冒険者大反対!!
「来月の誕生日には、十五歳になるきゅ。今のうちに冒険者になった後の服とかもチェックするのは大事きょ」
髪を一つに纏めたチビエマの少女は、キャミソールにミニスカート、ブーツを履いてクルリンと回って見せる。
リーゼ・ポッマ・エリシェンド(14)。
王家の血を引くエリシェンド伯爵家の令嬢で元気一杯。
「リーゼ様はエリシェンド伯爵家を継がれる大事な身です。旦那様も御許しになられませんきゅ」
反対するのは、リーゼの侍女を務めるバーバラ・エマッチョ(23)。
「パパが許さなくても、私は決めてるきゅ!!」
頬を膨らませたリーゼはそっぽを向いた。
「それに……冒険者は装備も整えなくちゃいけないです。お嬢様の福は薄過ぎます。きちんとととのえなくちゃなりませんよ」
「むっ!!流石は元冒険者なだけあるきゅ」
バーバラに言われ、リーゼは目をキラキラ輝かせる。
「ですが、バーバラはリーゼお嬢様が冒険者になるのは反対きゅ。冒険者は命懸けなのですきょ。お嬢様の考えは甘い羊羮よりも甘すぎますきゃ」
「むよ!?羊羮よりも甘いとは酷いきゅ!!毎日身体を鍛えているし、魔法の練習もしているきゅよ!?」
バーバラに言われて、思わずリーゼは反論する。
「学園に入学する前までにチビエマ貴族は皆、そのくらい出来て当たり前きゅ。リーゼお嬢様は冒険者になるよりも、きちんと学園に入学して学ぶべきですきゅ」
バーバラは溜め息をついてリーゼに言うと、呆れた顔をした。




