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カイユウさん

今ストックを作るために4部を書いてます。


キャラが増えると楽しいけど大変ですね。


ブックマーク登録引き続きよろしくね(*´・ω・*)

僕達はまだ空が明るくなる前の時間に丘にいた。


「あの、キオウさん?朝に責めてくるんじゃ?」


「すまない、俺に報告があった時まだ作戦を練っていたんだ。変更になったのかもしれない」


「なるほどな、だがこの人数はなんだ?100人近くはいるぞ?」


「村の者のほとんどなのです。おじい様・・長老様までいらっしゃるのです」


「あれ、全員登ってくるんですかね~、さすがにダメかも」


「大丈夫だ美紅、私の魔法なら100人ぐらいならいける」


待って!村の人もそれ入ってるから!やめて!


「ヒルマ待ってくれ!あの中の村の者は戦えない者もいる!」


「なのです!少しお待ち下さい!いざとなればハレンが説得をするのです」


頑張れ2人とも!大量虐殺はみたくないの!


「だが話を聞かなかった場合は・・ん?誰か前に出たぞ?」


「あの赤いのは・・キャッブさんですね、馬ですね」


一人だけ崖の真下に来て足を止める。


「姫・・いやハレン殿を人質にとった卑怯な人族どもよ!!!」


「うるさいですね」


「ああ、なんて大声だ」


「ハレンも耳が痛いのです」


あんなに大声を出さなくても反響して聞こえるのに無駄にうるさい。


「聞けぃ!我は明日婚礼の儀がある!それをお前達が邪魔をするのは許されない!だがお前達にも都合があるのは我もわかる!」


「大声すぎて逆に聞き取りにくいです」


「雷を落すか?」


「お前達・・最後まで言わせてやれ、一応村の客人なんだぞ」


「うぅ・・」


だってハレンちゃんが横で可愛く唸って耳をふさいでるし・・。


「昨日我らはお前達をどうするか話し合った!率直に言う!決闘をしろ!」


「なに言ってるんですかあの人?」


「馬鹿なのか?」


いいえ馬です。


「お前達・・」


「うぅ・・耳が~耳が~」


ハレンちゃんが苦しそうなのでやめてほしい。


「1対1の決闘だ!我が勝てばハレン殿を返せ!そして我の慈悲で命は助けよう!大事な婚礼の儀の前に殺生はしたくない!万が一にもないがお前達が勝った場合はお前達の要求を呑むことを約束しよう!だが我が勝った場合はお前達の命は助けるのだ!そちらもハレン殿の命は保障しろ!さあ!返事はいかに!」


