獣
ストックが~減ってきた~!
貯めないと1日1話が無理に~!
ブックマークよろしくです(*´・ω・*)
いきなり雷が振ってきてそれをヒルマさんが対処。
そして今それをしてきた獣人の男が目の前にいた。
「青い鎧のお前か?俺の雷撃を防いで仲間をやってくれた人族は?」
ヒルマさんに向かってその男は言う。
顔は猿、体は獣、尻尾は蛇、3つの獣が混ざった異質の獣人。
「お前は馬鹿か?お前が先にやったんだろ?私が対処しなければお前はそこにいるこの村の姫を殺していたかもしれないのだぞ?」
「ん?それは知らなかったな、貴方がこの村の姫のハレン様か?」
「そ、そうなのです」
「失礼した、こっちを見ていた怪しい人族がいたので対処しようとしたのだが、まさか姫まで一緒とはな」
「どうやって判断したか知らないが、何も知らないクセにいきなり攻撃とはどうかしてるぞ?」
「ちゃんと確認はしたさ、今ここに人族がいる時点でおかしい、この村には人族は災いと聞いている」
「招待客だったらどうするんだ?」
「覗き見するような招待客などいないだろ?しかも人族だ」
「世の中お前の思っているような事ばかりじゃないぞ?」
「人族に諭されるとはな、で?お前らは敵だな、今少し村の者と話をしたが姫は行方不明だと聞いた」
あの短い会話でそこは説明してたのね、ちょっとやっかいかも。
「もう見つけただろ?お前が殺そうとしたのが姫様だよ」
「人聞きの悪い事を言うな、お前らが姫を攫ったとかだろう?」
「ち、違うのですえっと・・」
「失礼した、俺は希少種の部族、貴方の婿であるキャッブの実の弟にあたる者でゴルゴアと言います」
「ゴルゴア様ハレンは自分の意思でここにいるのです!」
「我が兄の婚礼の相手であるハレン様の言葉でも今は信じれませんな、相手は人族操られてる可能性、脅されてる可能性、あらゆる可能性があるうちは俺の判断で対処をさせてもらいます」
「そ、そんな・・」
「ハレン悪いが黙ってろ、経験でわかるがこいつは人の話を聞くタイプじゃない」
「やはり人族は失礼な奴が多いな」
「いきなり攻撃する奴ほどじゃない」
「あの~」
「なんだ美紅?どうかしたのか?」
「いや、聞きたいことがそっちの黄色の獣人の人に」
「ん?なんだ人族」
「貴方って何の獣人なんですか?3種の生き物が混ざってる感じかするんですけど」
「美紅今はそんな事を聞いてる場合では・・」
「いやだって・・」
「あはははは!面白いな人族、時間稼ぎとかではない様だな、そうだな?お前達は兄を見たか?」
「見ましたよ?真っ赤な馬ですよね?赤馬って言ってました、希少種から生まれた軌跡の先祖返り幻獣種と高らかに言ってました。あともう1人我が種族にはいるとも、それが貴方ですよね?」
「ふっ、相変わらずお喋りだな我が兄は、そんな事だから・・いや良いか、そうだ我が部族は先祖に幻獣種がいたらしく俺達兄弟の存在がそれを証明した、つまり先祖以来初の幻の存在というわけだ」
「へー凄いんですね」
「多少はこの重大さがわかるようだな、兄ではないが俺達は選ばれたと思っている、悪いが俺が何の獣人かまでは教えるわけにはいかんな、俺は兄のようにお喋りではない」
「え?鵺じゃないんですか?雷獣の」
「・・・お前何者だ」
「え?普通の人族ですが・・」
「普通の人族が獣人の大昔の記述にしか載っていないことを知っているはずがないだろう!」
「いや・・そんな事言われても」
しまった・・また好奇心で余計な事を・・自重しなきゃ。
「なんだ?美紅当たっていたのか?」
「みたいです」
「やっぱり凄いです美紅様!」
「ちっ・・そうだ俺は鵺だ、3つの獣の力が集まった存在・・だか雷が仕えることまで知っている・・記述にもなく雷を使える事になったのも最近だぞ」
「い、いやさっき雷使ってたので~」
さすがにこれ以上突っ込まれると危険だ!
