匂い
3部の話数を削減してようと1話1万文字で頑張っております。
そのせいで投稿時間が不定期になってしまってます。
頑張って書いているの許してね(*´・ω・*)
ブックマークもよろしくです((泣pД`σ願+.☆゜+.☆
「いきなり何を言ってるんですか?カイユウさん」
「美紅の言うとおりだな」
「その通りだな、しかもお前は矛盾しているしな」
「それはわかってますけど、今は俺お二人しか頼れる人がいないんです!」
「それは僕達もわかりますけどヒルマさんが言ったように・・ねえ?ヒルマさん」
「そうだな、矛盾している」
「な、なにがですか??」
「え?何かおかしな事いいました俺!?」
「いや、まず僕達は旅人であって護衛をするような者じゃないんですけど」
「お前の村の名前は聞いた、私達は確かに驚いたが村の名前ぐらいならまだ影響はないと思っている。だが護衛だぞ?つまりお前の村までだろ?お前の村の場所は秘密なんだろ?お前個人の考えで護衛だからといって連れて行っていいのか?」
「ですね、カイユウさんは僕たちには名前は教えてくれました、でも村の場所をいえない理由も教えてくれました。それは凄くわかる理由でした、僕達はそんな大切な理由があるのにカイユウさん個人が決めていいのかを聞いてるんです。人族を警戒してる場所に僕達がいった場合騒ぎになりますよね?」
「・・・でもこのままじゃ村が」
「まだだろ?お前が捕まらなければ村の場所はわからないのだろ?」
「だから護衛を・・」
「それをすると知りたくない村の場所をですねー」
「それに私達は護衛の仕事などした事がない、旅人だぞ?確かにお前を助けたから強いと思っているかもしれないが過剰に期待をしてないか?」
「カイユウさん、まずここが重要です、貴方達の村に僕達は近づいていいんですか?近づいても僕達は平気ですか?」
「お、俺が責任を持ちます!説得もします!お二人の事は村では俺が守るんで!」
「どうしましょうヒルマさん」
「守るという言葉がこれほど頼りなく聞こえたのは始めてだ」
「そんなぁぁ」
「美紅はどうしたい?」
「僕ですか?僕は正直ここまで関わってしまったし、向こうに顔を見られちゃいましたしそれにこのままカイユウさんと別れるのも心配ですしね。ここはヒルマさん決めてください、戦力的にヒルマさん頼りになりそうなので」
「そうか・・いいだろう護衛は引き受ける、しかし報酬はちゃんと貰うぞ?仕事になるのだしな」
「は、はい!感謝します!」
「あのーカイユウさん、僕ずっと気になってる事があるんですけどいいですか?」
「なんですか?」
「村から出てるのってカイユウさんだけですか?」
「え??ど、どういうことでしょう」
「村から仕事や用事で出てるのってカイユウさんだけですか?って事ですけど?」
「・・・・・・」
「美紅、護衛はなしだちょっと遠いが一度言った事のある国がある、美味しい飲み物があるんだ行かないか?」
「お供します」
「ちょ、ちょっと!」
「この期にをよんで隠し事してる時点でもうダメでしょ・・」
「いくぞ!美紅!」
「もう1人います!」
「はぁ・・なんでそれ内緒にしてたんですか?」
「だ、だって村の掟で・・」
「閉鎖的すぎるのも問題だな、お前気づいているのか?」
「カイユウさんが襲われてるという事はもう1人の人も襲われてるかもしれないって事ですよ?」
「ああああぁぁ!」
「本当に気づいてなかったのか?」
「言わないであげてくださいヒルマさん・・きっと自分の事で精一杯だったんですよ」
この人も大抵頼りないなー、比べるのも悪いけど僕が会ってきたのは頼もしい人ばかりだったしね。
「どうしましょぉぉぉぉ!」
「落ち着いて下さい」
「カイユウ、少しは自分で考えろ」
「で、でもぉぉぉ」
「もう1人が何をしてるか知りませんがそれを今からどうにかできるとは思えません」
「そうだな、まず村にこの事を伝えるのを第一に考えるべきだ」
