第19話「蒼の解放━━アリア覚醒」
白い霧が渦を巻く。
丘は蒼光と白光の嵐の中にあった。
アリアは胸を押さえながら立ち上がる。
アリア「……来てる……
力が、流れ込んでくる……!」
スライム(俺)「無理するな! 覚醒は命がけだ!」
アリア「ううん……これは……怖くないの。
“帰ってきた”って感じなの……!」
白面兵器が咆哮し、地面を砕きながら突進してくる。
白面兵器「■■■ァァァアアァ!!」
カイ「避けろ!! 直撃したら終わりだ!」
アリアは一歩前へ出た。
スライム「アリア!? バカ! 下がれ!!」
アリア「……大丈夫。
だって――スライムが信じてくれたから」
その瞬間、アリアの足元に蒼い紋様が広がった。
蒼紋陣。
アリア
「《蒼印解放》――!!」
爆発的な蒼光が天へ伸び、空を割るように広がった。
白面兵器が思わず後退するほどの圧力。
スライム(俺)
(やっぱり……アリアは“蒼の器”の本来の持ち主だ……!
影法師の洗脳で封じられてただけ……!)
アリアの瞳が蒼く輝き、髪が光を帯びて風になびく。
アリア
「スライム……行こう」
スライム「ああ。
合わせろ!」
二人
「《蒼双断》!!!」
白面兵器の面部に直撃。
巨体が大きくのけぞり、白い仮面に亀裂が走る。
白面兵器「■■■……!」
しかし白面兵器は怒号を上げ、
体内の白光を最大までチャージし始めた。
カイ「やべぇ! 自爆級だぞアレ!!」
アリア「スライム、もう一度……リンクを」
スライム「お前……体力限界だろ!」
アリア「だとしても……
私、もう“逃げたくない”の……!」
震える手を、俺の核に触れさせる。
アリア「スライム……お願い。
一緒に……終わらせたいの!」
スライム「……クソ……わかったよ!」
二人の光が完全同調した瞬間――世界が一瞬静止した。
アリア & スライム
「《蒼極閃》!!」
蒼光が一直線に白面兵器を貫く。
対抗するように白光が衝突し――
世界が白く弾けた。
ズガアアアアアアアン!!!!!
爆煙。
衝撃波。
砂塵が丘を削り、雲を吹き飛ばす。
やがて、風が霧を払った。
そこには――膝をつく白面兵器。
仮面は割れ、中から無機質な白のコアが露出している。
白面兵器「……■■……」
アリア「……さようなら」
アリアがそっと手を伸ばし、
静かに蒼光を放つ。
白いコアは蒼に染まり、
風に溶けるように消滅した。
音もなく、白面兵器は崩れ落ちた。
カイ「終わった……のか?」
スライム(俺)「ああ……アリアのおかげだ」
アリアはふらりとよろめいた。
スライム「アリア!!」
アリア「だ、大丈夫……
ちょっと……力を使いすぎちゃっただけ……」
スライム「全部俺に任せろって言っただろ……
無茶しやがって……!」
アリアは弱々しく笑った。
アリア「……だって、守りたいんだもん……
スライムのこと……」
スライム「バ……! そんな直球……!」
カイ「あーあー見せつけてくれるねぇ。
だが、喜んでばかりじゃいられねぇな」
スライム「……影法師の本隊がまだ残ってる」
アリアは空を見上げた。
アリア「……どこかで……
誰かが私を呼んでる……」
スライム(あいつか……リオ……!)
アリアの覚醒が、運命を引き寄せ始めていた。
(第19話・終)
【エピローグ⑮】「白い檻の崩壊」
影法師本拠・内部。
警報が鳴り止まない。
研究員C「非常事態!
対象リオ、封印具を破壊し脱走!!」
研究員D「見つからないのか!? 施設内だぞ!」
研究員E「ダメです! どのセンサーも“白反応”が乱れて――!」
通路の奥。
白い少女が壁に手をついて息を切らしていた。
リオ。
白い髪は乱れ、額の仮面の片方が欠けている。
リオ(心の声)
(この施設……昔のまま……
全部覚えてる……
ここでアリアさんも――
苦しめられてたんだ……)
遠くで白面兵器の咆哮が聞こえた。
リオ(心の声)
(アリアさん……!
行かなきゃ……早く……!)
ドンッ!!!
背後の壁が爆ぜ、
白い兵士が姿を現した。
白兵「リオ、確保!」
リオは振り返り、震える声で呟いた。
リオ
「……もう、誰にも……
アリアさんを壊させない……!!」
蒼光が彼女の足元から噴き上がった。
兵士「魔力暴走!? 避け――」
光がすべてを飲み込む。
次の瞬間、兵士たちは倒れ、
リオはひとり通路を駆け抜けていた。
リオ
「アリアさん……待ってて……
今、向かってます……!」
その瞳は“蒼と白”。
アリアとスライムへ届く道を、
彼女自身が切り開こうとしていた。
――第19話・完――




