表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/17

砂塵の彼方

『砂漠の入り口』ユガケから、東へ。


ザブレ砂漠は、ルーアが想像していたものとは違った。


黄色い砂が敷き詰められているような風景を思い描いていたのだが。


実際には、乾き、皹割れた赤黒い大地が続いていた。


砂漠というよりは、荒れ地という単語が当て嵌まるような気がする。


数日進むと、オアシスに到着した。


近くには、カジガという小さな村もあった。


一日だけ村で体を休め、そこから進路を南東に。


いきなり、風景が変わった。

ルーアが想像していたような、黄色い砂の原である。


灼熱の太陽が照り付け、少し風が吹くだけで砂塵が舞う。


ハウザードがいたドニック王国東部のように、人体に悪影響を及ぼす空気が漂っているらしく、それを防ぐためにルーアたちはなにかしらの魔法道具を装着していた。


移動は、馬ではなくラクダである。


側対歩であるためか、横に揺れる。


テラントやデリフィスはすぐに適応したが、ユファレートが苦戦をしていた。


シーパルは、なんとか乗りこなしている。


フニックは、同道していない。

数日遅れの出発であるため、遥か後方である。


ユガケにいてくれればいいと言ったのだが、自分だけが安全な場所で待つというのは、納得できないようだった。


とはいえ、今回は戦えない者を庇う余裕はないだろう。


だから、フニックには遅れて出発してもらった。


それでも充分危険だが、エスによると、エスの知人とやらが護衛に付いているということだった。


尾けられている。

最初にそれに気付いたのは、デリフィスだった。


エスは、能力をいくらかクロイツに封印されている。


砂丘に登ると、地平の彼方に人影らしいものを見ることができた。


数時間遅れで付いてきているようだ。


進む方向を微妙に変更させても、撒くことができない。


この砂漠という環境に、余程慣れている者たちの仕業だろう。


エスが調査したところ、後方だけでなく、前方にも敵らしい集団がいるとのことだった。


ルーアたちと、一定の距離を保ち移動しているようだ。


いつ襲撃があるか、わからない。

砂漠の夜は冷え込むが、交替で誰かが見張りに立ち、夜襲に備えた。


敵らしき者たちに挟まれたまま、数日が過ぎた。


砂漠という慣れない地形では、なかなかこちらから仕掛けられない。


前後だけでなく、左右にも人影が見られるようになった。


包囲されている。

そして、包囲の輪が狭まってきている。


「判明した。率いているのは、カリフという者だ」


砂漠という環境でも、いつもと変わらず白いエスが言った。


頭にちくりとした刺激があり、口髭を蓄えた浅黒い中年の姿が脳裏に浮かんだ。


エスの力なのだろう。

元々おかしな存在ではあるが、更に人間離れした能力を最近のエスは奮うようになった。


「隙のない男だ。気を付けろ。彼の副官であるナルバンという者にも、注意が必要だ」


「……どうした、急に?」


「時間がない。黙って聞きたまえ」


すでに、テラントとデリフィス、シーパルは周囲を探っている。

砂丘に囲まれている地だった。

襲撃が近いのかもしれない。


エスの表情は変わらないが、口調はいつもより早い。

焦りが見えるような気がした。


「そして、イグニシャ・フラウ。彼とは戦闘を極力避けろ。『百人部隊』の副隊長だ。その能力は……」


そこまで口にしたところで、エスの体の中央に、杭を打たれたような穴が空いた。


その穴を中心に、エスの姿が歪んでいく。


「エスさん……!?」


「……心配しなくていい、ユファレート・パーター。……クロイツめ……妨害を……」


そして、エスの姿が消えた。


「……近い。来るぞ」


デリフィスが警告を呟き、ラクダを降りる。


他の者たちもラクダを乗り捨て、それぞれの武器を手にした。


ルーアたちがいる場所を囲む砂丘の上に、次々と人影が現れる。

五、六十はいるか。


カリフやナルバンという者たち、そしてイグニシャ・フラウとやらもいるのかもしれないが、まだ距離があるため誰が誰だかはっきりしない。


「できるだけ、固まるぞ」


テラントが指示を出す。


これだけの人数を相手に個別で戦っては、勝ち目はない。


ユファレートとシーパルを中心に、ルーアとテラントとデリフィスで円を作る。


太陽は、真上に近い。

十一時くらいだろう。

敵が、丘を駆け降った。


風が破裂する。

暴風の魔法。


シーパルが魔力障壁を展開させ、攻撃を遮る。

砂塵が舞い、辺りを覆った。


「シーパル! 防御魔法解除して!」


ルーアがそれに気付くより先に、ユファレートが声を上げる。


砂嵐により、敵味方共に視界を奪われた。


だが、魔力障壁を展開させたままだと、敵の魔法使いには居場所を知らせているようなものである。


「固まってろよ……!」


唇を舐め、テラントが言う。


『……いや……散れ……』


微かに聞こえる、姿なきエスの声。


『……イグニ……攻撃……今すぐそこを離れろ……!』


砂漠の熱気に汗ばむルーアの全身を、悪寒が走った。


他の者たちも、感じたかもしれない。


テラントとデリフィスとシーパルがその場を跳び退く。


ルーアも、剣を持っていない右手でユファレートの襟首を掴み、後方に跳躍した。


炎が、ルーアたちがいた場所に発生し、破裂した。

ユファレートが、悲鳴を上げる。


「なにっ!?」


(……そうだ。なんだ……?)


魔法ではない。魔力を感じなかった。

となれば、答えは一つ。


(……能力。発火能力とかいうやつか? それが、イグニシャ・フラウの能力か?)