「・・・わかりました、村までの護衛よろしくおねがいします」
「すぐ移動しましょう、でも休める場所を探して少し休みましょう」
「賛成だ、カイユウこうなった以上色々聞くかもしれないがいいか?」
「はい、もう隠し事はせずにお話します」
近くに綺麗な川辺を見つけたので水浴びをした後に暫く体を休めてカイユウさんの案内で幻獣村にむかうことになった。
カイユウさんは向かう途中で色々話してくれた。
「つまりこういうことですか?カイユウさんの配達とは別に今回村を出ている人がいて、その人は仕事ではなく使命で出ているわけですね?」
「そういうことです」
「その使命とは何か言えるのか?」
「俺の村で今回祝い事がありましてその用事です」
「祝い事?結婚とかですか?」
「そうです」
「めでたいことじゃないか」
「そうなんですけど、婿になる人が外の部族の者で今回その部族の代表と連絡を取る役目の人がそこに行ったんです」
「へー、ちょっと見直しました、閉鎖的ですけど外から結婚相手を向かえることはするんですね」
「・・・・・」
「「なんで黙る!!」」
「ご、ごめんなさい!言えないとかじゃなくてちょっと言いにくいだけです」
「何故ですか?」
「この結婚は俺達・・村の若い連中は反対だったんです、でも年寄りが決めちゃって・・」
「どういうことだ?」
「俺らが外と交流してる同じ獣人族で希少種の部族がいます、その部族の族長の親族達が部族同士話し合いでこれからのために血で絆を深めようって言ってきたんです」
「へー」
「たしかに血が一番の親交を深める方法だしな」
「俺ら若い連中は反対しました、でも年寄り連中はダメでした、長年の思いと元々その部族は昔俺らの部族が危ない時に助けてもらった事があるらしくて恩もあるってそれの希少種の婿の血なら入れても問題ないって・・他にも理由があるみたいですけど」
「良い部族じゃないですか」
「助けてくれた部族なのに若手は反対なのか?」
「理由は2つです、1つは俺ら若い連中はその部族を良く思ってません、昔は知らないですけど今のあの部族は乱暴すぎるんです、人族と交流もあるらしくて獣人の特性を使って雇われたりしてるらしいです」
「種族にとらわれないことはいいことじゃないんですか?」
「私もそう思うがな」
「か、勘違いしないで下さい、俺は人族がと関係を持つのが悪いって言ってません、老人達は助けてくれた恩のせいで信じてませんがあいつ等は禁忌を犯してるって噂があって」
「禁忌?」
「なんだそれは?」
「俺ら獣人族は部族は違っても1つだけ絶対破らないことがあります、それが種族を売らないってことです。部族が違っても同じ獣人としてそれだけはしない。それが禁忌です」
「それをやってるんですか?証拠とかあるんですか?」
「何か知ってるんだな?」
「俺が聞いたんです、俺仕事してる時に人族が話して、見たこともない珍しい獣人が同じ猿の獣人を売っていきやがったって」
「噂を聞いただけだろう?」
「そうですけど俺その人と仲がいいんです!色んな事を知ってて旅が好きでお酒も呑んだりしました!しかも次に会う約束だってしました!でもその人は来なかった、噂を聞いたのはその後です・・その人も猿で希少種でした・・うう・・」
「それを老人達は信じないんだな?」
「はい・・耳を貸しません、そんな・・禁忌を破るような獣人はいないと、またどこか旅に出たんじゃないかと・・」
「最後の1つの理由は?」
「そうだ、もう1つ理由はあるんだったな」
「今回の婚礼で村の長・・つまり幻獣の姫が選ばれたんですがそいつが・・」
「「その子が??」」
「美人で可愛いんです!村で一番人気で!だから若い連中は物凄い批判で!」
「・・・うーん」
どうしよう、それはしょうがない!って言うべきなのかな・・わかる物凄いわかるけどそれを口に出すのも違う気がするしなー。
「わかるぞ!それはしょうがない!」
「ヒルマさん!!!?」
この人僕が必死に考えてた事をあっさりと!!