「まぁいい・・いい加減お前らを何とかしないとな、下のものを待たせすぎている」
「やっぱり話し合いはなしですか?」
「美紅こいつにそれは無理だ」
「その件に関しては青鎧が正解だな、今の状況でお前達との和解はない。だが1つだけ方法があるぞ?」
「え?なんですか!?」
「お前だ」
「へ?僕?」
「そうだ、俺の事を知っていたお前に興味がある、人族にしては綺麗な顔をしているしな、お前が俺の嫁になればこの場でお前達を処理するのはやめてやる」
「「断る「のです」」
・・・二人とも僕のセリフだよ、なぜ言われた僕より反応が早いの?
嫁とか・・もう嫌だ・・男なのに・・まぁ女でもあの人の嫁は嫌だな~生理的に。
「なぜ本人が否定せず姫や青鎧が否定するんだ?」
「お前などに美紅を嫁にやれるか!」
ヒルマさんこの人じゃなくても僕は嫁になれません!
「ゴルゴア様好きになったとしても脅しでそれを伝えるのは違うのです!美紅様の匂いは渡しません!」
ハレンちゃーん嬉しいけど後半おかしいよー!
「あのーすみません」
「なんだ?」
「丁重にお断りします、僕にも選ぶ権利があるので・・」
「美紅、その断り方もヒドイぞ?」
「美紅様それは完全否定なのです」
「えーだってー」
「せっかくチャンスをやったのに恥をかかせてくれたな・・」
いや、そんなチャンスはいりませんから!なんの罰ゲームですか?
「お前の嫁になるのがチャンスなのか?罰だろ?」
ヒルマさん思ってたけど!口に出しちゃダメ!
「ヒルマさん、言いすぎです!」
そう告白ってのは勇気がいるもの!一応言ってあげてハレンちゃん!でも実はゴルゴアさん貴方の初かも知れない告白の相手は男です。南無!
「まぁ、いい・・先日悪さを働いた人族をやった所だ、横に並べてやろう」
あちゃー凄い顔の欠陥がピクピクしてるよ、冷静さを装ってるけど完全に怒ってますね。
「ふぅ・・お前は兄と一緒で口数が多いな」
「お、俺を兄と一緒にするなぁぁぁ」
何故それで一番怒る?獣人の人は兄と一緒にされると怒るのかな?あれだからかな?
今度はヒルマさんから仕掛けた。
剣を抜いて凄い速さでゴルゴアさんに向かっていく。
「ほう?獣人とやるのは初めてじゃないようだな?足を狙ってくるとは」
「人より速い種族なのだから機動力をそぐのは当たり前だろ?」
ゴルゴアは後ろに避けながらそんな言葉を吐く。
あと1歩後ろに下がれば崖から落ちますよ?落ちてもいいけど。
キーン
金属と金属がぶつかり合うような音がする。
ヒルマさんの剣とゴルゴアの爪がぶつかった音だ。
ゴルゴアの爪が伸びてヒルマさんを襲っている。
「ハレンちゃん下がっててね」
「大丈夫なのですか、ヒルマさんは」
「うーん、たぶん?」
「人族のクセになかなかいい剣を使うな、だがこんな事も出来るんだぞ?」
その瞬間ゴルゴアの手が光りヒルマさんの剣と接触した瞬間、雷を走らせた。
「何かしたか?」
「何!」
「ふむ、雷使いが良く使う手だな、悪いが私には雷はあまり効かないぞ?私も雷の魔法を使うからな、お前もわかるだろう?使える魔法は大抵耐性がある」
「俺の雷を魔法などと一緒にするな!俺のは選ばれた力だ!」
「馬鹿かお前?魔法も生まれ持った選ばれた特性だぞ?人族と獣人族の違いというだけだ」
「戯言を言うな、俺は選ばれたんだ!他の獣人が3種もの獣が混ざっているか?いないだろう!」
「気持ち悪いだけだな」
ヒルマさんだからそんなはっきりと・・。
「貴様・・」
ヒルマさんは隙のない剣技の動きで相手を翻弄してゴルゴナの背後に回っていた。
そしてそのまま斬りつける。
「無駄だ!」
斬ったと思った瞬間、尻尾の蛇が口をあけて剣を銜えて防御されている。
「なんだと!」
「残念だな!俺の尻尾は蛇の目もある!背後が死角と思ったか?たしかに目を見張る剣技だが反応できな速度ではないな!」
「おかしいな、お前は私の剣技についていけないから背後に回られたはずだ、それともお前の尻尾の蛇は顔についてるデカイ目玉より視力がいいのか?」
「負け惜しみか?青鎧」
凄い戦いだ、勉強になる。
ヒルマさんは僕の剣の師匠なのでしっかり見て勉強しなきゃ、それにしても・・。
「あのーヒルマさーん!その人たぶんさっきの背後の1撃に反応したのは蛇ですけど見えてなかったと思いますよー!たぶん熱で判断してまーす!」
「おい!小さい人族!お前鵺の事とい俺の蛇が熱を感知できるのを知っている事とい何者だ!?」
「熱で感知だと?ふざけているな、それにしても助かる美紅・・そうか熱か・・」
たしかピット器官だったかな?何かで読んだ気がする。
「くそっ!仕方ない・・勿体無いが・・」
「貴様!」
えーなんでこっちに一直線に向かってくるの?しかも凄いジャンプ力だし、猿の力かな?人の5倍のジャンプ力って聞いたことあるし、あの崖を凄いスピードで登ったのはこれか。
「美紅避けろ!」
「は、はい」
「心配するな!お前は気に入った!殺しはしない!」
いや、その爪で斬りつけられたら死ぬって!
