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興味

大分ストックが貯まってきてます。


疲れた!


ブックマークヽ(・ω・。ヽ)ヨロ♪(ノ。・ω)ノ シク♪(σ。・ω)σでっす♪

目の前には体を貫かれて倒れてるスラビーさんがいる。


ゆっくりとスラビーさんから手刀を抜くとスラビーさんを貫いた男が喋った。


「まったくモゼットの馬鹿はあの方が言った通り役立たずだったな」


何を言ってるんだ?この人は・・?

ここまで来るのにスラビーさんにお世話になっておいて。

この人は何をしているんだ?


「グ、グラブ聖堂長、貴方は何をしているんだ!」


隣でヒルマさんが叫んでいる。


「ああ・・鎧のメスか?悪いがモゼットの馬鹿が失敗したのでわしが動かなきゃならん、うるさいから黙っておれ」


「ふ、ふざけるな!グラブ聖堂長お前はモゼット側か!」


「これだからメスは、教えてやると思うか?せっかくあの方に言われて利用してやったのにこのザマだ。


「貴様!」


「騒ぐなと言っているメスが、私がモゼット側?アレはただ馬鹿だ、おつかいもできないできそこないだ」


「お前、仮にも上司の息子だろ?言い方というものがあるだろ!それよりどうやってスラビチュ副聖堂長をやった!彼は今鋼鉄より堅いはずだ!」


「ん?ああ・・普通に同じ魔法でな、同じ魔法なら威力が上の方が強いのは当たり前だろ?まぁ、私はスラビチュのように全身鋼鉄化は無理だがな、1点に力を集中すればスラビチュより硬度は上だ。そいつに魔法を教えたのは私だぞ?弱点ぐらい知っている、それにモゼットの馬鹿はたしか父親からもすでに見捨てられてここに飛ばされたんだぞ」