「わかりますか!?」
「ああ!もちろんだ!私も美紅が勝手にどこの馬の骨とも知らない奴と結婚が決められたら激怒するだろうからな!」
おーい!おかしいよー!ヒルマさん貴方は僕の親ですか!?
「そ、そんなわけで反対なんです、でも決まりそうで今回村の代表代理で長の側近の1人がその部族の村に何度も行ってます、今回も最後の詰めらしくて」
「その人が狙われてたらあぶないですね」
「そうだな、カイユウ言い方は悪くなるがその獣人はもし拷問された場合に村の場所を喋るような人物か?」
「わかりません、ただ喋らないと信じるしか出来ません」
「最悪の場合を考えたほうがいいですね」
「そうだな」
「最悪ってどういうことですか!?」
「その人が捕まっていて村の場所を喋ってしまって村がどうにかなってる場合ですよ」
「そんな!?」
「カイユウちょっとは自分で考えたほうがいいぞ?先の事を考えなさすぎるな」
「確かにそうですねー」
「すいません」
「責めてるわけじゃないですよ、もう少し深く考えればもっと他に対処できたかも知られないということだ、これからそうすればいい」
「はい、そうします」
カイユウさんの案内は過酷だった。
ここ人通れるの?って場所を越えることもあり僕にはちょっときつかった。
途中で馬も置いておくことになったし、辛いの一言だった。
「美紅平気か?」
「へ、平気です」
「辛かったらすぐに言え!抱きしめてやるから」
それって意味あるんですか?それで辛くなくなるならいくらでもどうぞ・・。
「まだ平気です」
「・・・そうか」
なぜ残念がる!僕が辛いほうがいいのか?この人。
「ここです!」
「どこです?」
「どこだ?」
「だからここです!!」
「いや大きな岩しかないじゃないですか?」
「あ!そういうことですか!これ扉です、ここの小さいな穴にダンジョン石をはめるんです」
「まさか、これは魔道具か?」
「これがそうなんですか?」
「ああ、岩の扉型だがダンジョン石で動くタイプだな、わざわざドワーフに作ってもらったか?」
「そうです、村はこの洞窟の奥にあります。ここしか入り口はありませんのでこの岩の扉に村の者が持ってる専用のダンジョン石をはめないと絶対開きません」
「すごいですね、これなら普通に穴をふさいでる岩にしか見えない、それにこんな小さな穴は気づかないですし」
「徹底してるな」
「俺たちはそれだけ迫害されてきたんです・・」
洞窟のを通り抜けるとそこには豊かな実った畑があり、綺麗な草花でいっぱいだった。
「よ、よかった・・村は無事だぁぁ!」
「よかったですね、それにしてもすっごい綺麗ですね」
「確かにな」
「あの~、この辺でちょっと待っててもらえますか?ここならまだ村の奴らはいないんで、俺ちょっと言って事情説明してきます」
「わかりました」
そう言うとカイユウさんは凄い速さで村に走っていった。
「美紅気づいているか?」
「えっと、カイユウさんが村に行かなくても気づかれてるかもしれないって事ですか?」
「美紅は本当に賢いな」
コレ蒼の脳なので回転が速いんです、僕のじゃこうはなりません。
「獣人の人達で鼻が効くのはカイユウさんだけじゃないってことですね」
「ああ、たぶん洞窟に入ったときから気づかれてるんじゃないのか?」
「そんな前に!?」
「というわけで剣を抜け美紅、たぶんこいつはカイユウの様に戦えない奴らじゃない」
「え?もうどこかにいるんですか?」
「そこにな」
本当にいた・・木の上って・・猿の獣人でもなんか違う?他にも犬だけど首が2つ・・は木に登れるのね・・あれは熊・・?木折れるぞ・・登るなよ・・。
降りてきた・・。
「人族・・カイユウに何をした?」
3メートル近い熊の獣人が前に出てきて言った。
見てたのね?なら何もしてないのわかるでしょ?殺気って言うのこれ・・睨むのやめようよぉ。
「何もしてないな、カイユウに案内されてここに来た以上だ」
さすがヒルマさん!全然怯んでない!任せていいですか!?