「美紅様!」
「遅いわ!」
ズボッ!と何かに刺さる音がした。
「な・・な・・に?」
「あ~すみません、油断しすぎです」
僕のブレードソードが腕に刺さる。
「お前・・なぜ青鎧より速く動ける」
スラビーさんのダンジョン石の力です、以上!
「内緒です、熱感知って凄いですね、一応こっちは殺るつもりで狙ったのに見えてなかったのに体をひねるなんて」
「どけ!美紅!」
ヒルマさんがトドメを刺そうとしたので僕は素早く道を開けて退いた。
「ふざけるなっ!」
「くっ」
「ハレンちゃん」
全身放電というべきか体から物凄い電気が放出される。
「はあはあ、むかつく人族だ」
「諦めろ、ゴルゴア」
「はっ!諦めろだと?俺が本気だと思ったか?」
え?違うの?
「待てぃ!!」
え?馬?
「キャッブ様!?」
ああ・・婿の人か・・。
「ゴルゴア!お前何をしている!雷の光が見えたので来てみれば、あの様な力をここで使って姫が傷ついてみろ、兄はお前を許さんぞ!」
「兄上、俺は兄上の嫁を攫った人族を始末してるだけですよ、邪魔しないでくれ」
「気持ちは嬉しいが我の姫が怪我をする事態は許容できんな!下がれぃ!」
「出来ないな兄上、これを見ろ」
そう言うと僕が指した腕を見せる、結構深く刺したので血がだらだらと垂れる。
「怪我をしておるな、お前の事だ、相手を下と見て油断したのだろう」
「例えそうだとしてもここまでやられて引けと?」
「そうだ引けぃ!これは命令だ!」
「兄上は他の部族に嫁ぐ身だ、俺に命令する権利は・・」
「ある!忘れたか!部族の掟を!お前は俺に負けたのだ!掟に従えぃ!」
「・・・あれは俺が雷の力に得てない時だ」
「なれど掟は掟だ!それを破るか?」
「くそっ・・青鎧覚えておけ・・そして小さい人族お前の方は殺さずに手に入れるからな」
いや、もしそうなったらいっそ殺して下さい。
そう言ってゴルゴアは崖から一気に飛び降りた。
「姫!大丈夫でしたか?」
「えっとハレンには全然被害はないのです、むしろ美紅様やヒルマさんが」
「そっちの人族は姫を攫った外道なのでどうでもいいでしょうに!、さあ!戻りましょう!不詳の弟ですが姫の場所だけわかっただけでも役に立ったというものだ!」
そしてキャップさんはハレンちゃんに華麗に手を差し出し・・たところで。
「あ・・それ以上近づかないで下さい」
僕はハレンちゃんを引き寄せて首に剣を当てた。
「なっ!人族貴様!また姫を!」
「だって人質ですし」
「ふざけておるのか!たしかに姫はお前達に捕まっておるが、我が弟を止めなければお前達は危なかったのだぞ!恩という者も理解できないのか人族!」
「悪いがキャッブ、あの状況では恩は感じないな、むしろ危ないのはお前の弟だった」
「ふっ!弟は本気を出しておらなかったぞ?」
「私もだ」
「ぐっ・・いいか!お前らはもう袋の鼠なのだぞ!?姫を返しこの村の掟に従い正当な罰を受けたほうが身の為だぞ!」
「すいません、そのつもりはありません」
「そうだな、あ!あとまた伝令役を頼む、崖を登ってきたら姫の命はないとな」
「また我を伝令などに使うか!」
「早くしろ、カイユウ2号」
「我はこの村に嫁ぐ婿だぞ!褒めれば何でもすると思うなよ!」
「いいからお願いしますキャッブさん」
「し、仕方ない、だが婚礼の儀までに姫は返してもらうぞ!とうっ!」
とうっ!って・・掛け声いらないでしょ・・あと馬のクセに崖を降りるとき華麗すぎだよ。
本当に動作がいちいちうざいな。
