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ゴルゴア

突然ですがタイトル変更しました!


元々思いついた話を思いつくまま書いているのでタイトルも思いつくままつけました!


なので今度も良いのが浮かんだの思いつくまま変えました!


不評だったら戻すかも?


では獣人編もそろそろ終盤!お楽しみ下さい!


ブックマークもよろしくね!評価や感想などもお待ちしております!


結構な人数の方に呼んで貰ってますが面白い!とか書いてくださるだけでも励みになりますのでお願いします。ちなみにPVが1万を軽く超えておりました(*´・ω・*)

ゴルゴアの雷が幻獣の村に降り注ぐ。


「ふははは、どうだ!女神の使途様に貰った俺の力とこの腕輪の力だ!」


「まったく!グラブといいこいつといい!最近女神関係はこんなのばかりか!」


「ヒルマさん、これって」


「美紅か!あいつのふざけた腕輪のせいだ、魔道具で込めた魔法の力を引き上げるらしい!」


「そんなのあるんですか!?」


「説明してる時間もないが、神が作ったとか何とか叫んでいた!」


「美紅様!ヒルマさん!」


「ハレンか!お前は私達より足が速いだろ!?今すぐ村人のところに走れ!雷の届かない範囲まで避難するように言え!もう村も危険だ建物は諦めろ!」


「は、はいなのです!」


言われたハレンちゃんはカイユウさん並の速さで村の方に飛んで言った。


「どうしましょう!ヒルマさん」


「あいつ常時放電しててやっかいなんだ、その前にこのままにしておくと村が燃え尽きて火の海だ!」


「確かにこの威力だと・・」


「美紅あいつが放電をやめるまで私が村を死守する」


「で、出来るんですか?」


「たぶんな」


「無理しないで下さいよヒルマさん」


「そうしたいがこの村はなくなったらハレン達が困るのだろう?」


「ですけど・・」


「見ろ」


ヒルマさんの指差したほうを見ると雷が落ち大きな岩を砕いた。


「うわ・・」


「あの威力だ、腕輪の力か何か分からないがでたらめだ、何より無差別すぎる」


「ゴルゴアを止めれば・・」


「止める前に村が全滅するぞ、村人が避難するまでの時間稼ぎが必要だ」


「わかりました、お願いします」


「美紅も当たらない範囲に逃げろよ」


「気をつけます」


ヒルマさんは村の入り口に走ると両手を上に掲げた。


「まったくこれは消費が激しいから使いたくないのにあの気持ち悪い獣め!」


そう毒づくとヒルマさんも全身から雷を出して村の入り口全体に雷の壁のようなものが出来た。


ゴルゴアから降り注ぐ雷がヒルマさんから出した壁に当たりそのまま吸収されるように塞がれる。


「凄い・・」


ただあれをやってるうちはヒルマさんも動けない。


「なんだあれは?あそこにいるのは青鎧か?」


ゴルゴアが気づく。


「ん?小さい人族か、どうだ?俺の力は!なにやら青鎧が小ざかしい事をしてるみたいだがいつまで続くかな、あれも無限ではないだろう?俺はまだまだ持つぞ!」


「ヒルマさんもですよ、ヒルマさんは村の人が避難できるまでアレを続けてくれます」


「くくくく、そうか頑張れよ!」


「それより僕が貴方を攻撃すれば雷を降り注げなくなるのでは?」


「感電したければやってみろ!それになこんな事も出来るんだぞ?」


そう言うとゴルゴアは腕輪を外す。

外した腕輪を自分の後ろに置いた。


「どうだ!!」


驚いたことに外しても腕輪からは雷が降り注いでいた。

ただゴルゴアと腕輪の間には雷の線が・・雷で繋がっていた。


「遠隔操作ですか?」


「そうだ!これならずっと村を蹂躙できて俺は自由に動ける!わかるか?これをやって移動もできる!」