「お前がスラビチュ副聖堂長の師匠?」


「ああ、スラビチュに昔教えた事があるだけの関係だ、悪いがやることがあるもう黙れメス」


「やらせると思う・・え?」


「まったく、あとでゆっくり奪うはずだったのに面倒な事を」


グラブ聖堂長は一瞬にして倒れたモゼットの前にいた。

そしてモゼットのそばに落ちていた銀色のダンジョン石を拾う。


「お前どうやってそこに・・」


「全力で動いただけだ、見えなかったか?身体能力も向上してるんだこの動きは当たり前だ。それにしても衰えたものだ、全力でやっとコレだ・・老いは最悪だな」


「美紅!美紅!少し離れてろ!たぶんグラブはスラビチュ副聖堂長よりつよ・・美紅?」


僕はスラビーさんの前にいた。


「ヒルマさん、傷を治す魔法か出来ますか?あとは薬とかありませんか?」


「すまない美紅、私は回復魔法は使えない、薬草はあるがそんな深手はたぶん・・無理だ」


「そうですか、でも大丈夫ですスラビーさんがこんな傷で死ぬはずないです、絶対ないですから」


「美紅、悪いがその傷では・・」


「ヒルマさん大丈夫ですよ、死にません」


死ぬわけがない、この世界に来て一番優しくしてくれた人が目の前で死ぬなんてあってはならない。


「お前達わかっているのか?スラビチュが死ぬ死なないは関係ないぞ?お前達もここに来た時点で死なないといけないのだぞ?」


黙れ今はお前に構ってる暇はない。


「おっと」


「ちっ」


ヒルマさんは剣を抜いて聖堂長に攻撃していた。

聖堂長はそれをなんでもないように腕で弾く。


「やめたほうがいいぞ、その剣が折れるぞ?それは魔道具じゃないのだろ?私の腕は今鋼鉄以上といっただろう」


「受けられるのはわかっていたよ」


「なに?がっ・・があああ」


受けた聖堂長が悲鳴を上げた。


「どうだ?別に魔道具じゃなくても魔法の種類によって武器に伝わせる事はできる、それにしてもここには雷が効く生物が多いな、グラブお前も鋼鉄化しているお陰でよく効く」


「・・・魔法が使えたか、メスの分際で・・そうか雷か・・土には少しだけ相性が悪いな」


「悪いがこのまま焦げろ」


「もっとゆっくりと感動を味わえる場所で使う予定だったのだがな」


「何?」


その瞬間左手にあったモゼットのそばから拾った銀色のダンジョン石が光った。


「・・なんだそれは?」


「やはりメスは無知だな、これは女神の雫という物だ、ある方からこの場所にあると言われたのでな、丁度モゼットがその時来たので利用したんだよ」


「それが女神の雫・・」


「そうだ、名前だけは知ってるようだな」


「だがこの女神の雫の恩恵まで知らぬまい、まぁ、私も最近知ったのだがな」


「どういうことだ」


「見ればわかる、見れることを光栄に思え」


その瞬間銀色の光がこの場所を包んだ、光はすぐ納まり納まった光の場所には当然グラブ聖堂長がいた。


「あ~はははは、戻ったわ!戻ったのよ!これよ!これが私!この肉体が私よ!若さよ!」


「誰だ・・お前・・」


「はぁ??何を言ってるの?私はグラブよ、美しいでしょ?見惚れるでしょ?若返ったのよ!美しかった頃に!感謝します!女神よ!」


どうやら女神の雫の力で若さを願ったらしい・・口調まで変わっている・・ハゲじゃなくなってるしキモイ!


「これが雫の力!その者の強い願いを叶えるとと言われる雫の力!この若さ!この力であの方に恩を返さないと!そうと決まれば貴方達邪魔ね、すぐに死になさい」


「ふざけるな!あああぁぁ」


ヒルマさんが一瞬にして地面を擦りながら吹き飛ばされた、握っていた剣も手放し吹き飛ぶ。


「あはははは、凄いわ全盛期以上よ!ちょっと殴っただけでこの威力!泣いちゃいそうよ!」


「美紅、に、逃げろ」


意識は失ってはいないようで自分より僕のことを心配してくれる。

こんな優しい人達が死ぬわけはない、殺されるわけはない。


「ん~?ああ、そっちの小さいメスもいたのね、スラビチュのそばに座っちゃって、何?最後でも看取ってるの?先にスラビチュを殺してほしいってこと?」


黙れ、今はお前よりスラビーさんを何とかしないと。


「に、逃げなさい」


「スラビーさん!意識が!?」


「ええ・・美紅ちゃん逃げなさい、信じられないけど・・ゴホッ・・あの若返ったのがグラブ様なら私でも勝てないわ・・」


「スラビーさん喋ってはダメです!」


「あの人は若い頃天才って呼ばれる人だったの、尊敬してたんだけどね~まさかこんな事に・・老いが嫌だったのね~」


「喋ると死が近づくわよ?スラビチュ、老いの怖さの話はもう私には関係ないのよ、雫のお陰でこの通り!それに貴方達も知る必要はないわよ、喜びなさい!だってここで死んだら老いる事もできないし」


「美紅ちゃん、ヒルマちゃんを連れて早く逃げなさい、私はもうダメっぽいし・・だから置いていっても平気だから」


「大丈夫です、スラビーさんの筋肉は飾りですか?死にませんよ、死んじゃいけません、未来のいい人の為に作った部屋どうするんですか?」


「そ、そうだったわね~・・不思議ね貴方に言われると・・このまま死ぬとは思えない・・わ」


「スラビーさん??」


「死んではいないがこのまま意識は戻らずこれからというところか?」


「み、美紅!逃げろといっている!」


向こうでヒルマさんが逃げてと言っている、目の前の男も何か言ってるけど頭に入ってこない。


「ふむ・・小さいメス、実は私はお前を聖堂で1度見たとき不快に思ったのよ、若さと美しさの両方がある時期を過ごしていますって感じがね、まぁ今はわたしのほうが美しい!だけどあの老いていた時にそんな感情を抱かせた貴方を先に始末してあげるわ、丁度ここに鎧のメスの剣も落ちてるしね、手刀でメスは触りたくないの穢れちゃうでしょ?」


そしてグラブは剣を拾って上段に構えた。


「やめろ!!!!」


動けないヒルマさんが叫んでくれている。


「言い残す事はあるか?私も女神に仕える身、それくらいの慈悲はあるわよ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


