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助けた獣人

すみません!投稿遅れました!


1日1話は守れそうですけど時間は不定期になるかもです!


ごめんなさい!では第3部の2話目お楽しみ下さい!(*´・ω・*)

僕たちは食料調達の為に村に向かう途中に獣人の青年を助けました。


結構な大変でしたけど助ける事もできたので良かったです。

その後にわざわざお礼を言いに危険を犯して僕たちの場所に戻ってきてくれました。


そして水と食料を分けたあげて追われたいた理由が気になり聞きました。

そしてその獣人の青年は勇気を振り絞ってこう言われました。



「ごめんなさい!!人族はどうしても信用できません!!!」



うん!じゃあ仕方ないよね!


「美紅、どうする?」


「え?言えないから別にいいんじゃないですか?」


「軽いな美紅は・・」


「だって言えない事って僕も結構ありますよ?」


「あるのか!?悲しいぞ私は!?」


そこなの!?反応する場所!そこはヒルマさん納得だけしてくれるところです。


「まぁ、僕の事は置いておいて」


横でヒルマさんがショックを受けてますが・・。


「助けてもらった事には感謝してます、でも人族はどうしても・・」


「ん~、別にいいよ?」


「いいんですか・・?」


「うん、今言ったように話させない事なんていっぱいあるしね、カイユウさん達が何故人族を信用できないかは知らないけどそれも別に言えないなら言わなくていいしね」


「気にはならないんですか?」


「え?全然?」


「美紅、私には何でも話してくれれば相談に乗るぞ?」


ヒルマさんその話はあとで・・いやあとでも全部さらけ出すのはちょっと困るけど!違う話をしてますから、あと落ち込んでないで立ち直って下さい!


「ヒルマさんそろそろ行きましょう」


「え?ああ、そうだなもうあいつらの足音は聞こえないしな、注意していけば大丈夫だろう」


「あ、あの~」


「なんだ?まだ何かあるのか?」


「いえ・・その」


「はっきりと言え!」


「貴方達はこれからどこへ行くのですか?」


ん~、どうやらこのカイユウさんは自分の言った事の重要性がわかってないようだ。


「言う義理はないな」


「え?」


「そうですね」


「え?じゃないだろう?カイユウ、お前は私達が人族だから信用できないと言ったな?」


「・・はい」


「ならば言う義理はない」


「・・・・・」


どうやら何を言われているかわからず納得できていないようだ。


「あのねカイユウさん、貴方は僕たちが人族だから信用できないって言いましたよね?それは僕達の事を種族全体で見ていて否定してるだけです、今貴方の目の前にいるのは人族あっても僕達個人です。枠にこだわって個人を見ずに種だけで僕達を否定するカイユウさんに僕達が今度は貴方を信用していく場所を教えると思いますか?」


「その通りだな」


「・・・・・・」


「信用できないと断言された僕達は貴方を信用して何か話すと思いますか?」


「カイユウ、人に何かを求めるときは多少譲歩するべきだとわたしは思う、最初から拒絶した時点で進展を拒否している。お前達に何があったかは知らない。追われて傷ついていたのも気の毒に思う、だが今はそれとこれとは関係ない。私と美紅とカイユウの対等なやり取りだ、それを人族が信用できないという言葉だけでこれからの関係を拒否したお前に私達から出来る事はもうない」


「ごめんなさいカイユウさん、厳しい言い方ですけど僕とヒルマさんは同意見のようなのでこれで失礼します」


「美紅、それで隠し事なんだが・・」


忘れてなかったの!?隠し事って言い方悪いし・・秘密って言ってよ。


「それはまたの機会でお願いします」


「・・わかった」


ヒルマさんを引っ張りながら僕達は林を出て行った。

後ろには落ち込んだカイユウさんがうなだれている。

でもねー、実際助けるだけで精一杯だしねー!

よし!気持ちを切り替えて村に行こう!


僕達は村への道のりを歩き出した。

先ほどの3人組の気配はなく、ヒルマさんも、もしもに備えて耳に集中するというので黙って歩く。


「美紅・・」


「なんでしょう?隠し事ならありませんよ?」


「そ、それも気になるがもっと別の事だ」


「あれですか?」


「ああ、ついてきてるな」


「はい・・何なのでしょう」


後ろを見るとカイユウさんが10メール位離れてついてきてる・・何故だ!!