「声がうるさい黙れ!」


「もっと小さい声でお願いします」


「な、なにそれが返事か!無礼者!」


「だからうるさいですって、こっちも相談するので静かに待ってくれます?」


「くっ!10分だ!!10分やる!!返答せよ!!」


「黙れと言っている、そんな大声を出すな!お前の馬鹿でかい声でお前の姫が耳を押さえて苦しんでるぞ」


「何ぃ!それはいかん!皆の者!静かにするのだ!」


うるさいのあんただけだ・・・。


「美紅様、どうするのですか?」


「どうしましょう?」


「まず決闘を受けるかどうかだな」


「受ける場合はヒルマがいくのか?」


「そうなるな、美紅を行かす訳には行かないだろう」


「すみません、ヒルマさんばかり頼って」


「気にするな私と美紅の仲だ!!」


そんな強い口調で言われても・・。


「ハレンそんなに睨んでも無駄だぞ?」


ドヤ顔でハレンちゃんを挑発するのをやめてください。


「美紅様の匂いはハレンのものなのです!」


「お前達状況わかってるのか・・?」


「二人ともそこまでです、でもこっちはハレンちゃんを傷つける選択なんて元々ないですしチャンスかもしれませんね」


「ヒルマが勝てば・・だがな、負ければ命はとらないと言ってるがどうなるか」


「向こうが約束を守るという保証もない」


「僕はそれより気になってることがあるんですけどね」


「何かあるのです??」


「あの仲にゴルゴアさんがいないんですよ」


「確かに・・おかしいな」


「ゴルゴアさんの性格なら俺が戦うとか言いそうじゃありませんか?」


「だが婿はキャッブだ、嫁を取り返すという意味では奴が代表でもおかしくないだろう?」


「ん~キオウさん、それでもここにいないことが気になるんですよ、ゴルゴアさんはヒルマさんや傷つけた僕に恨みを持ってそうですし」


「プライドも高そうだったな」


「だが考えてもしかたなくないか?」


「なのです」


「確かにそうだな」


「気になるけどな~、でもそろそろ時間ですね」


「全員決闘は受けると言う事でいいな?」


「はい」


「いいだろう」


「はいなのです」


「あ、でも一応決闘前にゴルゴアさんの事聞いてもらえますか?」


「おいおい、美紅素直に答えるとでも思っているのか?」


「キオウ、お前キャッブの性格を理解してないな。見てろ」


そういうとヒルマさんは崖の上から下のキャッブさんに向かって。


「キャッブ!決闘は受けることにした」


「その覚悟見事だ!」


少しだけ声小さくなったかな・・それでもうるさいけど・・


「うぅ・・うるさいのです」


前言撤回やっぱりハレンちゃんが苦しんでるのでうるさい!


「だがその前に聞きたいことがある」


「なんだ言ってみよ!」


「お前の不出来で馬鹿で乱暴者で気持ちの悪い弟はどこだ?何故ここにいない?」


ヒルマさん・・言いすぎ・・じゃないです。


「人の弟を不出来で馬鹿で乱暴者で気持ち悪いなどと言うな!確かにあれは好戦的で直情型だがいい所もある!ゴルゴアはこの作戦をするに当たって我が嫁ぐ村に何かあってはいけないと言い出した!我の為を思っての発言!兄として涙を流す言葉をここに来て言ったために村の守りをしてくれている!弟に対して失礼な発現は二度と言うな!」


貴方も結構馬鹿にした言い方ですよ?そして怪しいです、その発言は。


「な?言ったろ?基本キャッブも単純だからすぐに教えてくれたぞ」


「・・あれがハレンと並ぶ俺達の長になるのか」


ご愁傷様ですキオウさん。


「覚悟を決めたなら降りて来い!」


「もう一度聞くぞ?周りの獣人達は何もしないのだな?」


「我は約束を破らない!これは殺戮ではない!我の種族は武道派!傭兵まがいな事もやっておるが殺し屋ではない!」


おー!男らしい!ちょっと見直したかも!でもうるさいんだよ!


「いいだろう、ならばそちらへ行くぞ」


「来い!!!!!!」


「うぅ・・今のが今までで一番うるさかたったのです」


「俺達は格差あるが五感が優れているせいで人族よりも聴覚いいのだ、俺でもあの声は辛い、村で五感が一番優れているハレンにはきついな、見ろ良く見ると周りを囲んでる村人まで辛そうにしている」


「本当だ・・泡吹いてる人いないですか・・あれ」


決闘前に無関係の人に被害をだすとか・・あの馬。


「よく来た!勇気ある青い鎧の者よ!名を聞こう!」


「声がうるさい、ヒルマだ」


「ヒルマか!その名は永劫に我が記憶に刻もう!」


その言葉は殺す人とかに言うセリフでしょ?殺さないんじゃなかったの?


「うざいな・・お前」


反響してヒルマさんの声すら小さいが聞こえるのになんであの人大声出すんだろう・・。


「長老殿!合図をお願いする!」


「わかった、双方約束を守れ。そして人族よ、時を超え我らを苦しめた事を後悔せよ」


明らかに老人とわかる獣人、白い獣人だ狼だろうか?カイユウさんが歳を取るとああなるかもしれない、そんな獣人が杖を掲げる。


「いくぞ!ヒルマとやら!」


「うるさい・・我慢していたが私はたぶんハレンよりお前の声が耳障りなんだ」


やっぱり・・ヒルマさんちょっと怒ってる、ハレンちゃんもそうだけど聴覚が物凄くいいヒルマさんが何も言わないのはおかしいと思ったけど我慢してたのね。


両者が構える、ヒルマさんは剣、キャップさんは何あれ?棒?


