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第3部スタートです


特に言う事ないかも、書いていて楽しい位かな(*´・ω・*)

天気は晴天、雲ひとつない空、周りには見たことないが綺麗な草木が生えている。

言うなればピクニック日和って感じかな!

そして目の前には大きな熊が一匹・・。


「ギャオオオォォォ」


っと断末魔をあげてドスーンと倒れる。


「ヒルマさん!?魔物ってダンジョンにしかいないんじゃないんですか!?」


「勘違いするな美紅これは魔物じゃない普通の獣だ」


「・・違いがわからないですよ」


「うーん、魔物の肉は食べれないのが多いが獣の肉は食べれるのが多い?」


「やっぱりわかりません」


怖いのには変わらない。


「魔物は多少なりとも魔力を宿している、獣は宿していない、たしかに区別は難しいなだが強さが段違いだ」


うーん、前のダンジョンでも簡単にヒルマさんとスラビーさんが倒してたので強さの判別が出来ないんですよ、自分で戦えばできるかもだけど・・いや・・まだ無理!


「美紅なら勝てるだろう?美紅のギフトも何回かアレから試したのだし」


「そうですけど・・結構難しかったんですよ成功させるの」


「み、美紅がわ、私から消えた時はど、どうしようかと・・」


「ちょっとヒルマさんまたですか!泣かないでくださいって!」


アレから僕はギフトを練習している。

もちろん練習台はヒルマさんにしてもらったのだけれど、発動条件が相手から『興味をなくす』なので比較的に好きなヒルマさんから興味をなくすのは難しくなかなか成功しなかった。


それでも苦労の末成功したらしたで、ヒルマさんは突然いなくなった僕を探して暫くしたら泣き出して大変だった。事前に説明したのに・・それからと言うもの僕が消えたのがトラウマになったらしく思い出すと泣き出すという始末です。


「す、すまない、えっぐ・・でもあれは・・お、驚くぞ、ひっく、いきなりいなくなるんだもん」


「説明したじゃないですか~、認識できないし触れないだけでそばにはいるって」


「そこが一番の問題なんだ!!!」


僕のギフトを全否定されたよ。


「とにかく今度私に対して使う時は必ず言ってくれ!大体なんだその発動条件は!興味を無くす?つまり美紅が見えないときは美紅は私に興味がないって事じゃないか!酷すぎる!」


ええぇぇ、だってそういう能力だし~、別に本当に興味がないわけじゃ・・いや使うとき意識的になくしてるけど・・嫌いってわけじゃないし、そもそも苦情言われても困るんですけど。


「言いたい事はわかりますけど、これが僕に与えられた力なんですからどうしようもないんですって、心配しなくてもヒルマさんは好きですし安心して下さい」


「美紅好きという所をもう一度言ってくれ!」


「はぁ?ヒルマさんにはお世話になってますし好きですよ?」


「・・・好きだけいいのに」


「そ、そろそろご飯にしましょう!ここ見晴らしいいですし!」


「・・ああ」


ここ最近わかった事はヒルマさんって感情の起伏が激しいんだよね。


「美紅、ご飯を食べ終わったら剣の稽古の続きをするぞ」


「はーい」


「美紅はあんまり争い事には向かないと思っていたのだがそうでもなかったな」


「そうですか?一応僕のいた場所は平和でしたけどね、でもこっち来る時点で覚悟はしていましたし」


「そうか、でも美紅のギフトを使えば暗殺し放題じゃないのか?」


「物騒な事を・・でもまだ複数に使えるのかとと全然試してないんですよ」


「それが出来れば他にも諜報活動や工作活動にも使える、姿が見えない敵ほど怖いものもない」


確かに!色んな場所に忍び込んで覗け・・なんていいギフトだ!