「ふぅ・・」


「ヒルマさん?」


「おい!お前!」


「は、はい」


「なぜ後をついてくる」


「あの・・その・・」


「はっきりものを言え!」


「さ、先ほどはすみませんでした!」


「はぁ・・美紅・・すまないがこいつをどうにかしたいと思うがいいか?」


「うふふ」


「何を笑っている美紅」


「いやヒルマさんは優しいなと思いまして」


「急に何を!?」


「本当にそう思っただけです、今は僕が抱きつきたいくらいでした」


「なっ!!美紅!!」


・・・いや、そういう気持ちになったから例えで言っただけですよ?

だからその両手を広げていつでも来い的なポーズはやめてくれますか??

完全にカイユウさんが置いてかれてます。


僕は自分の言った事をちょっと後悔して・・ヒルマさんの横を通り過ぎるとカイユウさんに向かって言った。


「カイユウさん、僕達はこの先にある村に向かいます。何か話したいことがあるならそこで聞きますけどついてきますか?」


「聞いてくれるんですか?」


ちょっと涙目でこちらを見て言ってくる。


「いいですよ、その変わりさっきみたいのはなしでお願いします。あれじゃ僕達はなにもしてあげれません」


「申し訳ありませんでした」


「じゃあ、行きましょう」


そして後ろを振り返ると・・。

まだ両手を広げて待っているヒルマさんがいらっしゃいました。

諦めようよーーー!!


そのあと僕が飛び込んでいかないのに痺れをきらしたヒルマさんに抱きつかれたあとに周りを警戒しながら村を見つけることが出来た。


「小さい村だな」


「ですねー」


「村に入る前に布か何かないでしょうか?」


「姿を隠したいのか?」


「出来れば・・」


「これ使って下さい」


僕は旅に出る前に適当に買った物から大きな布を取り出して渡す。


「ありがとうございます」


カイユウさんはそれを頭から巻いて体全体を隠すようにフードのようにして器用に姿を隠していた。

慣れてるのかな?


「人の村みたいですね」


「この辺には人種(ひとしゅ)以外はあまりいるとは聞いたことはないな」


「へー・・え?」


僕はそれを聞いて後ろのカイユウさんを見る。


「な、なんですか?」


「いえ、別に」


この人挙動不審なんだよねー。

それをヒルマさんも気になってたのかこんな事を言う。


「カイユウ、あまりキョロキョロしていると逆に目立つぞ?タダでさえ村に入った時から旅人は目立つんだんだからな」


「す、すみません」


うん、治ってないね。


「どうしましょう?」


「とりあえず宿を探そう、店で話すよりはいいだろう」


「あの、俺お金あんまり持ってないです」


「気にしなくていいですよ、僕が出します」


「何から何まですみません」


「いえいえ」


「美紅。宿に行く前に食料と水を買おう」


「あ!そうですね!丁度あそこにお店もありますし」


「ゆっくり買い物をしたいがいやな予感もするのも確かだ」


「同感です」


僕達は買い物を終えたあと店主に宿の場所を聞くと、小さいがちゃんとあると言うのでそこに向かった。


宿に入ると老年の主人が迎えてくれた。


「いらっしゃいませ、お泊りなら1泊で夕食付で6500カナリになります」


初めてなので相変わらず高いか安いかわからない。

ヒルマさんを見ると小さくうなずいたのでいいらしい。


「わかりました、3名でお願いします。」


「3名で19500カナリになります、お部屋はどうなさいますか?」


「3人別々で・・・」


「美紅と私で1部屋だ!この男はは別で1部屋頼む!食事は部屋でとるので持って来てくれ!」


・・・ヒルマさんに割り込まれて勝手に決定された・・強引すぎでしょ、僕が男ってわかってますよね?


「なんだ?美紅その目は?旅でも一緒に野宿していたんだ、構わないだろう?」


「い~え・・何も言ってませんけど・・」


一緒に野宿はしていたけどちゃんと離れて寝てましたよね?

朝起きたら隣にいたことはあったことがありましたけどね!注意したよ?


「これがカイユウの鍵だ、ひとまず落ち着いたら私達の部屋に来てほしいそこで話を聞こう」


「は、はい」


「さあ美紅!部屋に行くぞ!」


なぜテンションが高い・・。


部屋は大きさは6畳ほどだがベッドは2つあった。

良かった!本当に良かった!


「ちっ!」


え?今後ろで何か聞こえたよ?次に続く言葉「メスか!」じゃないよね?

