表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍の傳人―光と闇の羅針盤(青木家サーガ第3作)  作者: 光闇居士


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/64

11. 共犯のベッド

彼女は、彼のネクタイに手をかけ、ゆっくりと、それを緩めた。

「今夜だけ…私を、ただの女として、扱ってくれないかしら」

その声は、懇願だった。

義成は、何も言わずに、彼女の細い腰を抱き寄せた。

彼女の唇は、ウイスキーの香りがした。最初は、優しく、しかし、やがて、お互いの孤独を埋め合うように、激しく、深く、求め合った。

彼女は、義成の手を取り、寝室へと導いた。

キングサイズのベッドの上で、二人は、互いの服を、焦るように剥ぎ取っていった。現れた祖苑の体は、完璧に鍛え上げられ、しなやかな曲線を描いていた。

それは、愛情から来る行為ではなかった。

少なくとも、男女の恋情とは違う。それは、師匠が、最も大切な奥義を、弟子に引き継ぐための、濃密で、神聖で、そして倒錯的な、最後の儀式だった。

彼女は、自ら、彼の腰に跨った。

「教えてあげるわ、義成…これが、本当の『交渉術』よ…」

彼女は、喘ぎながら、彼の耳元で囁き続けた。

「相手の、一番弱いところを、攻めるの…プライドを、徹底的に、愛撫するのよ…」

「そして、最後に、相手が、もうこれなしでは生きられないと、思わせる…それが、支配の、極意…」

彼女の言葉と、体の動きが、シンクロする。

義成は、彼女のすべてを、その体と、魂で、受け止めた。彼は、ただの快楽に溺れているのではなかった。彼は、学んでいたのだ。この、恐ろしくも美しい、孤高の師から、闇の世界で生き抜くための、最後の教えを。

夜が、白み始める頃。

激しい嵐が過ぎ去り、二人は、汗と、酒と、体液にまみれて、ベッドに倒れ込んでいた。

祖苑は、子供のように、彼の腕の中で、静かな寝息を立てていた。その寝顔は、初めて見る、無防備で、愛らしいものだった。

義成は、眠れなかった。

彼は、この夜の出来事を、その重みを、生涯、忘れることはないだろう。

挿絵(By みてみん)

目覚めた祖苑の目線先は・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