後ろで何か言ってるけどそんな事よりスラビーさんの傷を見ないと・・。


「喋れないの?」


「黙れ、お前に『興味』はない」


「あ、あら・・残念ね、死になさい」


僕の言葉が気に触ったのか、グラブはすぐに剣を僕に振りかぶった。


「美紅!!!!」


ヒルマさんの叫び声が聞こえた。






「あのメスはどこへ行った????」


「み、美紅??」


二人が不思議に思うのも無理はないと思った。

僕は何故か自分は死なないと思っていた。


グラブが振りかぶって僕を斬ろうとした剣は僕の体の刺さったままだ。


ただし血はでていない。


頭から胸にかけて斬られたはずなのに血は出ていない。

正確に言えば当たっていない。

すり抜けたのだ。


「おい!!鎧のメス!あの小さいメスはどこへ行った!!!」


「・・・・何を言ってるんだ??それに美紅??」


どうやらグラブには僕が見えていないらしい。

ヒルマさんには僕が見えているらしい。

ただヒルマさんには一瞬僕が斬られたように見えたはずだ。

今は混乱しているみたいだけど僕から血が出てないこの不思議な現象に驚いている。


「くそっ!どうやったか知らんが逃げたか!?魔法か!いや・・知るかぎり姿を消す魔法などない!」


僕は後ろで叫んでるグラブを無視してその場を移動した。

僕に刺さっていたままだった剣をすり抜け剣だけその場に残る。


「美紅!へ・・」


僕はヒルマさんがいる方向に振り向いていて口に手を持っていき人差し指を1本立てた。

『しーー』少し騒がないで下さいという意味のジャスチャーで。


僕は静かに歩いた。

歩く途中の短い時間で理解した。

たぶんコレがカナギウス様が言って蒼が説明してくれたことなんだと思う。

僕は思い出した、聖堂でモゼットに会った時おかしな事を言っていた事を。

僕が目の前にいるのにモゼットは『さっきまでここに生意気なメスがいて』と言ってた。

たぶんあの時に僕のギフトは発現していたのかもしれない。

つまりこれが・・・。



これが僕の『贈り(ギフト)