「始めっ!!!」


長老が合図を言った瞬間にキャップさんが走った、速い!やっぱりカイユウさん並だ!馬と互角以上に走るカイユウさん並の速さだ!あ!・・あの人本物の馬だった。


「受けたか!やるなヒルマとやら!」


「喋るな、黙って戦え」


「この火炎昆で折れないとはいい剣だ!これは魔道具なんだぞ!」



「ハレンちゃん、アレが婿で後悔しない?自分から武器をバラしたよ?」


「・・・美紅様少しだけ匂いを嗅がせていただいても?」


「いいよ・・」


あれが将来の旦那になるなんてちょっと可哀想なのでさすがに僕も断れない。


「自分から魔道具と教えるとは、お前やっぱり馬鹿か?」


「ふっ!違うな!教えたとしても我が自信がある!それだけだ!」


「見よ!この力を!」


棒のような武器の先端から炎の渦が発射される。

それを華麗に右に避けるヒルマさん。


「よく避けた!それでこそ決闘相手にふさわしい!」


「馬鹿なのかお前、火炎昆などと教えれば火のダンジョン石が込められていると丸わかりだ、私でなくても避けられるぞ」


「な!名前だけでそこまで予想するとは見事!」


「うるさい!疲れる!」


「うわーん!!」


「ハレンちゃん!?キオウさんどうしたら!」


「美紅、すまん俺も泣きたいんだ」


「いや、わかりますよ!アレが将来仕える長じゃわかりますけど!」


でも良く見るとキャッブさんヒルマさんの剣技と渡り合ってるんだよね。

ゴルゴアさんよりは華麗に避けるというかちゃんと剣技になってるというか洗練されている感じがする。


「楽しいぞ!ここまで戦えたのはゴルゴア以来だ!」


「それはよかったな、私にはお前の攻撃で一番辛いのはお前の声の音量だ」


ヒルマさんにはあれは辛いだろうね、至近距離だし。


「ふっ!本気を出すぞ!弟以来の本気を!」


「うるさすぎる!」


「てえぃ!」


「なんだ・・お前」


いきなり全身から炎が噴出し、キャッブさんの体を包みだした。


「ふっ!どうだ?我が炎は!お前はさっきこの魔道具!火炎昆を使って炎を出したと思ったのであろうがそれは違う!この魔道具は熱に対して絶対の耐性を持つだけの魔道具!炎など出せん!わかるか!?我を包む炎の正体が!」


「お前の赤馬という幻獣自身の特性だろ?」


「な!何故わかった!」


「馬鹿すぎる・・お前カイユウを超えたぞ」


「褒めても手加減はせん!」


褒めてません。


そして炎をまとったままヒルマさん接触を図る。


「うぅ・・あの方がハレンの・・」


ハレンちゃんが絶望している。


「なんていうか凄い技をだしてヒルマさんがピンチになったかもって思うんですけど緊張感ないですね」


「・・・すまん美紅、俺は今何も言えん」


嫁になるハレンちゃん、仕えるかも知れないキオウさんが長になるかもしれない男の戦いを見て実力とは違う意味で失望している。


「ははははっ!いつまで受けれるかな!剣で受けても熱まで受けれない!限界が来る前に降参してもいいのだぞ!お前は良く戦った!」


「私も少し本気をだすぞ?」


「やっとか!来い!」


ヒルマさんがいつも腰につけている皮袋から何かを出した。

そしてそれを投げる。


「どこに投げてそんな物私の速さで避けれないはずは・・ぐはっ!」


「当たらないのじゃなかったのか?」


「えぇい!ヒルマとやら!何をした!ぐっ!鉄針?」


「自分の太ももに刺さった物を抜いて確認するキャップさん。


「なんだろうな、私はお前のように手の内を教えるほど馬鹿じゃない」


「ひ、卑怯者め!!」


「どこがだ!相手の戦術がわからないなんて当たり前だろ!」


その通りです、あそこで卑怯者呼ばわりとか残念すぎるでしょ。


ヒルマさんは炎の塊になったキャッブさんを華麗に避けるが汗が量が凄い。


「ふっ!避けるはうまいが我は炎!空気も燃焼しているせいで近くによれば酸素がなくなりどんどん体力を奪う!!つまりスタミナが奪われるのだ!ぐはっ!!」


馬鹿かあの人は説明する前に避けろよ。


「くっ!この鉄針どうやって操って・・!確かに避けたはず!さてはこの村人の中に協力者がいて我に投げているのでは!?いや、我の部族と同盟を結ぶ村の人々だ!そのようなものはいないと我は信じる!」