「嘘をつくな人族、ここにはダンジョン石なしでは入れん」
「そのカイユウに入れてもらったんだ」
「脅したのか?」
「お前達の知ってるカイユウは脅せば大切な村の場所を吐くような男か?」
「そんなわけないだろう!!」
「なら私の言ってることは正しいな、上から見ていたのだろう?カイユウは頭がいっぱいな時は周りが疎かになって考えが回らないクセがあって気づかなかったみたいだがな」
「お前ら人族が怪しい魔法を使ってカイユウを操ってここに来た可能性がある」
「いや、僕達そんな魔法使えませんから!」
「人族は信用できない!!」
「はぁ・・またそれか」
「仕方ないですよヒルマさん、カイユウさんから聞いた通りならこうなる可能性は十分ありました」
「そうだな、だから護衛は躊躇したんだがな」
「何をわけのわからないことを!!」
「あの、熊の獣人さんであってます?」
「・・・言うと思うか?」
「角の生えてる熊なんて見たことないな・・これが幻獣か」
「あの~、僕達が抵抗しなった場合って殺したりします?」
「普段ならそうしたいが今村ではある理由で殺傷は禁止されている」
なるほど、婚礼のおかげですか。
「ヒルマさん」
「わかったわかった、お前達私達は抵抗しない事にする、だが美紅、そっちの人間に傷を1つでもつけた場合全力で抵抗するわかったな」
言った瞬間3人の獣人がビクッと震えた・・なんでこういう時のヒルマさん凄くカッコいいんだろう。
「お、おい!お前達!」
結局手を後ろで縛られて捕まえられました。
村に連れて行かると思ったら村のちょっと離れた場所の小屋に檻があってそこに入れられました。
「あれ?縄は解いてくれるんですか?」
武器は没収されたけど縄を解いて檻の中に入れられました。
「私達はこれからどうなるんだ?」
「人族が村に来るなど俺達が生まれる前より昔の事だ、悪いがこっちで話し合って処罰を決める」
「あの~ご飯だけ貰えます?実はここに来るの結構強行軍であんまり食べる時間なくて、出してくれないなら私達の荷物なの中に食料あるのでそれを下さい」
「俺達は人族とは違う、食事ぐらいだしてやる」
人族でも食事ぐらい出すと信じたい。
「ありがとうございます」
「お、おとなしくしてろよ!」
「美紅、わざとか?」
「何がですか?」
「そんな可愛い表情でお願いされたら出してくれなくても出したくなるぞ?あの角のある熊の獣人顔を赤くして出て行ったぞ」
「ちょっとだけわざとですね、かなり本気でお腹空いてますので」
「そうか、じゃあ今度こういう事が合ったときの練習をしておこう、さっきの笑顔を私に向けてくれないか?」
捕まってるのに何を言ってるんだこの人は・・。
「今度からは捕まらないようにしましょう」
「くっ・・」
だから残念そうな顔しないで下さい。
ヒルマさんと僕は焦ってもしょうがないという事でここまで来るのにかなり疲労していたということもあり食事が来るまで横になる事にした。
横になるとなぜかヒルマさんがジリジリちょっとづつ近づいてくるので僕もジリジリ離れようとして追いかけっこなった。・・あの~マジで疲れてるんでやめて下さい。
「おい!人族起きろ」
角の熊の獣人が入って来た。
「食事だ、食べろ」
「わーい」
「頂こう」
芋のスープ、サラダ、パン?この人たち等草食動物か!!もっとお肉が食べたかったよ。
「で?カイユウさんはどうなりました?」
僕は食べるのを監視している熊の獣人に話しかける。
「お前らに教える義理はない」
「そうか、ならいい」
「ですね」
「何なんだお前らは?普通もっとしつこく聞くだろ?」
「え?義理ないって言ったから別にいいですよ」
「そうだな、教えてくれないなら聞くだけ無駄だ」
「じゃあ、こっちから聞いてやる、何が目的でここに来た」
「教える義理ないですね」
「そうだな」
「くっ、お前らと俺達は立場が違うと言うのはわからないのか?」