「つまり、違う位置に移動してヒルマさんの壁を避けて攻撃すると?」


「それもいいな!そんな事しなくてもあの青鎧は魔力が尽きれば終わりだろ?俺は獣人の特性の力だ、あいつよりは持続できる自信があるぞ!それに腕輪の力もある!」


「なら仕方ないですね、僕が貴方を移動させないように相手をします」


「お前が?確かにお前は俺の腕を傷つけたがあれは俺が油断しただけだぞ?あの時見てわかったが、お前はあの青鎧より弱いだろ?剣技だってあいつに比べたら雑魚だ、魔法は使えるのか?魔道具は持ってるのか?ああ!回復のダンジョン石を持っていたな!俺がやりすぎたら使ってやろうか?」


「無理ですね、あのダンジョン石は今キャッブさんの治療に使ってます、貴方のせいで瀕死なので」


「お前らは俺の事を馬鹿にしたがお前らのほうが馬鹿だろ!あんな出来損ないの兄の為に回復手段を使って、それが手元にないのに俺に挑む?これを馬鹿といわずして何と言う!」


「無謀・・ですかね」


「ぶ・・ぶあははは、自分で言ってて悲しくならないか?まさにそれだろ?それでもかかってくるのか?俺はお前を気に入っているのだぞ?ハレンとお前は生かす気でいる、死にたくなかったらそこでじっと震えていろ!」


「残念だけど無謀でもやれるという自信がなければ僕もこんな事言わないですよ」


「自信があるのか?ならかかってこい、もったいないが焦がしてやる!」


「わかりました、でも僕からも1ついいですか?」


「なんだ言ってみろ!お前の命乞いなら聞いてやる!」


「僕はさっき貴方の部下を1人戦闘不能にしました」


「なんだ自慢か?あいつ等は俺と違ってただの獣人だぞ?」


「うるさいですね、最後まで聞いてください。その人の腕を切り落としてその人は俺は貴方の部下だ!死ぬ事など怖くないと言いました。でも僕が強く追求したら死にたくないと言ったので僕はその人を回復して助けました」


「何が言いたい?部下を助けてやったから感謝しろと言いたいのか?自分は聖人とでも言いたいのか?」


「違います、もし貴方がこの状況になった場合の事ですよ」


「面白いな!万が一もないがお前が俺を追い詰めて俺がお前に命乞いをすると?そうしたら助けてやるとそう言いたいのか?」


「違います!貴方が命乞いしても助けませんしたぶん殺します」


「俺は弱い奴の大口がムカつくんだが?」


「僕はムカつきませんね、そう言う事に感情を動かすほうがめんどくさいです」


「理解できない事をいいやがる」


「馬鹿だからでしょ」


「もういい!来るならこい!」


「そうします」


僕は左手に茶色いダンジョン石を握った、力を入れる要領で起動できる。これでダンジョン石が魔力に反応するらしい、魔力誰にでもあるらしい、ただそれを自由に使える才能があるかどうか、ダンジョン石は勝手に魔力を吸って反応してくれる。だから誰にでも仕える!


「なんだその速さは!」


「口より手を動かしましょう」


「くそっ!」


僕はゴルゴアの腕を斬りつける。


「お前っ!」


もう一度切り込む、そして交差する瞬間に膝の辺りを斬っていく。


「なぜ感電しない!俺は全身放電してるんだぞ!」


「馬鹿ですか?この速さですよ?痺れると感じる前に斬ってるんですよ」


「なるほど、だからか!浅すぎる!狙いが外れて致命傷には程遠いぞ!こんなのは決定打にはならないぞ?俺にはほとんどかすり傷程度だ!」


「みたいですね」


「わかってて続けるのか?お前のそれは魔法じゃないだろ?見たところ魔道具もない、左手に何かを握っているということはダンジョン石だな?身体能力強化か?それもかなりの奴だな、直接握って使ってると言う事は体に負担がかかるはずだ」


