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エピローグ 最後の手紙


ロックが君を苦しめている


エピローグ 最後の手紙



もぬけの殻になったこの部屋。

改めて見渡してみると、六畳って思ったより広いものだ。


一人で暮らすには、十分すぎるくらいに。


奈緒(なお)ちゃん、この荷物はどうする?」

「あ~それは捨てちゃっていいや」


そこにあるはずがないテーブルの横に立ち、

よくここで書いたもんだと、あるはずのないノートを眺めた。



ピンポーン


浸っていた気持ちが現実へ引き戻される。


「郵便でーす」


おいおい、センチな気持ちを返しておくれ。


しかし危ないところだった、

明日からこの部屋には誰もいないぞ?


きっとこれが最後に受け取る郵便だろう。



封筒には手書きで「小林 奈緒 様へ」と書いてある。


誰からだろう?


差出人を見たら開けずにはいられなかった。


「ね~カッターどこだっけ?」

あ、包丁でいいか。


キッチン用品と書いた段ボールの蓋を開けて取り出した。



間違いない。


恋人である幸輝(こうき)の字だ。


そこに綴られているのは、

彼の音楽に対する思いと、

無意識の刃との向き合いだった


「ちょっと幸くん…こんなの…ずるい」


私の目からあふれる雫。


ああ、また掃除する場所が増えてしまった。



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