ヒルマさん・・理由は突っ込みませんけど舌打ちはしばらく勘弁して下さい、あの町を思い出すので!


「ヒルマさんどう思います?」


「カイユウの事だな?」


「です」


「正直わからないの一言だな、別種族を嫌ってる種族なんて腐るほどいる。あいつは私達を拒絶したのについてこようとした、何か理由がありそうだがまず追われ方が尋常じゃなかった」


「ですよね~、僕もこっちに来たばかりでわかりませんけど、さすがに初対面であそこまで拒絶されるとへこみますねー」


「私は美紅を始めて見た時は拒絶どころか別れてまた会える事を神に祈ったほどだぞ?」


聞いてません、そして願いが叶ってるじゃないですか・・?カナギウス様、貴方の仕業ですか?まぁ・・会えて良かったけど・・。


「僕もヒルマさんには会えて良かったですよ」


言った瞬間抱きついてこようとしたので手を前に出してストップをかける。


「・・それよりも獣人には美紅の可愛さは通じないのか?カイユウは男だろ、普通なら飛びつくはずだ」


「・・あの僕も男なんですが?」


獣人の人の感性はわからないけど全ての人が飛びつくと思わないでね・・。


「可愛さに性別は関係ない!!」


やだ・・カッコイイ!でもこの可愛さは蒼のなんだよね~!


トントン・・ノックの音がした。


「どうぞ~」


許可をだすとカイユウさんが扉を開けて入ってくる。


「好きな場所に座って下さい」


「はい」


何故床に座る、しかも正座・・やましい事でもあるの?

まぁ、そこが好きな場所なら何も言うまい。


「あの!先ほどは本当にすいませんでした!助けていただいたのに何もそちらの事を考えずな失礼な発言でした」


「その事はもう忘れていいですよ」


「ああ、別にもう気にしていない」


「あ、ありがとうございます。あんな失礼な事言ったのに宿代まで出していただいて・・」


「いいですってば!それより僕達について来たって事は何かあるんですよね?」


「美紅が可愛くてついて来たと言うなら私を倒していけ!」


ヒルマさん黙っててもらえますか?なんでこの人真面目な時とそうじゃない時のギャップがこんなに激しいの?そして貴方は僕の保護者ですか・・。


「い、いえ!み、美紅さんとお呼びすればいいですか?美紅さんは可愛いと思いますけど違います!別の理由です」


「美紅でいいですよ、こちらはヒルマさんです、あと僕が可愛いかどうかはヒルマさんの戯言なのでスルーでお願いします」


「良かったな美紅!美紅の可愛さは獣人にも通用するぞ!さすがだ!」


ヒルマさんスルーでお願いしますの中に貴方も入ってるので蒸し返さないでね?


「話を戻しますけど理由ってのはなんですか?」


「・・・聞きたいことがあるんです」


「はぁ??僕はあんまり答えられないかもしれませんが、ヒルマさんは物知りなのでわかるかもしれないのでどうぞ?」


「ま、また失礼な事を言うかもしれませんが教えて下さい、貴方達人族は女神様が交代してから何かお告げを受けたんですか?」


「え??」


「何を言ってるんだ?」


「え・・あの・・」


いきなり何を言い出すんだろう、女神が交代してから?つまり蒼ちゃんって事だよね?何かお告げしたのかな?・・してそうだけど。


「カイユウ、まず要点を言え、いきなり女神様が交代と言われてもわけがわからない。さっきも言ったが人から聞きたいことがあるなら、そちらも譲歩しないと教えてもらえないことが多いぞ?まずなぜそのような事を聞くかを言わなければその問いには私達も答えられないぞ?」


ヒルマさんずっとその真面目な状態でいて下さい、凄く頼もしいです。


「・・・ごめんなさい」


「もう謝るのはいい!先を続けろ!」


「は、はい!実は・・僕達の村を襲おうとしてる人族がいまして・・」


「襲おうをしている?襲われたわけではないんだな?」


「はい、俺は村では配達、足が速いんで部族や他の種族の交流のために荷物を手紙などを町や村に届ける仕事してます」


「へー凄いですね、確かに馬と互角でしたもんね」


「ありがとうございます」


「で?何故そこで襲われると?」


「俺いつも通り仕事をしてたんです、ドワーフの工房に素材を届けたり、俺たちと同じ獣人の別の村に手紙を届けたりしてたんです。でもたまに人の村に近くのダンジョンで取れた魔物の素材を売ってきて欲しいって頼まれるんです」


