5. 狂宴の夜
そして、昨夜。
長安ホテルの、プレジデンシャルスイート。
その夜は、義成が、ある意図を持って、最も信頼する三人の女たちと、その目的に近づくために三人を、同時に部屋に呼んだ。
最初にドアを開けた楊楊は、部屋の中に無宣と小黎がいるのを見て、一瞬、その眉を吊り上げた。だが、すぐに状況を理解し、不敵な笑みを浮かべた。
「ふうん…今夜は、お祭りってわけね、義成さん。面白そうじゃない」
無宣は、ただ静かに佇み、その視線は、主人の意向を問うように、義成にだけ向けられていた。小黎は、目をきらきらと輝かせ、これから始まる楽しい遊びに、胸を躍らせているようだった。
その夜の狂宴は、言葉で言い尽くせるものではなかった。
それは、四つの魂と肉体が、欲望と、愛情と、そして切なさをないまぜにして、渾然一体となる、壮大な交響曲だった。
広大なリビングルームの、厚いペルシャ絨毯の上で、四人は、互いの衣服を剥ぎ取っていった。
最初に動いたのは、やはり楊楊だった。彼女は、王である義成の前に跪くと、彼の昂然とそそり立つ分身を、まるで聖杯を崇めるように、その唇で迎え入れた。その動きは、大胆で、挑戦的で、これから始まる儀式の始まりを告げる、号砲のようだった。
義成は、目を閉じ、彼女の奉仕を受けながら、ソファに深く身を沈めた。
すると、無宣が、彼の背後から、そっとその体を抱きしめた。彼女の絹のような肌が、彼の背中に触れる。彼女は、彼の首筋や肩に、慈しむように、何度も口づけを落とした。それは、彼の戦いを労う、優しい愛撫だった。
そして、小黎。彼女は、猫のようにしなやかな動きで、彼の足元にまとわりつき、その太腿や、睾丸を、小さな舌で、丁寧に舐め上げていく。
義成は、三方向から同時に仕掛けられる、快感の波に、思わず呻き声を上げた。
やがて、戦いの舞台は、キングサイズのベッドへと移った。
義成が、仰向けになると、三人の女たちが、彼の上に、思い思いの形で絡みついてくる。
楊楊は、彼の胸の上に乗り、その豊満な乳房を、彼の顔に押し付けた。そして、彼の唇を、貪るように奪う。
無宣は、彼の横に寄り添い、その手を、彼の鍛え上げられた腹筋の上で、優雅に滑らせた。
小黎は、彼の両足の間に潜り込み、再び、その神業のような口技で、彼を快感の淵へと誘った。
「義成さん…私を見て…私だけを…」
楊楊が、彼の耳元で囁く。
「義成様…お疲れでしょう。私が、すべて、受け止めます…」
無宣が、彼の髪を優しく撫でる。
「義成様、楽しいね!もっと、もっと、気持ちよくなって!」
小黎が、無邪気に笑う。
三様の、愛の形。
義成は、そのすべてを、一身に受け止めた。
彼は、まず、楊楊を下に敷き、その豊満な肉体を、力強く貫いた。炎が、炎を抱くように、二人は激しく求め合った。楊楊が、絶頂の喘ぎ声を上げるのと同時に、義成は、彼女の体から抜け出し、今度は、無宣の体を求めた。
無宣は、潤んだ瞳で、彼を静かに迎え入れた。彼女の体は、まるで深い湖のように、彼の激しさすべてを、音もなく吸い込んでいく。彼女の中で、義成は、束の間の静寂を得た。
そして、最後に、小黎。彼女は、自ら、彼の腰の上に跨り、小さな体で、楽しそうに、跳ねた。それは、まるで、妖精との戯れのようだった。
夜が更け、狂宴は、そのクライマックスを迎えようとしていた。
三人の女たちは、もはや、競い合うことをやめていた。彼女たちは、協力し合っていた。ただ一つの目的のために。
この、愛すべき、そして孤独な王を、至上の快楽の頂へと、導くために。
楊楊が、義成の体を、後ろから抱きしめる。無宣が、彼の顔の横に跪き、その唇を、優しく塞ぐ。そして、小黎が、彼の分身を、再び、その口に含んだ。
三人の女たちの、肌の匂い、汗の匂い、そして、愛液の匂いが、部屋中に満ち満ちる。
義成の意識は、混濁し始めた。彼は、この肉体の海に溺れながら、心の片隅で、冷たく、そう感じていた。
(…足りない)
どんなに激しく求め合っても。どんなに体を重ねても。
彼の心に空いた、巨大な穴は、決して埋まることはない。
李殷。
彼女の不在という、絶対的な事実。
その虚無感が、彼の快感を、さらに鋭く、そして切ないものに変えていく。
「あああああああああああああああっ!!!!」
義成は、天を仰ぎ、すべてを解放した。
それは、快楽の絶頂であると同時に、決して癒えることのない、魂の慟哭でもあった。
その夜、彼は、生まれて初めて、三人の女たちの腕の中で、眠りに落ちた。彼女たちの温かい肌に包まれながら、彼は、ほんの束の間だけ、孤独を忘れることができた。それは、彼にとって、麻薬のように甘美な、偽りの安息だった。