「覗きなんてしませんよ?」


「???何をいきなり言ってるんだ?美紅」


「いえ、自制心を保つために口に出してみただけです」


「ところでヒルマさんってお肉食べれるんですね?」


「なぜだ?好き嫌いはないつもりだが?」


「エルフの人ってお肉を食べないイメージがったので」


「なるほど、それはエルフでダークエルフは関係ないと思う、少なくとも私は違う。そもそも私は自分以外のダークエルフは母以外会った事はないしな」


「え?なんかすみません」


「気にすることはない、前にも言ったが数自体少ない、絶滅危惧種というのは事実だ」


人の事をあまり追求するのは良くないと学びました。

この気まずい空気から。


「さあ、美紅木刀を取って稽古だ、でもそろそろ真剣でも試してみたいな、美紅の剣もダンジョン石さえ外せば切れ味は普通のはずだしな」


「はい、よろしくおねがいします」


僕とヒルマさんはお互い剣と取り向かいあって使い方を教えてもらっていた。

ヒルマさんの教えは実戦的らしく主にヒルマさん相手に戦って教える方法をとっている。


「基礎の素振りなど一人で出来る、私に構えなどない!構えなど自分が一番出しやすいと思う姿勢を追及していけばいいのだ。そんなことより経験だ、実戦を想定しないと稽古など意味がない」


との教えで僕は基本ヒルマさんの剣を受けている。


「何度も言うが剣先など見るな、私の体の動き、腕の動き、足の運びを見ろ!攻撃はそこから始まる」


「は、はい」


「美紅、お前は動体視力はかなりいい、運動神経もいいようだがそれが合わさっていない。その二つが合わないと剣は意味はない」


「わ、わかりました」


ドゴッっという木刀のぶつかる音が何度も聞こえる。っていうか防戦一方だよ!


「あ・・痛たた」


僕はヒルマさんの手数に対応できず耐性を崩して転んでしまった。

ヒルマさんは剣の稽古の時はとても真剣に厳しく教えてくれる。


「大丈夫か美紅!怪我はないか!血とか出ていないか!すまないやりすぎたかもしれない」


前言撤回、すごく甘い!こういう場合は特に・・。


「だ、大丈夫ですよ!ちょっと転んだだけですから」


「本当か!無理はしてないか!」


強くなろうとしてるのに凄い守られてる感じがする、情けないかも。


「ヒルマさん」


「なんだ!?やっぱりどこか痛いのか!?」


「違います、何か向こうで音がします」


「・・・何かが爆発する音だな」


「わかるんですか?」


「ああ、動揺していて美紅に先に気づかれてしまったが集中すればどんな音かはわかる。この耳はだてじゃない」


さすがエルフ耳!偉大で素敵なお耳!そして動揺させるような失敗をしてごめんなさい。


「爆発って物騒ですね」


「結構離れた場所からだがここまで響く時点でかなりの物だ、何かあるかもしれない、美紅今日はここで終わりだ、荷物をまとめて移動する」


「わかりました」


オストピアを出発してから10日程急ぐたびでもないのでゆっくり色んな事をしながら旅をしていたけど、何もなく平和だった。

そこに爆音だもんね、そりゃ焦るよ。


「ヒルマさんこの世界で爆発ってどんな状況があるんですか?」


「ん?すまないが文化の違いもある、発展した街では色んな武器もあるから断定はできないが可能性が一番大きいのが魔法と魔道具だ、爆発系だと火の系統の魔法士か魔道具使いだな」


「こんな場所で使うって事は戦闘ですかねぇ」


「わからないが関わりたくはないな、美紅前に言ったことは覚えていてくれるな?」


「はい、ヒルマさんの鎧の中身の事は秘密、僕が『風』と言うことはむやみに言わない、ですよね?」


「そうだ、どっちも知られても良いことはない」


僕は『風』という珍しい存在なので知られれば面倒になるかもしれない。ヒルマさんはヒルマさんでダークエルフはエルフより珍しい存在、しかも残念な事に魔物側だと思われているらしくこの世界では偏見から忌み嫌われてるらしいとか、馬鹿なことだと思う。こんなに綺麗なのに。