「ふむふむ」


「それで人の村に素材を売って金にして帰る途中でした、さっきの3人の人族が声をかけてきたました」


「なんて言われたんだ?」


「最初は売った金目的かと思いました、でも違ったんです!俺の村まで案内しろ!金はやるからって!俺はもちろん断りました、そうしたらそいつら俺を捕まえようとして・・なんでこんな事するんだ!って言ったら・・」


「「言ったら?」」


「『女神様がお前らの村にある者を手に入れて来いってお告げを言われたのさ!だから俺たちがその尊いお言葉に従ってお前らの村に行くためだよ、さっさと案内しな獣』って言われました」


「・・・なにそれ?」


「・・・なんだそれは?」


「め、女神様が最近交代したことは田舎者の俺でも知ってます!だからそんなお告げが本当にあったか知りたいんです!」


「・・・ヒルマさんどうぞ」


「あるわけないだろ!!」


「えええぇぇ!?じゃあ、なんであの人たちはあんな事を!!」


なぜそれを信じれる!蒼ちゃんがそんな事言うはずないでしょ!どこのどいつだそんなふざけた事言ったのは!!

まぁ、カイユウさんは純粋なだけかもしれないけどね。


「カイユウさん良く考えて下さい、本当に女神のお告げならたぶん聖堂の人が動くと思うんですけど。ねえ、ヒルマさん」


「その通りだな、あんなならず者か冒険者かわからない3人組に依頼をを出すのはありえない、たしかに強い冒険者が聖堂の依頼を受ける事案はある、だがあれはない!ちょっと考えればわかることだぞ?」


「そ、そんな・・じゃあなんで・・」


「ちょっといいですか?獣人族は女神を信仰してないんですか?」


「え!?してますよ!少なくとも私達の部族は信じてます!全てを御作りになりなった女神様ですよ!?信じてますとも!」


「え?じゃあ、なんで女神様を疑ったんですか?」


「・・・それは私の村は先ほども言ったように他の場所とも交流自体難しいような場所にありまして、聖堂もなくとてもじゃないですけど情報が頻繁に入るような環境じゃありません、でもさすがに女神様交代ぐらいは知ってましたので・・」


「なるほど~」


「あ・・もしかして美紅さんやヒルマさんは女神様の信望者でしたか!?すみません俺も信じてるんで女神様を疑るような失礼な発言したんなら謝ります!」


「僕は女神信望者じゃないですよ?」


蒼信者なので女神まったく関係ないです。


「私も別に気にしてないので謝らなくていいぞ?」


ヒルマさんは大きな声で言えない女神の上にいるかも知れない神様信者だしね。つまりカナギウス様信者。


「よ、よかったです。でもそれじゃあ、なんであの人たちは俺の村を探してたんでしょう」


「いやカイユウさんそれは僕達が聞きたいことですから!」


「何かないのか?金目のものがあるとか」


「・・・・ないと思います」


「あるんですね?」


「あるんだな?」


「な、なんで疑うんですか!?」


この人嘘つけない人なのかな?完全に目を逸らして言われたらバレバレなんだよね。


「でも、相手の目的はわかりませんけど、カイユウさんが捕まらない時点で村の場所はわからないんですよね?ならあとは見つからずに帰れば解決じゃないですか」


「そうだな、あとはこの事をお前が村に帰ってから伝えれば何かしらの対策を村で考えればいいだけだろ」


「そうですけど・・」


まだ何か心配事ありそうなんだけど、この人まだ全部話してない感じするのでこれ以上言えないんだよね。


「あ!ところでカイユウさん!」


「なんですか?」


「話がそれちゃって悪いんですけど、カイユウさんって何の獣人ですか?耳を見るとなんか犬っぽいんですけど足も速すぎるし違うかなって思っちゃったんですけど教えてもらっていいですか?」


初獣人だし好奇心には勝てない!


「確かにな、私も獣人は何度も見たことはあるが、カイユウは犬の獣人とは違う感じがする。なにより今は汚れてはいるが白い毛並はたぶん洗えば相当立派になる感じがする」


「・・・・・・・・」


「え!?それも言えないの!?」


「何故だ?別になんの獣人かぐらい隠すことじゃないだろ?たしか獣人は部族によって掟が違うと聞いてはいるが何の獣人か言えない部族は聞いたことないぞ?もしかして私が聞いたことないだけでカイユウはそういう部族なのか?」


「・・・・犬です」


「嘘ですね「だな」」


「な、なんでですか!?」


いやわかるから!!