「凄いですねわかるんですか」


「俺は元傭兵だぞ?今は女神の使途様の僕だがな!身体能力強化を使ってくる奴とぐらいいくらでも対戦したことはある!お前ほど速いやつは稀だがな」


「なるほど、改めてスラビーさんに感謝ですね」


「誰だって?」


「そうですねー、内面だけ聖人な人です」


そう言い残して僕はまた移動する、込める力を調節る事でスピードを上げたり下げたり出来るけど上げれば上げるほど体が痛い。


「くそっ!無駄に速い!」


その言い方はカイユウさん思い出すのでやめてください。


「もうちょっと速くなりますよ」


「何!なぜ教える!」


「なんででしょう」


僕はどんどんスピードを上げていく、上げすぎてこっちまで辛い。

まだ慣れていないせいでこっちの体制まで崩れる。

それでも僕はゴルゴアを斬りつけながらゴルゴアの周りを高速で移動し続ける。


「一体何なんだ!そのダンジョン石は!込めた奴は異常だぞ!だが速すぎて攻撃も雑になってきているぞ?言っただろ!速くても決定打にならなければ意味がないと!ただ疲れて終わりたいのか!?」


間違いなくスラビーさんはある意味異常です、でもスラビーさんが込めたダンジョン石じゃなきゃこのスピードが出せないのも事実。


「心配してくれるのは嬉しいですけど貴方も全然反応できてませんよね?せっかく熱で感知できる蛇が右に左に慌ててるじゃないですか、まるで嬉しいと尻尾を振る犬ですね」


「お前!俺を犬というか!おれは獣人で最高の幻獣だ!3種だぞ!3つも融合した獣人など俺以外にはいない!」


「そうですか、でも貴方を始めてみたときの僕とヒルマさんとハレンちゃんの感想を教えましょうか?」


「なんだ?珍しいとでも言ったか?それとも見たことないか?お前らの感想などおれにはどうでもいいんだがな」


「キモイです」


「ぶち殺す!!」


「反応できてないのにそれは無理です、あとそろそろ最高速度いきますので覚悟してください」


「何!嘘を言うなそれ以上速度が上がるか!何度も言わせるな速度を上げてもお前にはそれについていける技術がないと!」


「うるさいです、ではさようなら」


僕はダンジョン石から力を緩めた。


「なっ!どこだ!どこに行った!ふざけるなよ!消えた!?消えるほどの速度だと!」


ゴルゴアの視覚から僕は完全に消えた。

彼は僕を認識できない。

熱を感じる蛇も。

獣人の嗅覚も。

全てが消える。


「ありえない!いくら速度が速くでも俺の蛇は熱を感知する!どこを移動しているかぐらいはわかるはずだ!おい!どこにいる!」


答えるわけないでしょ?


僕はゴルゴアに能力であるギフトを見せたくなかった。

だからダンジョン石を使いどんどん速度を上げていった。

目で反応できないまで上げた。

熱で反応できても追いかけれないぐらい上げた。

僕の体の限界まで速度上げてそれから・・。



『ロスト』



ギフトを使った。


僕のギフトは存在を感知できない。

誰も触れない。

そのかわり欠点がある。


僕も触れない。


攻撃するときには姿を現さなければならない。

ダンジョン石と併用は難しい。

テストでそれは試していた。


このまま攻撃すれば放電しているゴルゴアの電気で僕も感電する。

ならば手段は1つ。


僕は腰にある短剣を抜いた。

そして狙いを定めた。


そしてそれをゴルゴアに向かって投げた!!