「ゴメンね、ハレンちゃんまた利用しちゃって」
「お気になさらずなのです、どんどん利用して下さって構わないのです」
「いや・・それもどうかと」
「美紅、体は平気か?またあのダンジョン石を使ったのだろう?」
「あ、はい。ちょっとだけ関節が痛いかも」
「早く魔道具が必要だな」
「ですね、ヒルマさんのほうは怪我はないですか?」
「平気だ、確かに強かったが驚きのほうが大きいな、なんだあの生物は」
「異端・・と言った方が良いかもなのです、あんな獣人は見たことないのです」
僕はこの世界に来きて2度目の衝撃だったよ、まさかスラビーさんの全裸に並ぶ、鵺からのプロポーズ・・忘れてよう・・嫌な記憶を消すダンジョン石を探す旅にでもでようかな・・。
「3種の生物の特性が混ざってるみたいですね」
「美紅、鵺と言うのは頭は猿、尻尾は蛇、体は何の獣なんだ?爪が出てきたしよくわからないな」
「うーん、僕もちょっとわからないですけど猫?虎?どっちかな?すみませんよくわらないです」
「虎・・ちょっと嫌なのです」
あ・・ハレンちゃんも虎だったね、小さくて可愛いので猫っぽいんだよ、アレと一緒にはしないから落ち込まないで。
「まぁ、なんでもいいか、あそこまで混ざるとどうでもいいな!あははは!」
「そうですね!あははは」
「お二人ともさっきの状況で笑っていられるのは凄いのです」
「確かにあいつは強いかもしれないがな、本当に強い奴じゃないな」
「勝てそうなんですか?」
「多少・・本気をだせばいけるかもしれないな」
「あの~このあとどうするのです?」
「情報がなさすぎる、ハレンがいるがお前は大事な事はあまり伝えられてないだろう?」
「そうみたいなのです・・いつもお前は心配しなくて良いと言われるのです」
「キオウさんがいてくれれば・・でも軟禁状態らしいですしね」
「どこに閉じ込められてるんだ?」
「長老様の・・おじい様の屋敷の離れですね、ここから見えますよ?あれです」
「遠いな・・」
「ですね・・あ!」
「なんだ美紅?」
「ヒルマさんちょっといいですか?」
「どうした?」
僕はヒルマさんに小声で気づいた事を話した。
「ダメだ!危険すぎる!」
「でもそれをしないとこっちが不利ですよ?」
「しかし・・」
「ど、どうしたのです?」
「ヒルマさん、やれる事はやりましょう」
「だが・・」
「ヒルマさん!」
「わかった!しかし美紅に何かあれば私はこの村を吹き飛ばすぞ!!」
「ええええ!やめて下さいなのです」
「いや!やる!」
いや!やらないで下さい!
「い、一体美紅様は何をなさるのです?」
「キオウさんを助けてくる」
「お止め下さいなのです!おじい様の屋敷にはキャッブ様やたぶんゴルゴア様やそのお仲間の方もいらっしゃいます危険です!」
「私もそう言った!」
「平気だよ、やるしかないしね。夜になったら行って来る」
「美紅様、これを!」
「なんですこれ?」
「発炎筒という物なのです、危なくなったらそれを使えば位置がこちらからわかるのです]
「ナイスだハレン!よしちょっとでも困ったらすぐ使うんだぞ!」
ちょっと困っただけで使ってたら位置がバレて殺されますよ・・。
「ありがとうハレンちゃん借りておくね」
「はい!キオウお兄様をよろしくお願いするのです」
そして暗くなるのを待って僕は行動した。
「美紅本当に気をつけろよ!」
「美紅様お気をつけてなのです」
「大丈夫だよ、行ってくるね」
はぁはぁ・・夜の崖降り・・これが一番の難所でしょ!