僕はスラビーさんの事で頭がいっぱいだった。

他はどうでもよかった。

僕は昔から他人をどうでもいいと思うクセがある。

自分に危害をくわえる人間なら特にだ、3人組の時もそうだった。

自分の快楽のために僕に危害を加えて喜んでる人間なんてどうでもいいと。


僕のギフトは『興味 否定』


たぶん僕はグラブから興味をなくしてたんだ。

そうして発現したのが僕のギフト。


グラブの反応を見ればわかる。

こいつは僕の存在を感じれていない。

姿も気配も何も・・

でも近くにいるヒルマさんは僕の存在を感じれている。


つまり僕のギフトは・・


僕が興味を無くした生物は僕の存在を感知できない。


それが僕のギフトらしい。

名前を理解すればその者の力となる。

言われた事がわかったよ蒼。


とりあえずやることがある。

この力がどの位持続するかわからないしね。


僕は歩き終わった。

グラブの背後に・・グラブはまだ首を振って僕を探して何か叫んでいる。


ふぅ・・この世界は剣と魔法の世界、魔物や怪しい植物もいるって聞いた。

ダンジョンもあって初めて入った時に剣で生物を斬る覚悟もしてたな~。

でも一緒にいたヒルマさんが全部やってくれたのと先に入ってたスラビーさんがほとんど倒して僕が切ったのは罠の石ぐらいだ。


まさか環境が違って仕方ないとはいえ異世界初・・違うか人生初で斬るのが人になるなんて・・・




「まぁ・・いいか、あなたに興味はない」




そして僕はブレードソードをグラブに・・スラビーさんが刺された場所と同じお腹を貫いた。


「へえ!?何これ?なんで私に美しい体に剣が刺さってるの?」


「美紅・・お前・・」


その行動に様々な反応をした二人。


「小さいメス・・なんで?いつ私の後ろに移動したの・・ごぼっ・・」


振り向きながら血を吐いてそんな事を言う。


「さあ?いつでしょう?老いて視力が悪くなって見えなかったんじゃないですか?」


「なななな・・何にぃぃぃぃぃこのクソメス!!私はもう若い!あの醜い老いた状態じゃないわ!!!」


あ~気持ち悪いから!首だけ振り向いちゃって・・お腹に剣刺さってるのにそんなに喋ったら血がこっちに飛ぶんだけど・・。


「この体に血が飛びますし剣を抜きますね」


ズバっという音とともに僕はグラブから剣を抜いた。


「痛ぁぁぁい!血が血が!私の若い血がぁぁぁ」


「美紅!トドメを刺せ!そいつは殺したほうがいい!」


ヒルマさんが必死に訴えてくる。


「わかりました、そういうわけなんでグラブさん、さようなら」


「ふざけるなぁぁあ」


「何?眩しいんだけど・・」


「はぁはぁ・・治らない・・良くて応急処理って所なんて・・くそっ!くそっ!あわせる顔がないじゃない!!なんてこと!」


「それって回復のダンジョン石ですか?」


「あぁぁぁん?クソメス!!あんたのせいで私の信仰が!!覚えてなさい!!」


「美紅!回復して逃げるつもりだ!そいつの速度は異常だ!早くトドメをさせ!」


「はい」


「馬鹿が!スラビチュまでも行かなくても私も全身を硬質化ぐらいできるし、お前の攻撃なんて効かないわ!」


「そうですか」


僕はグラブに向かって剣を振りあげた。


「ぎぎゃ~~~~!手が手が手が~~~!手がない私の右手がない!ちくしょぉぉぉぉ」


「僕は剣の素人なので貴方に当てられないと思って急所は最初から狙ってません、僕が欲しいのは貴方の手にあるものですから。だから最初からそこを狙いました」


「こんな!若さを手に入れたのに!私の美しい肉体が戻ったのに!絶対許さない!お前も同じ目にあわせてやる!次会うとき覚えてないさい!!!」


そう言ってグラブは消えた。

文字通り消えた、最後の力を逃走に使ったらしい。あのスピードじゃ追いつけないね。


「ゴメンなさい、ヒルマさん無理でした、僕の剣の腕じゃ欲しいものを手に入れるので精一杯でした」


「あ、謝らなくいい、色々わからない事もあるが美紅が無事なら良い」


「ヒルマさんは平気ですか?」


「たぶんアバラが数本ヒビが入っているくらいだ・・問題ない」


アバラ数本って結構重症よ?