立て続けに炎が弾けている。

それを、なんとか他の者たちはかわしていた。


宙を舞う砂で、まともに物は見えないはずだ。


それなのに、攻撃は正確にテラントとデリフィスとシーパルを追う。


「前言撤回! 作戦変更! 散れ!」


逃げ回りながら、テラントが罵声を発する。


固まっていては、狙い撃ちにされるだけである。


敵に紛れてしまえば、そう使える能力ではないだろう。


他の者たちへの攻撃が途絶える。

また悪寒を感じ、ルーアはユファレートを引きずるようにしながら駆け出した。

背後で、炎が炸裂するのを感じる。


しばらく駆けると、炎の発生が止んだ。

能力が届く範囲を出たのかもしれない。


これまでの進行方向とは逆、北西に進んでいるはずだ。


その方向は包囲が手薄であると、ルーアは気付いていた。


ティアからは遠ざかることになるが、今はとにかく包囲を突破することを考えるべきだった。


こうも混乱した状況では、まともに戦えない。


しばらく駆けたところで、ユファレートの襟首から手を離した。


襟元が首に喰い込んでいたのか、ユファレートは少し咳き込んでいる。


「このまま、真っ直ぐ進む。敵との距離が詰まるまで、できるだけ魔法を使うな」


敵の魔法使いに居場所を知られたくないからだが、ユファレートにわざわざそれを説明する必要はないだろう。


「敵とぶつかる直前で、飛行の魔法を使い頭上を越えよう。まずは、突破することだけに集中するんだ」


「うん」


他の三人も、それぞれなんとかしてくれると信じるしかない。


落ち着ける状況になれば、また合流も可能だろう。


エスが力を取り戻せば、尚更確実である。


「よし、行くぞ」


「わかったわ!」


威勢良くユファレートが頷く。

そして、予想通りというかいつも通りというか、見当違いの方向に駆け出す。


手を伸ばして、ルーアはその襟首を再度掴んだ。

そのまま、北西へと走る。


南東、砂塵の彼方にティアが捕らえられている『コミュニティ』の基地はある。


そう遠くはない。

だが、焦るな。


ルーアたちに誰か一人でも犠牲が出れば、あの女は一生責任を感じて生きていくことになるだろう。


前方に、複数の敵の姿が見えた。

牽制のために、ルーアは剣の先を向けた。


◇◆◇◆◇◆◇◆


炎から逃げ回りながらも、シーパルはなんとかテラントとデリフィスの二人と合流した。


魔法による炎ではない。

能力者の攻撃だろう。


逃げるうちに、それも止んだ。

能力の有効範囲外に出たようだ。


「ユファレートは?」


「ルーアが付いていた」


テラントの質問に、デリフィスが答える。


「よし、俺らも脱出するぞ」


ルーアとユファレートならば、協力して包囲の輪を突破できるだろう。


二人とすぐに合流することは、難しい。


敵の魔法使いが断続的に使用している暴風の魔法のせいで砂が舞い、視界が悪い。

四方から敵が迫っている。


まずは安全な所まで退避し、それから合流を考えるのが現実的だった。


「……こっちだ」


テラントが、先頭で駆け出す。


「そっちは……」


ヨゥロ族の力なのか、シーパルには視界の外の状況でもなんとなくわかる。


敵が、十人は向かってきている方向だ。

包囲がもっと薄い所が、他にある。


「いや、こっちでいい」


デリフィスも、テラントに続く。


(……そうか)


納得して、シーパルは二人を追った。


ルーアならば、混乱の中でも包囲の最も薄い所を見極めるだろう。

ユファレートと二人で、そこを衝くはずだ。


別の方向へシーパルたちが逃げることで、敵を引き付けることになり、二人の援護になる。


三人で、砂を蹴立てながら進んだ。


前を遮る、約十人の兵士たち。

正確には、前に九人。

少し離れた場所に、二人。


ヨゥロ族の特別な訓練を受けたシーパルには、周囲にいる細かい人数まで把握できる。


テラントとデリフィスが、並んで敵へと突っ込む。


テラントが右に、デリフィスが左に剣を振る。


それぞれの方向に、犠牲となった兵士たちの体が跳ね上がる。

あっさりと道ができた。


二人に続きながら、離れた所にいる兵士二人が弓矢を構えていることに、シーパルは気付いた。


テラントとデリフィスも気付いているだろう。


それについて、シーパルに指示を出すことも目配せをすることもない。


信頼されていると受け取っていいだろう。


「フォトン・ブレイザー!」


シーパルが撃ち出した光線が、放たれた矢を消し飛ばし、兵士二人を貫く。


魔法を使用したため、足が止まりかけた。


すかさずテラントが身を翻し、シーパルを背後から狙ってきた兵士を斬り伏せる。


前に回り込んできた兵士は、デリフィスの剣が両断した。


「走れ!」


テラントが吠える。

デリフィスが先頭で走り抜ける。


兵士たちは、追ってこない。

少なくとも、厳しい追撃はない。


デリフィスが、肩越しに視線を背後に送る。


釣られてシーパルも、後ろを振り返った。


二メートルくらいの高さか。

砂の山が動き、シーパルたちを追っている。


「……魔法ではありません」


魔力を感じない。

だから、魔法ではない。

これも、能力者の力なのだろう。


シーパルの前を、テラントとデリフィスは走っている。


突然、二人との間の地面が揺れ動き、割れた。


(……土や砂に干渉する能力? 地面を操る能力?)


