なにあれ??
次回が重すぎたので軽くしていきたいと思います!(*´・ω・*)
翌朝、僕はいつものように学校に登校した。
妹の居ない生活は僕の精神を削り続け、登校中も何も考えないように下を向いて登校するのがクセになってきていた。
そうしていると何も見ずにすむし、いつの間にか学校についてるので楽なのだ。
ただその日はちょっと違っていた。
道をふさぐ様な形で3人ほど前から歩いてくる。
僕はそれをやり過ごそうと避けるようにして通りすぎようとした。
「ぐはっ」
いきなり変な声を出した奴がいると思ったのだけれど、それが何かはすぐにわかった。
僕の肩に衝撃があったからだ。
どうやら避けたはずが肩と肩がぶつかったらしい、というかぶつけてきたとしか思えない。
「痛ってぇぇ」
明らかにわざとらしく痛がって何かをアピールしている3人組の1人。
ていうか痛いはずないだろ、同じようにぶつかった僕は全然痛くないよ?こんなの痛がっててよく今まで生きてきたな、今まで何か当たった事ないの?初体験なの?どうやら初めてを貰ってしまったかもしれない。
「あのぶつかってゴメンなさい、お互い今度から気をつけましょう、それじゃ!」
僕はめんどくさいことになる前に丁寧な日本語で謝り先を急ごうとした。
「ちょっと待ってね、ぶつかっておいてその態度はないでしょ?」
どうやら日本語が通じなかったようだ、その態度ってぶつかったから謝ったのに謝ってはいけないのだろうか?謝罪されると不都合でもあるのか?あとぶつかっておいてじゃないし!明らかにそっちからしかけてきたでしょ?
「申し訳ありませんでした、お互い怪我もないみたいですし謝りましたので許してください」
もう一度さらに丁寧に対応してみる。
「いやいや、お互い怪我ないって何でわかるの?そっちはなくてもこっちは痛いんだけど?」
どうやらあの程度で怪我を主張してるようだ、あれで怪我したのなら虚弱体質とかそういう問題じゃないでしょ・・やっぱりアレか!肩への衝撃初体験か!貰っちゃったのか!?
ああ・・めんどくさいな~この3人組は昔からこうだから関わりたくなったのだ、不覚!
そう僕はこの3人組を知っている。
「あの、どうすればいいのでしょうか?」
「あん、もっと誠意?ある態度とってもらわないと」
「「そうそう」」
さっきから2度も誠意を込めて謝ったのに・・。
たぶん誠意って言葉使いたかっただけじゃないのかなこの人、あとなに?謝罪がダメならどうしろと?もしかしてお金?肩ぶつかっただけなのに?いつの時代の人間だ!こいつら!
「ああ・・痛いマジ痛い」
「大丈夫かよ鶴ちゃん!」
「やべ~よ、痛そうだよって、あれ?どっかで見たことあると思ったらもしかして樹くんじゃないこいつ~?」
ちっ・・気づきやがった。
せっかく謝罪で頭を下げた状態にして顔を合わせない高等技術を繰り出していたのに。
「いつき・・いつき・・あ!思い出した!中学一緒だったあの樹!?」
「すっげー!人志よく覚えてたし!俺なんか記憶の彼方から今掘り出したし!」
「すごいでしょ~!もっと褒めて~」
ちっ、3人とも思い出したみたいだ、記憶の彼方とやらから掘り出すとか意味はわからないけどなぜそのまま埋めたままにしてくれなかったんだろう。
「樹久しぶりじゃん、1年ぶりくらい?」
「俺覚えてる樹?俺俺!」
「俺は覚えてるよね~?俺も覚えてたし~」
俺俺うるさい、僕は記憶の彼方から掘り出さなくても覚えてるよ!
あと自分が覚えてたからって相手も覚えてると思うなよ!どんな自分ルールだ!