「どう違うんだ美紅?」
「さあ?同じ生き物ですし、僕は対等だと思ってますけど?」
「私もだ」
「ふざけるなっ!お前達は俺達の村に無断で侵入した!俺達の村は外の者は存在すら知る物も少ない!しかも村は今大変な時だぞ!そんな時に村に来た人族が怪しくないわけないだろ!目的を言え!」
やめてくれますか・・3メートル近い熊の逆ギレはマジで怖いんですけど。
「僕達からいう事はないですよ、聞いたんでしょ?カイユウさんに」
「私達から言ってもお前らは耳を貸さないだろう?どうせカイユウはここに来れない様にしてるとかだろ?」
「人族に俺達のことがわかるものかっ!」
「美味しかったです、食器をお返しします」
「たしかに美味かったな、ご馳走になった」
「おい!話をきけっ!」
「いや・・僕達に貴方達のことが理解できないって言ったでしょ・・なのに話って・・ねぇ」
「最初に会ったカイユウとまったく同じ反応で逆に面白いな、過去の事で人族に偏見をもち個人を見ない。すまんがお前とは話にならん」
「なんだとっ!お前達こそわかってない!ここでお前達がここに来た理由を喋らないとお前らは死ぬかもしれないんだぞ!?」
「ご心配ありがとうございます」
「聞きたければカイユウに聞け、いや、もう聞いたのか?聞いても信じられなくて私達のところに来たというところか?」
「なるほど、じゃあカイユウさんのいう事が全てです、僕達が信用できなくても仲間ならカイユウさんの言う事を信用してあげてください」
「お前らがカイユウを操ってる可能性がまだある!」
「お前・・本気で言ってるのか?」
「何!」
「貴方達はカイユウさんが操られてるかどうかも見分けが付かないほど仲間として浅い関係なんですか?」
「我々の種族の絆は人族より遥かに強い!」
「カイユウの言った事を信じれないのにか?」
「なら信じてあげましょうよ」
「お、お前ら自分が助かりたくて言ってる可能性も・・」
助かりたいけど・・そもそもヒルマさんとならここから抜け出せる自信があって捕まったんだけどね。
それにしても強情な人だ。
「助かりたいですけど、僕達は捕まるとき抵抗しませんでした」
「自分達がどうなるかもわからないのに私達は捕まったんだわかるだろ?」
「ど、どういうことだ」
「僕達と別れるときにカイユウさんが言ったんですよ、村の人に僕達がここに来たわけを言って事情を説明してきますって」
「私達が問題を起こしたらせっかくカイユウが説明しにいったのが無駄になる」
「つ、つまりどういうことだ」
「カイユウさんが操られてて変な事を言ってると思っている貴方達より僕達のほうがカイユウさんを信じているって事ですよ」
「付き合いはとても短いがその程度はこっちも信じれると思えたと言う事だ」
角熊の獣人は目を見開いて悔しそうに唸っている。
そして何も言わずに小屋を出て行った。
「どうなると思います?」
「さあな、少なくともこんな無駄な時間を過ごしてる場合ではないと思うんだがな」
「同意です」
そして僕達はまた横になった、だってやる事ないし~。
バタンっ!いきなり勢いよく扉が開いたと同時に白い獣人が飛び込んできた。
そして土下座した・・カイユウさんだ。こっちにも土下座あるんだ・・。
「すいません!すいません!すいません!2度も命を助けていただいたお二人をこんな目に!」
「ヒルマさんこの光景僕飽きました」
「そうだな、私もさすがに飽きてきたな」
「そんな!俺は悪いと思って!あ!今すぐ出しますので!」
そう言うとカイユウさんは鍵を出して檻をあけた。
「で?どうなったんですか?」
「私達はどうなる?」
「そ、それはですね」
「カイユウ、連れて来い」
「い、一緒に来てもらえます?」
「「はぁ・・」」
カイユウさんは僕達の顔色をうかがう様に明らかに気まずいという雰囲気で言った。
僕達は村には入れず、やはり村の外にある小さい建物に案内された。