「な、なにが起きた?」


ゴルゴアの胸の真ん中に僕の短剣が刺さっている。


その瞬間ゴルゴアが驚いたせいで一瞬放電が止まる。


僕はその一瞬を狙ってブレードソードで斬りつける


「ぐわぁぁぁ」


背後からの1撃、上段構えて一直線に上からゴルゴアを真っ二つにしようとした一撃は僕が姿をあらわしたせいで自動追尾のように反応する蛇によって防がれたと思った。


「お、俺の尻尾が!馬鹿な鋼鉄の剣すらも防ぐ蛇の尻尾だぞ!?なぜだ!」


防ごうと蛇の頭ごと斬っていた。


「はぁ・・またかせっかく切れ味のいい武器を持ってても技術が伴ってないとダメって言うのが身にしみて感じるし、ヒルマさんにもっと稽古を厳しくしてもらわなきゃ」


「お前・・どこから現れやがった!が・・はあはあ・・俺の尻尾を貴様!」


「スラビーさんには本当に感謝だな~、絶対またお礼を言いに行こう」


「くそっ!このままじゃ!」


「ん?まだ生きてるんですか?どこから現れたって見えてなかっただけでしょ?喋ると死期が早まりますよ?」


「こんな事で俺が死ぬか!」


「そうですね、僕が未熟だったせいで失敗しました、でも貴方をこのままにしておけないのでトドメは刺します」


「ふへへへへ、俺は女神代理の使途だぞ?選ばれたんだぞ?こんな物で俺が倒れるか!」


そう言うとゴルゴアは胸に刺さった短剣を抜いた。


「ぐおっ!血が・・俺の血が!くそくそくそ!」


「馬鹿ですか?そんな一気に抜いたら血が噴出すのは当たり前じゃないですか」


「黙れっ!」


自分の胸から抜いた短剣を僕目掛けて投げてくる。

やはり弱っているせいか大した速度ではないので簡単に避けれる。


「返してくれるのをいいけど持って丁寧にして下さい」


「もういい、お前を生かすのはやめだ!」


「その前に自分が生きれるかを心配しましょう?このままじゃ出血死ですよ?その前にトドメを刺しますけど」


「で、出来ると思うか?お前は俺には近づけないぞ?」


「さっき刺したじゃないですか~」


「つ、使えるのか?お前の身体能力をあげるダンジョン石は直接使っている、もう体が限界だろう?」


「いや・・限界とか貴方に言われても笑っちゃうんですけど」


「まだ方法があるんだよ!!先に村を壊してやる!全力で腕輪に力を注いでやる!あの青鎧が防げないくらいな!」


中々死なない上にまだそんな力があるの!?

普通胸を貫かれたら死ぬんじゃないの?刺した事ない・・いや・・グラブも死ななかったか。

生き物って結構しぶといと言う事を学んだかも。


「オラァァァ!」


今までにないぐらい放電してその力で腕輪が反応する。

それに応じるように腕輪から発する雷撃が村に向かって降り注ぐ!


「どうだ!!そのまま村の終わりを見てるがいい!」


その前に大量出血で貴方がが死ぬぞ?いいのか?