それにしてもこうなってしまったら会話をしなくてはならなくなったようだ・・ああめんどくさい。
関わりがあってからも興味がなくて思い出したくないけど、この3人組は同じ中学校で僕をイジメていた中心人物だ。
いつも3人一緒にいて幼馴染らしい。
久しぶりと言ってるのがイケメンで女子に人気があった鶴川 毅一
俺俺俺俺うるさいのがスポーツ万能で鶴川大好き人間の仙田 勝
無駄に語尾を延ばして話し方で肌が浅黒くチャラいのが人浦 真矢
誰が付けたか3人合わせてこう呼ばれている!鶴 仙 人!!もちろん陰で・・。
3人の名前の最初の文字を合わせるとそうなるからだ。
ちなみにそう呼ぶと3人とも例外なくブチ切れるので表だって言う人はいない。
最初にこの呼び名を考えた人に表彰状を進呈したいくらいだよ!
「3人とも覚えてます、ぶつかってゴメンなさい、それでは失礼します」
「オイ!久しぶりに会ってそれはないだろ!」
ちっ・・逃亡ならず。
「そうだよ樹、1年ぶりだろ?」
「樹く~ん、ちゃんと話せば鶴ちゃん優しいしぶつかったの許してくれるかもよ~?」
ちゃんと話せばってもう何度も謝ってるんだけど?あれは会話じゃなかったのかな?もしそうならあきらめなきゃいけないかもしれない、日本語での会話を・・・。
「でも僕登校途中で急いでますし」
「はぁ?俺らだってそうだし!お前がぶつからなきゃいい気分で登校してたの?わかる?」
「それはすみませんでした」
「まあ素直に謝ってるしそれはいいわ、俺お前に聞きたいことあったんだよ」
いきなり肩のことを許された、いいの?あんなに痛がってのに?あとやっと謝罪が伝わったよ・・何度目で伝わったんだろう・・。
それにしても僕に聞きたいことがあるという言葉がとても嫌な予感がする。
「あの、本当に怪我がないなら急ぐんですけど」
「簡単な質問だって!すぐ終わるからさ!」
「なんですか?」
「妹死んだってマジ?全然お前に似てないすっげー可愛かった妹!教えろよ」
「あ・・鶴ちゃん俺もそれ気になってたよ!樹答えろよ!」
「あ~知りたいわ~、名前は蒼華ちゃんだっけ?あの子逝っちゃってたら世界の損失だわ~」
どうやら1ヶ月という期間で妹の事は他校まで噂として伝わっていたようだ。
妹は中学でも有名人だったので仕方ないかもしれない。
中学時代の僕はこいつらに興味がなかった、イジメられても何も感じなかった。
何をしてきてもこういう奴らなんだな~ぐらいしか思えず興味が持てなかった。
でも今の僕の精神状態と状況で一番されたくない事を平気で聞いてくる無神経がさすがにちょっと効いた。
それに僕は最初から少し嫌な予感もしていたしね。
「鶴川君たちには関係ないです、僕の家族の問題ですので」
「なにそれ?聞いてるだけじゃん?死んだかどうかだけ言えばすむのになんで教えてくれないの?」
「そうそう!もし死んでたら俺めっちゃ後悔!告っておけばよかった!」
「俺も~ヤレたかもしらないのに~」
ここまで無神経だと逆に凄い。
1ヶ月前の僕なら何を言われても暴力を振られても何も応えないのだけれどさすがにコレは胸に来るものがあった。
「樹、家族どうこうじゃなくて早く言えよ!気になんだよ!お前の妹は死ん「やめないか!!」
鶴川が言葉を最後まで言う前に大声で遮った人物がいた、奏だった。
鶴川を睨みながらこちらに近づいてくる、後ろには奏の妹の慧ちゃんがいる、どうやら登校時間が被ったようだ。
それにしてもあんなに大声をだした奏を見たのは幼稚園か小学校以来かも知れない。
「君たち、無神経に程がある!美紅の家族のことを聞く権利は君たちにはない!」
先ほどの大声ほどではないが、強い口調で3人対して奏が意見を言う。
後ろで妹の慧ちゃんも驚いているようだ。
そうだよね、ここまで強い口調な奏はあんまりみないしね、いつも冷静だし。
「おおお!すっげー美人と思ったら奏さんでしょ?」
「女子のアイドルの奏さんだ!」
「付き合ってくださ~い!」
どうやら3人とも空気の読めなさ、頭がアレな事、日本語の大部分が通じない、以上3つの理由から奏が結構怒っているということが伝わってない。
最後の語尾チャラにいたっては告白しているし。
「ひさしぶりだね、ボクのことはどうでもいいんだ黙って通り過ぎようとしたのだけれどね、どうしても見過ごせない発言をしてようとしてたので君たちの無神経さを我慢できず注意しにきたんだ」
「え?俺ら何か不味った?」
「樹の妹がどうなってるのか心配で聞いただけですよ!奏さん!」
「そ~で~す」
うん、今までこの単語はさすがにこいつらでも言わないようにしてたけどね、さすがにダメだ。
こいつら・・・馬鹿だ!