「別に教えれないなら素直に教えれませんでいいのに嘘つくからですよ」


「美紅の言うとおりだ、嘘をついて誤魔化してもバレた時に関係が悪化するだけだぞ?」


「すみません!種族に関わることなので言えません!!」


「最初からそう言ってくれれば・・」


「つけない嘘はつくものじゃないな」


トントンと扉を叩く音がした。

扉を開けると従業員のおばさんがいた、この宿の奥さんかな?

夕食を運んできたらしいのだけど、先に行ったシュッツさんの部屋に返事がなかったのでこっちに来たらしい。

僕達は3人ここで食べると言って食べながら話を続けた。


「あの、お二人は何をしている方なのですか?」


僕とヒルマさんは顔を見合わせた、そして・・。


「「旅人です「だな」」


「はあ、なるほど」


「私達は本当に旅人だぞ?別に目的があるわけではないが色々な場所を見て回っているだけだ」


「僕もそんな感じです」


「女性の二人旅ですか、危険じゃないんですか?」


「いや!僕はお・・」


「美紅は私が守るので危険はない!!!」


最後まで言わせてヒルマさん!あの町をでてスラビーさんルートが消えた今女のフリする必要なくなったんだから!


「それにカイユウ忘れてないか?お前は私達に助けられたんだぞ?私達は自分の身は自分で守れる程度の強さは持っているつもりだ」


「・・そうでした、その節はありがとうございます」


バタっ!いきなりカイユウさんが立ち上がった!


「どうした?足でも痺れたか?」


「ち、ち、違います」


「カイユウさん何焦ってるかわかりませんけど落ち着いて下さい」


「あ、あの、来ました!」


「来ました??」


「美紅、たぶんあの3人の事だ、馬の足音が聞こえた」


「そうです、そうです!あの3人です!」


「ヒルマさんが言うなら間違いないですけど、なんでカイユウさんわかったんですか?」


「に、臭いです!俺鼻は物凄くいいんです」


「あ~なるほど」


だから最初会った時も僕達の場所がわかって見えないはずの林の茂みに来れたのか。


「でも、ここになら見つかりませんし平気ですよ」


「確かにな、ここに来る可能性もあったのは確かだ、恐らくカイユウ、お前を探し回ったあとに夜になったのでここに来たというところだろう」


「じゃあ危険じゃないですか!村人に聞いて宿にどんな奴が泊まっているとか聞けますし!」


「そう言われればそうですね」


「その可能性もあるな」


「なんでそんな冷静なんですか!」


「だって狙われてるのカイユウさんですし」


「私達は関係ないしな」


「そんな薄情な!」


たしかに薄情だけど、ヒルマさんはたぶん普通に冷静だけど僕は本当に他人事だと思うことで冷静でいるのだとは言えない。


「落ち着いて下さい、カイユウさん布被ってたんですよ?聞くなら獣人がここに来たか?とか怪しい奴が来たか?でしょ?平気ですよ」


「布被ってる時点で怪しいじゃないですか!」


「ですね!」


「美紅のは冗談にしても連中も疲れているはずだ、ここの宿に来るかもしれないが恐らくまだだろう、手はある」


「ど、どんな手ですか?」


「まずカイユウお前は私より奴らの位置がわかるな?」


「はい、こっちには向かわずに少し遠ざかっていった場所にいます」


「この時間ならご飯ですかね~」


「おそらくな、なら時間はある。今すぐ宿の店主に言って3人部屋に変えよう、多少金を握らせておけ!できれば自分たちの事は言うなと釘を刺しておいたほうがいいな、連中がもし泊まってる私達を怪しく思ってこの部屋に来たとしても私か美紅で対応すればいい話だ、お前は部屋の中にいればいい」


さすがヒルマさん本当に頼りになります!一緒でよかった!


「いいんですか?お二人とも女性じゃ・・」


「布で敷居を作れば問題ないな、別にやましい気持ちはないだろう?私と美紅が一緒に寝ている場所に入ってきたらたぶん手加減できないぞ?」


「あ、ありませんよ!でもありがとうございます」


いや、まずおかしいよねヒルマさん?僕と一緒に寝る予定ないよね?それってヒルマさんがやましい気持ちでいっぱいですよね?手加減しなくていいですか?