「え?あ・・」


「なんだ?今更止めて欲しいと言っても遅いぞ?」


「いえ、後ろを確認したほうがいいですよ」


「はあ?馬鹿かお前は!」


「いや、本当に・・それに馬鹿の代名詞は貴方達兄弟で・・」


ゴルゴアは気づいてないみたいだが腕輪に・・。


「ああ・・」


「なんだ!?雷撃が弱ま・・た?」


「だから言ってるじゃないですか、腕輪ヒビがはいってますよ?」


「何!?嘘を付くな!神が作った物だぞ!?不滅なはずだ!!」


「信じられないなら確認したらどうですか?」


そしてやっと後ろを向くゴルゴア。


「な・・なんだと!!」


「ね?」


「あ、ありえない!これは女神の使途様が仰った神具だぞ?壊れないと仰った!」


「騙されたんじゃないですか?馬鹿だから・・」


「そんなはずはない!俺の前に光臨してわざわざ俺にお告げを・・」


「いや、壊れてますし・・そもそも女神に使途なんていないですし、騙されたんですよ、馬鹿だから」


「馬鹿馬鹿うるせー!俺は信じないぞ!そうだ!俺の力が強すぎたんだ!神の魔道具が耐えれないぐらいに!」


ダメだこいつ早くなんとかしないと・・現実逃避し始めたし、それじゃ不滅じゃないよ。


「もうそれでいいですよ、腕輪壊れた時点でもう終わりですし」


「女神の使途様!!お助け下さい!!俺は貴方の言ったとおりにしました!何故ですか!何故壊れたのですか!」


壊れてるのはお前だ・・。


そう言っていると・・。


ビキッっという音とともに・・腕輪は弾け飛んで完全に粉々になる。


「あぁぁ・・もったいない」


「うわーー!申し訳ありません!女神の使途様!献上品を献上品を壊して!俺はどうすれば!」


だから壊れてるのはお前だ・・というかそろそろ死ぬしどうするも何も。


「美紅!一体何があった!?雷が止んだぞ!?」


「あ!ヒルマさん大丈夫ですか?」


「ああ、もう魔力は空に近いが・・なんだ・・ゴルゴアが、美紅がやったのか?」


「はぁ・・そうですけど、色々ありまして・・」


「凄いな美紅!でも一体なにがあったんだ?」


「簡単に言うとゴルゴアを追い詰めたんですが、最後の力を振り絞って腕輪を使おうとしたら、いきまり不滅と言っていた腕輪が壊れて、ゴルゴアも今壊れてます」


「い、意味がわからないがよくやった!トドメをさすぞ!」


「ですね、あまりに哀れで忘れてましたよ」


「女神の使途様ぁぁ!俺は~俺はなんてことを~!」


「美紅、下がっていろ私ならあの放電ぐらいなら多少のダメージを受けるぐらいで攻撃できる」


「わかりました、お願いします」


ヒルマさんは剣に雷を帯びさせてゴルゴアに近づいていく。


「俺を殺すのか!俺はお前達とは違うんだぁ!女神!女神の使途様の僕だぞ!選ばれたんだぞ!?」


「狂ったな、いや最初からか?残念だが私はお前の父に許可を貰っている、殺していいとな」


「おのれ!息子を売るなんて父親のすることか!」


自分が本当の意味で父親を売った事を忘れている、完全に壊れているようだ。

不憫に思ったのかさすがにヒルマさんも顔を歪める。

そして剣を横に構えた。

あのまま恐らく首を斬るつもりだろう。


「さよならだな、あの世でその怪しい女神の使途とやらに仕えろ」


「女神様ぁぁぁぁ!」


シュッっと音がした。


ヒルマさんの剣が横一線、ゴルゴアの首を狙って振られた。


「何・・?」


「え・・?」


いなかったゴルゴアが消えた。


「なんだ、ゴルゴアはどこに行った!?」


「ど、どこでしょう、僕もわからないです、確かにいたのに!」


「・・・美紅!こっちに来い!」


「え?」


僕はヒルマさんの叫びに反応して瞬時にダンジョン石を使って移動した。


「ちっメスが!!」


この嫌な台詞・・この声・・。


「グラブ!!なぜここにいる!!」


ヒルマさんが叫ぶ。

僕はいきなりダンジョン石を使ったせいで限界だった体の痛みに悲鳴をあげながらヒルマさんのところまで走って後ろを向く。


「あら?私がここにいたらおかしい?貴方達かここにいるほうが不思議よ」


「グラブ、やっぱり生きてたんですね」


「当たり前でしょ?貴方を殺すって言ったじゃない、それにしてもそのスピード、スラビチュの魔法ね?まったく人の教えてあげた魔法をこんなムカつく小娘に渡すなんてなんて恩知らずなのかしら」