そんなところだろう。


二人と分断された。

今ならまだ、魔法ですぐに合流できるが。


だがシーパルは、踏み止まった。


「先に行っててください!」


「シーパル!?」


「大丈夫! 僕には魔法があります! 必ず追い付きます!」


テラントの肩を、デリフィスが叩く。


逃げながら遠距離まで届く能力者の相手をするのは、困難だろう。


足止めされれば、また大勢に囲まれる危険性があった。


逃げるためには、誰かが喰い止めなければならない。


能力者による攻撃は、変則的なものだろうと予想される。


対応するには、剣よりも魔法だった。


それにシーパルならば、包囲されても魔法で脱出できる。


「ルーアとユファレートを頼みます!」


「……わかった」


テラントが言い、デリフィスは無言で頷く。


二人が去っていくのを背中で感じながら、シーパルは砂の山を見据えた。


動きは余りないが、じりじりと向かってはきている。


あの砂の山の内側か背後にでも、能力者がいるのだろうか。


砂漠という地の性質上、砂を扱う能力は有効だろう。


だが、決して絶対の能力ではない。


シーパルは砂を踏んだ状態であり、まだ生きているのだから。


自由自在に砂を操作できるのならば、シーパルの動きを封じることも、眼球を潰すことも、穴という穴から体内に侵入させて内側から破壊することも容易いはずだ。


それをしないのは、なにか能力に制限があるのだろう。


干渉できる砂の量に限度があるのか、大雑把にしか扱えないのか。


シーパルの周囲で、砂が塔のように高く積み上げられたり、つむじ風のように渦を巻く。


シーパルは、無闇に魔法を使わなかった。

防御ならば、直前で行えばいい。


魔法の乱発は、消耗を早める。

未知の攻撃にも咄嗟に対応できるだけの技術は、身に付けてきたつもりだ。


攻撃はこない。

砂の塊が迫ってきたが、シーパルが無反応でいると脆くも崩れ去った。


砂の山も、ある程度の距離を保つと動かなくなった。


(……時間稼ぎ? 援軍を待っている?)