「それよりも美紅!スラビチュ副聖堂長を!!!」


「はい!」


ヒルマさんと僕は一緒にスラビーさんのところに急いだ。


「スラビーさんスラビーさん!」


「美紅あまり動かすな」


「す、すみません」


「美紅・・さっきスラビチュ副聖堂長は腹を貫かれていたよな?」


「え?はい?ええ、手刀で確かに・・」


「ふさがっている・・」


「え?」


「傷だ傷はふさがって致命傷ではなくなっているこれなら命は助かるかもしれない!私の薬を使おう!」


「あ・・それならコレ使ってください、もっと効果があるかもしれないです」


「これは回復のダンジョン石か?」


「はい、グラブが使って持っていたのを手首ごと切断してやったんです」


「だから手を狙って・・美紅お前凄いな」


「そんなことないですよ、それよりも使い方知らないのでお願いします」


「ああ・・発動の言葉は知らないが、魔法が込められたダンジョン石は魔力を流せば込められた魔法が反応することが多いから私がやろう」


そしてヒルマさんがスラビーさんの傷口に石をあてたとたん石が白い光を放った。


「す・・凄いですね、傷口が今度は完全にふさがって傷がなくなってる・・あんなに重症だったのに」


「本当ならここまで回復はしないはずだ、さっき言ったがなぜか致命傷じゃないところまで回復していた」


「スラビーさんの生命力とかじゃないですかね?」


「あはは、そう言われるとそう思ってしまうな」


僕達はスラビーさんは死なない事を理解して安心したのか向かい合って笑いあった。


「何が・・そんなに・・可笑しいのかしら・・」


「スラビーさん!!」


「スラビチュ副聖堂長!!」


「あら?美紅ちゃんヒルマちゃん、怪我はない?」


「僕は大丈夫です、ヒルマさんがちょっとアバラにヒビがはいってるみたいですけど」


「美紅それはこの回復のダンジョン石で治せるのでもう問題ない」


「そうなんですか?よかったです」


僕は笑顔でそういった。


「美紅が手に入れてくれたお陰だ、あと抱きついていいか?」


「今はスラビーさんが心配なんで勘弁して下さい」


「二人とも元気みたいね、グラブ様は?」


「お腹を刺された後に手首を切られて奇声をあげて逃げました」


「あら~災難ね~・・でも自業自得ね、美紅ちゃんがやったの?」


「え?ええ・・そうです」


「よくわかったな?スラビチュ聖堂長、美紅がやったなんて何か知っているのか?」


「ちょっとねぇ、・・うっ・・」


「す、すまない、傷口はふさがったが血は戻っていないあまり喋らないほうがいい」


「だそうです、スラビーさん大人しくして下さい」


「平気よ、それよりもこの傷ってそのダンジョン石で治したの?」


「半分はそうです、これはグラブが持ってたのを奪ったんですけど、スラビーさんのは回復に向かってたらしいです、さすがですね」


「そう?よくわからないけど本当に助かったみたいね」


「はい、よかったです」


「ヒルマちゃん悪いけど、わたしの荷物に縄があるからモゼットだけ縛ってくれる?」


「わかった、美紅は私の荷物の中に食料がある、少しでも血を補給しないとダメだ、スラビチュ副聖堂長にあげてくれ」


「わかりました」


僕は言われたとおりに荷物から干し肉と水を持ってきてスラビーさんに渡した。


「食べれますか?」


「ええ、大分楽になったわ、にしても油断したわねぇ、グラブ様があんなになるなんて・・」


「先生だったんですよね?」


「ええ、魔法のね、天才だったわ・・尊敬もしてたし」


「まぁ、あれですよ!他人を全部なんて理解できるなんてそうないですしスラビーさんが気にすることじゃないすよ」


「美紅ちゃん貴方ドライね~」


「そう考えないとやっていないこともあるんですよ?」


「その通りだわ~終わった事を考えても仕方ないわね~」


「ですよ!」


「二人とも大丈夫か?モゼットは縛り終わった、見たがあれはまだ全然目を覚まさないだろうな、二人は休んでいい、私は見張りをしよう」


「感謝するわ~、少し休んでからダンジョンを出ましょう」


「本当に平気ですか?」


「美紅ちゃんわたしを誰だと思ってるの?情けないとこ見せちゃったけど平気よ、少し休めば動けるようになるわ」


「本当に無理しないでくださいね」


僕達はしばらく休んでからダンジョンを脱出した。

帰り道にも魔物は出てきたいけどヒルマさんがほとんど倒してくれたのと、スラビーさんを見ると魔物がガクガク震えて逃げていったので帰り道は楽だった。

スラビーさんどれだけ魔物にトラウマを植え付けたんですか?


モゼットは縄でグルグル巻きにして多少回復したスラビーさんが引きずって歩いた。

大丈夫かな?って思ったけど「いいトレーニングよ」と言ってたので平気そうだった。

僕達は泉の管理人の店に戻った。

何があったの!?と驚かれたけどスラビーさんが簡単に事情を話して落ち着く場所に案内してもらった。


「美紅ちゃんにヒルマちゃん、悪いけどわたしはこのまま聖堂に戻らなきゃいけないわ」


「休まずにですか!?」


「ええ、立場上それは無理ね、でも安心してここにも職員はいるしね」


「僕達はどうすれば?」


「貴方達2人は町に戻りなさい、わたしたちは職員に連絡してモゼットを町に護送してそれからグラブ聖堂長のことを報告、事後処理とやることがあるし」


「でも、スラビーさんはまだ・・」


「美紅、スラビチュ副聖堂長には立場がある無理してでもやらなきゃいけないことがあるんだ、わかってやってくれ」


「・・・はい」


「ごめんね~」


「それではスラビチュ副聖堂長、私達は先に町に戻りますが気をつけてください、まだ何があるかわからない」


「肝に命じるわぁ、それといい加減スラビーって呼んでもらえるかしら?」


「いえ・・いや、わかりましたスラビー副聖堂長」


「副聖堂長もいらないんだけどねぇ」


「それはちょっと・・」


「まぁいいわ」


「美紅、では先に戻ろう」


「はい、わかりました、スラビーさんも早く戻って下さいね」


「心配しないで~」


「美紅、帰りは別に急がなくてもいいのでゆっくり行くからな、それでも危ないのでしっかりくっつくんだぞ?」


「わ、わかりました」


スラビーさんもスラビーさんだけどヒルマさんもブレないな・・。


そして僕とヒルマさんは町に戻ることにした。


「美紅」


「何ですか?ヒルマさん」


「この1件が片付いたら話したいことが時間はあるか?」


「え?よくわかりませんが別にいいですよ?」


「本当か!?」


「ええ、ヒルマさんにはお世話になりましたし、ある意味命の恩人ですし、大抵のことなら別に」


「大抵・・ゴクリ」


「何か言いました?」


「な、何でもない」


何か焦ってるけどこの人にも本当にお世話になった。

最初の頃のスラビーさんみたいに不思議な事もある人だけど悪い人じゃないのはわかる。

というかこの人の鎧の中身見たことない・・な、性別は女だけどある意味スラビーさんよりわからない。

話したいって時にこっちからも聞いてみよう、教えてくれたらだけど。




蒼「カナじいこれって何?」


カナじい「たしか・・地球のババアに昔ご利益があると貰った物じゃな」


蒼「わら人形・・」


カナじい「どうかしたのかのぅ?」


恨まれてない?(*´・ω・*)

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