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第29話『蒼核覚醒』

【プロローグ】『蒼と影の境界で』


――まばゆい蒼光が、闇の世界を裂いた。


ユウト

「はぁっ……はぁっ……!」


拳と拳が衝突し、世界が震える。

蒼い火花と黒い雷が空間を埋め尽くす。

二人のユウトは、互いに一歩も引かずに殴り合った。


影ユウト

『悪くねぇ。

 ようやく本気で殴ってきたな』


ユウト

「当たり前だ……!

 お前は俺だ。

 逃げたら終わりなんだよ!!」


影ユウトは鼻で笑う。


影ユウト

『お前は甘い。

 守るばっかりで、奪う覚悟がねぇ。

 それじゃ誰も救えねぇよ』


ユウト

「救ってみせる!!

 全部、だ!!!」


影ユウト

『なら――証明しろよ』


次の瞬間、影ユウトの体から

黒炎が噴き上がり、形を変えた。


ユウト

「……剣?」


闇そのものを凝縮したような黒い長剣が現れる。


影ユウト

『これは“絶望の形”。

 本当に勝つつもりなら――』


ズオッ!!


影ユウトが一瞬で間合いを詰め、

黒剣がユウトの胸元に迫る。


影ユウト

『俺の全てを超えてみせろ!!!』


ユウト

「――ッ!!」


反射的に手を伸ばした瞬間、

ユウトの手の中に蒼い光が集まり――


蒼光剣が生まれた。


ユウト

「……これは」


影ユウト

『“希望の形”だよ。

 お前がまだ捨てなかったもの』


ユウト

「だったら――決着をつける」


剣を構え、目を閉じ、深く息を吸う。


ユウト

「アリア……リオ……みんな。

 俺は戻る。

 必ず助ける。

 絶対に――諦めないッ!!」


影ユウト

『来い。

 俺を超えて、未来を切り開け――!!』


二人の剣が、世界を震わせる轟音と共にぶつかり合う。


光と闇が爆発し、視界が白く染まる――

――白光が弾け、世界が震えた。


ユウト

「ぐっ……ッ!!」


蒼光剣と黒剣が激突し、

衝撃で地面が大きく割れ、闇世界全体が軋む。


影ユウト

『どうした、もう限界か?

 理想だけ叫んで、現実から逃げる気かよ!』


影ユウトは強烈な踏み込みで間合いを詰める。

黒剣が鋭くユウトの喉元を狙う。


ユウト

「――ッ!!」


ギィィン!!!


ユウトはギリギリで蒼光剣を立て、受け止めた。


影ユウト

『優しさは弱さだ。

 守るものが多けりゃ、その分お前は鈍る』


ユウト

「違う!!」


蒼い光が爆発するように強まる。


ユウト

「守りたいものがあるから――俺は強くなれる!!」


影ユウト

『口先だけで勝てるほど甘くねぇ!!』


黒い魔力が暴風のように広がり、

影ユウトの姿が巨大な黒獅子へと変わる。


ユウト

「変身……だと!?」


黒獅子

『本能で殺しに来い!!

 さもなくば――ここで死ねぇえええッ!!』


巨体が跳躍し、巨大な黒爪が振り下ろされる。

ユウトは転がるように回避するが、

爪の余波だけで身体が吹き飛ばされる。


ユウト

「ぐぁあああッ!!」


地面に叩きつけられ、血を吐く。


黒獅子

『その程度の覚悟かよ、ユウト!!!』


ユウト

(くそ……身体が動かねぇ……

 俺はここまでなのか……?

 アリア……)


ユウトの意識が遠のきかけたその時――


――誰かの声が聞こえた。


アリアの声

『ユウト……お願い、戻ってきて……

 また一緒に笑うって、言ったじゃない……!』


胸の奥で、蒼く光る“核”が震えた。


ユウト

「……まだ、終われねぇよ」


拳を地面につき、立ち上がる。


ユウト

「俺は誰も失わねぇ。

 諦めないって決めたんだ……!!」


蒼核が強烈な光を放ち始め、

蒼い風がユウトの全身を包む。


黒獅子

『その光は――!?』


ユウト

「俺は――俺だ!!