「スラビーさんを悪く言うのはやめてください、貴方なんかより素晴らしい人です」


「まったくだな、自分の欲望の為に行動してるお前と比べるのもスラビー副聖堂長に失礼だがな」


「相変わらずムカつくメス共ね、私だけじゃなくて、まさかゴルゴアの方も邪魔されてるとは思わなかったわよ」


「仲間なんかですか?もしかして貴方も女神の使途とかいう怪しい人に騙されてる口ですか?」


「チビメス!!女神の使途様を侮辱するような言葉は許さないわよ!」


「美紅ダメだこいつらは、完全に狂っている」


「みたいですね、ん?ぷっ!」


「どうした?美紅いきなり笑って」


「だって見てくださいあれ」


僕はヒルマさんにグラブの右手を見るように言う。


「あはは、なんだあれは!おいグラブいきなり現れたのは笑わせるためか?勘弁してくれ!」


グラブの右手は・・義手になっていた恐らく魔道具。

普通ならカッコイイのだろう。

だがグラブの手は・・ピンク色だった。

トイレを洗うときに使うゴム手袋そっくりだった。


「なんですかそれ~本当に笑わせないで下さい!ははは」


「たしか美紅に手首を斬られたんだったな?なんとかしなきゃいけないのはわかるが・・それはないだろ!!あははは」


「ぐぐぐぐぐ!!メースーどーもー!小さいメス貴様のせいだろー!手首さえ残っていればつなげれた物を!この私の若返ったのに美しい体をいきなり治らない傷を与えたのはぁぁぁ!」