「お互い苦労しますね、でも立場は一緒みたいな感じですね」


「う、うん、一緒だな美紅と一緒だ」


なぜそこで顔を赤くして嬉しがる・・確実に僕たちが困る話なんですけど・・。

よし!ここで我が願望を・・。


「ヒルマさんちょっとだけ耳を・・」


「美紅!走るぞ!」


「ふぇっ?」


何故か慌てたようにヒルマさんは僕の手を引っ張ると走るように言う。


「あそこに林が見えるな!あそこなら身を隠せるはずだ、あそこまで走れ!」


「あの~何がどうなって~!」


僕は全力で走りながら理由をヒルマさんに問う。


「先ほどの爆音を聞いた方向から何かが近づいてくる音がした、恐らく馬の足音だ」


「馬ですか!?」


「ああ、数は4つだがそのうち3つは馬だ、1つはわからないが馬ではない、ただその1つも恐らく4足歩行だ!獣かもしれない」


「刈りか何かですかね?」


「見ないことにはわからないが、爆音まで響かせる刈りなら相当な大物だぞ」


「確かに!はぁはぁ」


「よし!ここなら大丈夫だろう、関わるのも困る!やり過ごすぞ」


「は、はい」


僕達は目的の林に入ると姿が隠せるような茂みにしゃがみ込んだ。


「見えたぞ、美紅」


「おー、本当に馬が3頭ですね、さすがヒルマさんです」


「そ、そんなに褒めるな、ん?あれは獣人か?」


「ど、どこです!?」


「追われているがあの4足歩行で馬に追いつかれないのは獣人の証だ」


「へー、凄いですね獣人って」


その時獣人の走る先の前方で爆発が起きた、あの音と一緒だ。


「うわ~、音の正体あれだったんですね」


「やはり火系の魔法だな、あの馬に乗ってる3人の中に魔法士が混ざっている」


「でも当てる気はなさそうって威嚇ですかね?」


「たぶんな、あれが当たれば軽傷ではすまない、殺すならもっと別の方法をとっているだろう」


「殺・・えっと、どうしましょう」


「ここで出て行ったら敵と思われて攻撃されるな、たぶん」


「ですよね~」


「ここはやり過ごすのが正解だとわたしは思う、あれが何かは知らないがむやみに首を突っ込むのは違うと思うしな」


「同感です」


3対1で追いかけっこしてるのは気になるけど下手に手を出して、さらに状況が悪くなったりしたら困るしね。

なによりあれがなにかわからないし。


「そろそろ目の前を通るぞ美紅、声を抑えよう」


「はい」


獣人と馬に乗った3人が僕たちの林の前を通る、よく見ようと僕は見つからない程度に隠れていた茂みから少し顔を出してそれを見た。


え?よく見ようとした時必死に追われているはずの獣人がこっちを見た。

気のせいかな?この状況で気づくなんてありえないし。


「行ったな、ん?美紅どうしたんだ?」


「えっと、大丈夫です、なんでもないです」


「そうか?それよりもやはり獣人だったな、あのスピードは凄いな」


「確かに、初めて見ました獣人」


「機会があれば獣人の国に行ってみるといい、ただ人はちょっと暮らしにくいがな」


「やっぱり種族の違いでいさかいでもあるんですか?」


「ああ、私も言った事はないがそう聞くな」


機会があったら行ってみよう、獣耳天国へ!

そ・れ・よ・り・も!そろそろ目の前の耳を触らなくては・・・。

実は勇気がなくて触っていいですか?って言えてない!だって恥ずかしいからね!


「ヒルマさん、それよりもどうしましょう」


「何がだ?」


「耳・・じゃなくてさっきの人たちが行った方向って村の方向ですよ?」


「そのことか、確かにそうだがここで水と食料を調達しない事にはあとで困るからな」


「ですよねー」


実は他にも町というか建設中の町を通ってきたのだがその町は僕とヒルマさんは息ピッタリにスルー!という結論をだした。


町の入り口にあった看板がおぞましかったからだ。

『オストピア姉妹都市建設中』

壊せこんな町!っとまでは思わなかったよ?ほんとだよ?

