召喚の時間
説明しよう。
俺は真砂春信。何処にでも居る、至って普通の社会人だ。好きな事は絵を描く事。そんな俺の密かな夢は創作イベントに参加する事。
その夢が今日叶う。俺は、【俺が考えた最強のモンスター】達の擬人化イラスト本を引っ提げて、遠路はるばるこの地(※会場)にやってきた。
いざ、出陣!と言わんばかりに1歩足を踏み出したその瞬間、世界が一転した。
キャリーケース片手に俺が辿り着いたのは、まさかまさかの森の中。
「…は?」
何処だここは。俺は聖地(※会場)に来たのではなかったのか。混乱しながらも、とりあえず俺は森の中を歩いてみた。奥へ奥へと進むにつれ、木々は枯れ、空が暗くなる。だんだんと雲行きが怪しくなってきた。
ここはやばいんじゃないか。
そんな事を考えていたら、視界が開けた。どうやら森を抜けたようだ。と、安心したのも束の間。
俺の前に現れたのは、見るからに怪しいでっかい城だった。
「やべぇよこれ…どうなってんだよ。」
引き返そうと思った。だが、後ろには逃がさないと言わんばかりの霧が立ち込めていた。
詰んだわ、これ。
俺はただ、イベントに参加したかっただけなのに…。このままここに居ても仕方が無い。俺は勇気を出して門を叩いた。
「すみませーん。どなたかいらっしゃいませんかー?」
バサバサバサ。多くのコウモリが城の方へ飛んで行った。すると、門が開いた。これは中に入れと言う事か?おうおう、やってやんよ。
俺はキャリーケース片手に中へと入った。
城の中は随分と広かった。玄関を抜け、階段を登り、俺は導かれる様に、城の奥へと進んで行った。
辿り着いたのは最上階の広間と思わしき所。高い天井。床には、でかでかと描かれた模様らしき何か。正面奥には、羽の生えた女性の彫刻。
「汝の名を告げよ。」
声が聞こえた。女の声だ。
「ヒィ!!!」
情けない声を上げてしまった。
「汝の名を告げよ。」
「お、俺は真砂春信。」
ビビりながら俺は答えた。
「汝の運命を告げよ。」
…いや、知らねぇ。運命ってなんだよ。俺はただイベントに参加したかっただけなんだよ。
ふと、俺は床の模様をもう一度見た。なんか薄ら輝いてる気がする。よく分からない状況。場所。模様。…もしかして魔法陣?
という事は何かを召喚できるのか?
恐怖よりも、俺の好奇心に火がついた。俺の心は永遠の中学生。魔法陣ときたら、やっぱり。
「召喚だよな!!!」
いでよ!俺の相棒!
その瞬間、魔法陣が光り輝いた。
もう一度、さっきの女の声が聞こえた。
「汝の運命、聞き届けた。」
次の瞬間、俺の目の前に現れたのは。
「召喚に応じ顕現した。吾はドラゴン。由緒正しき古代の王。」
俺が夢見て思い描いた、ドラゴンの擬人化でした。
読んでいただきありがとうございました。
初小説。至らない部分ばかりですが、楽しんで頂けたら幸いです。