「いやいや!悪いとは全然思ってないですけどなんでピンクなんですか?ダメだ!お腹が痛い!」


「美紅!笑いすぎたぞ、あははは」


「だってさすがにこの発想はなかったです、義手とかなんとかしなきゃいけないのはわかりますよ?・・でも手首ピンクってないですよ絶対・・ははは」


「これだからメスは!この色の良さがわからないなんて!ただでさえお前のせいで義手なんて醜い物をつけなきゃならなくなったから好きな色にしたっていいじゃないぃぃぃ」


「はぁはぁ・・ダメだ・・予想外の攻撃でお腹が痛いです僕」


「グラブお前は新しい武器を手に入れたな!色んな意味で、しかも強力だ!それは間違いない!あははははは」


「やめてくださいヒルマさんせっかく笑いがおさまってきたのに!はははは」


「わ、わ、わ、私を笑うなぁぁ!!!!ぐへっ」


グラブが吹っ飛んだ・・。


「美紅様、ヒルマさん大丈夫なのです!?」


ハレンちゃんがやったのだ。


「よくやったハレン!あはははは」


「ナイス!ハレンちゃん!はははは」


「な、何か可笑しかったのです?美紅様を攻撃しようとした人を殴ったのですけどダメだったのです?」


「ご、ゴメンねハレンちゃん、この笑いはちょっと止められなくて、でも殴ってくれてありがとう」


「ああ、あの馬鹿も敵だ、ははは・・あの吹き飛び方・・夜だからピンクの手が目立つな!」


「はぁはぁ・・本当に予想外でした、まさか笑わせに来るとは」


「やっと納まってきたな」


「わけがわからないのです」


「ぐぞ・・メスの獣人め!私の美しい顔をよぐも!」


吹き飛ばされて起き上がりながら鼻から血を出してそんな事を言う。


「ところでグラブ、貴方は何をしにきたんですか?義手自慢ですか?」


「手首でも取りに来たか?お前の手首なら私は雷で燃やしたぞ?」


「ヒルマさん、もしかして返したほうが良かったかもですかね?ピンク色にして、あはははは」


「それはいいな!あはははは」


「いい加減にしなさいよ!ここに来たのは馬鹿を手伝うため!でも失敗してやがるし!女神の使途様になんて報告すればいいのか、くそっ!」


そう言うとゴルゴアを蹴るグラブ。


「ごはっ」


「ゴルゴア!初めましてね。貴方と同じ女神の使途様に選ばれた者よ。ただ貴方と違って失敗はしてないけどね、様子を見にきたのにこれって・・はあ、やっぱり獣人ね」


「なんだと・・貴様!俺を馬鹿にする・・な」


「あら?今の状態で私に文句が?失敗しておいて?このまま死んだ事にしてもいいのよ?生きたいなら私にお願いしなさい、もちろん失敗の言い訳も考えておきなさいな」


「ぐっ、助けてくれ・・まだ俺は女神の使途様の為に働かねばならない・・恩を返さなければ」


そう言うとゴルゴアは気を失ったように倒れた。


「最初からそう言いなさい、獣」


「グラブ、僕達が逃がすとでも思ってるんですか?」


「今度は逃がさないぞ、死体にしてスラビー副聖堂長に届けてやる」


「よくわからないですけどハレンもやるのです」


「あら?やるの?私は別にいいけどね、チビメスの方はスラビチュのダンジョン石の使いすぎで体が限界、

青鎧のメス至っては体力魔力ともに0に近いんじゃない?戦えるのはそっちのメス獣人ぐらいかしら」


「それでも3対1です」


「お前がいくら速くでもハレンの鼻からは逃れれないぞ?それにハレンは足も速いしな」


「なのです」


「笑えるわね、舐めないで頂戴な。これでも天才って呼ばれてたのよ」


「笑えるのは貴方の義手です。ふ・・はははは」


「美紅・・いい加減にしてくれ、あははは」


「ハレンまで笑えてきたのです・・ぷふふ」


「メス共!私を笑うな!!!」


「無理です」


「無理だろ」


「無理なのです」


「はあはあ!もういいわ!ここで殺ろす!」


「美紅様、ヒルマさん、ハレンが行くのです」


「ちょ、ハレンちゃん、一応あの人強いからね!」


「そうだ!一度戦ったことがあるが速さと技術は侮れなかった!」


「今元気なのはハレンだけなのです」


そう言い残してハレンちゃんはグラブに向かって突っ込んだ。


「小さいメス獣人・・穢れた生物ね、触りたくないけど避けて貫いてあげるわ」


ハレンちゃんがグラブを殴ろうとした。

グラブは飛んできた拳を軽々と避ける。

いつの間に移動したのかハレンちゃんの背後にいた。


「一撃で殺してあげる、触るのは1回で十分」


グラブの手刀がハレンちゃんを襲う。

身体硬化で強化された手刀だ。


「捕まえたのです」


「え?何?」


グラブがハレンちゃんの前で地面に転がった。


「今なのが起きたんですか?」


「凄いな、グラブが手刀でハレンの背中から攻撃したのをハレンの尻尾が巻きついて止めていたんだ、そのまま勢いで背負うように自分の前に投げた」


「嗅覚で反応?」


「たぶんな」


「えいっ!なのです」


「ぐべっ!」


グラブの腹に強烈な一撃を放つハレンちゃん。

グラブが口から吐血する。


またあの凄い一撃が放たれる。

グラブのしたの地面にクレーターの様な円が・・。


「美紅・・なんだあれは・・?」


「僕も見たときビックリしました、ハレンちゃんは結構力持ちらしいです」


「力持ちのレベルじゃないぞ・・だがこれで終わっただろ」


「いった~~いのです!!」


え?殴ったハレンが悲鳴をあげた?


「ど、どうしたの!?」


「うぅ、硬いのです」


「まさか!!」


いつの間にかグラブが起き上がってゴルゴアのそばにいた。


「なんてメスなの!馬鹿力しやがって~!お腹の部分を硬化しなきゃ死んでたわ!」


「やはりか、スラビー副聖堂長の魔法だ」


「あれは私が教えたのよ!!」


「さすがスラビーさんの魔法ですね、舐めてました」


「手が痛いのです」


「私が開発した魔法って言ってるでしょ!!」


「貴方が開発したのはピンクの義手だけです・・あははは」


それに僕達の中ではお前の魔法など存在しない事になっているのだ!