でもこんな会話があったのは確かです。


『美紅、私はここに入りたくない』


『奇遇ですね、僕もです』


『『 無視で!!!!』』


と言うわけだ、ヒルマさん曰く『女ならあの町に関わるものはスルーが常識』だそうです。同感です!!


というわけで次の村で食料と水の調達は必須なのです。


「とりあえず進みましょうか」


「そうだな、進まないことには意味がない」


そうして僕たちは考えるのがめんどくさいので先へ進んだ。



「美紅、あれを見えるか?」


「はい、見えてます、ヒルマさんやっぱり遠回りしません?」


「美紅、もう遅いと思うぞ?」


「デスヨネー」


先ほどの3人が馬から降りていた。

そして手に何かを掴んでいる。


「やっと捕まえた」


「依頼完了だな」


獣人の髪の毛を引っ張る感じで掴んでおり、獣人は苦痛に顔を歪ませている。


「離して・・」


「お・・喋ったぞ?」


「鳴き声だろ?」


「ガオーってか?アハハハハ」


3人は顔を見合わせで笑い出した。

そして馬に向かって獣人を引きずりだした。

恐らくどこかに連れて行くつもりだろう。


「ヒルマさん、僕もしああいうの自分がやられた場合は何も感じなかったですけど、他人がやられてるのをみるのは嫌いみたいです」


「み、美紅があんな事をされてたら私はたぶんあの3人をミンチにするぞ!?」


「いや、例えですよ・・真顔に答えないで下さい」


「いや!やる!」


「そうですか・・気持ちは嬉しいです。それでどうします?」


「見ていて気持ちのいい物じゃないのは確かだ」


「あれの事情はまったくわかりませんけど、なんとかしたいんですけどその前に確認しておきたいんです」


「なんだ?」


「失礼ですけどヒルマさんは獣人に遺恨とかそういった意識あります?」


「ないな、私自身差別されてきた種族だ、自分がやられる痛みを知っているし、それを他種族にやるのは違うと思う」


ちょっと涙が出そうになるセリフだ、こんな良い人を種族だけで差別する人達がいることが嫌だな。


「ヒルマさんって優しいですよね」


「そ、そんな事はないと思うぞ?」


「謙遜しなくていいですよ?」


「み、美紅が言うならそうしておく」


「はい、で?あの、じゃあ何とかする方向でいいですか?そろそろ行動に移さないと」


「ああ、だがあまり派手にやるとこちらまで危険だぞ?」


「そうですね、ヒルマさん魔法お願いしていいですか?出来れば一番遠距離から攻撃できる奴を」


「できるが美紅はどうするんだ?」


「僕はあの獣人の人を助けますのでヒルマさんはあの3人の動きを止めれる様な魔法があればお願いします」


「なんとかしてみよう」


「できればヒルマさんも見つからないのがベストなんですけど」


「難しい注文だな」


「それが出来ればこっちへの被害は最小限ですむんですけど」


「わかったあの茂みに隠れてやってみよう」


「では僕は獣人の人を確保しますのでお願いします」



3人と馬に向かって僕は走った。

走る途中に意識的に3人から興味を無くす。

頭の中で『ロスト』と念じる。

僕はこのギフトをそう名づけた。


ヒルマさんには僕が獣人の人を確保すると言ったがコレは賭けだ。

僕は複数に対してこのギフトを試した事はない。

いくら背後から近づいているといっても、もう向こうの3人が僕に気づくなら近づいてる時点でこっちを向くはずだ。


20メートル・・・僕は走るのをやめて歩き出す。

もう気配を感じていつこっちを振り向いてもおかしくない距離だ。


僕のギフトは僕に関する物全てを失う。