救出より絶対怖いって!
ふぅ、さすがに夜は人がいないな。
ハレンちゃんが言ってた通りだね、獣人全員が嗅覚が良いわけじゃないって。
たしかに人族よりは良いみたいだけどみんなハレンちゃんみたいだったらすぐ見つかってるし。
うっ・・あれって見回りかな?そりゃそうだよね、僕達みたいな怪しいのが姫を攫ってる状態だし。
3名ほどの獣人が槍みたいなものもって村を徘徊している。
あそこ通らないと目的地までいけないし・・。
『ロスト』発動
「聞いたか?村の外に姫を攫った人族がいるってよ」
「聞いたよ、無事らしいが俺が言って・・」
「あの可愛い人族め」
「やめとけよ、希少種の部族の方と戦える人族だぞ?」
「だがよ、姫がいつまでも無事かわからない」
「あの可愛い人族め」
「だが村から出れない、きっと長老様達が手をうってくれる」
「そうだな、今は俺達にできることをやろう」
「あの可愛い人族め」
・・僕はロストを使ってこの3人の目の前を素通りする。
見つかってもいい筈なのにずっと会話をしている3人の警備を見て見えてないことを確信する。
あとまた1人絶対褒めてる奴がいる・・貴方さっき囲まれた時に褒めてたのはお前か!?
僕は3人の警備をクリアした。
そして屋敷のを見つけ離れの小屋に向かう。
ん?何か音がした。
「何かいるな・・熱の反応があった」
ゴルゴア!?
ロ、ロスト発動!
「ん・・?消えた?おかしいな」
セーフ!!また検証できました!匂いに続いて熱も僕のロストには反応できないみたいです。
「誰かいたはずだ、誰だ?」
「何をしているゴルゴア!」
「兄上?」
「話し合いの最中に部屋を出て行くとは失礼だぞ?」
「俺にはあんまり関係ない話だろ」
「なれどお前は村の代表だぞ?さっさと戻れぃ!今度いきなり話し合いの場から離れることは兄が許さん!」
そう言って目の前のキャップさんは屋敷に戻っていく。
「クソ・・クソ野郎が・・」
兄に向かって言う事場じゃないセリフを吐きながらゴルゴアも屋敷に戻っていく。
ここか?
どうやら屋敷自体に警備はない。
軟禁って言ってたし反省する程度なのかな?
入り口の鍵もかかってない。
僕はロストをといた。
「誰だ!?」
あ・・やっぱり解くと匂いでわかるのね。
「この匂い・・美紅か!?」
「そーです」
「馬鹿な!何故こんな場所にいる」
「あの、静かにしてくれますか?一緒に来てもらえます?」
「まさかハレンのところにか?」
「話が早くて助かります、詳しい事は助けてからで」
「だが、鍵がないぞ?檻の鍵は持ってるのか?」
「え?入り口に鍵がないからてっきり檻も鍵がないかと」
「鍵は長老が持ってる諦めろ」
「えいっ!」
「なっ!」
僕は檻の鍵を剣で真っ二つにする。
「なんだその剣は!檻の南京錠は鋼鉄製だぞ!?」
スラビーさん特製ダンジョン石で切れ味抜群です。
「そんな事説明してる暇ないです、走れますか?出来れば見つからずに脱出したいです」
「平気だ、出れれさえすれば俺は誰にも見つからない道ぐらい知ってる、ただ素早く行動しなきゃならない道だ、美紅お前がついてこられるかどうか」
「あ、僕のことは気にせず丘の社に向かって下さい」
「何!?」
「僕がここまで見つからずに来れた理由と一緒です、あとから向かうので早く行ってください、ゴルゴアに気をつけて下さい、たぶん兄に怒られるという理由でもう平気そうですけど」
「大丈夫か?ほ、本当に先に行くぞ?」
「早くして下さい、ここに来た意味がなくなる」
「わかった、感謝する」
そう言うとキオウさんは凄いスピードで村を駆け抜けていく、へー方向全然違う、道を知ってるっていいな~。
さて、ゆっくり帰るか・・歩いて!!
だって走ると疲れるし・・崖を登る体力残しておかないとね!