当たり前だ・・他人を疑った以前に目の前のヒルマさんの戦法なのに何故その発想が出る。


「馬鹿すぎてスタミナがもったいないな」


「愚弄するかっ!ぐはっ!」


今度は2本の鉄針が腿と腕に刺さる。


「見えた!!」


3本目が刺さると思った瞬間後ろを向いて鉄針を避けた。

そして・・。


「ぐはっ!!!!」


後ろを向いたのでそのままヒルマさんに背中を斬られる・・。


「や、やるな!!」


「うるさい・・斬られる叫び声ぐらい小さい声で叫べ」


「わかったぞ!どんな方法か知らぬが、お前は投げた鉄針の方向を変えて我に刺しておるな!!」


それわかったと言わないから!避けたのが刺さってるって今気づいた時点でアホだから針とはいえ何本刺さってから気づくのさ!


「ぐっ!今度は肩か・・ヒルマとやら!お前のような戦いにくい奴は始めてだ!弟は尻尾の蛇で熱感知して避けていた!だがこの炎の力で熱量をあげそのような手段など関係ないぐらいの力で圧倒したのに対してお前は剣技だけで全てを避けている!素晴らしいぞ!」


「お前、喋るのはいいかがわかってるのか?背中の傷結構深手だぞ?」


「ふっ・・このぐらい我が今まで出た戦場に比べればなんでもないわ!!」


「まったく・・仕方ないもう少し本気を、ん?まてキャッブ!」


「なんだ!時間稼ぎか!降参以外の命乞いは情けないぞ!神聖なる決闘に待ったはなしだ!」


「美紅様!カイユウお兄様です!匂いがします!」


「え?本当!?」


「本当かハレン!」


ヒルマさんも何かを感じ取っているらしい、手を前に出して待てというポーズを取っている。恐らくなにか聞こえたのだろう。


「なんだ!なんなのだ!」


「見ろ、お前の将来の兄の凱旋だ」


「カイユウ義兄上の!?」


「うるさい黙れ!見ろカイユウだけではない、誰か連れてきている」


「それがなんだと言うのだ!」


「恐らく今回の鍵だ」


「意味のわからない事を!」


カイユウさんが凄い勢いでこっちに走ってくる。

後ろには遅れて誰かがついて来ている。

てかカイユウさん・・ここまで一緒に来たなら最後までその人と同じペースで走りなよ・・完全に待ってくれってポーズしてるし・・。


「ハレンちゃんキオウさん!」


「はいなのです」


「降りるぞ!」


僕達3人はカイユウさんに合流するために下へ降りた。


「カイユウ待っていたぞ」


「ヒルマさん、すみませんお待たせして・・はあはあ!長老・・い、いや!おじい様!、そしてキャッブ様ですよね?」


「カイユウお前どこへ行っておった!」


「お初にカイユウ義兄上!我はキャッブ!希少種族の代表にして貴方の・・」


「す、すみません!挨拶はあとで大事なことがあるので聞いてください!」


「なんだと言うのだ、カイユウ!お前は許しもなしに村を出て行って何をしていた!」


「そうですぞ!カイユウ兄上!裏切り者扱いされてもおかしくない行動をなされたとか!」


「罰ならあとで受けます!今はこの人の話を聞いてください!」


「カイユウさん!」


「カイユウお兄様!」


「カイユウ!よく帰った!」


「美紅さん、ハレン、キオウただいま!」


「カイユウさんどうでした?」


「み、見つけました、人族の村に捕まっていたのを脱出させました」


よく見るとカイユウさんはボロボロだった、あちこち斬り傷があり、血も結構出ている」


「カイユウお兄様、治療を!」


「美紅、回復を頼めるか?」


「はい、カイユウさんこっちに」


「す、すいません」


僕は回復のダンジョン石を出してカイユウさんに当てる。


「た、助かりました」


「凄いのです!傷がふさがっていくのです!」


「これくらいなら治るみたいだね」


「おいカイユウ!大事な話とはなんだ!」


痺れを切らしたのか長老さんと周りの老人達が出てくる。


「はあはあはあ、カイユウ速すぎだ・・はあはあ」


「す、すみません、ヒルマさんが戦ってて大変な事になってると思ったので」


「もうすぐでお前の将来の弟が死んでいたぞ」


「なにぃ!我は負けておらん!ん!?貴方は!ち・・父上!?なぜ貴方がここに死んだはずでは!?もしや我の結婚をお祝いしに化けてでたのですか!?」