足音もだ。

誰も僕に気づく事はないはずだ。


僕の存在を感じることができるのは遠くで見ているヒルマさん。そして今縄で縛られて座らされている獣人の人だけなはず・・。


僕は短剣を取り出して3人の目の前を通り過ぎた。

この時点で作戦の半分は成功だ。

問題はここから・・。


僕は獣人の人に近づく、どうやら男性?みたいだ。

しゃがんで獣人に目を合わせた。

目を見開いて驚き口を開けたので僕は手でその口を塞いで声を出そうとするのを止める。


そしていつかヒルマさんにやったと同じに口に人差し指を当て静かにするようにジェスチャーで伝える。

獣人は驚いて怯えていたが僕の剣を見てビクッとしてうなずく。

斬ると思われたかも・・と思ったけど誤解は仕方ない。

そして僕は獣人の後ろに移動すると縄を斬る。


獣人はいきなりの事で不思議に思っているようだ。

僕は獣人の前に移動するとヒルマさんが隠れている方向とは逆に逃げるように指を指す。


すぐに走り出そうとする獣人の手を掴み首を振る。

いつ気づかれてもおかしくない・・だがやることがある。

僕は素早く小さな皮袋からダンジョン石のクズ石を取り出した。


それを3粒ほど手に持って3頭並んでいる馬の後ろに移動。

『馬さんゴメンなさい』と思いながら尻尾の中にそれを巻き込ませる。

暫くするとヒッヒーンを3頭分の馬の悲鳴!本当にゴメンなさーーい!


馬の尻尾に火がつき暴れ出す。

それに気づいた3人は何事かと思ってついにこちらを向いた。


その瞬間僕は手を振り『走れ!』と合図を送った。

怪我をしているのか先ほどよりも遅いが十分な速さで逃げる獣人。


「おい!!お前ら!」


「あ・・なんだ?馬の尻尾が燃えてやがる!」


「抑えろ!消すぞ!誰かいるのか!?こんな事ありえねーだろ?」


「違う!それどころじゃねーあの獣が逃げやがった!」


「はぁ!?コレあいつがやったのか?魔法か?ダンジョン石か!?」


「んなもん持ってないことは確認しただろーが!」


「んじゃなんだよ!?勝手に火がついたってのか!?」


「知るか馬鹿!お前の魔法が暴発したんじゃねえのか?」


「ふざけるな!俺の魔法は爆系だ!ピンポイントに尻尾だけ火なんか着けたら馬ごと燃えるぞ!」


「テメーら!いい加減にしろ!言い争ってる場合じゃねーだろ!俺が火を消す!お前らは追え!あいつは怪我をしてる、お前の爆撃で足止めしろ!こうなったら足の1本2本ふっ飛ばしてもかまわん!」


「へっ!怒られてもしらねーぞ?」


「逃げられるよりマシだ!馬がこうなっちゃこのままじゃ見失っちまう!」


「おい!急げ!あの獣怪我しててもはえーぞ!」


「心配するな、さっきは当てずにやってたからストレスが溜まってたか今度は当ててもいいんだ、標的があれば当てやすいってもんだ」


まずいな~、結構離れてるのに自信がありそうだ・・斬っておくしかないのかな~。

僕は目的達したし逃げようと思っていたけどそんな物騒な事を追いかけようとしてる2名の後ろで考えていた。


その時。


小さいが雷の一筋空から落ちてきた。


バリバリィと言う響く音が先に届き2人の前に落ちる。

落ちた部分には煙が上がり、黒く焦げている。

ヒルマさんだ!って足止めしてって言ったけどこれは第3者がいるってバレるでしょ!


あ~もう仕方ない!逃げよう!ヒルマさんのところまで逃げるしかない!

その前に!


僕は馬を落ち着かせている人の前に行くと近くに合った尖った石を拾って・・。

馬のお尻に刺した・・。

馬さん本当にゴメンなさい!いつか会ったらなんでもしますから!