 この世界に転生した、ただのスライムだ!!

 だけど――」


蒼光が天へ突き抜ける。


ユウト

「守るために戦う!!

 蒼核覚醒――《ブルーコア・オーバードライブ》!!」


蒼炎の翼が背から広がり、蒼光剣は巨大な刃へ変化した。


黒獅子

『来いよ、ユウト!!

 お前の覚悟、見せてみろ!!!』


ユウト

「ああ――終わらせるッ!!」


ユウトは一直線に駆け、

蒼光剣を振り下ろす。


黒獅子

『――ッ!!』


ドォォン!!!


世界が砕けるような音のあと、

黒い巨大な影は光の粒となって消えていく。


影ユウト(人型に戻る)

『……認めてやるよ。

 お前が“本物”だ』


ユウト

「……ありがとう。

 これで、戻れる」


影ユウト

『行け。

 お前の戦いは、これからだ』


影の世界が静かに崩れ始める。


影ユウト

『最後にひとつ、忠告しておく。

 ――“影王”は、まだ本気じゃねぇ』


ユウト

「……!」


影ユウト

『それから――アリアを信じろ。

 あいつは、泣きながら戦ってる』


世界が光に溶ける。

ユウトは目を閉じた。


ユウト

「待ってろ、アリア。

 今すぐ――迎えに行く」


光に包まれ、意識が戻っていく――


【エピローグ】『反撃の青光』


――耳に風の音が戻った。


ユウト

「……ここは……?」


目を開けると、そこは瓦礫と焦げ跡だらけの廃都。

影法師の本拠地近く――前線基地跡。


リオ

「ユウト!! 目が覚めたんだな!!」


駆け寄るリオの顔が涙で濡れている。


ユウト

「リオ……心配かけた。俺、帰ったよ」


リオ

「帰ってきた……!」

「ほんとに、お前……!」


リオは言葉にならない感情を抑えきれず、

ユウトをぎゅっと抱きしめる。


ユウト

「痛っ……骨折れてるかもしれん……」


リオ

「うるせぇ! どれだけ心配したと思ってんだよ!!」


ユウト

「ごめん。でも――間に合った」


ユウトが手を開くと、

蒼い核“ブルーコア”が脈打つように光る。


リオ

「それ……まさか覚醒したのか?」


ユウト

「ああ。

 影の中で、自分と戦って勝った。

 もう俺は、迷わない」


リオ

「……なら言わせろよ。

 “おかえり、相棒”」


ユウト

「ただいま、リオ」


二人が拳を軽く合わせた瞬間、

地面が震え、遠くから巨大な魔力の爆発音が響く。


ドォォォォン!!


リオ

「この魔力……間違いなくアリアだ」


ユウト

「アリアが……戦ってる」


リオ

「いや、違う。これは――暴走じゃない。

 “覚醒の前兆”だ」


ユウトの表情が引き締まる。


ユウト

「急ごう。時間がない」


リオ

「ああ。影王が動き出す前に、取り戻す」


ユウト

「必ず助ける。アリアも、世界も――全部」


蒼核が強く輝き、

ユウトの身体から蒼い光の翼が広がる。


リオ

「飛べるのか!?」


ユウト

「できる。今なら――どこまでも」


ユウトは空へ跳び、蒼い光の軌跡を描く。


ユウト

「待ってろ、アリア。

 俺が必ず――迎えに行く!!」


蒼い閃光が夜を裂く。


その瞬間、遥か離れた黒塔の頂で――


アリア(呟き)

「ユウト……来てくれるよね……?」


涙をこぼしながら、

アリアの瞳が静かに蒼く光り始めた。

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