「もういい、君たちは昔から会話にならない」
あ・・奏さん・・そんなストレートに言っては・・でもちょっとすっきりしたかも。
「奏さん、勘違いしてないで欲しいんだけど樹の妹が心配だから真相が知りたいだけなの」
「君たちが心配するのは勝手だけどね、それを聞く権利が・・はぁ・・まあいい、美紅!彼らとは会話にならない行くぞ!慧も!」
そう言うと奏は僕の腕つかんで来る。
そして引っ張るように3人の横を通り過ぎようとした。
慧ちゃんもそのあとをトコトコとついてくる。
「いやいやいや、待ってよ!このまま行かすと思ってんの?」
僕が丁度3人の横を通り過ぎる瞬間を狙って僕の肩を鶴川が掴んできた。
無駄に強く掴むので先に進めない。
てか痛い!さっきぶつかったのより3倍くらい痛いんだけど!これが本当の痛みだよ!鶴川!
「鶴川君、君しつこいぞ!」
奏が再度注意する。
「奏さんもさあ!関係なくない?俺らが樹に話してたんだし」
「そうそう!てか奏さんってかさー樹のことなんで名前で呼んでるの!?中学のとき苗字で呼んでたじゃん!もしかして高校でなにか進展あったの?まさか付き合ってないよね!?」
「ないっしょ~、樹くんと奏さんじゃ全然釣り合わないし~もう付き合ってたら俺ボウズにしてもいいよ~」
自分の意見が常に正しいとでも言うかのように声を荒げる鶴川。
あとの2名に至ってはどうでもいい事を聞いてくる。
あれか?こいつらは思ったことはすぐに口に出さないといけない呪いにでもかかってるのかな?
そして奏に対しての一生のお願いでもいい!僕と付き合ってるというこの場で嘘を一緒についてほしい!もれなく人志がハゲるぞ!本当の意味で武道家っぽいのが出現する!!
「そ、それこそ君たちには関係ないだろ!ボクが今現美紅をどう呼んでいようとどうでもいいことだろ!」
予想外に奏がなぜか動揺する質問だったらしい。
たしかに奏は中学では苗字で中学校の外で会ったときは名前で呼ぶと使い分けていたし、たしかそれを使い分けたのは僕がいじめられ始めて奏が僕をかばうのをやめたあたりだった気がするけど、あんまり気にしてなかったかも。
「奏落ち着いてよ、それになんかありがとう迷惑かけちゃったね、でも嬉しかった」
「え?いやボクが我慢できずに勝手にしたことだから気にしなくていい」
「それでもありがとう」
僕は素直に奏がしてくれた行為が嬉しかったので隙を見てお礼を言っておいた。
奏がなぜかうつむいているのと、うしろで凄いじと目で見てくる慧ちゃんはみなかったことにしよう。
「鶴川君、何度言うけどぶつかってゴメンね、あと奏が言ってくれたけど鶴川君たちが妹を心配してくれるのは勝手だけど、僕がそれに対して何かするってことはないから」
僕はさすがにこのままじゃ奏だけではなく一緒にいる慧ちゃんまで巻き込んでしまうかもしれないので3人の相手をしてあげることにした。
てか肩から手を話せよ、力も緩めて!あ・・今僕は言ったあとにちょっと力が強まった!痛いし!感情わかりやすっ!
「俺らがお前と遊んでやってた時もそんな長い台詞吐かなかったクセに言ったと思ったら生意気なこと言ってんじゃねーぞ!」
あれイジメじゃなくて遊んでくれてたんだ・・知らなかったな~。
でももし今度遊んでくれるときは事前に遊ぶ約束を取り付けてほしい。
断るけどな!!!!!!