そんなわけないでしょ・・馬。


「「「え?」」」


「父上?キャップ殿この方は貴方の父なのですか?たしか戦場で亡くなられたとか?」


長老さんがキャッブさんに問い詰める。


「そ、そのはずです!弟と人族の町へ行き戦闘になり、弟を守り勇敢に散ったと・・!」


「キャッブ、久しぶりだな、それはゴルゴアに聞いたのか?」


「もちろんです!ゴルゴアは半年以上前に泣きながら我に謝りました!父を守れなかった事!人族に復讐したいが傭兵としてそれは出来ない事を!我も悲しかったが弟だけ無事な事、そしてそれを守った父上を誇りに・・でも・・なぜ・・」


「馬鹿が・・わしはゴルゴアに売られたのだ人族に!」


「な、何を言ってるのですか?馬鹿なことを売った?ふざけているのですか?父上生きておられたのは嬉しいですが同族を売るのは獣人族全体の禁忌ですぞ?ゴルゴアはたしかに考えも足りない事があるがそんなことは・・」


「弟を信じるのは大切だ、だがな、そこのカイユウ殿に見つけ助けて貰わなければワシは人族の見世物として少ない生涯を送っただろう」


「な、何があったのですか!!」


「うるさい!落ち着け馬!今は静かにカイユウとそちらの人の話を聞け!」


ヒルマさんがそう言うとキャッブさんは静かになった・・たぶんこの村に来て初めて。


「お前も知っておるだろうがわしは村は長の時から村の事をあまり考えず好きな旅をしてきた、戦うより色んな種族との交流、色んな場所の景色が好きだったのだ、だがそれが仇になった。しかし今は幸運になったな、わしは旅のお陰で顔が広い、わしの所にある噂が入ったのだ」


「噂ですか?」


「貴方がカイユウ殿が言っていた人族ですな、貴方がカイユウ殿を助けなければわしはおらなんだ、深く感謝を」


「いえいえ、そんなことより続きを」


「はい、その噂は変わった獣人が聖堂に通っているという者だった、わしは別に深く考えなんだ、女神を信仰する獣人などたくさんおる、だが半年以上前の旅で見たのだ聖堂の前にゴルゴアがいるのを」


「そんな場所でゴルゴアはなにを!」


「わしも不思議に思いあとをつけた。そしてその先では仲間のはずの獣人・・わしらの部族ではないがな、捕まり売られておった」


「何!ですがそれを助ける為に行動したのでは!?」


「それだったらどんなに良かった事が、わしは見たのだ金を受け取るゴルゴアを・・」


「嘘です!父上!」


「嘘ではない!わしも信じられなかった!だからわしは人族が去ったあとにゴルゴアの前に姿を現して問い詰めたのだ!何をしているとな!あいつはこう言った」


『これは父上お久しぶりです、そしてさようなら』


『わしは油断した、ゴルゴアは蛇の熱感知でわしがつけている事を気づいておった。そしてわしは捕らわれてその小屋の檻に入れたれた。そこにしばらくしてゴルゴアが来たのだ。』


『先ほどはどうも父上』


『ゴルゴアお前何をしておる仲間・・獣人を!仲間を売る行為禁忌だぞ!』


『そんな物は俺達だけで決めた古い風習です、人間だって互いを売ったりしますよ』


『だからと言ってわしらがそれをしていいわけではない!』


『旅ばかりで村に戻ってこない父上に言われましても・・ね』


『たしかにわしは・・だがそれは関係ない!お前のしてることは間違っている!』


『ふははは、間違って・・ふはははは!残念ですが父上私が売ったのは犯罪を犯した馬鹿ばかりなのですよ!穢れた者たちです!粛清ですよ!』



『いくら罪を犯そうとその者達を売るなど!我らの法で裁けばいいだろう!お前はそれで金を受け取った!それは犯罪だろう!』


『違いますね、金などいりませんよ。売る時に体裁の為に受け取っているだけですよ!殺さずに売るだけ慈悲深いと思っていただきたい!それにこれは準備だ!』


『なんの準備だ!』


『ふむ、父上とはもう会うこともないでしょうから教えましょう、私は実は兄に敗れました』


『聞いておる!もうお前達の世代の時代じゃ!幻獣族との婚儀もお前達に任せた!戦闘でどちらがハレン殿と結婚をするか決めお前が敗れたと!もしかしてそれを恨みに思ってお前は!』