それならそれで構わなかった。

敵の援軍が来るまでは、時間稼ぎに付き合っていい。


それだけテラントとデリフィスは、遠くへ逃げられるだろう。


ルーアやユファレートと合流もしやすくなるはずだ。


照り付ける太陽の下、たっぷり三十分は対峙したか。

体感としては、一時間以上経過している。


砂の山が後退し始めた。

気を緩めることなく、シーパルは動く砂を見つめた。


魔法を届かせるだけでも一苦労するような距離まで、砂の山は移動した。


そこで能力を解除したのか、砂が崩れる。


山で生まれ育つヨゥロ族は、眼が良い。


崩れる砂の中、微かに人影が見えた。

遠ざかっていく。


こちらから攻撃を仕掛けても、有効になりにくい距離である。


手出しせずに、シーパルはその姿を見送った。


能力者らしい者は去った。

兵士の追っ手もない。

確認して、シーパルは息をついた。


「……さて」


これからテラントやデリフィスと合流できるだろうか。


やや不安だが、シーパルは二人が去った方に足を向けた。


砂漠の足跡は、時間の経過と共に消えていく。


風で飛ばされた砂の中に埋もれてしまうのだ。


敵の狙いは、なんだったのか。


仕掛けてきた人数の割りには、簡単に突破できた。


ルーアやユファレートも、上手くやってくれたことだろう。


テラントやデリフィスが逃げるだけの時間も稼げた。


ふと気付く。

時間を稼いだのは、シーパルだけではないのかもしれない。


そして、敵にとっての時間稼ぎは、こちらにとっては時間の浪費である。


嫌な気分になった。

分断されてしまったのは、確かなのだ。


なんとか早目に、みんなと合流しておきたい。


消えてしまった足跡。


肉体的には疲労を感じない。

魔力もほとんど消耗していない。

しかし、長い対峙で精神的には疲れた。


シーパルは手で触れ、腰に提げてある水袋の存在を確認した。


◇◆◇◆◇◆◇◆


「リッチが、シーパル・ヨゥロと対峙中です」


アスフの報告に、イグニシャは一旦大きく頷いた。


「敵は、シーパル・ヨゥロだけか?」


「そのようです」


「そうか」


呟き考え込むと、アスフが言った。


「グレイが近くにいるようですが、向かわせますか?」


アスフには、伝心の能力がある。

イグニシャの指示を他の『百人部隊』隊員に伝えるのが、アスフの役割だった。


全員の居場所を把握し、イグニシャに案を出すこともある。


最終的な決定を下すのは、指揮官であるイグニシャだった。


リッチには、砂を操る能力がある。


だが、能力者としてはそれほど優れていない。


それでも、砂漠でならば役に立つはずだ。


眼くらましなどには最適な能力だろう。


攻撃力は、余りない。

一人でシーパル・ヨゥロの相手ができるとは思えなかった。


強い者から優先して連れてきた訳ではないのだ。


イグニシャの指示を受け慣れている者、部隊としての連携を取るのが上手い者を選んだのである。


勝ち目の薄い一対一をやらせる必要などない。