「美紅、よく言ったと言いたいがたぶんそれも通じないよ、だからもう行こう」
「日本語が通じないのは鶴川君たち始めてコンタクトを時から知ってるけど、一応何度も試さな・・あ!」
僕としたことが奏との会話でつい思ったことが口に出てしまった。
やっぱりこの3人に対してちょっとでも感情を出した僕が馬鹿だった。
そう思った瞬間僕は慧ちゃんを抱くようにして右に避けた。
「避けてんじゃねぇぇぇぇ!!」
鶴川が僕の顔面を狙って拳を振り上げてきたのだ。
右に慧ちゃんがいたので避けるためには抱きかかえるようにするしかなかった。
ていうかさ、拳が来るのが見えたら反射的に避けちゃうでしょ普通、避けられたくないなら無機物でも殴ってろよ・・出来るだけ重くて堅い奴を・・。
「ゴメンね慧ちゃん」
「・・・いい」
慧ちゃんは「いい」と言いながら凄い睨んできた。
こっちが悪いし気にしないで置こう、忘れよう。
「やっちゃうの!?鶴ちゃん久しぶりに!俺羽交い絞めにするよ!」
「お~!参加していいかな~?殴ると拳痛いから蹴りまくるわ~」
仙田と人浦が参加表明してくる。
それはいいけど大声で作戦を話すのやめない?丸聞こえだよ大事な作戦が・・あとさせないよ?羽交い絞めとか。
「おい!鶴川!こんな人通りの多い通学路で暴力沙汰なんて何を考えているんだ!見ろ!さっきから騒ぎのせいで人が集まって見ているんだぞ!」
「うるせー!関係ねえだろ!」
奏の言ったとおり、登校途中の人がこっちを見て野次馬とかしている、他校生や中学生までいる。
あ・・よく見たらあの後ろにいるのうちの生徒会長じゃないかな?やだ・・登校したら呼び出されないよね?
僕は目の前の鶴川よりそのことが心配になり空を仰いだ。
「え?????」
僕は空を見上げた瞬間自分でもおかしいと思うくらいにアホな声をあげてしまった。
視線の先に変なものを見つけてしまったからだ。
「美紅、何変な声をだしてるんだ?」
それをおかしいと思ったのか奏が声をかけてきた。
そして奏も僕の視線に気づいたのか上を見上げる、続いて慧ちゃんも奏でに続いて視線を追う。
「なんだあれは?」
「・・・なにあれ・・みっくん」
二人とも同じ事を言ってきたことで動揺しているのがわかる。
慧ちゃんに至っては僕の呼び方が意識せず昔に戻っている時点で一番動揺してるのかもしれない。
「樹てめー!どこ見てやがる!」
うるさいよ、それどころじゃないよ、と思ったけど本当に今は鶴川どころじゃない。
「つ、鶴ちゃん!上!上!」
「やべ~よ!絶対あれやべ~よ!」
どうやら仙田と人浦は気づいたようだ。
「あ?お前らまで何言って・・あうすぺぅえぃを!?」
そう言ってやっと上を見た鶴川もアホっぽい声をあげた、似合うな、どこから出たんだその声。
周りも騒がしくなっていた、野次馬の人たちもどうやら気づき始めたようだ。
「美紅あれって隕石だと思うかい?」
奏の言うとおりあれは隕石に似ていた。
でも大気圏を抜けてこれば燃えるので真っ赤になると思う。
あれは真っ白で眩しく規模も小さいと思う。
「ゴメン、僕もさっぱりわからないけど1つだけわかるよ」
「聞きたくないけど言ってみてよ」
たぶん奏もわかってることと僕はすぐに言った。
「逃げてももう間に合わないと思う」
その瞬間、僕たちはわけのわからない光の玉の衝突された。
僕は変な場所で目が覚めた。
壁があるかもわからない広すぎる空間。
あの衝突された物?と似た色の空間だ。
周りには僕・・ともう一人が・・宙に浮いていた。
僕はその白すぎる空間とは別の理由で視界がぼやけるのを感じた。
そして浮いてる者が僕に声をかけてくれた。
「ひさしぶり??美紅♡」
僕の人生で一番綺麗で可愛い笑顔をする一番会いたかった人がそこにはいた。
頑張れお兄ちゃん!希望はすぐそこに(*´・ω・*)