「じゃあ、僕が行ってきますよ、カイユウさん行くと何かあった時困りますし、あと布を貸して下さい。被っていくので」


「なぜですか?」


「そんなの決まっているだろ?美紅も布を被ればここの店主に覚えられるからだ、店主がもし3人に布を被った怪しい奴と口を漏らしても美紅が被って出て行けば既成事実を作れる、3人組が来たときに布を被った奴を出せと言われても美紅が出ればいい。実際に被って行くのだしな」


「な、なるほどお二人とも凄いですね」


「褒めるてくれるのは嬉しいですけど早めに行動しましょう、とりあえず行ってきます」


僕は布を被って受付に行き部屋を変えて欲しい、あと僕達の事は出来るだけ言わないで欲しいと伝えて部屋を変える代金をちょっと大目に払って戻っていった。


「これで一応は大丈夫ですね」


「ああ、だた万が一があるからな、カイユウお前は足が速い、時間ぐらい稼いでやるから今日はいつでも逃げれる格好で寝ることだな」


「うう、、うおーーん!!」


「「ええ・・」」


なんか泣き出したし、結構良い事してるはずだし嬉し涙でいいんだよね?これ・・。


「す、すいません、ほ、本当に何から何までこ、こんな怪しい俺のために・・」


「確かに怪しいですね」


「怪しいな」


「そ、そこは否定してもらえると・・いや怪しいですけど」


だってまだ何か隠してる感あるしねー。


「お、俺はこんないい人族の人達なのに・・最初になんて失礼な事を・・」


「いや、もうそれいいですから!」


「ああ、さすがにしつこいぞ」


「ずいまぜん」


こんなに泣いてたら何事かと宿屋の人が来てもおかしくないし泣き止んでね!


「カイユウさんがこれからは種族じゃなくてその人個人を見て判断するようになってくれれば僕達は嬉しいですし気にしないで下さい」


「美紅の言うとおりだ、いい加減泣くのをやめろ」


「ぞ、ぞうします」


そうしてしばらくしてカイユウさんは泣き止んでこう言った。


「お二人には俺が何の獣人か言います」


「え?いいですよ、別に!言っちゃいけないことなんでしょ?」


「私も言えない事は誰にでもあるので別に言わなくてもいいんだぞ?」


あれ?ヒルマさんさっき私が秘密があるって言った時すごく追及しましたよね?言ってる事違いませんか・・?


「いえ、言わせて下さい!それぐらいさせて下さい!」


「まぁ別に止めませんけど・・」


「それで気が済むなら言うといい」


「はい、俺は白狼の獣人なんです」


「白い狼??それがなんで言えなかったんですか?」


「・・・いや、美紅白狼なと聞いた事はない、確かに珍しい。カイユウお前は希少種か何かか?」


「・・・いえ、希少ですけど希少種じゃないです」


「希少種ってなんですか?」


「そうか美紅は知らないのか?獣人にも種類は色々いる、もちろん珍しい種類もな、その中には数も少なくなって滅多に見なくなった種類の獣人がいるんだ。実際私もカイユウのような見事な毛並みの獣人は始めて見たしな」


「お、おれは村じじゃ、色だけであんまり姿は目立たないほうです、確かに白狼なんて滅多にいません。実際俺の家族以外見たことないですし、でも俺の姿なら白いのがちょっと目立つだけで犬の獣人って言っても美紅さんがそう思ったように信じてくれる人たちが多いんで村を出る配達の仕事部分もあるんです、も、もちろん一番は足の速さですよ?」


足の速さには誇りを持ってるのね、たしかにわかる気がする。


「すみません、よく話が見えてこないです。カイユウさんの村って何なんですか?」


「私もだ、お前の話を聞いているとお前も珍しいが村のほうが特別と聞こえるのだが?」


「・・・俺の村は普通に獣人の村と吹聴してます、でも本当の名前はこうです」


「え?名前がほかにもあるの?」


「なんて言うんだ?」


オストピア兄弟都市建設予定地じゃありませんように!!!







                    「   幻獣村   」




蒼「カナじい、例の女見つかりそう?」


カナじい「だ、誰の事かのぅ?」


蒼「本当にわからないならいいよ」


カナじい「す、すまんかった!まだじゃ全然反応がない!」


蒼「まったく、まだ立ち直ってないとか」


カナじい「思い出の品を捨てようか迷っていてのぅ」


蒼「あるんだ・・思い出の品・・」


迷うよね!(*´・ω・*)

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