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バーバラの気持ち父の気持ち
「奥様は冒険者として立派でしたきゅ。私は怖いのです。お嬢様を冒険者にしてしまうのが……」
バーバラは泣きそうな顔をしてリオンに言う。
「……だから反対しているんだね。あの子はビオーナに似て真っ直ぐだからかい?」
リオンはバーバラに振り返って聞く。
「はいきゅ。日に日にリーゼお嬢様は成長なされて……ビオーナ様に生き写しですきゅ。ビオーナ様の最期とリーゼお嬢様が重なって見えるから怖いのですきゅ」
下を見詰めながら、バーバラはリオンに答えた。
「……だが、あの子は一度言い出したら止まらないのもビオーナにそっくりだ。だから頼みたい、もしあの子が冒険者になると言って飛び出したらその時は……君達に守って欲しい」
「承知いたしましたきゅ」
カタンッ
リオンに言われ、バーバラが返事をすると天井から音がする。