あー疲れた、村より絶対崖のが疲れるよ。
「美紅様!おかえりなさいなのです!」
「大丈夫か美紅!怪我は?もう少し遅ければ美紅を置き去りにして先に来たキオウを拷問にかけるところだったぞ!」
何物騒な事言ってるんですか・・?僕の指示ですやめてあげてください。
「み、美紅無事だったか?改めて礼を言う、感謝する」
お礼を言うのになんで声が震えてるの?まさか本当にヒルマさんに何かされたんじゃ・・。
「き、気にしなくていいですよ、無事でよかった」
助けたのにヒルマさんに何かされたかわかりませんがそれでチャラで。
「しかしお前達は不思議だな?ヒルマの強さといい今回助けられた事といい、一体何者なのか」
「その話はなしだな、あまり関係がないしな。結果が全てだ」
「わかった、そう言う事にしておこう」
キオウさんはたぶんわかって了承した、こちらが話す気がないことを察して、恩もあるし了承したんだろうと思った。
「キオウ、お前を軟禁から救出した理由は1つだ、ハレンよりお前は今の状況に詳しそうだからだ」
「ああ、俺は確かに長老の離れに隔離されていたが仲間から情報は逐一運ばれてきたので状況は理解している」
「ならいっぱい聞きたいんですけど教えてもらえます?」
「何でも聞いてくれ、カイユウではないがお前達には感謝している」
「早速聞きたい、ゴルゴア達が運んできた死体、あれはどうしたんだ?知っているか?」
「俺が受けた報告ではゴルゴア達の村に行ったハレンの叔父を狙うものがいた。ゴルゴア達はその者達を対処した後にその仲間と思われる3人組を見つけて抵抗されたので2人を殺し1人を殺さずに捕まえた。そして1人を拷問にかけた結果カイユウが襲われた事を知った。そしてそのカイユウを騙して村に侵入しようとした人族がいるとわかったので先に向かった兄のキャッブに知らせを飛ばしたらしい」
「それで私達は狙われたわけか、仮説が当たったな」
「でもハレンちゃんの叔父さんはこの場に居ずに、先にキャッブさんと村に向かって残ったゴルゴアさんが3人組を対処したんですよね、2人は抵抗されたから殺した、でも1人は捕まえて吐かせたのになぜ殺したんでしょう?証人になるはずなのに・・証言をとったからと言ってもおかしい話です」
「確かに・・馬3人のうち誰が捕まったかわからないが殺されてまで嘘を付くような連中ではないように感じた、あいつらは金で動いていたように見える。自分が殺されるとわかったら正直に雇い主ぐらい売るタイプだ」
「俺はその辺はわからないが、会ったお前達が言うならお前達を信じよう。俺も実はおかしいと思っていたんだ、だからカイユウは止めるもの聞かず走って行ったのだがな」
「カイユウさんはまだ?」
「まだだな、あいつがどこへ行ったか俺にもわからん」
「あいつの事は心配だが、もう自分の事は自分で責任は持てるだろう」
「これから僕達をどうすかは何か話してましたか?」
「それだ、私もそれが知りたい」
「ハレンもなのです」
「丁度美紅が助けに来てくれる前に仲間が報告してくれてた、明日の朝にキャッブを中心としたハレンの奪還作戦を決行するそうだ、今その作戦の話し合いをしている頃だろう。おそらく希少種の部族が仕掛けてくるな、村の者は俺の仲間以外戦いを知らないからな」
「なるほど、ゴルゴアさんじゃなくてキャッブさんですか」
「キャッブは強いのか?」
「強い・・はずだ」
「はず?ですか?」
「ハレンも知らないのか?」
「何のことなのです?」
「まったく長老達は・・」
「なんだ?もったいぶらず早く言えキオウ何の事だ?」
「今回ハレンの婿、村と村の同盟の代表になる者を決める為に希少種の村で代表戦が行なわれた。半年前の事だ、たくさんの者がが参加したが2人が圧倒的すぎたそうだ、キャッブとゴルゴアだな。決勝で行なわれた試合では苦戦の末に兄弟対決を制したのがキャッブだ」
「ああ~、なるほど!だからあの時勝った負けた言ってたんですね、勝者に従えって」
「言ってたな、だがゴルゴアはその時雷の力に目覚めてないとも言っていた、今現在どちらが強いかはわからんな」
「そうなのか?それは俺は知らんな」