『ぶっはははは!違いますよ!全然違いますよ父上!むしろ兄には感謝しております!あそこで負けなければ今の私はなかった!あの方に会えなかった!お告げを聞けなかった!私を選んではくれなかった!私の力に気づけなかった!』


『・・何を言っているゴルゴア』


『見て下さいこれを!この(いかづち)を!』


『それがどうした、お前達は先祖返りの幻獣種だキャッブも炎の力を持って生まれた、お前にその力が覚醒してもおかしくはない』


『そうです!俺の力です!だがこれは授かった力なのですよ!もっと速く手に入れていれば兄に負けなかった!でも今はどうでもいい!何故だかわかりますか父上!』


『だからそれを教えろ!』


『会ったからですよ、女神様に!いえ女神の使途様と言いましょうか!』


『狂ったか!ゴルゴア!女神様はこの世にお一人!使途などおらん!現在の女神様は純潔の女神フレアナ様じゃ!』


『父上父上!そんな事は知っておりますよ、ですが俺は会った、フレアナ様の使途を名乗る女神様に!』


『お前は騙されておる!』


『ふははは!俺はその方に奇跡を見せられた!力を貰った!銀色の綺麗な石を貰い!願った!そして雷の力を手に入れた!兄とは違う力を!そうです!雷の力は俺には本当はなかった!だが女神の使途様は授けて下さった!』


『な、なに・・お前はなにを言っている』


『天啓ですよ天啓、選ばれたものが女神に授かる最上の贈り物です』


『何を言われた』


『教えましょう!最後だからな!幻獣村に神の残した遺物がある!それを献上せよ!我が僕よ!それが俺を選んでくださった女神の使途様の天啓だ!』


『貴様!幻獣村をどうするつもりだ!』


『それは知らなくてもいいことですよ父上、さて本来ここまで喋って殺すところだが、血のつながりがあるので生かしてあげましょう、父上も老いたとはいえ猿の希少種です、高値で売れるといいですね。ちなみに父上の代金は貰っていませんよ?父を売るなどを最低の行為だ』


『ゴルゴアァァァ』


『それではお元気で父上、兄にはよろしく言っておきますよ』


そこでキャッブさんのお父さんは話を終えた。


「馬鹿な!嘘ですよね!嘘と仰って下さい!父上!」


「そのあとわしは助けられた、カイユウ殿にな」


「カイユウさんはどうやって助けたのですか?」


僕は不思議に思って聞いた。


「はい、言ったと思いますが俺は噂を聞いた人族の町に走りました、変な目で見られるのもお構いなしに聞きまくりました。俺頭悪いんでそれしかできませんから、そして掴んだんです!猿の獣人が売られた屋敷を!」


「そこでわしは家を物凄い勢いで襲撃してきたカイユウ殿に檻を開けてもらい逃げたのだ」


「え?襲撃?」


「今襲撃と言ったか?」


「カイユウお兄様・・」


「カイユウお前・・」


「待ってください!なんでそんな目で見るんですか!村の危機ですよ!友人の為ですよ!仕方ないじゃないですか!」


「いや・・なんとなくですよ、信じてました」


「ああ、大手柄だ」


「カイユウお兄様の罪は妹のハレンの罪でもあるのです」


「カイユウ罪は俺も償おう」


「4人とも全然慰めてないですよ」


だってね~襲撃って、あのカイユウさんがする事じゃないしね、よく無事だったよ。


「だから怪我をしてたのですね」


「は、はい襲撃って行っても相手を攻撃したりはしてません、というか出来なかったですし、屋敷に忍び込んで鍵を奪ったあと見つかっちゃってずっと逃げ回ってました、追いかけてくる相手が疲れるまで逃げ回ってから助けたんです」


