレン殿に惚れたのだ!そこは聞けん!振り向いてもらうまで頑張らせてもらう!」
いや・・そこを一番承知しなよ・・足のが速くてうるさいストーカーとか悪夢じゃん。
「うぅぅ」
ほら!ハレンちゃんも耳を押さえて唸ってるし!もうやめてあげて!
「お気遣い感謝します、村が復興するまで共によろしくおねがいします」
「こちらこそどうかどうかよろしくお願いいたします」
ハスさんとキャッブさんのお父さんは手を取り合えって約束をしていた。
「わはははは!一件落着だな!!」
もう牧場に帰れよ・・馬。
「さて・・美紅・・寝るか、私もここは辛い、耳が痛いんだ」
ヒルマさんが静かだと思ったら我慢してくれてたらしい、偉い偉い。
「僕達も休ませてもらいますね」
「あ、ハレンがご案内するのです」
「お願いできる?」
ここから早くでないとヒルマさんの聴覚がキャッブさんにヤラれる。
てかハレンちゃんも逃げるために案内を買ったんじゃ・・。
「では皆さん失礼しますね」
「ゆっくり休んでくれ」
「おやすみなさい」
「ゆっくり休まれよ!!」
うるさい馬、うるさくて休めない!
僕はキャッブさんのせいで疲労したヒルマさんを抱えるように部屋を出て行った。
「美紅さんと言いましたね、お待ちを」
「はい??」
ハスさんが追いかけてきた、何か用かな?
「少し聞きたいことをがあるのです」
「なんでしょうか?」
何か分からないけど答えれることなら言うけど、僕は以外と隠し事多いよ?
「 貴方は『風』ではありませんか? 」
蒼「ただいまー」
カナじい「おお、おかえりスィーニーやどうじゃった?」
蒼「ちょっとやばいかも」
カナじい「やはりか・・」
蒼「これってどうなるの?なんとかするの?」
カナじい「まだわし・・というかスィーニーじゃな、女神が手を出す段階ではない」
蒼「でもやばくない?」
カナじい「わかるが直接手を出して過去に失敗ものあるでのぅ」
蒼「そうなの?」
カナじい「それに何故こうなったかもわからんのに手を出しようもない」
蒼「たしかに!」
カナじい「それを調べることからじゃな」
何があった!(*´・ω・*)