「なんだ!今度は何がありやがった!」


ヒッヒーンと再度暴れる馬達、馬はパニックになり雷に驚いていた2人の方向に走って行きさらにパニックに、この隙に僕はヒルマさんのところに走って行きその場を華麗に離脱した。




「ふぅ、うまくいきましたね」


「美紅凄いぞ!」


「うわ・・あのぉ」


凄い喜んで抱きつかれた。

僕も男なので嬉しいんですけどやりすぎはよくないと思います。


「ヒルマさんちょっと落ち着いて下さい!あんまり騒ぐ聞こえちゃうかも!」


「す、すまない・・あんまりにも凄くて」


「はぁ」


「しかし美紅のギフトは凄い、私には普通に3人の前を歩いて怪しい行動をしているのにあの3人はまったく気づいていないしな」


「はたから見るとそうなんですか?僕の場合は見えてないことはわかるんですけど、まだ使い始めて間もないのでドキドキですよ、もしかしたら気づかれるかもしれないって」


「だが今回はたぶん気づかれていないぞ?」


「いや・・雷で協力者がいるってバレたかと・・」


「し、仕方ないだろ!私の一番の遠距離魔法はあれしかない!弱いものなら気絶させれるし!だがある程度実力のあるものも当たれば動きも止めれるしな」


「ゴメンなさい、責めているんじゃありませんよ?ヒルマさんのお陰で獣人の人も逃げれましたし、って落ち込まないで下さいよ」


また僕はこの人を慰めるのか・・。


「ほら!結果オラーイですから!僕たち2人のお陰成功したんですから!」


「そ、そうだな!美紅と私の共同作業だな!」


その言い方だと何か卑猥な響きがするのでやめてくれます?


「とりあえずあの3人にが行動できるようになる前に距離をとりましょう!」


「さっきに林までもどるか?」


「そうですね、それが安全かもしれません」


僕たちは来た道を戻り林に隠れて休憩することにした。


「ここならさっきと一緒で見つかりませんよね?ヒルマさん?」


「すまない美紅、少し静かにしていてくれ」


「???」


ヒルマさんはフルプレートの兜を取っている、この旅でも取ることは会ったが夜だけだ。

食事をするときも口の部分が開閉しきなのであまり取らない。

正直ヒルマさんの素顔は綺麗なので緊張するのだけど・・抱きつくなら取って抱きつい・・ゴメンなさい。


そんな事を思っているとヒルマさんは耳を地面につけた。

おそらく遠くの音をよく聞くためにわざわざ素顔を晒したのだ。


「どうやら馬はなんとかなったようだな・・馬の音が3頭・・あの獣人の逃げていった方向に走って行く音が聞こえる」


「どうしましょう?」


「厳しい事をいうが私達ができるのはここまでだと思う」


「たしかに時間も稼げましたし、あの獣人の人なら逃げてどこかに隠れるくらいは出来たとあとは信じるくらいしかできませんね」


「ああ、それくらい美紅はよくやった」


「ですね」


僕は笑顔でそう言った。

なんかヒルマさんがそわそわしてるので抱きついてくると思ったけど来なかった。

ちょっと期待してましたよ!ええしましたとも!男ですから!

いきなりヒルマさんは素早くヘルメットを被った。


「え??」


そしてヒルマさんが僕を引っ張り剣を抜いていた。


「誰だ・・そこの茂みにいるのは?」


そう茂みに向かって言うとゴソゴソと人影が出てきた。

さっきの獣人!?反対方向に逃げたはずじゃ!?


