現0ランクと闇に暗躍する者
「無理はするなと言われても、無理しないと駄目だからね。アスラン、聞いていたね?」
何もない調度品を見詰め、エマネットが言うと空間の中から一人の青年が現れた。
長い黒髪を一つに結わえ、軍服の上にローブを羽織った青年。
アスラン・マジックナイト。
チビエマ王国魔術師団団長。
「もちろん、まあビオレンス様も気付いていただろうけどね」
アスランは苦笑いして頷いた。
「それにシュバルツ、君も殺気漏れていたからね」
「申し訳ありません、侵入者かと思ったのでつい……」
エマネットが後ろに振り返って言うと、後ろから影のように青年が現れて謝る。
灰色の髪で短髪、中性的な顔立ちの黒い軍服を着た青年。
シュバルツ・シャドウナイト。
チビエマ王国諜報部隊隊長。
「僕を思っての事だから良いよ。現0ランクはアスランとシュバルツ、そして僕だけだからね。早急に何とかしないとまずい。シュバルツ、まずはチビエマ魔王に書簡を書くからお願いね」
「御意」
エマネットに命じられシュバルツは返事をする。
一方、チビエマ王都郊外では……。
「やられましたね。0ランクに成り立てでは0ランクにとって赤子同然でしたか」
仮面の男は苦笑いすると、公園のベンチに座る。
「今度はもう少し捻りましょうか、なあにデコタラ王国の人間はいくらでも居ますからね。王太子に虐げられているシュトリン何かは使えそうです。……ふふふ、上手く扱いましょう」
仮面の男は笑みを浮かべると、闇の中に消え去った。