グレイは、自身の爪を伸縮させる能力を持つ。


その硬度は鋼並であり、伸縮速度もかなりのものであるため、初見の者は対応が難しいだろう。


能力者としてはなかなかだが、イグニシャは信用していなかった。

性格にむらがある。


二人では、返り討ちにされる可能性の方が高い。


ここは、戦闘を避けるべきだろう。


「……グレイは待機、リッチには対峙を続け、機を見て後退するよう伝えろ」


「了解しました」


イグニシャの指示に、アスフが頷く。


近くにいるカリフは、暴風の魔法を連発していたが、息一つ乱していない。


今は、クロイツと連絡を取っていた。


兵士を何人か、伝令に走らせる。


イグニシャの脳に、ちょっとした刺激があった。

砂漠の地図が頭に浮かび、ルーアたちの居場所が印される。

当然、クロイツの力である。


「どうする、カリフ?」


「テラント・エセンツとデリフィス・デュラムの近くに、ナルバンがいます。一度突っかけさせます。倒せるとは思えませんが、継続的に攻撃をする必要はあるでしょうから」


カリフは、イグニシャが夜間戦闘に長けた部隊編成にしたことを忘れていなかった。

それを念頭に、作戦を組んでいる。


じわじわと圧力を掛けるために、数日掛けてルーアたちを包囲していった。


四方の敵の存在に、ルーアたちは気を張り詰め数日を過ごしただろう。


イグニシャは夜襲を仕掛けるつもりだったが、その前に昼に攻撃した方がいいと提言したのも、カリフだった。


それにより、ルーアたちは常に意識を緊張させなくてはならなくなる。

昼も夜も、休息している時も。


本命は、夜襲である。

だから先程の戦闘では、手持ちの全戦力で包囲し一斉攻撃と見せ掛け、実は守りの陣だった。


イグニシャもカリフも、能力者や大勢の兵士に守られている状態でルーアたちの正面に立った。


目的は、ルーアたちを混乱させること。


そして、できるだけ分断させること。


だから、ここで無理にシーパル・ヨゥロと戦い、主力である能力者に犠牲を出す必要はない。


本命は、夜襲。


確認するように、何度かイグニシャは自分に言い聞かせた。


それまでは、圧力を掛け続ければいい。


ルーアたちは、疲労し、集中力を失うだろう。

夜襲の成功率は上がる。


それにしても、やはりルーアたちは一人一人が侮れない。


あわよくば何人かは焼き殺すつもりで、イグニシャは発火能力を使用した。


ルーアたちは、全員がそれをかわしたのだ。


勘が良い。

何度も死線を潜り抜けてこれたのも、頷ける。


イグニシャが能力を使い、それでも誰一人倒せなかったことについては、カリフも驚いていた。


だが、さすがに歴戦である。

すぐに冷静さを取り戻していた。


経験豊富で、ザブレ砂漠を知り尽くしている。

指示は的確で迅速である。

信用できる男だった。


「今後も、お前に兵士の指揮を任せていいようだ」


イグニシャが言うと、カリフはにやりと笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