「鬼ごっこしてただけじゃないか・・」


「そうですけど相手は弓や魔法も使ってくる人いたんですよ!命がけの鬼ごっこですよ!?」


命がけでも『鬼ごっこ』って付くだけで軽く聞こえるよね。


「でもカイユウさん良くやってくれました」


「ああ、凄いぞ」


「俺、お二人に恩を返せましたかね?」


「これで半分位ですか?ヒルマさん」


「いや美紅3割くらいだろ?」


「そんな!?」


「美紅、ヒルマ感動のシーンのはずなのにちょっとヒドイぞ?カイユウがここまでしたのは俺は一緒に育ってきて始めて見たんだ、褒めてやってくれ」


「カイユウお兄様ハレンはお兄様ならいつかやると思ってました!」


あーハレンちゃんそれ褒めてないよ?犯罪を犯したときに言ったら逆のセリフになるからね?目線とピー音が入って「アノヒトハイツカヤルトオモッテマシタ」みたいな?


「冗談です、助かりましたカイユウさん」


「ああ、見直した」


「うう、ありがとうございます!」


「えーと、長老様とキャップさん?この話を信じますか?」


「お前達は人族は信じられなくても同じ種族なら信じられるんだろ?しかもカイユウにキャッブの父だ、どっちも血縁の言葉だぞ?」


「カイユウ・・ワシらはお前を信じる、すまん苦労をかけた」


「おじい様、ありがとうございます!」


「キャッブさん貴方はどうなんですか?」


「我は我は・・父上の言葉は疑いたくはない、だがあんなのでもゴルゴアは我の弟なのだ、信じたいのだ」


「キャッブお前!死んだとゴルゴアに言われた父が生きてて真相を話してくれたのだぞ!それでもゴルゴアを信じるのか!」


「ヒルマさん!兄弟ってそんなものなんですよ」


「美紅・・」


「ゴメンなさいヒルマさん責めてないですよ、でも兄弟って結構複雑なんですよ、たぶん目で見て確認しないとキャッブさんはダメですよ」


「すまん!我は最後まで弟を!」


「そうですねキャッブさんではあっちを向いて下さい、信じてた弟さんが来ましたよ」


5人の獣人がこっちに向かって歩いてくる。

真ん中のゴルゴアはニヤけながらヘラヘラと近づいてくる。


「これはこれはお久しぶりです父上!買い戻されたのですかな?物好きがいるものですね」


「隠す気はないみたいですね」


「そのようだな」


「ゴルゴア様・・」


「ゴルゴア!!お前何を言っている!父上は旅先で偶然お前に会いお前を守るために名誉の戦死をしたと我にいったのでないか!」


「馬鹿か?兄上、父上が戦うわけないだろう?あれで信じた兄上は最高に面白かったがな」


「ゴルゴア・・お前!」


「父上!飼い猿生活はどうでしたか!?」


「ゴルゴア!お前この村をどうする気だ!」


「お告げ通りですよ!」


「お告げってなんですか?」


「ん?小さい人族、安心しろお前と姫は生かしておいてやる」


「なるほど、美紅とハレン以外を殺すのがお告げか?」


「生殺与奪の権利は俺が決めていいんだがな、めんどくさいのでその2人以外は殺す、これでも傭兵をしててな、生かすより殺すほうが得意だ」


「とんだお告げをする女神の使途もいたものだな、悪魔じゃないのか?」


「父上から聞いたか・・だがな女神の使途様を侮辱する事だけは許さんぞ!!」


ゴルゴアがそう叫ぶと、村全体を巻き込んだ幻獣達の戦いが始まった。


蒼「あれ?カナじいどこか行くの?」


カナじい「少し知り合いに会いにな」


蒼「え?友達いたの?」


カナじい「おるわ!何年生きておると思っておる!」


蒼「冗談冗談、お土産よろしく!」


カナじい「岩ばかりの所じゃ、お土産は岩になるぞ?」


蒼「甘い物手に入るまで帰ってこなくていいよ」


カナじい「・・なんとかしてくるわぃ」


どっちが上司だ?(*´・ω・*)

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