「す、座って下さい」
「座れ人族」
角熊の人もいた。
「出していただいたと言う事はカイユウさんの言ってる事を信じたと言う事ですか?」
「嫌味か?小娘」
「嫌味です」
あと男だ、もうめんどくさいので言わないけど。
「すいません!俺が説明するはずだったのにお二人がこいつに言ってくれた事聞きました!俺のことを信じてるって言ってくれた事を!またお二人に助けられました」
「気にするな、こいつ等より信じてると言っただけだ」
「・・・話を戻すぞ、俺の名前はキオウだ、鬼熊の獣人だ。お前らも名乗れ」
「驚きました、何の獣人かも教えてくれるんですね、あ、名前は美紅といいます」
「私はヒルマと言う者だ」
あれ?ヒルマさん僕に名乗ったときもっと長い名前で言ってませんでした?まぁいっか、どうせ覚えられないし。
「結論から言わせてもらう、現時点で俺はお前らは信用しないがカイユウの言う事は信用する事にした」
「そうですか、なら僕達帰っていいですか?」
「仕事も終わった事しな」
「ま、待って下さいお二人とも!こいつが話す事があるって言うんです」
「何を言ってるんだ?カイユウ私達はここまでの護衛だ、それ以上はできないぞ?」
「で、でも」
「信用できない者と話してもね~」
「・・・なんて人族だ、さっきから人の揚げ足ばかりとりやがって」
「わからないのか?話す態度じゃないと言ってるんだ」
「キオウ!幼馴染の俺を信じてるならこのお二人に対して威圧的な態度をやめろ!このお二人がいなければ俺はここにいない!」
この二人幼馴染らしい、いいなー奏と慧ちゃん元気かなー。
「くそ・・わかった、話を聞かせてくれ、頼む」
「いいですよ?何が聞きたいんですか?」
「その前に荷物を返せ、大事なものも入っているしな」
「は、はいすぐに!」
そう言うとカイユウさんは僕達の荷物を持ってきた。
「話を戻るぞ!補足させてもらう!カイユウが言っていた事のな、いきなりこの村が狙われていると言われても対処の仕様がない。今は得にだ、だからお前達が見たこと聞きたいんだ」
「なるほど」
「カイユウと大体同じだぞ?カイユウが追われてるのを偶然助けた、それから恩を感じたカイユウはある程度私達に事情を話したがそこで別れた、だがまたカイユウが襲われていたので私達は駆けつけて助けた、そこでカイユウは本当に村の危機を感じて人族の私達を村に入れる危険より村全体の人のことを考えてこういう行動にでた。だから私達はここにいる」
「カイユウ・・なぜこういう風に詳しく話さなかった」
「えぇぇ!?言っただろ!村が危ない!俺を助けてくれた命の恩人の人族が来てるから何もしないでくれって!」
「はぁ・・カイユウさん本当に考えてください」
説明になってない!それじゃキオウさんも困るよ・・」
「カイユウ、私は簡潔に簡単に説明したのにお前はコレ以下の説明をしたのか?」
「も、申し訳ありません」
突然キオウさんが頭を下げた。
「すまない!まず同胞を助けてくれた事を例を言う!そして人族と言うだけで疑って牢屋に入れた事を許してくれ」
「いいですよ、全部カイユウさんのせいです」
「そうだな、キオウと言ったな、お前は正しい行動をした。カイユウが悪い」
「そんああああああ」
カイユウさん貴方は走るしかダメな人なんですね・・もっと考えて下さい。
そいてキオウさんは僕達から今までの経緯を詳しく教えてくれと言った。
襲われていた事、何故かカイユウさんの出発がバレた事、馬の3人組だけじゃなくてまだ仲間がいるかもしれない事を話した。
「危険だな」
「キオウさんはカイユウさんより物分りが早くて助かります」
「ああ、これが説明した後の正しい反応だ」
「ガーーーン」
「だが本当に時期が悪い、今は村の行事にかかりきりで老人達に言っても無駄だろう」
「なぜだ?村の危機だぞ?」
「信憑性がない・・で終わりだろうな」