「美紅そろそろやめてくれ・・笑いで体力が・・あははは・・はぁはぁ」


「まったく不愉快よ!お前達メスのせいで予定が狂いっぱなしよ!」


「人のせいにしないで下さい」


「お前達が馬鹿なだけだろ?」


「口だけは達者ね、まあいいわ私の失敗じゃないしね、今回はここまでね。1つ言っておくわよ!もし今度私達の邪魔をすれば絶対に殺すから!それと小さいメスお前は邪魔をしなくてもいつか殺すわ!手首を斬ってね!」


「安心して下さい、僕は斬られてもピンクの義手にはしませんから!」


「きぃぃぃ!覚えてなさい!」


「逃がさないと言ったはずだ!」


ヒルマさんの雷がグラブを襲う。

グラブはそれを義手で受け止めていた。


「いい魔道具でしょ!そんな魔力のない状態で撃った弱い魔法じゃ足止めにならないわよ、それじゃスラビチュによろしくね」


「待てっ!!」


次の瞬間、グラブもゴルゴアも姿が消えていた。


「相変わらず速いですね」


「ああ、逃げ足は一流だ」


「あの人はなんなのです?」


「ピンクの人です」


「ピンクの奴だな」


「ピンクの人なのです?」


さあみんな!ピングラブと呼ぼう!


「冗談はなしに簡単に言うとゴルゴアの同士みたいですね」


「前に私達はあいつと戦った、強い上に速くてな、美紅が追い詰めたんだが今みたいに逃げられた」


「美紅様凄いのです!」


「ああ、美紅は凄いぞ!今回もゴルゴアを倒したのは美紅だ」


「美紅様凄いのです!」


「ヒルマさん、恥ずかしいので止めてくれますか・・それにヒルマさんのが凄いですよ、ヒルマさんがいなければ村は今頃灰になってましたよ」


「え?そうなのです?ヒルマさん、村を代表してハレンがお礼を言います、ありがとうなのです」


ハレンちゃんは丁寧にヒルマさんに向かってお辞儀をする。


「気にするな、最初は不本意だったかここまで関わったんだ、村がなくなったら夢見が悪い」


「でもありがとうなのです」


「それより馬・・キャッブさんはどうなりました?」


「はい、気が付くまで回復したのですが戦いに行くとうるさいのでキオウお兄様が抑えてます、さすがに今動いたら死んでしまうので」


「馬鹿かあいつは」


「何考えてるんですかね」


「・・・あれがハレンの・・」


ハレンちゃん、それに続く言葉は『婿』じゃないよね?やっぱりちょっと嫌なんだね?


「ハレンちゃん村のことも心配だけどちょっと休める場所ないかな、実は体が物凄く痛いんだよ」


「大丈夫か美紅!私がおぶってやろう!さあ乗れ!」


「ハレンが運ぶのです!乗ってなのです!


いや、歩けますから!女の子2人に運ばれるのはさすがに男としてのプライドがあるので。


「平気です、歩くので」


「無理をするな美紅!」


「美紅様ハレンを使ってなのです」


「いや、ヒルマさんも限界なはずでしょ、ハレンちゃんも手を怪我してるし、歩けるのでハレンちゃん案内よろしくね」


「はいなのです」


「仕方ないな、避難場所・・いや崖の社に戻るか」


「え?避難場所に来てほしいのです」


「うーん、社に行きましょう、僕達もその方が気を使わなくていいし」


「賛成だな」


「で、でも今から崖を登るのは!」


「辛いけどそっちのが休めそうですしね」


「私も大勢は苦手だ」


「わかったのです、お供するのです」




そうして僕達はゴルゴアとグラブを逃がしてしまったが、安全になったと確信して休む為に社に向かった。




カナじい「スィーニーや」


蒼「な~に~?」


カナじい「頼みがあるんじゃが」


蒼「な~に~?」


カナじい「ちょっと地上の様子を見てきて欲しいのじゃ」


蒼「お告げ関係?」


カナじい「ちと違うのぅ、ちょっと気になるので見てきておくれ」


蒼「いいよ、お土産なにがいい?」


カナじい「お主何しに行くつもりじゃ・・」


きっと観光だ!(*´・ω・*)

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