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プロローグ

「むかしむかし、人間が作った人工太陽のせいでチビエマ達が苦しんでいました」


おばあさまの絵本の読み聞かせに、私は目を輝かせる。


「チビエマ魔王と仲良しになり、他のチビエマ族と仲良しになった勇者国王エリュル国王は考えました」


私はエリュル国王が大好き。


「エリュル国王は、ある決心をして王城を抜け出します」


此処からが大事な場面。ゴクリと生唾を飲み込んだ。


「エリュル国王は旅をして、ついに人工太陽の元へ辿り着きました」


そう、エリュル国王は自分で動いたの。


「此処に来る時のチビエマの辛さを、エリュル国王は思い出しました。民の命を守るのが国王である自分の役目。エリュル国王は、気合いと共に自分の魔力を人工太陽に向かって放出しました」


そうなのよ、エリュル国王は自分で考えて行動を移されたの。


「人工太陽は破壊され、エリュル国王は満足すると力を使い果たして亡くなられたの。初代国王エリュル様は自分の命と引き換えに国民のチビエマ達を助けたのよ。それが今のチビエマ王国で今でも長く平和が続いているのです」


おばあさまは笑みを浮かべると、絵本を閉じた。


「私もチビエマとして、エリュル様みたいな勇者になりたい!!」


「ふふ、まずは大きくならないとね」


私はおばあさまに寝かし付けられて眠りに落ちた。


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