「あのですね、村を出ているもう一人の人は帰って来てるんですか?」
「まだだな、明日の早朝以降に帰ってくる予定らしい」
「とりあえず、私達は出来る事はしたはずだ、出来ればもうこの村から出て行きたいんだが」
「も、もうですか?お礼もまだしてませんし」
「それどころじゃなさそうですしいいですよ、まだどこかで会ったらご馳走した下さい」
「そうだな、これ以上ここにいてもカイユウやキオウ以外の村の者に疑われそうだ」
「すまないが出て行くのは待って欲しい」
キオウさんがそんな事を言い出した。
「何故だ?私達は招かざる者だぞ?正直出て行きたいのだが?」
「あの扉は1日3回しか開かないんだ」
「「はぁ??」」
「聞こえなかったのか?あの魔道具の扉は1日3回しか開かない、これも村を守るための防護策だ」
「つまり明日まで開かないんですか!?」
「そうなるな、明日帰ってくる者が1回開けるのでそのあとに出て行って貰う事になる、今日はこの小屋に泊まってほしい、食事も出す」
「ちょっと待て、3回と言ったな?今日私達以外に誰か村の者が使ったのか?」
「馬鹿が1人な」
僕とヒルマさんは自然にカイユウさんを見た。
「ヒィィィィィ」
「こいつがお前達の事を俺に伝えるために村に戻り俺がいない事を確認してから、再びお前らの元に戻るとそこにはお前達はいなかった、焦ったこいつは外に出たと思い扉を開けて確認行った、そこで扉を開けたままにして確認したらすぐ戻ればいいのにこいつは安全の為に1度締めて探したあとにもう一度あけた、これで3回だ」
「「カイユウ「さん」!」」
「ごめんなさーーい」
「はぁ・・本当にもう」
「ん?誰だ?」
「え?」
「な、なんでハレンがここに!?」
「ハレンお前は屋敷から出てはいけないはずだぞ!」
いつの間にかそこには小さな白い猫?・・の獣人がいた小さくてとても可愛いくもふもふしてそうな獣人の子がいた。
「すいません、お兄様方我慢できずについ・・」
「美紅、あれはなんの獣人だと思う?」
「猫じゃないんですか?」
「たぶん違うと思うぞ」
やっぱり違うらしい。
「一体何が我慢できなかったんだ!」
「そ、そうです長老達に知られたら俺らまで怒られるんだぞ!」
「でも凄く良い匂いがして・・その・・」
「いくらお前が村で一番鼻が聞くと言ってもここにはお菓子も料理もないぞ?一体どんな匂いがしたというんだ」
「ご飯じゃないのです!ハレンはそんな食いしん坊じゃないのです!」
「じゃあ、なんなんだ、俺達は今忙しい」
キオウがそう言うとハレンという少女は目をつぶって鼻をくんくんとやるような仕草をした。
「いい加減にしろ!」
「あ、そうだ!・・・ハレンこの人達はその・・」
とカイユウさんが僕達に気づいて説明をしだした時。
「この方なのです!この方が私の大好きな匂いをしてるお方なのです!!」
ガバっと言う音が聞こえるぐらいに飛びつかれて・・僕に抱きついた。
「な、ななななにをしている!子猫!!」
「この匂いなのですこの匂いなのです!初めて嗅ぐのに凄く引き付けられる匂い!!」
僕は驚いて固まっていた・・。
てか顔をを人の胸にこすり付けないで・・。
「ハレン!!」
「ハ、ハレンお前何を!」
「ヒ、ヒルマさん急に立ってどうしたんですか?」
隣でいきなりヒルマさんが立ち上がっている。
いやな予感がするとてもいやな予感が。
「どうやらこの村の者は私と戦争がしたいらしいな」
やめてぇぇぇぇ!!!僕の心の叫びが響いた。
蒼「はっ!!」
カナじい「どうしたんじゃ急に立ち上がって」
蒼「今頭に獣人って単語が浮かんだ!」
カナじい「それがどうかしたのかのぅ」
蒼「女神として獣人をなんとかしないといけない気がする」
カナじい「獣人に何か危機でも感じ取ったかのぅ?女神として救済はいい事じゃ何かあれば直接干渉しない程度になら助けてもいいぞぃ?」
その蒼のなんとかしなきゃは別の意味だカナじい!(*´・ω・*)