「どっちも強いとみた方がいいかもですね」
「美紅にヒルマは大丈夫なのか?戦いを避ける方法があるならいいが戦いになった場合は、ヒルマがゴルゴアと互角の勝負をしたのは聞かせてもらった、だが同じ実力者のキャッブ来た場合はどうする?」
「うーん・・僕が相手をすることになるかも・・」
正直自信がない・・剣はまだ自信もないし、ギフトを使えばいけるかもだけど。
「まて!美紅は戦えるのか!?なんなら俺が戦おう!俺もこの村では一応戦闘タイプだ」
「ハレンも戦うのです!」
「待て待て、キオウ何か勘違いしてないか?ゴルゴアが怪我をしていたのは聞いたか??あれをやったのは美紅だぞ?それにハレン・・お前は戦ってはダメだろう」
「な、なに!?美紅お前はその容姿でヒルマより強いのか!?」
「美紅様は最強なのです」
「ハレンちゃん・・適当な事いわないで・・キオウさん僕は油断してたゴルゴアさんの隙を突いただけです、ヒルマさんのが絶対強いのでご安心を」
「そ、そうか、驚いたぞ」
「美紅様は最強です!」
ハレンちゃん、ちょっと黙ろうか・・。
「でもキオウさんは戦わないほうがいいですよ、結果どうなってもキオウさんの立場が危うくなる。それに僕達がハレンちゃんを人質にしたせいでこうなりましたので自業自得です」
「ハレン様!それはハレン達にも責任が!」
「そうだ俺達が悪いと言っても過言ではない!」
「結果論だな、こうなってはどっちが悪いとかじゃないのでどうでもいいことだな」
「ですね」
「美紅にヒルマ、二人は軽く考えすぎな気がするな・・」
なるようになるでしょ?
「美紅、そうなった場合ゴルゴアは私が相手をする雷同士で相性がいいしな。美紅はキャッブを頼む、時間さえ稼いでくれればゴルゴアを切り刻んですぐにキャッブも粉々にする」
ヒルマさん言い方が怖いです、ゴルゴアはいいですけどキャッブさんのほうは一応婿ですよ?
「ヒルマさん頑張って欲しいのです!」
おーい!ハレンちゃん今の話聞いてた!?切り刻んで粉々だよ!?
「任せろ」
任せれないから!
あれ?・・何か今思い出したような?
あ・・忘れてた!
「どうした美紅?」
「今気づいたというか思い出したことがありまして」
「何がだ?」
「えっとハレンちゃんにキオウさん、この村に金目の物とか貴重な物ってあります?この村にしかないような物です、あ・・僕達が狙ってるとかじゃないですよ?」
「なぜだ?なぜそんな事を聞くんだ?」
「カイユウさんから聞いてませんか?殺された馬3人組がカイユウさんに言ってたみたいなんです、この村にのある物を狙ってるみたいな発言を、きっと高価な物とかじゃないかなーって」
「・・この村は一応歴史もある、俺達が大切にしている物もあるが人族にとって高価かどうかは正直わかるものは・・・」
「あるのです!」
「何か知ってるのかハレン?」
「はいなのです、ハレン達の血筋の者が体表してそれを管理してるのでキオウお兄様も知らないのは当然です」
「教えてもらっていいの?」
「はいなのです、神の贈り物と言われている物で白の一族の婚礼の儀にしか出しません、しかも婚礼の儀の行事、親族だけで行なう最後の誓いの儀でしか出さないので親族以外は見たこともないはずです」
「そんな物があったのか?」
「はいなのです」
「どんな物なんだ?」
「神の贈り物・・ダンジョン石・・じゃないよね?」
「美紅、雫の事をいってるのか?」
「はい」
「ゴメンなさいなのです、ハレンも知ってるだけで見たことはないのです」
「気にしなくてもいいよ、教えてくれてありがとうハレンちゃん」
「美紅様!」
「こら!」
また抱きつかれそうになったけどヒルマさんが止めていた。
それにしても神の贈り物か・・怪しすぎる。
蒼「カナじいって神様なんだよね?」
カナじい「なんじゃ今更?」
蒼「言っておかないと時々忘れるから」
カナじい「ひどいのぅ」
蒼「他にも神様っているの?」
カナじい「おるぞ、交流はあまりないんじゃがな」
蒼「神様ってどんな人がいるの?」
カナじい「みんな我侭でクズばかりじゃわい!!」
蒼「・・・・・へー」
カナじいそれを言ったら自分も入っちゃうよ?(*´・ω・*)