「そうか・・反対方向に逃げてあいつら見失った後にすぐに遠回りしてこちらに回ってきたのだな?あの速さなら出来てもおかしくない」


「なるほど~」


近くで見るとはっきり男だとわかる、青年?って感じだ。

なんの獣人だろう?犬かな?狼かな?初めてなのでわからない・・耳はそれっぽいけど・・。


「なんとか言ったらどうだ?喋れるのだろう?」


「ヒルマさん!まず剣を納めてください!あの人ビビッてますって!」


「え?あ・・すまない」


そういうとヒルマさんは剣を鞘に納める。


「あ、あ、ありがとうございましたっ!!!!」


と凄い大きな声で言われました・・。


「ちょっ!お礼はいいですけど、声大きいですって!」


「ごめんなさい!!!」


「いや、それも大きいから・・」


「まだ安全じゃないんだ、用があるなら静かにしてくれないか?」


「・・・はい」


水をあげたらやっと静かになった・・。


「よほど喉が渇いていたようだな」


「ですねー」


ゴクゴクと物凄い勢いで皮袋の水が減っていく・・。


「村に寄るの決定ですねー」


「ああ・・このままでは私達が乾き死ぬ」


「水・・ありがとうございました」


全部飲まれました。


「コレも食べる?」


干し肉をあげてみる。

すぐに手から奪われてガツガツ食べる獣人の人。


「村寄るの決定ですねー」


「ああ・・このままじゃ私達が飢え死ぬ」


だんだんヒルマさんと息が合ってきたのを感じます。


残りの食料全部食べられました。


「何から何までありがとうございます」


すごい遠慮なく食べてたよね?君・・。


「で?お前はなんだ?なぜ追われていた?あいつらは何者だ?」


ヒルマさん1つ1つ聞いてあげて下さい、テンパってますよ?


「俺の名前はカ、カイユウです」


「カカイユウ?」


「ではカカイユウなぜ追われていたんだ?」


「違います・・カイユウです」


うん、ゴメンね、わかってたけど言ってみたかったんだよ、そしてヒルマさんもわかってたと思う。


「カイユウさんね、でどうして追われてたの?」


「・・・・・・・・・・・・・」


なぜ黙る。


「もしかして言えないのか?」


「ああ、なるほど」


だから黙ったのね。


「美紅はリスクを覚悟でお前を助けたのだぞ?それなのに言えないのか?」


「ヒルマさん、そこは別にいいですって」


僕だけじゃなくてヒルマさんも一緒に助けたじゃないですか・・。


「しかし美紅!美紅はギフトをカイユウに見られるリスクをおってまで助けたのだぞ!」


と小声で言って来るので僕はこう返した。


「大丈夫ですよ、たしかにギフトは使いましたけどたぶんあの状況じゃ何をしてるのかさっぱりですよ、あの3人が僕を認識していないなんて彼にわかるはずないですよ」


「・・・たしかそう言われるととうだな、あれで看破できる奴はいないな」


納得したヒルマさんは再度カイユウさんの方を向いて・・。


「黙ってないで何とか言ったらどうなんだ?ここへ来たのはお礼を言うためなんだろ?」


「・・はい」


「助けてもらって水や食料も貰って黙っているのか?恩にきせるつもりはないが、それがお前達獣人の世話になった者への対応なのか?」


ちょっと厳しいけどヒルマさんの言ってる事は正論だろ思う、人として。


「違います!!!獣人はそんな卑怯な種族じゃありません!」


「だったらなぜ・・・」


「助けて・・水も食料も貰ったお礼ならいくらでもします・・でも」


「でも??」


うーん、言いにくい事なのかな?正座して下を向いてプルプル震えてる・・さてはチワワの獣人か!!






「ごめんなさい!!人族はどうしても信用できません!!!」






だそうです!一体何をしたのこの世界の人間・・僕?僕は来てまだ何もしてなのでセーーーフ!







蒼「カナじいってたまに仕事サボって下界を覗いてるよね」


カナじい「サボってないわぃ、これも仕事じゃ!」


蒼「ふ~~ん」


カナじい「なんじゃ!その目は信用してないな!?」


蒼「うん!」


面白がって3人組覗いてたしね(*´・ω・*)


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